時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

また、通り魔事件

2008年07月25日 | 社会問題
八王子で、通り魔事件が起きた。
秋葉原での無差別殺人の記憶の生々しい時期に、大変残念なことである。
死傷者やご家族の方々には、心からお見舞いを申し上げたい。
ネットのニュースなどを見ると、「通り魔、製造業の派遣を転々」といった見出しもある。
今回の容疑者も、秋葉原の事件の容疑者と同様に、製造業で派遣社員をしていたようだ。
当たり前のことであるが、派遣社員だからといって、別に誰でもが通り魔事件を起こすわけではない。地元の名士あるいは議員と言われるような人でも「口利き」をして賄賂をもらうような不届きな人物もいる社会だから、別に驚くべきことではない。
罪を犯すのは、その社会的な地位や職業、年齢、性別などには関係はない。
しかし、派遣社員といった不安定な雇用がこの容疑者の精神の安定に好ましくない影響を与え、毎日の生活はもちろんのこと、将来の夢さえも奪っているという現実には、きちんと目を向けなければならないだろう。
経済的な不安、人間関係の希薄さなど、派遣社員特有の困難や悩みがあることは容易に想像できる。
少なくとも、本人の意思に反して、心ならずも派遣社員として生活せざるを得ない人たちにとって、やはり、派遣社員という境遇が、犯罪の引き金になったことは否定できないと思われる。
今回の事件を通じて、現代社会における企業による「働かせ方」の問題についても、さまざまな議論が起きることを期待したい。