時々新聞社

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厚労省:日雇い派遣は秘書や通訳など18業務に?

2008年09月13日 | 格差社会
労働者派遣法改正について労使が話し合う厚生労働相の諮問機関・労働政策審議会の部会が開かれ、日雇い派遣を例外的に認める業務を18業務とする厚労省案が示された。
この日の部会で示された厚労省案によると、日雇い派遣については、原則禁止した上で、「日雇い派遣が常態であり、かつ、労働者の保護に問題ない業務」を例外的に認めることとした。専門性が高いとの理由で派遣期間の制限がない26業務の中から、建築物の清掃や駐車場管理などのほか、アナウンサーやインテリアコーディネーターなど日雇い派遣がほとんどない業務を除いた18業務を政令でリスト化するとしている。
この日の部会では、経営側から「看護師や美容師といった国家資格を持った人を加えるなど、幅広く認めるべきだ」と例外業務の拡大を求める意見が出る一方、労働側からは「ぎりぎり許容できる範囲」と提案を受け入れる意見も出たという。
厚労省案で日雇い派遣を認めるとされた業務は以下のとおりである。
▽ソフトウェア開発▽機械設計▽事務用機器操作▽通訳・翻訳・速記▽秘書▽ファイリング▽調査▽財務処理▽取引文書作成▽デモンストレーション▽添乗▽案内・受付▽研究開発▽事業の実施体制の企画・立案▽書籍等の制作・編集▽広告デザイン▽OAインストラクション▽セールスエンジニアの営業・金融商品の営業
しかし、これらの業務を見ると、日雇い派遣がふさわしいと思われる業務は極めて少ない。
調査、財務処理ソフトウェアの開発、広告デザイン、研究開発、事業の実施体制の企画・立案、セールスエンジニアなどは、日雇いで一体どんな業務ができるというのだろう。これらは、いずれもじっくりと腰を落ち着けて行うべき業務ではなかろうか。
今日のような日雇い派遣の実態は、1999年の派遣法の「改正」以降に問題が表面化、顕在化してきたものである。
このような法「改正」の背景には、財界による安上がりな労働力の確保という政治的な圧力があり、与党のみならず、民主党や社民党までが「規制緩和の推進」とか、「多様な働き方に応えるもの」などと諸手を上げて賛成してきた結果によるものだ。
ならば、それ以前の姿に戻して仕切りなおしをするのが当然であり、バナナの叩き売りのように、この業務は残しておこうとか、とりあえず、この業務は除外しようとかいうような場当たり的な対応が好ましくないことは明白である。
それらの問題が明らかになった以上、1999年以前のスタートラインに立ち戻って再考すべきである。


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