時々新聞社

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派遣強要したヤマダ電機に排除命令:16万人余がただ働き

2008年07月01日 | 社会問題
家電量販店最大手「ヤマダ電機」(本社・群馬)が取引上の優位な立場を利用して電機メーカーなど納入業者に対し、商品陳列などのために人材派遣を強要したことが独占禁止法違反(不公正な取引方法)にあたるとして、公正取引委員会は、違反行為の停止と再発防止を求める排除措置命令を同社に出した。1年半で延べ約16万6千人を派遣させる一方、人件費などの費用は全く負担しなかったという。
家電量販店に優越的地位の乱用を認定するのは初めてである。
調べでは、同社と子会社8社は2005年11月以降、店舗の新規開店や改装オープンの際に、テレビやパソコン、冷蔵庫といった家電を納入するメーカーなどに対し、1店舗あたり計300~600人の従業員派遣を要求し、自社ブランド以外の製品の陳列や商品説明をさせていたという。
このうち公取委が立ち入り検査をした昨年5月までの間を調べたところ、納入業者約250社から延べ約16万6千人を延べ361店に派遣させ「ただ働き」させていた。
立ち入り検査後、同社は5,000円の日当を支払うようにしたが、金額が少ないことなどから、公取委は違反行為が継続していると認定したという。
また、昨年11月ごろまでは、店頭展示品や返品されたパソコンやデジタルカメラを「展示処分品」として販売するため、商品の初期設定業務なども無償でさせていた。
公取委によると、納入業者は取引を止められるなどの不利益を被るおそれを感じ、派遣を拒否できなかったという。大手メーカーであっても年間売上高約1兆7千億円の同社に対しては弱い立場にあったと認定した。
ヤマダ電機は「業界のリーダーとして一層のコンプライアンス(法令順守)体制強化に努めたい」とコメントしているが、はたして、本当に反省しているのであろうか?
奴隷労働でさえ、粗末とはいえ、食事は提供されていただろう。
しかし、今回のケースは、丸々のタダ働きを強要していたことになる。同社の急成長を支えていたのは、他ならぬ「タダ働き」だったということである。
業績を伸ばしている企業には、何らかの画期的な技術開発やシステムの導入などがあるのが普通である。そういうものがないにもかかわらず、業績を伸ばしている企業には、必ず何らかの「ウラ」があると見なければならない。
たとえば、牛肉やウナギの偽装に手を染めた企業では、莫大な利益を手にしている。ライブドアやグッドウィルもそうである。普通に事業を行っていて、法外に儲かるわけがない。その「儲け」のウラには必ず何らかの不法、不正行為があると考えて間違いない。
景気の良い企業では、どのような利益が上がる仕組みを持っているのかを考えてみることが重要だ。独自の新しい技術、流通経路、販売経路などを有していないにもかかわらず儲かっている企業には、必ず「ウラ」が存在する。その「ウラ」に隠された不法や不正を見逃さない社会的な監視が必要であろう。
読者諸兄の回りの景気の良い会社にも、注意した方がよさそうである。