日本の発展を支えてきた「日本人の勤勉さ」について、これからも続くと思う人は35%にとどまり、そうは思わない人が61%に上ることが、読売新聞社の調査でわかったという。
1984年の調査では、続くと思う人が59%、思わない人が33%だったが、この四半世紀で楽観論と悲観論の比率がほぼ逆転したそうだ。
この調査は「勤労観」をテーマとして面接方式で行ったという。
日本人の勤勉さについては1984~91年に5回調査し、続くと思う人が常に多数派だった。続くと思わない人の方が多くなったのは今回が初めてで、特に20歳代では66%にまで達したそうだ。
ただ、今回調査で「一生懸命に働くことは美徳だ」という考え方への賛否を聞いたところ、「そう思う」が71%を占め、「そうは思わない」の25%を大きく上回ったという。
定年まで同じ企業に勤めることができる「終身雇用制」を望ましいとする人は77%で、過去最高の88年と並んだ。年齢や勤続年数よりも、個人の能力や業績を重視し、賃金などに反映する「成果主義」については、「好ましい」の65%が、「好ましくない」の30%より多かった。
派遣社員やパートなど非正社員が、雇用者の3分の1を占める現状については、「働く人の立場が不安定になった」という印象を持つ人が82%、「多様な働き方ができるようになった」が15%となったという。
まじめにコツコツ働くということを「美徳」と感じながらも、楽をしてカネを得ようという風潮の広がりの中で、それをばかばかしいと感じることもあるのではなかろうか。
先日もライブドアの堀江被告に2審の判決が下ったが、こういう社会的な風潮の中で、若い人たちの中にはなおさら「マネーゲーム」にのめり込む人が増えているのかもしれない。
能力主義、成果主義賃金への不満が強いことも、今回の調査の特徴だ。雇用破壊が進み、非正規雇用者が増える中で、終身雇用の良さを再認識する良い機会ではないだろうか。
終身雇用制が当たり前だった時代でも、給料は、確かに年齢や勤続年数を基本にしていたかもしれないが、それに加えて、能力や職務、役職などに応じて総額が決まっていた。能力主義、成果主義賃金の導入は、結局は企業が賃金総額を切り詰めるための口実に使われただけである。
「多様な働き方の選択」などといって、いかにも自由に職業や働き方が選択できるかのような幻想を抱かせながら、正規雇用を非正規雇用に置き換えてきたのは、結局は大企業による策略に過ぎなかった。
多くの国民はそのことに気づき始め、不満を募らせている。その結果が今回の調査結果の特徴であろう。
1984年の調査では、続くと思う人が59%、思わない人が33%だったが、この四半世紀で楽観論と悲観論の比率がほぼ逆転したそうだ。
この調査は「勤労観」をテーマとして面接方式で行ったという。
日本人の勤勉さについては1984~91年に5回調査し、続くと思う人が常に多数派だった。続くと思わない人の方が多くなったのは今回が初めてで、特に20歳代では66%にまで達したそうだ。
ただ、今回調査で「一生懸命に働くことは美徳だ」という考え方への賛否を聞いたところ、「そう思う」が71%を占め、「そうは思わない」の25%を大きく上回ったという。
定年まで同じ企業に勤めることができる「終身雇用制」を望ましいとする人は77%で、過去最高の88年と並んだ。年齢や勤続年数よりも、個人の能力や業績を重視し、賃金などに反映する「成果主義」については、「好ましい」の65%が、「好ましくない」の30%より多かった。
派遣社員やパートなど非正社員が、雇用者の3分の1を占める現状については、「働く人の立場が不安定になった」という印象を持つ人が82%、「多様な働き方ができるようになった」が15%となったという。
まじめにコツコツ働くということを「美徳」と感じながらも、楽をしてカネを得ようという風潮の広がりの中で、それをばかばかしいと感じることもあるのではなかろうか。
先日もライブドアの堀江被告に2審の判決が下ったが、こういう社会的な風潮の中で、若い人たちの中にはなおさら「マネーゲーム」にのめり込む人が増えているのかもしれない。
能力主義、成果主義賃金への不満が強いことも、今回の調査の特徴だ。雇用破壊が進み、非正規雇用者が増える中で、終身雇用の良さを再認識する良い機会ではないだろうか。
終身雇用制が当たり前だった時代でも、給料は、確かに年齢や勤続年数を基本にしていたかもしれないが、それに加えて、能力や職務、役職などに応じて総額が決まっていた。能力主義、成果主義賃金の導入は、結局は企業が賃金総額を切り詰めるための口実に使われただけである。
「多様な働き方の選択」などといって、いかにも自由に職業や働き方が選択できるかのような幻想を抱かせながら、正規雇用を非正規雇用に置き換えてきたのは、結局は大企業による策略に過ぎなかった。
多くの国民はそのことに気づき始め、不満を募らせている。その結果が今回の調査結果の特徴であろう。