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●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ

2023年03月14日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


 (2023年02月27日[月])
原子力「規制」委員会で、5人中4人が核「推進」委員という訳だ。核発電所停止期間を控除 ――― この地震大国ニッポンで、「原則40年、最長60年」さえも無視して、実質的に60年以上運転したいと…。東京新聞のコラム《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》――― すごく控えめな表現だなぁ…。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていること責任をとってくれ」です。
     「あれだけの事故を起こして被害を出してだれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
      みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
    《40年間も運転し続ければ、脆性劣化と呼ばれる金属疲労が起きて危険性が
     増す、というのは2011年3月の福島第一原発事故の大爆発以前から、
     ずっと言われてきたことではなかったか。そのために、何度も
     過酷事故(シビアアクシデント)の瀬戸際まで行ったことがあった
     ではないか。
      美浜原発3号機(関西電力、福井県)では、2004年8月9日に
     配管破断という大事故を起こし、11名が被災、うち5名が死亡している。
     その美浜3号機がこの6月23日に再稼働したのだ。もう一度事故を
     起こさないと懲りないのか!

   『●核発電の《オープンな議論を通じて国民の幅広い理解を得ることが
     不可欠》? まずは福島を《原状回復》して見せてくれ、議論はそれから
   『●東電核発電人災の被害者が「私たちは生きている限り、原発の時代を
     背負ったということ」と強調、一方、政府や電力会社は核発電の継続と…

   『●核発電所停止期間を控除 ――― この地震大国ニッポンで、「原則40年、
     「原則40年、最長60年」さえも無視して、実質的に60年以上運転したいと…

 こういうのは、原子力「規制」委員会なんて呼べるのかね。核に蝟集する核「寄生」委員会。《決定の性急さを問われた山中伸介委員長は、記者会見で「(炉規法改正)法案のデッドライン(締め切り)があるので仕方ない」と釈明しましたが、原発推進のためには規制を緩めても仕方がない、とも聞こえます》。
 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/231834?rct=discussion)によると、《「原子力安全・保安院」が「原子力規制委員会」に置き換えられたのは、原発の推進と規制が同居するなれ合い体質が福島第一原発事故という過酷な災害を生んだという反省に基づいています推進と規制とを別の組織に切り離すことが目的でした。原発事故を二度と起こしてはならない。少しでも安全性に不安があれば運転してはならない、というのが事故の教訓のはずです。しかし規制委は原子炉等規制法(炉規法)が「原則四十年最長六十年」と定める原発運転期間を巡り、再稼働の審査などで停止した期間を運転年数から除外して六十年超の運転を容認する新たな規制制度を決めました》。

 東電核発電人災から12年も経ってしまったのに《原状回復》することも無く、《原発回帰》へと暴走し、《原発復権》。3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/231834?rct=discussion

<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか
2023年2月18日 06時52分

 「原子力安全・保安院」が「原子力規制委員会」に置き換えられたのは、原発の推進と規制が同居するなれ合い体質が福島第一原発事故という過酷な災害を生んだという反省に基づいています推進と規制とを別の組織に切り離すことが目的でした。

 原発事故を二度と起こしてはならない。少しでも安全性に不安があれば運転してはならない、というのが事故の教訓のはずです。

 しかし規制委は原子炉等規制法(炉規法)が「原則四十年最長六十年」と定める原発運転期間を巡り、再稼働の審査などで停止した期間を運転年数から除外して六十年超の運転を容認する新たな規制制度を決めました=写真。

 地質の専門家である石渡明委員の反対意見を切り捨てる異例の多数決でした。

 決定の性急さを問われた山中伸介委員長は、記者会見で「(炉規法改正)法案のデッドライン(締め切り)があるので仕方ない」と釈明しましたが、原発推進のためには規制を緩めても仕方がない、とも聞こえます。

 国民が規制委に期待する独立性はどこに行ってしまったのか過酷な事故を防げなかった、かつての組織に先祖返りするのでしょうか。岸田文雄政権の原発推進政策に寄り添う性急な決定には、怒りすら感じます

 東京新聞は、十六日の社説「原発60年超容認 規制委の独立性を疑う」で「原発復権を急ぐ政府と歩調を合わせる規制委は、もはや独立した規制機関とは言い難い」と厳しく指摘しました。

 本紙には読者から「問題が多く審査に時間がかかった原発ほど長く使えるのはおかしい」「山中委員長は原発事故から何を学んだのか」などの声が届いています。私たち論説室も思いは同じです。

 今年も三月十一日を迎えます。東日本大震災と原発事故から十二年がたちますが、何年がたとうとも、東京新聞は「3・11」を忘れません

 そして震災や事故の教訓を蔑(ないがし)ろにするような動きには、徹底して抗(あらが)い、糾(ただ)していきたいと考えています。 (と)
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●《老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は…大惨事の教訓を根底から覆し…福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ》

2023年01月15日 00時00分03秒 | Weblog

(2023年01月03日[火])
アルプス処理水」なる〝汚染水〟の海洋放出についての経産省の宣伝がやたらとテレビで流れていて、呆れる。その海洋放出をどこの国でもうやっている的な、〝世界標準〟的な…、どこの国でやってんのか、是非、教えてほしい。「1/4」の自公お維支持者や「2/4」の選挙に行かない自公の間接支持者を洗脳しないでほしい。軍事費倍増、核発電所強制、汚染水海洋放出…キシダメ政権のやりたい放題は許されない。海洋放出の前に、福島をさっさと《原状回復》して見せて下さい。全ての《生業なりわい)》を返して見せて下さい。

   『●核発電所停止期間を控除 ――― この地震大国ニッポンで、「原則
     40年、最長60年」さえも無視して、実質的に60年以上運転したいと…
   『●核発電復権? 核発電所停止期間を控除? 「狂ったゴジラ」「老朽原発」
        「寿命核発電所」を再稼働したい? 福島の「原状回復」はいつ?

 まずは、福島を《原状回復》して見せてくれ、議論はそれから…全ての核発電所の廃炉作業を始めるべきだったのに、12年近くが過ぎてしまった。
 長周新聞の記事【世界に類のない原発運転70年 地震列島で実行する無謀さ 岸田政府が運転期間延長に舵】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/25306)によると、《老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は、福島原発事故がもたらした大惨事の教訓を根底から覆し、またウクライナ戦争における原発がミサイル攻撃の標的になるという教訓も考慮せず福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ》。

   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》
   『●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で
     原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》
   『●《史上最大の公害事件》核発電人災について《東電の旧経営陣に対し、
     東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟…13兆円の賠償命令
   『●キシダメ首相は《原発の運転期間の延長に加え》《新増設や建て替えの
      検討を明言したのは初めて》――― 命名・次世代革新炉「キシダメ」
   『●《「電力が足りないから原発だ!」というのがいかに愚かなことか。
     『原発をとめた裁判長』を見れば誰でもわかる。是非ご覧いただきたい》
   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!

 ミサイル攻撃の《標的》に加えて、この記事で指摘されている重要なことの一つは《使用済み核燃料》のこと。《使用済み核燃料プール》が攻撃を受けた際の被害のみならず、《あと何年で満杯になるのか》? それに、核燃料サイクルという「環」は閉じたのか? 「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」。《原発の再稼働や新増設を進めた場合、運転すればかならず発生する使用済み核燃料の行き場をどうするのか、またその防護をどうするのか》?

   『●使用済み核燃料プールが満杯になったらどうするの??
   『●リラッキングとオンカロ
   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
    《敷地内の使用済み核燃料プールはあと何年で満杯になるのか。現在
     発電中の原発は3基。そのうち高浜4号機・大飯(おおい)4号機と、
     発電中の原発2基を抱える関西電力は、このまま発電を続けると
     高浜原発はあと「6年程度」、大飯原発はあと「8年程度」で満杯になる
     と回答。対策については、こう答えた。
     「六ケ所再処理工場が順調に稼働することにより、
     使用済み燃料ピット(竪穴)の満杯は回避できるものと考えています」》

   『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

   『●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、一方、
      「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/25306

世界に類のない原発運転70年 地震列島で実行する無謀さ 岸田政府が運転期間延長に舵
社会2022年12月21日

 福島第一原発事故による世界にも例を見ない甚大な犠牲を経て、日本政府は「原発への依存度をできるかぎり低減する」とのエネルギー政策をとってきた。しかし、岸田首相は8月にそれを覆し、原発最大限活用の方針を示した。経済産業省は8日、次世代型原子炉への建て替えや、「原則40年最長60年」と定められている運転期間の延長を盛り込んだ「行動指針」を明らかにした。日本列島にはおもに1970年代以降に54基の原発が建設されてきた。狭い国土にこれほどの原発が密集して林立している国は日本だけだ。この厳然たる現実は、日本が原発をめぐって指摘されているさまざまな危険性に真剣に向き合うことを要求している。老朽原発の運転は事故の危険性を高めるだけだ。2011年の東日本大震災時の福島原発事故は「原発の安全神話」を吹き飛ばした。日本は世界でも有数の地震・火山列島であり、近年地震や火山活動が活発化する時期に入っている。さらに今年に入ってからのロシアのウクライナ侵攻で、原発が武力攻撃の標的になることが突きつけられた。日本の原発もまた有事のさいにはミサイル攻撃の格好の標的にされることは明らかだ。

 日本では、54基の原発を40年近く運転してきたことによって膨大な量の使用済み核燃料が溜まっているが、処理方法は決まっていない。これ以上原発を増やし、老朽原発の運転を続けることは福島原発事故の再来を近づけ、ミサイル攻撃の標的とされ原爆投下と同様の惨事をもたらすもので、日本を滅亡の淵に立たせる亡国政治以外のなにものでもない

 最新の原発関連のトラブルは、9日の関西電力高浜原発1、2号機の海水処理施設での火災だ。冷却用に海からとり入れる水の一部を処理するための施設で、関電は原因はわかっていないとしている。1、2号機とも運転開始から50年近くを経過した老朽原発であり、想定外のトラブルである可能性も高い。

 経産省の行動指針は、福島原発事故を経て2012年に法律で定めた「(原発の運転期間)原則40年、最長60年」とするルールをなし崩し、運転の停止期間+60年とし、最大では運転開始から70年の老朽原発の運転も可能になる。

 世界的に見ると、60年以上運転した原発はなく、経産省の行動指針の異常さが際立っている。国際原子力機関(IAEA)の調べでは、すでに廃炉になった原発を含めても、運転期間が世界最長なのは、インドのタラプール原発1、2号機の53年1ヶ月だ。同原発から約1カ月遅れてアメリカのナインポイント1号機とスイスのベツナウ1号機が運転を開始しており、ともに運転期間は53年だ。

 また、IAEAによると2021年12月末までに世界で廃止予定の原発は199基あるが、平均寿命は29年だ。

 たとえばアメリカは運転期間を40年と規定し、規制当局の審査をクリアすれば20年間の延長が可能で、延長回数に制限はない。80年運転を認められた原発も6基ある。ただ多くの原発は設計時に耐用年数を40年間と想定してつくられており、老朽化が進むと維持コストも高くなり、事業者が長期運転よりも廃炉を選択するケースが多い。

 そもそも原発の設計は耐用年数を30~40年と想定している。設計段階で想定した原発の寿命を設計寿命としているが、当初原発の寿命は30年とされていた。30年はもつようにという計算による設計だ。

 それを日本政府はずるずると延長してきていた。事故を起こした福島第一原発1号機は1971年3月に営業運転を開始しており、事故当時は運転開始から41年を経過した老朽原発だった。当初運転期間は30年を目安としており、本来なら廃炉に向け運転が停止されているべき原発だった

 政府は1999年に福島第一原発1号機など、1970年前後に運転を開始した3基の寿命延長計画を認め、2005年には原発の運転を60年間とすることを想定した対策をまとめ、その後運転開始から40年を迎える原発を認めるなど老朽原発を積極的に酷使する方針をとってきた。

 老朽原発の運転は危険性が高まる。原発の機器は運転中、高温高圧、高い放射線という過酷な状況に置かれ、振動などによる金属疲労、温度がくり返し激しく変化することで起きる熱疲労、加えて冷却水や蒸気による侵食・腐食が発生する。

 さらに原発特有の問題として、放射線の問題がある。原子炉では運転中に発生する高エネルギーの中性子を受けて、鋼鉄の「粘り気」が弱くなる脆性劣化が起きる。原子炉圧力容器の鋼鉄も長時間の運転にともなって、粘り強さが減少し、もろく亀裂が入りやすくなる


老朽原発で事故が多発 専門家も危険性指摘

     (電源喪失で炉心溶融を起こした福島第1原発(2011年3月))

 老朽原発の事故は多発している。1999年には福島第一原発1号機で、原子炉内にある非常用炉心冷却系の配管にひびが入っていることが見つかっている。

 2004年には美浜原発三号機蒸気噴出事故が起こり、5人が死亡し6人が重傷を負った。当時同3号機の運転年数は30年に満たなかったが、点検リストから漏れて一度も確かめられなかった配管が経年劣化で薄くなって破れ、熱水と蒸気が噴出した。原発の部品数は約1000万点にのぼるとされ、見落としのリスクはつきまとい、老朽原発ほど配管などの劣化は激しい。

 また、東京電力柏崎刈羽原発では、福島事故後停止した7号機(運転開始から25年)のタービン建屋の配管が11年間点検されず、腐食で穴があいていたことが今年10月に明らかになった。

 このほかにも老朽化による問題は多発している。加圧水型原子炉では、格納容器を開口して蒸気発生器を丸ごととりかえる工事をよぎなくされる原発が続出した。沸騰水型では水流仕切り版(シュラウド)にひび割れが発生し、多くの原発でとり換えがおこなわれた。

 これらの補修工事はいずれも建設当初には想定されていなかった。しかも交換は非常に強い放射線のもとでおこなわれる作業で、労働者の被曝の危険性も高い。

 専門家は、原子炉の劣化状況を調べることは技術的に難しく、長期運転で劣化が進むと、点検漏れしたときのリスクが増し、重大な事故につながると指摘している。また、老朽原発の原子炉は技術的にも古く、耐震性の科学的評価も最新の知見にもとづくものではなく、事故のリスクが高いとしている。

 「あらゆる重大事故の多くは欠陥の見落としが原因だ。点検をしていても電気系統や制御装置はいつ劣化して故障するか予見できない。設計寿命はきわめて大事だ」と設計寿命をこえた運転の危険性を指摘する専門家もいる。

 原発の運転期間の延長は科学的な根拠にもとづくものではなく、廃炉には費用がかかるなど電力会社の利益追求の都合によるものであり、岸田政府が世界にも例のない70年もの運転を認める方針を出したことは福島事故をふたたび引き寄せかねないものだ


溜まる使用済み核燃料 10万年の保管可能か

 おもに70年代以降、54基の原発を建設・運転し続けてきた結果、日本列島には使用済み核燃料が溜まりに溜まっている。使用済み核燃料とはいっても高い放射線を放ち、保管・処理方法を間違えば重大事故を引き起こす。また、ウクライナの原発では使用済み核燃料の保管施設が砲撃されており、IAEAも使用済み核燃料の防護強化をうち出している。

 原発では、ウラン鉱石を原料にした燃料集合体を使用する。原子炉の中で4~5年使用したのち、新しい燃料集合体と交換する。使用後に残った「使用済み核燃料」は高い放射能をおび、人が近づけば数十秒で死亡するほど危険なものだ。使用済み核燃料の放射能が、もとのウラン鉱石と同じレベルに下がるまでにかかる時間は10万年で、その期間は安全に保管する必要がある。現在最適だとされている方法は「地層処分」で、地下数百㍍の穴を掘り保管する計画だ。

 スウェーデンでは今年1月、政府が使用済み核燃料の最終処分場建設計画を承認した。スウェーデンでも1970年代から使用済み核燃料の処分についての研究をおこなってきた。今回承認した計画は、地表から深さ500㍍のところに500本のトンネルを掘り、6000個の銅製保存容器で1万2000㌧の使用済み核燃料を、放射能が減衰する10万年後まで保管するというものだ。

 なお、建設に約10年かかり、最終処分場が完成して使用済み核燃料の貯蔵が始まるのは70年後だ。日本の場合、地震列島での「地層処分」の危険性も指摘されている。10万年ものあいだ安全に保管できるという保証はない。

 福島原発事故前の2010年段階での日本の使用済み核燃料の累計は1万6330㌧。これは世界第3位の累積量だ。ちなみに当時世界合計は約25万㌧。原発が動き続けていれば毎年1000~1200㌧の使用済み核燃料が発生する。

 使用済み核燃料は、崩壊熱を発生させるので水を循環させて冷やし続けなければならず、原子炉建屋内の貯蔵プールで数年間冷やすが、福島原発事故前の2010年段階ですでに各原発の貯蔵プールは満杯状態になっていた。たとえば東京電力の福島第一原発はあと2年で満杯、同第二原発はあと1・9年、柏崎刈羽原発はあと3年、関西電力の美浜原発はあと6・4年、大飯原発はあと6・1年、高浜原発はあと5・7年といった具合だった。

 福島原発事故の後、ほとんどの原発は停止したが、かりに通常運転が続いていれば、ほとんどの原発は現段階で使用済み核燃料プールは満杯になっていた

 国の計画では各原発敷地内での使用済み核燃料の保管は一時的なもので、ゆくゆくは青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場に運ぶというものだったが、再処理工場の完成が26回も延期され、完成のめどがたっていないため、原子炉建屋内の貯蔵プールに溜まり続けている。現在日本国内で貯蔵されている使用済み核燃料は1万8000㌧という。

 これは国内の貯蔵容量約2万4000㌧の75%をすでに占めており、満杯になるのは時間の問題になっている。

 大量の使用済み核燃料が日本中の原発敷地内に保管されているということの危険性は高い。

 ウクライナ危機において、使用済み核燃料の保管施設が砲撃の対象となったことで原発防護強化が喫緊の課題となっている。原子炉は鋼鉄製で、格納容器に守られ、意図的な航空機の激突にも耐えられるなど外部からの攻撃に一定の頑強さを有しているが、使用済み核燃料の保管施設は多重防護の仕組みになっていない場合が多い。IAEAが今年9月サポリージャ原発に調査団を派遣し、国連に提出した報告書のなかで、使用済み核燃料の保管施設に砲撃痕があったことをとりあげ、大規模な放射性物質の放出に至るおそれがあると警鐘を鳴らした。

 日本では、行き場を失った使用済み核燃料が、防護体制がほぼない各原発のプールに溜まり続けている。使用済み核燃料は膨大な熱を出し続けるため、冷却保管する必要があるが、原子炉と比較して保管施設、とくに冷却のためのプールは外部攻撃に脆弱だ。使用済み核燃料が大気にむき出しになれば、高濃度の放射能が広範囲に放出される使用済み核燃料プールが標的になった場合、大惨事になることは必至だ

 使用済み核燃料プールの破損によって甚大な被害を被ることは福島第一原発事故でも経験している。福島第一原発4号機は地震発生時、定期点検中であったため原子炉には核燃料はなかったにもかかわらず水素爆発を起こした。貯蔵プールの冷却水が循環できなくなり、冷やせなくなったために、水が高温になって蒸発し、燃料が露出して水素が発生して爆発したのだ。爆発によって施設が倒壊し、大量の鉄筋やコンクリート片がプールに落下し、使用済み核燃料の状況を確認できなくなった。

 ちなみにアメリカ政府は、この事態に対しプールに穴が開いて水が抜けたため、使用済み核燃料がむき出しになり、外気にさらされた可能性があると判断し、福島原発から半径50マイル(約80㌔㍍)に住む米国人に避難勧告を出した。日本政府の避難指示範囲は原発から半径30㌔㍍で、これを上回る異例の措置だった。後日、プールの水が保たれていることが確認され大惨事は回避されたが、アメリカ政府が使用済み核燃料プールの機能喪失の深刻さを認識していたことは明らかだ

 ウクライナでの使用済み核燃料保管施設の砲撃を受けて、国際機関は各原発に使用済み核燃料が溜まり続ける日本に対し、その防護を強化するための対策を強く求めている。

 原発の再稼働や新増設を進めた場合、運転すればかならず発生する使用済み核燃料の行き場をどうするのか、またその防護をどうするのかという新たな問題が出てくるが、そうした問題の解決策もないまま岸田政府は原発最大限活用に舵を切った

 老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は、福島原発事故がもたらした大惨事の教訓を根底から覆し、またウクライナ戦争における原発がミサイル攻撃の標的になるという教訓も考慮せず福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ


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●核発電復権? 核発電所停止期間を控除? 「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」を再稼働したい? 福島の「原状回復」はいつ?

2023年01月14日 00時00分35秒 | Weblog

(2023年01月02日[月])
こんな簡単なことも理解できない裁判長…《生き物にも機械にも「不老不死」はあり得ない》、ましてや地震大国ニッポンで。
 樋口英明さんは、以前から、《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》と。まともな裁判官が、もっと増えないものか…。《老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない》。高度な工学的知識や科学的な知識は不要だ、だって、《原発の耐震性は一般住宅よりもはるかに脆弱》《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから。《住民や電力会社、弁護士や裁判官までもが「難しいに違いない」と“魔法にかかってしまう》必要などない。
 《毎年のように頻発する、やや強めの地震に襲われても危険ということです。原子炉は強い地震に耐えられても、原子炉に繋がっている配管や配電の耐震性は低い上に耐震補強も難しい。断水しても停電しても原発は大事故につながる。それが福島の教訓です》…何の教訓も得ていません。そのためには、最後に、樋口英明さんは《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》と仰っています。
 (樋口英明さん)《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》。

   『●核発電所停止期間を控除 ――― この地震大国ニッポンで、「原則
     40年、最長60年」さえも無視して、実質的に60年以上運転したいと…

 東京新聞の【<社説>老朽原発の追認 不老不死はあり得ない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/221218?rct=editorial)によると、《老朽化による危険があるとして、全国で唯一、四十年を超えて稼働する関西電力 美浜原発3号機(福井県美浜町)の運転差し止めを求めた地元住民の訴えを、大阪地裁は退けた。「原発復権」を加速する政府の方針を追認するような判断だ》。
 ギロチン破断事故 (蒸気噴出事故) の美浜原発3号機を稼働って、正気なのかね、関電や原子力〝寄生〟委員会、経産省、自公政権やお維。そして、司法。

   『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖:
      40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長
   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
    《11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の
     蒸気噴出事故から丸8年となった9日、同原発で追悼式典が開かれ、
     八木誠社長が慰霊碑の前で「事故の反省と教訓を風化させることなく、
     安全の実績を積み重ねるべく全力を尽くす」と再発防止を誓った》

   『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
               もし敗訴していたら大変なことに……
    《「判決を聞いて5人の仲間のことを思った」 
     原告の一人で元原発作業員の山本雅彦さん…=福井県敦賀市=は
     判決後の記者会見でそう話し、04年にあった美浜原発3号機の
     蒸気噴出事故で亡くなった5人の作業員を悼んだ》

   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?  
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                    …どんどん壊れ行くニッポン
   『●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や
     竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?
   『●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所
       の稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走

 そして、核発電人災を起こした東電。はぁぁ…正気なんだろうか? まず、福島を「原状回復」して見せてよ。全ての《生業なりわい)》を返して見せてくれよ。出来ないのならば、即時、全炉で廃炉作業に入るべきだ。この11年間、何やってたの?
 小野沢健太増井のぞみ両記者による、東京新聞の記事【原発賠償基準を9年ぶり見直し 東京電力の不誠実な姿勢に「警告」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/221175)によると、《◆東電社長、それでも「柏崎刈羽原発の再稼働目指す」 指針改定が決まった20日、経済産業省は東電の小早川智明社長を呼び出し、迅速な賠償を求めた。「福島への責任を果たす」と、沈痛な表情の小早川氏。報道陣の取材で、政府の原発活用策への対応を問われ「柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を目指したい」と答えた。果たしてこれが被災者に寄り添う姿勢なのか、疑問は尽きない。(小野沢健太増井のぞみ)》。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれ」です。
     「あれだけの事故を起こして被害を出してだれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
      みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
    《40年間も運転し続ければ、脆性劣化と呼ばれる金属疲労が起きて危険性が
     増す、というのは2011年3月の福島第一原発事故の大爆発以前から、
     ずっと言われてきたことではなかったか。そのために、何度も
     過酷事故(シビアアクシデント)の瀬戸際まで行ったことがあった
     ではないか。
      美浜原発3号機(関西電力、福井県)では、2004年8月9日に
     配管破断という大事故を起こし、11名が被災、うち5名が死亡している。
     その美浜3号機がこの6月23日に再稼働したのだ。もう一度事故を
     起こさないと懲りないのか!

   『●核発電の《オープンな議論を通じて国民の幅広い理解を得ることが
     不可欠》? まずは福島を《原状回復》して見せてくれ、議論はそれから
   『●東電核発電人災の被害者が「私たちは生きている限り、原発の時代を
     背負ったということ」と強調、一方、政府や電力会社は核発電の継続と…


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/221218?rct=editorial

<社説>老朽原発の追認 不老不死はあり得ない
2022年12月21日 07時00分

 老朽化による危険があるとして、全国で唯一、四十年を超えて稼働する関西電力 美浜原発3号機(福井県美浜町)の運転差し止めを求めた地元住民の訴えを、大阪地裁は退けた。「原発復権」を加速する政府の方針を追認するような判断だ。

 美浜原発3号機は、一九七六年十二月に運転開始。福島第一原発事故後の停止期間を経て、二〇一六年十一月、原子力規制委員会に運転延長を認められ、二一年六月に再稼働した。

 裁判では、四十年超の長期運転による原発設備への影響が争点になった。

 原告住民は、炉内で発生する中性子の照射によって原子炉圧力容器がもろくなるなど設備の劣化が進み、「事故の恐れが飛躍的に高まる」と訴えた。

 これに対して関電側は、劣化状況を適切に把握し、改修を施した上で、3・11後の新規制基準に「適合」とされており「高経年化に問題はない」と主張した。

 大阪地裁は「関電による経年劣化対策に不合理な点はなく、耐震性にも問題はない」と、関電側の主張をそのまま受け入れた。

 ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機と脱炭素の要求を背景に、政府は原発復権に大きくかじを切った

 3・11の教訓を踏まえて定めた「原則四十年最長六十年」の運転期限を撤廃し、三十年目から十年以内ごとの審査に通れば、無期限に運転が可能になるような仕組みづくりを進めている。政府の方針にお墨付きを与えたような大阪地裁の判断は疑問である。

 そもそも原発の“健康管理”には限界がある。原子炉の本体である圧力容器の交換は不可能だ

 配管延長は数十キロにも及び、部品数は一千万点に上るという。点検漏れのリスクも付きまとう。

 美浜原発3号機でも〇四年、長年点検リストから漏れていた配管が劣化して破れ、噴き出した熱水と蒸気を浴びた作業員五人が死亡する惨事が起きている。

 「六十年超」の原発は、現在世界にない。規制手法にも前例がなく、「老朽化」を高経年化と言い換えて延命を図るのは、危険である。

 生き物にも機械にも不老不死はあり得ない。そんな基本に立ち返り、原発の運転期限を維持しつつ、依存を弱めていくべきだ。
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●核発電所停止期間を控除 ――― この地震大国ニッポンで、「原則40年、最長60年」さえも無視して、実質的に60年以上運転したいと…

2022年12月29日 00時00分14秒 | Weblog

[※↑ 双葉町での聖火リレーに際しての大沼勇治さん(報道特集 2021年03月27日[土])]


(2022年12月14日[水])
まずは福島を《原状回復》して見せてくれ、全ての《生業なりわい》を返して見せてくれ、議論はそれからだ。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれ」です。
     「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
      みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
    《40年間も運転し続ければ、脆性劣化と呼ばれる金属疲労が起きて危険性が
     増す、というのは2011年3月の福島第一原発事故の大爆発以前から、
     ずっと言われてきたことではなかったか。そのために、何度も
     過酷事故(シビアアクシデント)の瀬戸際まで行ったことがあった
     ではないか。
      美浜原発3号機(関西電力、福井県)では、2004年8月9日に
     配管破断という大事故を起こし、11名が被災、うち5名が死亡している。
     その美浜3号機がこの6月23日に再稼働したのだ。もう一度事故を
     起こさないと懲りないのか!

   『●核発電の《オープンな議論を通じて国民の幅広い理解を得ることが
     不可欠》? まずは福島を《原状回復》して見せてくれ、議論はそれから
   『●東電核発電人災の被害者が「私たちは生きている限り、原発の時代を
     背負ったということ」と強調、一方、政府や電力会社は核発電の継続と…

 日刊ゲンダイの記事【世界の原発の“平均寿命”は29年…日本政府がもくろむ「運転期間60年超」は世界の非常識】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/315564)によると、《政府が年内の取りまとめを目指す原発の運転期間について、なし崩しで延長に踏み切ろうとしている。政府は現行の運転期間「原則40年最長60年」を堅持する方針だが、再稼働に必要な審査などで停止した期間を追加実質的に60年超の運転期間をもくろんでいる》。
 この地震大国ニッポンで正気なのかね? さっさと廃炉作業に入ることも無く、核発電所が今も稼働中であることだけでも、また、再稼働したいということだけでも神経を疑うのに、《実質的に60年超の運転期間をもくろんでいる》ってどんな神経なのか?

 樋口英明さんは、以前から、《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》と。まともな裁判官が、もっと増えないものか…。《老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない》。高度な工学的知識や科学的な知識は不要だ、だって、《原発の耐震性は一般住宅よりもはるかに脆弱》《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから。《住民や電力会社、弁護士や裁判官までもが「難しいに違いない」と“魔法にかかってしまう》必要などない。
 《毎年のように頻発する、やや強めの地震に襲われても危険ということです。原子炉は強い地震に耐えられても、原子炉に繋がっている配管や配電の耐震性は低い上に耐震補強も難しい。断水しても停電しても原発は大事故につながる。それが福島の教訓です》…何の教訓も得ていません。そのためには、最後に、樋口英明さんは《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》と仰っています。
 (樋口英明さん)《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》。

   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》
   『●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で
     原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》
   『●《史上最大の公害事件》核発電人災について《東電の旧経営陣に対し、
     東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟…13兆円の賠償命令
   『●キシダメ首相は《原発の運転期間の延長に加え》《新増設や建て替えの
      検討を明言したのは初めて》――― 命名・次世代革新炉「キシダメ」
   『●《「電力が足りないから原発だ!」というのがいかに愚かなことか。
     『原発をとめた裁判長』を見れば誰でもわかる。是非ご覧いただきたい》
   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
      承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!

 増井のぞみ記者による、東京新聞の記事【運転60年超の原発、世界で実例なし 設計時の耐用年数は40年 配管破れ、腐食で穴...トラブル続発】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/218838)によると、《8日の経済産業省の有識者会議で議論を終えた原発活用の行動指針案は、運転期間の制限は維持した上で「最長60年」との現行規定を超える運転を可能にし、将来的な上限撤廃も視野に入れる。しかし、原発が60年を超えて運転した実例は、世界中に一つもない。国内では設備劣化によるトラブルが相次ぎ、原子力規制委員会も「未到の領域」の規制に手間取っている。(増井のぞみ)》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/315564

世界の原発の“平均寿命”は29年…日本政府がもくろむ「運転期間60年超」は世界の非常識
公開日:2022/12/07 13:40 更新日:2022/12/07 13:40

     (「停止期間+60年」は異常…(廃炉作業が続く福島原発)
      /(C)共同通信社)

 政府が年内の取りまとめを目指す原発の運転期間について、なし崩しで延長に踏み切ろうとしている。政府は現行の運転期間「原則40年最長60年」を堅持する方針だが、再稼働に必要な審査などで停止した期間を追加実質的に60年超の運転期間をもくろんでいる。

 6日の参院環境委員会で、立憲民主党の辻元清美議員が延長問題を追及。過去の環境相の国会答弁や福島第1原発の設置変更申請などを引き合いに出しながら、「(原子炉の)想定年数は40年」と指摘した。

 政府方針では最長60年に加え、停止期間が運転期間に上乗せされる原子力規制委員会は、運転期間から停止期間を除外できないとの立場を貫いているが、延長の可否については環境委でも、「利用政策側が判断されることと考えている」(山中委員長)と繰り返し強調。“高い独立性をうたっているはずなのに、運転期間をめぐっては政府に及び腰だ

 原子力利用に目を光らせるべき立場の規制委がこんな調子だから、原発政策の旗振り役である経産省は「さまざまな意見があり、審議会で科学的な見地で議論を進めている」(中谷副大臣)などとノラリクラリ。規制委の立場を「さまざまな意見」のひとつに過ぎないとみなしている。


■「技術者の視点」が抜け落ちた議論

 世界に目を向けると、「停止期間+60年」の運転期間は異様だ。IAEAによると、21年12月末までに世界で廃止予定の原発は199基。平均寿命は29年だ。現在稼働する原発の中でも最長は、1969年に運転を始めたスイスのベツナウ原発1号機の53年間である。

 元原子力プラント設計技術者の後藤政志氏(工学博士)はこう言う。

「運転期間延長の議論には、技術者の視点が抜け落ちています。現存の原発の設計寿命は30~40年。設計段階で想定した寿命があるにもかかわらず、『点検したら大丈夫』というのはあまりに乱暴です。特別点検を実施するにしても、見落としやエラーはつきものですし、あらゆる重大事故の多くは欠陥の見落としが原因です。点検をしていても電気系統や制御装置は、いつ劣化して故障するか予見できません。設計寿命は極めて大事なのです

 のど元過ぎれば何とやらである。原発事故の惨事を再び繰り返すつもりなのか
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/218838

運転60年超の原発、世界で実例なし 設計時の耐用年数は40年 配管破れ、腐食で穴...トラブル続発
2022年12月9日 06時00分

     (運転開始から53年がたったベズナウ原発
      =2012年、スイス北部で)

 8日の経済産業省の有識者会議で議論を終えた原発活用の行動指針案は、運転期間の制限は維持した上で「最長60年」との現行規定を超える運転を可能にし、将来的な上限撤廃も視野に入れる。しかし、原発が60年を超えて運転した実例は、世界中に一つもない。国内では設備劣化によるトラブルが相次ぎ、原子力規制委員会も「未到の領域」の規制に手間取っている。(増井のぞみ)

【関連記事】原発「60年超」の行動指針案を了承 経産省の有識者会議 将来的な「上限なし」にも道

 国際原子力機関(IAEA)によると、既に廃炉になった原発を含め、世界最長の運転期間はインドのタラプール原発1、2号機の53年1カ月間。同原発から約1カ月遅れで運転を始めた米国のナインマイルポイント1号機とスイスのベツナウ1号機が続く。4基とも現役だ

 米国も日本と同じく運転期間を40年と規定するが、規制当局の審査をクリアすれば20年間の延長が可能で、延長回数に制限はない。80年運転を認められた原発も6基ある。英国とフランスは運転期間に上限はなく、10年ごとの審査が義務付けられている。

 ただ、多くの原発は設計時、耐用年数を40年間と想定して造られた。老朽化が進むと維持管理コストも高くなり、事業者が長期運転よりも廃炉を選択するケースが多いとみられる

 国内では40年に満たない原発でも、劣化によるトラブルが起きている

 運転年数37年の関西電力高浜3、4号機(福井県)は2018年以降、原子炉につながる蒸気発生器内に長年の運転で鉄さびの薄片がたまり、配管に当たって傷つけるトラブルが相次ぐ。定期点検で6回も確認され、蒸気発生器を洗浄しても再発した。

     (高浜原発4号機の蒸気発生器内の配管(右下)に刺さった
      鉄さびの薄片(中央の三角形)=福井県で(関西電力提供))

 さらに深刻なのは、点検漏れだ。原発の部品数は約1000万点に上るとされ、見落としのリスクはつきまとう。04年には、運転年数が30年に満たない美浜3号機で、点検リストから漏れて一度も確かめられなかった配管が経年劣化で薄くなって破れ、熱水と蒸気が噴出して5人が死亡、6人が重傷を負った。

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)では、福島第一原発事故後まもなく停止した7号機タービン建屋の配管が11年間点検されず、腐食で穴が開いたことが今年10月に判明した。

 井野博満・東京大名誉教授(金属材料学)は「劣化状況を調べる超音波検査は、配管の陰では測定が難しい。長期運転で劣化が進むと、点検漏れした時のリスクが増し、重大な事故につながる」と警鐘を鳴らす。

 運転延長の可否を安全性の側面から審査する規制委は、60年超の原発をどのように規制するのかについて、具体策の検討を始められないでいる

 大きなハードルとなっているのは、原子炉が実際にどう劣化していくのか、データが不足していることだ。運転延長の審査で先行している米国とは、劣化具合のとらえ方が異なるという。山中伸介委員長は記者会見で「(60年超は)未知の領域。日本独自のルールをつくる必要がある」と、検討の難しさを認める。

 規制が不透明なまま、60年超を可能にする仕組みだけが先行していく。井野氏は強調する。「日本は地震が多く、人口密度も高い。外国とは状況が違う。原発の運転は設計目安の40年を守るべきだ」
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●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?

2021年08月20日 00時00分57秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2021年07月18日[日])
マガジン9のコラム【言葉の海へ 第170回:原発の今(鈴木耕)】(https://maga9.jp/210630-5/)。

 《処理汚染水海洋放出決定 …しかし、それらは安全基準以下に海水で薄めてから「海へ流す」ので環境汚染にはならないと東電も政府も言う。何度もぼくは書いたり話したりしているが、こんなおかしな話もない。「海水で薄めて海へ流す」? 海の水を海水という。海から採取した水で薄めて海へ還す。普通のリクツとはとても思えん! これをマジな顔で議論している政府や東電、そして御用学者や官僚たち。正気なのだろうか?

 反核発電に、高度な工学的知識は不要である。

   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
           超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
       北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
   『●反核発電に、高度な工学的知識は不要である…(樋口英明さん)《原発の
     《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから


 1兆3700億円!? デブリの一欠片をほんの少し摘み上げてバカ騒ぎ…デブリがどんな状態で何トンあるのかも不明、どこで隔離・管理するのかも不明、かつ、《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》。後藤さんらは持ち出せないし、持ち出すべきではない、という主張。いわゆる石棺方式で、その場で隔離・管理すべきだ、と。
 デモクラシータイムスの【【原発耕論 No16】福島第一のデブリ取出しを断念せよ 20210701】(https://www.youtube.com/watch?v=gN4sTsNn0vQ)によると:
《デモクラシータイムス 
 希望的観測のデブリ取り出し計画
 不透明な計画に、増え続ける汚染水と撤去費用
 仮にデブリを取り出せても、資材等と絡み合った核廃棄物の処理方法や
 管理場所すら何も決まっていない

 デブリ取り出しの難しさ、空冷化による管理を筒井さんが解説
 なし崩しの原子力政策はもういらない

 ゲスト:筒井哲郎(プラント技術者の会)
     後藤政志(元東芝 原発設計技術者)
     菅波完(高木仁三郎市民科学基金 事務局長)
 司会:鈴木 耕(デモクラシータイムス)
 収録は、2021年7月1日》


https://www.youtube.com/watch?v=gN4sTsNn0vQ

   『●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」
              …未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権
   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
      3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》
   『●自公お維や寄生委、東京電力の皆さん、《どんな状態が“福島第一の
     廃炉完了”》の定義なの? 《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》?

 《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》。
 同じ週のマガジン9の記事【福島第一原発の「廃炉」を考える――廃炉制度研究会レポート 第2回:「事故炉廃炉」と住民参画――スリーマイルではどう決めたか⑴――①「処理水」処分決定プロセスの日米比較】(https://maga9.jp/210630-4/)によると、《作家の尾松亮さんは、法規制や政策決定プロセスなどをテーマに、東京電力福島第一原発を含む世界中の原発の廃炉について調査しています。その尾松さんが、ジャーナリストや研究者らと立ち上げた「廃炉制度研究会」の第2回オンライン報告会が5月31日に実施されました。意思決定プロセスにおける民主性の担保という観点から、福島第一原発とアメリカのスリーマイル島原発の事故後対応を比較する尾松さんのお話の内容を、2回にわけて紹介します。1回目は、処理水処分決定にいたるまでの意思決定プロセスの違いについてのお話をまとめました。(田上了子)》。

   『●「国際的に一番厳しい基準を設けている」し、
      そして「原状回復」したのならば、「そこ」に住んでみては?
   『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
     「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●今村雅弘復興相、「本人の責任」
     「裁判でも何でもやればいい」と…「死の町」にした者こそ糾弾されるべき
   『●今村雅弘復興相「問題は激高よりも「自主避難は自己責任」発言」
                …ココで「自己責任」論に出くわすとは…
    「それにしてもこんなところで「自己責任」論が出てくるとは、
     唖然としました。《誰が好き好んで自主避難などするだろうか》!」

   『●東京電力原発人災、支援の幕引き: 
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
           無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
        企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない
           …「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」
    「《住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に
     迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている》…
     何という無慈悲。自主避難者を《被告》にする? デタラメ」

   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》
   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
      違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》

 さらに、〝自主避難者〟という区別・差別…区域外避難者に、どこまでこの国は冷酷なの?
 これもマガジン9のコラム【一枝通信 第7回:「原発避難者住宅追い出し裁判」傍聴記 「『戻る権利』があるように『戻らない権利もあって然るべき」(渡辺一枝)】(https://maga9.jp/210623-1/)。《5月14日、福島地方裁判所で開廷された「原発避難者住宅追い出し裁判」の傍聴に行ってきました。2011年3月11日の東日本大震災と原発事故によって、多くの人が居住地を離れて避難しました。避難者は災害救助法によって避難先で仮の住居を得ましたが、自然災害と違って原発事故による被害は、災害救助法では救済しきれない問題が多々あります被害も長期に亘ります。それなのに、福島県はたった6年で住宅支援を打ち切り、行き場がなくそのまま居住する人に対しては2倍の家賃を請求、更に裁判に訴えてまで追い出そうとしています県民を守ろうとしないばかりか、逆にいたぶっているのです。どうぞ、この裁判にご注目を。》
 東京電力や政府、福島県は、なぜ「原状回復」してくれないんですか? 10年も経ちましたけど? 「原状回復」してくれれば、区域外避難者のみなさんも喜んで古里、故郷にお戻りになるはずです。なぜ「原状回復」しないのですか? 《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》。

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https://maga9.jp/210630-5/

言葉の海へ
第170回:原発の今鈴木耕
By 鈴木耕 2021年6月30日

ぼくの「原発ファイル」

 コロナとオリンピックに頭を汚染されて、しばらくこのコラムでも「原発」に触れていなかった。むろん、原発を忘れていたわけじゃない。ぼくの切り抜き「原発ファイル」は、もう47冊目に入っている。

 新聞記事を主体に、週刊誌月刊誌などの雑誌記事、ネット情報のプリントアウト、官報からのデータや、信頼できる筋から入手した文書など、その時々の情報をピックアップして集めているものだ。今も毎朝、新聞4紙(朝日、毎日、東京、沖縄タイムス=電子配信)を読んで、目についたものは切り抜きプリントアウトする。

 原発のほかに、沖縄や憲法、その他の重要な記事は「沖縄・憲法・その他」というファイルを作っていて、こちらはもう62冊目になっている。

 自分でも、これらはかなり貴重な資料集だと思っている。なにしろ、2011年3月から始めたファイルだから、最初のころの紙面はもう茶色く褪せている。そう、あれから10年以上も過ぎたんだな。

 今めくってみると、例えば「原子力安全・保安院の人員構成」「原子力安全委員会役員名簿」「原子力発電所の災害評価」「東京電力本店会議録」「放射能を正しく理解するために・文部科学省パンフ」「第23回原子力安全委員会速記録」などなど、どこから入手したかも憶えていないものも目につく。あの頃、福島事故から1年ほど、ぼくが必死になって集めていたものだ。だから第1冊目は、こんなに分厚い。

 ファイルが47冊ということは、1年に4冊以上のファイルを作成しているということだ。その時々の、ぼくの関心のありようが伝わってくる。

 ぼくの本棚は雑多な本で溢れ返っているが、いずれぼくが死んだら、これらの本はあっさりと処分されるだろう。どう処分してもいいよ、とカミさんには伝えてある(ま、ぼくのほうがカミさんより先に逝くのは確かだと思うから)。

 しかし、このファイルだけはどこかに寄付したいなあ。きっと、それなりの資料的な価値はあると思うのだ。

 昔話はさておき、最近、まるで「コロナ禍」をチャンスとばかり、原発ムラの妖怪たちの動きが激しい。みんなの目がコロナやオリンピックに向いているのを勿怪(もっけ)の幸い、不審な動きが激しさを増している。

 目についたものを順不同でピックアップしてみよう。


処理汚染水海洋放出決定

 これは菅政権の原発に対する考え方を、そのまんま表したような決定である。

 汚染水は溜まりにたまって、貯蔵タンクは2023年には満杯になるとされる。もはや貯蔵しておくのが限界だとして、海へ流すというのだ。

 ALPSという放射性物質除去装置で、多くの放射性物質は取り除かれているという。だが、放射性物質であるトリチウムは除去できないし、他も完全処理には程遠く、多くの放射性物質の取り残しがあるとされる。しかし、それらは安全基準以下に海水で薄めてから「海へ流す」ので環境汚染にはならないと東電も政府も言う。

 何度もぼくは書いたり話したりしているが、こんなおかしな話もない。「海水で薄めて海へ流す」? 海の水を海水という。海から採取した水で薄めて海へ還す。普通のリクツとはとても思えん! これをマジな顔で議論している政府や東電、そして御用学者や官僚たち。正気なのだろうか?

 むろん、地元のみならず科学者や漁業関係者からは絶対反対の声が上がっている。さらには、国連の独立特別報告者(3名)が「放出は太平洋地域の何百万もの命や暮らしに大きな影響を与えかねない」として深い遺憾の意を表明している(4月15日)。国際的にも強い批判を浴びているのだ。


事故処理費の試算21.5兆円

 福島第一原発事故処理費は、2016年時の試算では21.5兆円になったという。費用の内訳は、廃炉=8兆円、賠償=7.9兆円、除染=4兆円、汚染土等保管費=1.6兆円。これは2016年の試算だ。政府による試算は、年が経つたびにどんどん増えていく。多分、もうじき政府が「もっと増えました」と言いだすに決まっている。

 例えば、沖縄辺野古米軍基地の建設費用は、当初(2013年)の防衛省計画では2310億円とされていた。だが沖縄県による現時点での試算では2兆5千億円ほぼ10倍に増え、工期も13年以上かかるとされている。それだって無理だとぼくは思うけれど。

 原発事故処理費はまだまだ増えるだろうし、期間も100年単位になるのは必至だ。それでもなお、原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見てみたい。多分、連中はオレの生きているうちには終わらないし、死んだ後のことなど知らねえよ。それまでは税金でいい目を見せてもらうぜとせせら笑っているのだろう。


自民原発推進派の動き

 国の基本的なエネルギー政策をまとめる「エネルギー基本計画」は、この夏に改定される予定。それに影響を及ぼそうとして自民党内に「最新型原子力リプレース推進議員連盟」なる組織が動きを活発化させている。

 要するに、「脱炭素社会(カーボンニュートラル)の実現」という菅首相の空疎なスローガンに乗っかって、「原発は脱炭素だから、新増設や建て替え(リプレース)を推進する」というヘリクツ集団である。稲田朋美会長に安倍晋三最高顧問という布陣の、政治的思惑だらけの組織だ。他に「電力安定供給推進議連(細田博之会長)」という議連も原発推進の動きを活発化させている。これらの「議連」というのは、それなりのスローガンは掲げるが、結局は、派閥絡みの利権集団なのだ。

 最近突然旗揚げした「『自由で開かれたインド太平洋』推進議連」というわけの分からない議連は二階俊博会長だが、安倍晋三と伊吹文明の両氏を最高顧問に祭り上げて発足。もはやこうなると、不仲を噂される二階と安倍のパフォーマンス。まるで抗争中のヤクザの組同士の手打ち式だ。でもまあ、そんなのはほっとけばいい。

 だが、「女性初の首相」を狙うという稲田朋美が動き出し、後ろ盾に安倍がつくとなると「原発推進議連」はかなり胡散臭いし、危険な臭いがするのだ。


原発事故の真相

 旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故から、今年の4月26日で丸35年が過ぎた。その事故に関する機密文書の一部をウクライナ保安庁(情報組織)が公開した。ソ連の情報機関の国家保安委員会(KGB)などの報告書だ。

 同原発は事故前からトラブルが相次ぎ、かなり危険視されていたが住民に知られることを恐れて、すべて隠蔽されていたという。事故後も隠蔽が続き、放出された放射性物質の量や構成、被害者や傷病者、死者などの詳細は隠されたままだった。今回公開されたのは、残念ながら、そのほんの一部に過ぎないけれど。

 原発に関しては、どこの国もやることは同じだ。最近、中国広東省台山原発1号機で放射能漏れ事故があったのではないかとの報道があり、事実、かなりの放射性ガスが放出されていたことが判明した。だが建設に携わったフランス電力は、例によって「多少のガス漏れはあったが環境に影響はない」とコメントしただけだった。

 日本列島は最近、やたらと地震が多い。その度に原発会社は「原発に影響はありません」と発表する。だが今年の2月13日の震度6の地震では、福島第一原発では格納容器内のデブリ冷却水の水位低下が起きていた。しかも、ここでは地震計が壊れたまま放置されていたことも判明。東電の体質は事故後も変わっていない

 電力会社の「原発に支障はない。環境に影響はない」を信じちゃいけない


40年超老朽原発、再稼働

 もう腹立たしいのも通り越して、バカ野郎!と叫びたい。

 あの「40年ルール」ってのは、いったい誰が何のために作ったのだ!

 40年間も運転し続ければ、脆性劣化と呼ばれる金属疲労が起きて危険性が増す、というのは2011年3月の福島第一原発事故の大爆発以前から、ずっと言われてきたことではなかったか。そのために、何度も過酷事故(シビアアクシデント)の瀬戸際まで行ったことがあったではないか。

 美浜原発3号機(関西電力、福井県)では、2004年8月9日に配管破断という大事故を起こし、11名が被災、うち5名が死亡している。その美浜3号機がこの6月23日に再稼働したのだ。もう一度事故を起こさないと懲りないのか!

 関西電力は、福島事故以前は発電量の約5割を7基の原発に頼っていた。しかし関電の原発は老朽化が進み、2025年には5基が40年超となる。だから是が非でも再稼働したいのだ。電源のシフトチェンジを怠ってきたツケを、原発再稼働で補おうというのだから虫が良すぎる。というより、いったいこの10年間、何をやって来たのだ!

 こんな原発に、新規制基準適合というお墨付きを与える「原子力規制委員会」にも、ぼくは不信感いっぱいである。なお、この美浜3号機再稼働に関しては、住民たちが「運転差し止め仮処分」を大阪地裁に申し立てている。地裁では勝つ可能性もあるが、日本の司法は、上級審になるにしたがって「政権忖度判決」に堕ちていく


福島第二原発、廃炉開始

 東京電力は、福島第二原発(4基)の廃炉作業を開始した。廃炉終了までには44年間かかると見積もっているという。これで、第一(6基)と併せて、東電は全10基の廃炉作業を同時並行で行うことになる。

 だが、燃料デブリ(溶融核燃料等の融合物)は致死に至る放射能を帯びており、近づくことさえできず状況すら把握できていない。第一原発は廃炉工程さえ作れない状況にあり、それと同時並行の第二廃炉など、絵に描いた餅以上だ44年どころか、100年後の日本をも汚し続けているだろう

 しかも、取り出した放射性廃棄物の行き先は決められないままだ

 よく「原発はトイレなきマンション」と譬えられるが、この強烈な「排泄物」を、東電(すべての電力会社や自民党政府)は、いったいどうしようというのだろうか。再稼働など、デブリや使用済み核燃料の廃棄処分が終わってから言え

 なお、伊方3号機(愛媛)はこの10月に再稼働、また島根2号機には規制委が新規制基準適合を与えた。もはや、原発は規制を失ったかに見える


核燃料再処理工場の闇

 みなさん、核燃料再処理工場って知っていますか? そして、この事業にいったいいくらの金が注ぎ込まれているか知っていますか?

 青森県六ケ所村にある日本原燃の「六ケ所再処理工場」のこと。要するに、使用済み核燃料を各電力会社がここへ持ち込んでガラス固化体にして処理するという触れ込みで、1993年に建設が開始された。だが、固化体は何度試みても成功しない。したがって、工場そのものも完工には程遠い。

 これまで28年間で、すでに25回も稼働延期が繰り返され、費用も当初は7600億円だったものが、いまや総事業費14兆4千億円に膨れ上がっているなんと20倍だぜ。こんなデタラメな会社が存続しているのがニッポンだ。一般の会社ならとっくに倒産、社長らは責任取って腹切りものだろう。しかも、これで収まるという可能性はほぼゼロだ。これもまた、あの辺野古基地と同じ構造である。

 また、使用済み核燃料を加工してMOX燃料(抽出プルトニウムとウランの混合燃料)にする工場の総事業費も2兆4千億円と増え続けている。まるで金をドブに捨てるようなものだが、それでも止めようとしない。いったいどこからそんな金が出てくるのか。

 とにかく、最初は低い見積もりで、完成するかどうかわからないものに予算をつける。それが何度も延期を繰り返し、工期も費用も膨大にかさんでいく日本政府や官僚の、これがやり口なのだ。一度決めたことは何があっても引き返さない。誰も責任を取らない。そのうち、立案者や実行者たちは消えていく

 日本的無責任体系の典型的な例がここにある。そう、東京オリンピックの惨状を見ていれば、これが「ニッポン病」だということがよく分かる。


その他の諸問題

 とりあえずここまで書き進めてきたが、まだ原発に関する問題は山積みだ。

 例えば、事故による障害、白血病やその他の癌の発生、原発作業員の労災の問題、子どもたちの甲状腺検査縮小への批判、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書、避難者たちへの補償の問題、同じく住宅補助の打ち切り、再生エネルギー問題、九州電力による出力制御、風評被害……などなど、触れなければならない問題は限りがない。

 しかし、今回はここまでにしておこう。原発問題となると、ぼくの文はどうしても長くなってしまうのだ。

 とくに、原発事故による放射性物質の拡散の影響、それによる疾病の増大、小児甲状腺癌の発生と検査体制の問題については、とても数十行の文章では意を尽くせない。それについては稿を改めようと思う。


鈴木耕 すずき こう: 1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。「月刊明星」「月刊PLAYBOY」を経て、「週刊プレイボーイ」「集英社文庫」「イミダス」などの編集長。1999年「集英社新書」の創刊に参加、新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書に『スクール・クライシス 少年Xたちの反乱』(角川文庫)、『目覚めたら、戦争』(コモンズ)、『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)、『反原発日記 原子炉に、風よ吹くな雨よ降るな 2011年3月11日〜5月11日』(マガジン9 ブックレット)、『原発から見えたこの国のかたち』(リベルタ出版)、最新刊に『私説 集英社放浪記』(河出書房新社)など。マガジン9では「言葉の海へ」を連載中。ツイッター@kou_1970でも日々発信中。
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コメント
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●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走

2021年05月17日 00時00分20秒 | Weblog

[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑]


(2021年05月01日[土])
東京新聞の3つの記事、【福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986)と、
小川慎一記者による記事【脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000)と、
小川慎一・山本洋児・今井智文の3記者による記事【「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090)。

 《運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった ◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」》。
 《原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。…◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」
 《運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った》。

   『●汚染水の海洋放出…《避難したままの人たちは、いまだ4万人を
      超える。どれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?

 《アンダーコントロール》も出来ず、二進も三進もいかない核発電所。汚染水を海洋放出するという。《避難したままの人たちは、いまだ4万人を超えるどれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?
 「濁流」さえ疑われる、関西電力による「還流」問題は一体どうなったのか? 九州電力も似たようなものです。

   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は「政治家側から
                 支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
        「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
    「《還流》だけでなく、自民党やお維のセンセ方への「濁流」も、
     各党で調べた方がよくはないのかな? 他の電力会社も、特に
     九州電力は「クリーン」なのでしょうかね? ウルトラ差別主義者
     副首相と浅からぬ関係ですけど。

   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
        証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
          関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》
   『●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や
     竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?

 《地元に「アメ」》《国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている》…それは麻薬です。核発電「麻薬」中毒者らに、麻薬を渡すようなもの。日本中が「地元」であり、「地元」の市民はたまったものではない。例外中の例外が、もはや通例に。狂っています。「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…九州電力も〝通例〟を求めているようだ。《杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた》…核発電は、《安全》と対極にある概念だ。 

   『●九電玄海原発も廃炉に
    《玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」
     原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。
     その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の
     試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度
     を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。
      1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、
     想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は
     76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度
     
だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。
      九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。
     「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という
     新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している》

   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
    「経済産業省原子力安全・保安院は玄海原発1号機の老朽化問題について、
     検討を終え、報告書をまとめるそうだ。「脆性遷移温度が急激に
     高まっているにもかかわらず、「十分に健全だ」と主張している。
     「1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は
     98度にまで上昇」し、「予測値を14度超えていた」にも係らず
     である。つまり、高い温度でも原子炉の材料がガラスのように
     脆くなり、破壊されてしまう恐れが高まっていることを意味している。
     保安院は「事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証」し、
     原子炉内に設置していた金属片について「取り出した金属片を分析し、
     圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった」ので、
     「急激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した」そうである。
     どこが原子炉が破壊されない「確認」になっているのか。むしろ、
     リスクが上がっていることが確認されたのではないのか。
     電力会社や原子力ムラの住人のいい加減さ、それを見過ごした専門家や
     我々一般市民・利用者にも責任があったはずだ。東京電力原発人災で
     少なくとも我々は気づいたはずで、このままズルズルと原発再稼働・
     原発輸出・原発建設再開という「無責任」を続けてはならない」
 
 「脆性遷移温度」が急激に高まっているのではないか。データは公開され、十分に検証されているのか。

   『●60年間稼働させたい高浜原発:
     「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」
   『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
      「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…
   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい: 
     高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」
   『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために 
     核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?
   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                 …どんどん壊れ行くニッポン
    《原子力規制委員会は3日、定例会合を開き、運転開始から40年の
     法定寿命が近づいている老朽原発の関西電力美浜3号機(福井県)
     について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承》

   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
      経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)
    《これでは“規制緩和委員会”。そんな声も聞こえてきそう。安全より
     経済優先の時代へと逆戻りしたかのような、関西電力高浜原発
     延命適合。熊本地震に不安を抱く、人々の目にはどう映る》

   『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代
        時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」
    「東京新聞の記事【「40年廃炉」なし崩し 老朽原発に初の延長認可
     高浜1・2号機に最長20年】…と、
     社説【高浜原発 延命よりも新産業だ】…。
     《四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が
     認められる。延長は例外中の例外とされてきたが、初の適用例が
     決まった。ただ、再稼働するには、大規模な改修工事が必要で、
     三年ほど先になる見通し》。
     《原子力規制委員会が、運転四十年を超える関西電力 高浜原発(福井県)
     の延長を初めて認可した。世界は既に廃炉時代。無理な延命を図るより、
     時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い》」

   『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
         どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…
    「東京新聞の【<社説>老朽原発 新しい未来図描く時】…
     東京電力核発電人災から、10年が過ぎ、未だにこの有様だ。
     《例外》が通例に…核発電「麻薬」中毒者が暴走し、「老朽原発」さえも
     再稼働させたいらしい。狂っている。関西電力だけでなく、九州電力、
     さらには、東京電力、マトモではない」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986

福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示
2021年4月28日 12時48分

 運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった。

     (事故対策工事が進む関西電力高浜原発=2021年2月、
      福井県高浜町で、本社ヘリ「まなづる」から)

◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」

 老朽化した3基の原発の安全性を巡っては、県原子力安全専門委員会が今月22日、「必要な対策が講じられている」との報告書を杉本知事に提出。杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた。

 国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている。国の将来的な原子力政策については27日、杉本知事とオンライン会談した梶山経産相が、持続的に原発を活用する方針を打ち出した。

 政府は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを定め、菅義偉首相も今月、温室効果ガス排出量の30年度削減目標を13年度比で46%減に上方修正したことから、既存原発の活用を積極的に進めたい考え。一方で老朽化した原発の安全性や、周辺自治体にも及ぶ事故時の避難計画の実効性の懸念は根強く残る。


◆使用済み核燃料、搬出先未定なら「停止」

 また、県が県外への搬出を求めている原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設について、関電は青森県むつ市を候補地として提示したが、同市は受け入れないことを明確にしている。関電は23年末までに施設の計画地を確定できない場合、3基の原発を停止すると明言している。

 再稼働を巡っては地元の美浜、高浜町が同意し、県議会も容認していた。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000

脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面
2021年4月28日 12時45分

 原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。


◆段階的に進む再稼働

 福島第一原発事故後、原発の再稼働は基数は少ないものの、着々と進んでいった。これまでを振り返ると、原発再稼働の道は3つのステップがあった。

 第一に、福島第一原発(沸騰水型)とは異なる発電方式である加圧水型の原発が、相次いで再稼働した。西日本に立地する関電、四国電力、九州電力の5原発9基は、司法判断で停止を余儀なくされた原発もあるが、地元同意を得て運転を継続している。

 第二に、東日本大震災で被災した原発が、再稼働へ向かっている。昨年11月、東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働に宮城県知事が同意した。宮城県は、多くの住民が避難生活を続けている福島に隣接し、原発事故の影響をなお受けている自治体だそのトップが、原発の稼働にゴーサインを出した。東日本に立地する原発を保有する電力会社にとっては、これ以上の「追い風」はない


◆2030年には老朽原発15基に

 第三に、今回の老朽原発の再稼働だ。関電の美浜原発3号機高浜1、2号機は最長20年の運転延長が認められている。関電が巨額を投じた事故対策と、それを認めた原子力規制委員会の判断を、住民の安全に責任を有す自治体トップが「是」とした。運転延長を目指す他の電力会社にとって、良い先例とされる。

 東日本では、日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)が運転延長を認められている。他に、規制委が認可した原発はないが、2030年には、全国で新たに11基が運転開始から40年を迎え、40年超えは計15基になる。老朽原発の稼働の是非は、原発立地自治体にとって他人ごとではない。


◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」

 菅義偉首相は昨年10月、2050年までに二酸化炭素(CO2)を主とする温室効果ガスの排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すと宣言した。発電時にCO2を排出しない原発は「脱炭素電源」としての存在感が高まっている。

 ただ、政府は原発の新増設には消極的だ。あくまでも既存原発のフル活用を目指す立場で、その要が運転延長だ。再稼働している関電高浜原発3、4号機や九電川内原発1、2号機(鹿児島県)は4、5年で運転40年を迎え、延長手続きのリミットが迫る。

 菅首相は4月22日、30年度の温室効果ガス削減目標を「13年度比46%」と、これまでより20%引き上げた。目標達成へ、政府は原発に頼ろうとしている。そのため政府は今回、老朽原発の再稼働に計50億円の交付金を地元に「アメ」として示し、知事同意につなげた。

 古ければ古いほど原発はリスクが高まるが、運転延長で原子炉が交換されるわけではない老朽原発再稼働という道を拓いた福井県知事の判断は、事故リスクから目を背けられない「いばらの道」への一歩でもある。(小川慎一
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090

「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車
2021年4月29日 06時00分

 運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った。(小川慎一、山本洋児、今井智文)


◆「いたずらに延ばすわけには…」

 「(県原子力安全専門委員会に)5年前から安全性を確認してもらい、避難計画も1月に出された。いたずらに延ばすわけにはいかない」。杉本達治知事は県庁での定例記者会見で、同意表明を急いだのではという質問にこう答えた。

 老朽原発の再稼働という全国初の手続きは、4月に入って急加速した。知事は県議会に、再稼働すれば国から県に計50億円の交付金が入ることなどを提示。県議会はすぐに応じ、2週間余りで容認した。

 「関電の現場から再稼働を急ぎたいとの声が上がっていた」と、ある中堅県議は取材に明かした。高浜原発1、2号機はテロ対策施設の工事が間に合わず、設置期限の6月9日以降は完成まで運転できない。それでも同県議は「再稼働すれば、短期間でも10年間動かしていない原発の不具合を確かめられる」と指摘した。


◆県外搬出が再稼働の条件だったが…

 同意表明を巡っては、知事の態度軟化もあった。福井県は、関電が3つの原発で出る使用済み核燃料を県外に搬出するよう求め、候補地の提示が再稼働の議論の条件と突き付けてきた

 関電は実現を約束したものの、昨年末に県外候補地の自力提示を断念。その代わりに電力業界と国が、東京電力と日本原子力発電の使用済み核燃料の保管先である青森県むつ市の中間貯蔵施設の共同利用案を提示し、関電は2023年末までに候補地を示すとした。できなければ、「老朽原発を運転しない」と約束した

 杉本知事は関電の背水の陣の覚悟に対して「一定の回答があった」と評価し、途端に前のめりに。ところが、むつ市の宮下宗一郎市長は共同利用案に否定的で、本紙の取材に「受け入れの可能性はゼロと断言。実現の見通しはない。

 杉本知事は27日、関電の森本孝社長と梶山弘志経済産業相とのオンラインの面会で約束を守るよう念押ししたが、いずれも「むつ市」に言及しなかった。


◆自治体と関電の思惑が一致

 「梶山経産相から、将来的にも原子力を活用すると言い切りの形での表明がされた」。杉本知事は会見で、同意表明の理由の一つに政府の原子力政策の方向性が示されたことを挙げた。

 菅義偉首相が50年までに二酸化炭素(CO₂)を主とする温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると宣言して以降、発電時にCO₂を排出しない原発は脱炭素電源として存在感が高まっている。老朽原発の運転延長は、原発に地域経済を依存する自治体と、化石燃料コストを削減できる関電の思惑が一致した面も強い。

 ただ、政府は太陽光や風力による再生可能エネルギーに注力する方針で、原発の新増設や建て替えに消極的だ。運転延長という既存原発のフル活用で、30年度の電源構成で原発を20%台にすることを目指すが、それには30基程度の稼働が必要となる。日本には建設中の3基も含め計36基しかなく、「不可能だ」という声が経産省や電力会社からさえ出ている。
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●アベ様曰く「悪夢のような旧民主党政権に戻すわけ…」…最悪の《悪夢》なアベ様政権に言われては、ねぇ?

2019年02月20日 00時00分37秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/嘘とごまかしだらけ…安倍化した日本はかなり劣化した】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247511)。

 《「悪夢のような旧民主党政権に戻すわけにはいかない」(安倍晋三首相)》

 《安倍化した日本はかなり劣化した》…ニッポンは脆性破壊の一歩手前。この永久変形は、元に戻ることはないところまで来てはいまいか。金子勝さんの言うように、《戦後自民党支配のレジームに代わるビジョンを示すことが急務》だ。

 「〝マゾヒスティックな信者〟達…飼い慣らされしつけられている1/4の支持者2/4の眠り猫な皆さんには、《まるで戦前に回帰するように、次々と悪法を強行採決して国会を壊し、官邸圧力でメディアを萎縮させ、言論を壊している》(金子勝さん)アベ様独裁という最悪の《悪夢》に気づいていないらしい。

   『●《次々と悪法を強行採決して国会を壊し、
       官邸圧力でメディアを萎縮させ、言論を壊している》アベ様独裁

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/小沢一郎の「平成分析」で気づくこと】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902150000091.html)によると、《自立できない国家・国民は、自民党によってそう飼いならされていることに気づかされる》。
 《悪夢》のような、《サディスティックな政治》を繰り返すアベ様独裁政権には、もうウンザリだ。

 核発電政策一つとっても《悪夢》。挙げれば切りがない程の、数え切れない《悪夢》だというのに、アベ様独裁政権に飼い慣らされてしまった〝マゾヒスティックな信者〟達。

 東京新聞の記事【“不景気も統計一つで好景気” 総務省標語募集 やゆする「秀作」次々】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021502000128.html)によると、《“合わぬなら作ってしまえ偽統計”  “お上から鶴の一声、好景気”  “統計は答えを先に決めてから” 不景気も統計一つで好景気-》。
 《政治の目標に数字を合わせていけば政権の都合のいい数字になっていくのは当然》だ。GDPまで改ざんされている可能性があり、国際社会からのニッポンの信頼は地に落ちている。早く、この最悪の《悪夢》から目を覚ませてほしい。

   『●《野党は政府の答弁にこう質問すればいい。
       「その数字、書き換えてませんか、本当の数字ですか」》?
   『●GDP600兆円へ忖度…《アベノミクスの成果が数字に出ない、
                     ならば統計のやり方を変えればいい》!?

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247511

室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。


室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
嘘とごまかしだらけ…安倍化した日本はかなり劣化した
2019/02/15 06:00

     (自分たちにとって!?(C)日刊ゲンダイ)

悪夢のような旧民主党政権に戻すわけにはいかない」(安倍晋三首相)

 これは10日、都内で開かれた党大会での安倍首相の発言。

 はあ、そうですか。あたしは今のほうが悪夢だと思うけど。官僚も企業も、みんな安倍化してしまって。

 嘘とごまかしだらけのこの国は、かなり劣化したように思う。

 世界の報道自由度ランキングも大幅に下がった。

 自国で問題山積みなのに、中国や韓国叩きに精を出すメディアは、安倍化が進んだ最たるもの

   「旧民主党より」

   「中国や韓国より」

 いってることもやってることもおなじだ。

 ま、冒頭の安倍首相の言葉は、自民党の党大会での発言であるから、悪夢のようだったというのは、〈自分たちにとって〉ということなのかも。野党だったときは、権力の私物化が難しかったという意味で

 2009年、麻生財務大臣が首相だったとき政権交代が起きたのは、国民が自民党政治に失望し、新しい政党に期待したからだ。

 最大与党の党首なら、この国の首相なら、なぜ当時の政治が国民から失望され、国民はどんな政治を望んだのかを考えるべきだろう。

 彼にそういう頭はない自分に反している人は、すべて敵

 自分に対して不満を持つ国民を「あんな人たちと指さしで非難し、批判したメディアは名指しの恫喝国のトップとは思えないほど狭量だ。

 自分より力がある人(トランプやプーチン)には簡単に服従この国の富も、この国で生きている人の命も、平気で差し出そうとする

 恐ろしいことに、そんな幼稚な人間この国のトップである。

 そして、もっと恐ろしいことに、「政治家なんてそんなもの」と今の状況に慣らされてしまった

 考えるの面倒くせぇ。これも一種の安倍化なのだと思う。
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●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖

2012年08月04日 00時00分47秒 | Weblog


SPEEDIについての東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012072802000109.html)。玄海原発のボヤ騒ぎについてのasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/intro/SEB201207270058.html)と、玄海原発1号機の健全性についての記事(http://www.asahi.com/national/update/0727/TKY201207270489.html)。もんじゅにの誤警報についての東京新聞のニュース(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012073002000232.html)。

 原発人災直後の最も重要な時期に緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」のデータを公開せずに、多くの人たち、特に、子供を被爆させておいて、何も問題がなかったとでも文科省は言いたげである。ほとんどの人がそんなシステムがあることさへ知らず、しかも、巨費を投じて、「その時」のために開発されたにもかかわらず、結果として何の役目も果たさなかった。誰も責任をとらないし、なあなあでコトを済ませている。我が国に連綿と続く無責任の連鎖の一つ。
 ボヤが起きた九電玄海原発では、漏電の原因になる機械の故障や作業ミスはなく、原因がわからないまま調査をやめたそうだ。早く再稼働したいものね、臭いものには蓋を!! また、経済産業省原子力安全・保安院は玄海原発1号機の老朽化問題について、検討を終え、報告書をまとめるそうだ。「脆性遷移温度が急激に高まっているにもかかわらず、「十分に健全だ」と主張している。「1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は98度にまで上昇」し、「予測値を14度超えていた」にも係らずである。つまり、高い温度でも原子炉の材料がガラスのように脆くなり、破壊されてしまう恐れが高まっていることを意味している。保安院は「事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証」し、原子炉内に設置していた金属片について「取り出した金属片を分析し、圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった」ので、「急激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した」そうである。どこが原子炉が破壊されない「」になっているのか。むしろ、リスクが上がっていることが確認」されたのではないのか。電力会社や原子力ムラの住人のいい加減さ、それを見過ごした専門家や我々一般市民・利用者にも責任があったはずだ。東京電力原発人災で少なくとも我々は気づいたはずで、このままズルズルと原発再稼働・原発輸出・原発建設再開という「無責任」を続けてはならない。
 さらに、発電もしていないもんじゅ」にバカみたいなカネがかかり、そのお守りに手がかかっているという、どいつもこいつも無責任な話。これも「警報が作動した原因は不明」だそうだ。「もんじゅは原子炉停止中だが、炉内には核燃料が装荷されており、冷却のために一次系、二次系でナトリウムが循環している」という、物理的・工学的・化学的に本当に本当に恐ろしいことが続いていて、加えて、巨大な投資・建設費だけでなく、1円分も発電していないというこちらも経済的に本当に恐ろしい話がいまも続いている。誰か責任をとったのでしょうか? 自民党の何方かが謝罪の一つでもしたのでしょうか??

   『●増殖もしない、発電もしない「もんじゅ」でも儲かる仕組み
   『●パンドラの箱を開けたのは誰だ?

 東京電力原発人災以降も連綿と続く無責任の連鎖、このまま本当に見過ごしていて良いのでしょうか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012072802000109.html

非公表 理由示さず SPEEDI いつ、誰が不明のまま
2012年7月28日 朝刊

 東京電力福島第一原発の事故後、政府は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」で放射性物質の拡散方向などを予測しながら、当初公表しなかった問題で、文部科学省は二十七日、同省の対応を検証した最終報告を発表した。だが、誰がなぜ公表しないよう決めたのかなど肝心の部分は明らかにしなかった「無用の被ばく」をしたとされる福島県浪江町の避難者からは文科省の姿勢に怒りの声が上がった。 
 SPEEDIは、昨年三月十五日、午後から翌未明にかけ、放射性物質が原発から北西方向に拡散するとの予測結果をはじき出していた。同じころ、南相馬市や浪江町の住民の中には、北西方向の飯舘村方面に避難しようと動いていた。
 文科省が予測結果を公表していれば、住民の被ばくを防げたのではないかというのが最大の問題点だ。
 文科省は十五、十六日に高木義明文科相(当時)ら政務三役と事務方でSPEEDIについて協議。政府事故調の中間報告は「公表すると無用の混乱を招く恐れがある」と出席者から意見が出た、と指摘した。
 文科省の検証チームは、当時三役だった五人全員から話を聞いたものの、いつ、誰が、なぜ非公表を決めたのか、検証結果が一切示されていない
 わずかに、十五日夕の省内打ち合わせで、「(公表すれば)被災地での医療崩壊、ガソリン・医薬品の枯渇などが進み、救急活動などに悪影響を与えかねない」旨の発言があった、とだけ記述。
 公表していれば、被ばくを防げたのかという点に関しては、「否定することまではできない」と記した。公表方法については「関係機関に何らかの助言を行うことを検討すべきだった」と、自らには直接的な公表の責任はないとの認識を示した。
 SPEEDIは、昨年三月二十三日以降、徐々に公開し始めた。
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http://www.asahi.com/national/intro/SEB201207270058.html

2012年7月28日03時00分
「原因分からない」まま調査終了 玄海原発火災で九電

 九州電力は27日、玄海原発(佐賀県玄海町)で照明用のケーブル管が焦げた火災について、原因がわからないまま調査をやめたと発表した。溶接機から漏電したが、その原因になる機械の故障や作業ミスは「なかった」と主張している。
 火災は6月15日、低レベル放射性廃棄物の処理施設でおきた。九電によると、・・・・・・。
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http://www.asahi.com/national/update/0727/TKY201207270489.html

2012年7月27日20時26分
玄海原発1号機「十分に健全」 老朽化問題で保安院報告

 経済産業省原子力安全・保安院は27日、定期検査で運転停止中の九州電力玄海原発1号機(佐賀県)の原子炉圧力容器が予想以上に老朽化しているとの専門家の指摘に「十分に健全だ」とする検証結果をまとめた。保安院はこの日で専門家会合での確認を終え、8月中に報告書をまとめる。
 圧力容器は核燃料から出る中性子で劣化する。電力会社は運転開始時に圧力容器の中に同じ材質の金属片を入れ、取り出して調べている。運転から36年がたつ玄海1号機は、劣化の目安となる「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」が1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は98度にまで上昇していた。予測値を14度超えていた。
 保安院は昨年11月から、事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証してきた。09年に取り出した金属片を分析し、圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった。激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した。ただ、「予測精度が十分ではない」として学会に見直しの検討を求めた。
 一方、専門家会合では委員から「データが十分でなく炉の状態を把握できない。健全性には疑問がある」(井野博満・東大名誉教授)との指摘も出た。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012073002000232.html

ナトリウム漏れ もんじゅ誤警報 原因不明
2012年7月30日 夕刊

 日本原子力研究開発機構は三十日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で同日午前三時四十分ごろ、二次冷却系の冷却材ナトリウムの漏えいを知らせる警報が作動したと発表した。実際のナトリウム漏れや環境への影響はなかった。
 警報が作動した原因は不明で、同機構が詳しく調べ、結果を経済産業省原子力安全・保安院に報告する。
 もんじゅは原子炉停止中だが、炉内には核燃料が装荷されており、冷却のために一次系、二次系でナトリウムが循環している。
 警報が作動したのは、原子炉補助建屋にある、二次系配管周辺に設置された検出器の一つ。部品を交換したり、作業員が現場を目視で点検したりしたが、ナトリウム漏れは確認できなかったという。
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●九電玄海原発も廃炉に

2011年06月13日 04時50分28秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0527/SEB201105270004.html)。

 計画停電という九州電力の脅しに負けてはいけない。川内も含めて廃炉にしても大丈夫。たかが電力のために、放射能で死ぬのはまっぴらごめんだ。子供たちを殺すのはごめんだ。
 なぜ脆性遷移温度を、試験片の98度から80度という危険側に推定するのか? 


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http://www.asahi.com/national/update/0527/SEB201105270004.html

玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」
                                                        2011527165

 九州電力玄海原子力発電所1号機(佐賀県玄海町)の原子炉圧力容器の劣化が想定以上に進んでいる恐れのあることが、九電の資料などからわかった。九電は「安全性に問題はない」とするが、専門家は「危険な状態で廃炉にすべきだ」と指摘。1号機は稼働中で、反原発団体は原子炉の劣化を危険視している。

 原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。

 1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。

 九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している。
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