時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

自治体が偽装請負

2007年03月04日 | 格差社会
全労働者の3分の1が派遣などの非正規雇用と言われる中、地方自治体が違法な「偽装請負」を行っていたことが判明している。
京都の京丹後市では、転籍、再雇用した元非常勤職員などを給食調理や学校用務などに派遣する請負会社を設立し、派遣事業の認可が下りる以前から、職員の募集、採用を計画し、京都労働局から派遣法違反で指導を受けているにもかかわらず中止せず、再び指導を受けるなどの問題になっている。
出資者も、派遣先もすべて自治体という、派遣法が禁じている特定企業への派遣を目的とした違法行為である。
兵庫県篠山市でも、市が100%出資する請負会社をつくり、図書館や学校に勤務する非常勤職員として派遣していた。
請負の場合は、請負会社が直接、業務に関する命令を出さなければならないが、実態は市の職員が業務を命ずる偽装請負であることが判明しており、兵庫労働局も是正を指導する事態になっている。
非正規雇用が広がり、それによってワーキングプアといわれる貧困層が増加する中、本来、法律を遵守し、住民の生活や安全を守るべき自治体がこのような「偽装請負」を公然と行っていたことはとんでもないことである。
派遣される労働者は、請負会社に給料をピンはねされ、収入は確実に低下する。そして、請負会社には、自治体の幹部が役員などとして天下りし、甘い汁を吸う構造になっているのである。
小泉流の「構造改革」によって、「民間にできることは民間に」という安易な経費削減、民間委託が進められてきたが、結果、切り捨てられたのは職員の給与や住民への直接的なサービスであった。
いま、全国の企業に派遣や請負などの非正規雇用が広がる中、地方自治体は率先してこのような業態を排除し、雇用の安定化、住民サービスの向上のために努力すべきである。


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