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●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん

2022年01月30日 00時00分38秒 | Weblog

(2022年01月29日[土])
文化放送の記事【青木理「こんなにひどいことはない」日本の刑事司法における人質司法という問題〜1月28日「大竹まこと ゴールデンラジオ」】(https://www.joqr.co.jp/qr/article/40746/)。

 《1月28日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)にて、でジャーナリストの青木理がゲストに登場し、日本の刑事司法における人質司法という問題について、青木が具体例を挙げながら説明した。化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原社長らは2020年3月、経済産業相に許可申請が必要な「スプレードライヤー」と呼ばれる噴霧乾燥機を無許可で中国などに輸出したとして警視庁公安部に逮捕された。生物兵器製造に転用可能な噴霧乾燥機を不正に輸出したとして外為法違反罪などで起訴され、その後起訴が取り消された》。

 《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的》…何にも変わらず。何の反省も無し。

   『●教員について密告させ、労組を監視する=
        自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
       刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
         「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《…犯罪が起きる前だから、供述が立証の柱になる。それだけに頼っては
     冤罪(えんざい)だらけになる。もっと物証が欲しい。「通信傍受
     縦横無尽に使いたい。司法取引も」と考えるだろう》
    「さて、《真面目な警察官であれば何を考えるか》? デンデン王国
     「裸の王様」アベ様の御好きな超管理社会・監視社会・密告社会です。
     自公お維の議員の皆さん、支持者の皆さん、無関心派「眠り猫」の
     皆さん、本当にそんな社会を目指しているのですか? あまりに
     悍ましいと思うのですが…。《政治や社会の矛盾に声を上げる人が
     疑われる社会は健全か》? 「平成の治安維持法」があるような社会は
     健全ですか? 青木さんは《社会に異議申し立てする人が片端から
     捜査対象になる社会は、断じていい社会ではない》と」

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
      代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
    「《司法取引が導入されれば、冤罪のリスクが大きくなることは明白だ
     …実は日本人は多少の冤罪はやむなしと考えているのか》? 
     《なぜ検察不祥事端を発する検察改革論争の末
     検察の捜査権限を強化するような法律ができてしまうのか》??」

   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
             喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
            いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》
    「《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法
     …《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。
     「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。
     《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》である
     にもかかわらず、ニッポンでは認められていない。
     《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、
     《事後検証が不可能に近い》。《弁護士の立ち会いが任意段階から
     認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》」

   『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
      無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》。」

   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
         証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ

 で、こんなことが許されていいのか! ―――――《官邸の忠犬政権の爪牙山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁長官に…。前川喜平さん《中村の警察庁長官就任は、安倍・菅政権の腐敗を象徴する人事だ》。金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない…公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質がある》。青木理さんは《…本来は一定の距離を保つべき政権と警察・検察が近づき過ぎるのは非常に危うい民主主義国家として極めて不健全な状態と言わざるを得ません》。



【ゲスト:青木理】2022年1月28日(金)大竹まこと 室井佑月 青木理【大竹メインディッシュ】【大竹まことゴールデンラジオ】
https://www.youtube.com/watch?v=8beDFoHuhH0


 大川原化工機へのデタラメな冤罪逮捕、数カ月前に同ラジオで青木さんが仰っていた。過去の記事を調べてみると…。
 11月のアサヒコムの記事【ある技術者の死、追い込んだのは「ずさん」捜査 起訴取り消しの波紋】(https://www.asahi.com/articles/ASPC374G6PBDUTIL03Q.html?_requesturl=articles%2FASPC374G6PBDUTIL03Q.html&pn=14)によると、《一人の技術者が今年2月、病院で息を引き取った。機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の顧問だった相嶋静夫さん、72歳。胃がんだった》。
 さらに、10月の東京新聞の【社説/週のはじめに考える ロバートはいないから】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/136003)によると、《最近でも初公判の四日前に「起訴取り消しという前代未聞の出来事がありました。横浜市の機械製造会社「大川原化工機」の社長らが逮捕・起訴された事件です。…社長の身柄拘束は実に約十一カ月間も…罪を認めない限り拘束が続く人質司法そのものです。まるで“拷問”と感じたことでしょう。逮捕された三人のうち一人は勾留中に体調を崩し、自宅療養の末に死亡しています》。

 入管によるウィシュマさんの〝殺人〟にもつながるデタラメぶり。

   『●《「人間として扱って欲しい」…ウィシュマさんの遺品である番号が
       振られた青いシャツの写真を示し、人間は数字ではない、と》…
   『●《人道上の対応》? 《ウィシュマンさんの名誉や尊厳の観点》から
      同席拒否? ➙《遺族は弁護士の同席を強く希望して》るんだよ!
   『●武田砂鉄さん《忘却に加担するのか、しっかり掘り返して問うのか、
     メディアが問われている。またいつもの感じでやっているの…》
   『●古川禎久法相「捜査機関で死因含め、適正な捜査が行われる」はホント
       なのか? ウィシュマさん事件で入管幹部らを殺人容疑で刑事告訴

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https://www.joqr.co.jp/qr/article/40746/

青木理「こんなにひどいことはない」日本の刑事司法における人質司法という問題〜1月28日「大竹まこと ゴールデンラジオ」
番組レポ
1/28, 2022

 1月28日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)にて、でジャーナリストの青木理がゲストに登場し、日本の刑事司法における人質司法という問題について、青木が具体例を挙げながら説明した。

 化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原社長らは2020年3月、経済産業相に許可申請が必要な「スプレードライヤー」と呼ばれる噴霧乾燥機を無許可で中国などに輸出したとして警視庁公安部に逮捕された。生物兵器製造に転用可能な噴霧乾燥機を不正に輸出したとして外為法違反罪などで起訴され、その後起訴が取り消された

「警察に一度逮捕されたら、軽い罪であっても、犯行を否認する限りは、釈放もされず、保釈もされない。逆に言えば保釈を受けたい一心で、罪を認めてしまう。警察も、保釈をちらつかせて容疑を認めさせようとする。今回の件では330日拘留された。社長と、営業担当の役員と技術の担当者の3人だったから、中小企業だったこの会社には大打撃。それまで30億くらいの年間売上高が20億くらいまで落ちた。今、国家賠償請求訴訟をやっている」

 人質司法について取材してきて、こんなにひどいことはないと感じたという青木。

「3人のうちの1人が癌だった。保釈もされずに癌で亡くなった。3月に逮捕されて、9月に貧血や黒い便など、明らかな体調不良があり輸血処置を受けた。当然、弁護団は適切な医療処置を受けるために保釈請求をする。ところが、証拠隠滅の恐れがあるといって却下された。その後に、拘置所の中で内視鏡の検査も受けた。そうしたら、胃に悪性の癌が見つかった。癌治療のために保釈請求したけど、これも却下された。結果的に10月7日に癌だとわかったが、その後に弁護団は拘留執行の一時停止を申し立ててこれをようやく認めてもらった。10月16日に近くの病院に連れていったら、やっぱり相当悪い癌だった。精密検査が必要だと病院でわかっても、また保釈請求は却下された。息子さんが必死に受け入れてくれる病院を探して、拘留執行の一時停止の再申請をして15日間認められて病院に行ったけど、病院の人にもなんでこんなになるまでほっといたんだと言われるくらいだった。その段階では手術もできない。抗がん剤治療も今すぐには受けられない。結局、翌2021年の2月にお亡くなりになった

 何とも痛ましい話であるが、青木が人質司法について一番ひどいと思ったのは、次の通りだという。

「息子さんが必死になって見つけた病院は首都圏の病院。首都圏の病院だから、前の日にホテルに泊まって次の日に病院に連れていこうとしたら、それはだめだという。拘留の一時停止執行中に滞在していいのは自宅か病院だけだと言われた。この方は、自宅が静岡県の富士宮。だから、東京拘置所から富士宮まで息子さんが連れて行って、富士宮で一泊して、翌日首都圏までもう一度連れてきて、それでようやく入院できた」

 100歩譲って検察が抵抗するのはわかるが、何故裁判所が認めないのか。裁判所には裁判所の論理があるという。

「裁判所の論理で言うとカルロス・ゴーンの事件があったでしょ? 保釈したら逃げちゃった。保釈して何かあったら、裁判官が責任を問われる。言ってしまえばメリットが無い

 では、人質司法が無くなるためにはどうすればよいのか。青木曰く、

「刑事司法では、本来は逮捕されてもすぐ身柄を釈放されるのが原則、裁判所がもう少ししっかり判断しないといけない。権力機構をチェックするシステムが本来ある。起訴をする権利は検察官にある。公安の操作を確認して、本来検察がはねないといけない。他にもたくさんチェック機構があるが、これが機能していないのが問題」


 「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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https://www.asahi.com/articles/ASPC374G6PBDUTIL03Q.html?_requesturl=articles%2FASPC374G6PBDUTIL03Q.html&pn=14

ある技術者の死、追い込んだのは「ずさん」捜査 起訴取り消しの波紋
鶴信吾 2021年11月4日 16時00分

     (大川原化工機の社屋=
      2021年8月24日午後2時39分、横浜市、鶴信吾撮影)

 一人の技術者が今年2月、病院で息を引き取った。機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の顧問だった相嶋静夫さん、72歳。胃がんだった。

 この11カ月前、相嶋さんは社長の大川原正明さん(72)や元役員の島田順司さん(68)とともに警視庁に逮捕され、起訴されていた。

 かけられた嫌疑は、兵器の製造に転用できる機械を無許可で輸出した、という外国為替及び外国貿易法(外為法)違反だった。ところが相嶋さんが亡くなってから5カ月たった今年7月、東京地検は大川原さんと島田さんの起訴を取り消した機械が規制の対象外だった可能性が浮上したためだ。

 相嶋さんは拘置所に勾留されている間にがんの診断を受け、生前に名誉回復を果たすことはかなわなかった。会社側の弁護士は捜査を「当局の暴走」と批判し、遺族は「責任を明確にしてほしい」と訴えている。

     ◇

 大川原化工機は、1980年代から開発・販売する「噴霧乾燥機」で国内シェアトップのメーカーだ。液体を粉に加工する機械で、カップラーメンのスープの粉や粉末コーヒーの製造工程で活用されている。

 この機械が捜査対象になった。

 外為法では、一定の要件(性能など)を満たす機械は生物兵器の製造に転用できるとして、輸出には国の許可が必要だとしている。

 輸出規制の要件の一つに「装置の内部の滅菌または殺菌ができること」があった。噴霧乾燥機に備え付けられているヒーターを使えば装置内部を温めることができ、温度が90度以上に上昇するため滅菌や殺菌ができる、というのが警視庁の見立てだった。

 2018年10月、警視庁は大川原化工機を家宅捜索した。

 だが会社側は「装置は滅菌や殺菌をできる性能は備えていない。だから経産省にも許可申請をする必要もない」と考えていた。後に会社の代理人弁護士が実験したところ、内部が50度程度にしかならない部分が見つかったという。

 「何を疑われているのかさえ分からなかった」。大川原さんは振り返る。

 幹部や社員ら約50人が任意の事情聴取に計264回応じた。それにもかかわらず、3人は家宅捜索から1年5カ月後に逮捕された。

 3人は一貫して無実を訴え
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/136003

社説 週のはじめに考える ロバートはいないから
2021年10月10日 07時34分

 黒人の天才ピアニストが白人の運転手とともに米国南部まで演奏旅行に行く−そんな映画「グリーンブック」をご覧になった方も多いでしょう。

 一九六二年が舞台なので、南部では人種差別が色濃く残っています。こんなシーンがありました。


◆「禁止の貼り紙」あるが

 警官が二人の車を止めます。白人の運転手はイタリア系ゆえ、警官に「半分黒人」と罵(ののし)られ、思わず殴ってしまいます。もちろん二人は警察の留置場に入れられ…。

 でも、黒人のピアニストは暴力を振るっていません。「なぜ私が?」と抗議しますが、鼻で笑われます。「弁護士と話したいその権利を侵害するのか」−。

 日本国憲法には三一条から四〇条まで、ずらりと刑事手続きの条文が並んでいます。

 裁判を受ける権利、弁護人に依頼する権利、自白のみの処罰禁止、もちろん拷問による自白は証拠とできないことも…

 「憲法とは過去の国家権力の失敗を列挙したもの」と明快な説明をする学者がいます。それに従えば憲法に列挙された数々の「禁止の貼り紙」は過去の暗黒時代を映し出しています弁護士も呼べず、自白の強要が横行し、拷問が加えられた戦前の光景が…

 「蟹(かに)工船」を書いた作家・小林多喜二拷問死したことは知られています。雑誌編集者や新聞記者約六十人が逮捕された「横浜事件」でも、竹刀などで殴打を繰り返され、四人が獄死しています。


◆「疑わしきは」の原則に

 でも戦後は新憲法に「禁止の貼り紙」をしたのに、冤罪(えんざい)がなくならないのはなぜでしょう。

 最近でも初公判の四日前に起訴取り消し」という前代未聞の出来事がありました。横浜市の機械製造会社「大川原化工機」の社長らが逮捕・起訴された事件です。

 警視庁公安部が事件化したのですが、容疑は「生物兵器の製造に転用可能な装置を不正輸出した」という外為法違反でした。

 「生物兵器」とはおどろおどろしい感じですが、装置とは噴霧乾燥器です。液体混合物を熱風で乾燥させ、粉にする装置で、インスタントコーヒーの製造などで広く普及しているものでした。

 もちろん「装置が規制対象でないことは明白だった」と社長側は怒り、違法捜査で損害を受けたと訴訟を起こしています。

 社長の身柄拘束は実に約十一カ月間も…罪を認めない限り拘束が続く人質司法そのものです。まるで“拷問”と感じたことでしょう。逮捕された三人のうち一人は勾留中に体調を崩し、自宅療養の末に死亡しています

 検察は「再捜査で判断を見直した。反省すべき点もあった」と述べています。このケースは「起訴取り消し」になりましたが、近年でも冤罪が絶えません

 布川事件東京電力女性社員殺害事件湖東病院事件など「再審無罪」が相次ぎます。捜査も裁判も誤りだったのです

 再審の扉すら開かないケースも多々あります。鹿児島の大崎事件では再審無罪となるべき新証拠を弁護団が出しても、最高裁がその価値を一蹴し、高裁が認めた再審を取り消してしまいました

 そもそも本当に「殺人」なのかも怪しい事件です。被害者が自転車で側溝に転落した際の「出血性ショック死の可能性が高い」と新鑑定は述べているのですから。確定判決時の旧鑑定でも「他殺を想像させる」程度の記述でした。

 問題点は明白です。「疑わしきは被告人の利益にの鉄則反しているのです。この原則は再審請求にも当てはまるのですから…。知的障害のある人を強引に責めて「自白」に導き、主犯とされた女性の関与を認めさせる−そんな捜査手法にも問題があります

 無罪に導きうる証拠を検察が握っていても、開示は裁判官の「さじ加減」次第−といった問題も浮かびました。刑事訴訟法の再審関連の条文が七十年以上も放置されていることも問題でしょう。

 証拠保全証拠開示のルール化などは必須です。検察官が誠実とは限らないのですから。


◆自由への扉閉ざすな

 冒頭の黒人ピアニストは警察の留置場から出ることができました。「弁護士」への電話によって…。もっとも、その相手は当時のロバート・ケネディ司法長官。ピアニストの友人だったわけです。警官を殴った運転手まで留置場を出られたのはご愛嬌(あいきょう)でしょう。

 しかし、日本で無実を訴える人々にはそもそも電話できる「ロバート」などいません。ならば再審制度の作り直しが急務です

 冤罪はあまりに残酷です罪なき者の自由への扉を閉ざす司法とは、「貼り紙」前の暗黒時代と本質は同じです。
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●「市民が自由に発言できるよう改憲をくい止め共謀罪法、秘密保護法を廃止することが戦争への道を止める」

2018年06月23日 00時00分02秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】



1年以上前の記事を二つ。東京新聞の伊東浩一記者による記事【27年前の「横浜事件」映画が続々再上映 「共謀罪」審議の中「歴史の教訓に」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017051590135422.html)と、
桐山桂一さんのコラム【【私説・論説室から】松川事件を記憶遺産に】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017061902000139.html)。
今日の東京新聞』(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/)から、再びすいません、コピペ・マゴビキさせて頂きました。【言わねばならないこと/「戦える国」に変質 斎藤貴男さん】(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/06/15/125008)。

 《戦時下の治安維持法による言論弾圧を題材に、27年前に富山県朝日町などで撮影された映画「横浜事件を生きて」が今、各地で上映されている。生き証人として事件を語り続けた元雑誌編集者、木村亨さん(1998年に82歳で死去)を追ったドキュメンタリー。戦争に批判的な言論人らを取り締まるため警察が拷問で事件をつくり上げていく過程が当事者の証言で生々しく再現され、反響を呼んでいる》。
 《奪われた自由 戦前想像して…思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される》。

 アノ無茶苦茶から、もう1年。
 「平成の治安維持法」が、与党自公・癒党お維のオカゲで衆院、そして、参院を突破して1年。森達也さんの《4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ》が思い出される…《ならばこの4年で憲法を変えることが充分に可能に…つまり法案はさくさくとすべて通る》…その通りの酷き状況。




   『●「平成の治安維持法」=「テロ対策には 
     全く役に立たない共謀罪を、誰が何のために作ろうとしている」?
   『●「官憲が内心に踏み込んで処罰して、
     人権を著しく侵害した戦前、戦中の治安維持法」が亡霊のように…
   『●「戦前の治安維持法」の亡霊…「共産党幹部の
     夫のために家事をしただけで処罰の対象に」という悍ましさ
   『●ソレは既に彼らの手中…「大量監視の始まり。
      日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに」
   『●「国連とは別の個人の資格」な訳のない
     国連特別報告者のアピールを無視?…沖縄でのプレ「治安維持法」

   『●『キネマ旬報』…「戦前・戦中の言論弾圧につながる
        治安維持法が成立した大正末期と…現在が似ている」
   『●Leaderでなく、狂気なDictator…
      しかも、壊憲に向け、使う話法はドアホウワホウ
   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
      「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『●「本当の権力の恣意的運用というルビコン川を渡った」自公お維
                         …「平成の治安維持法」参議院突破


 主犯「A」の好き嫌いで、「こんな人たち」と指差される社会…それでいいの?
 東京新聞の記事【「共謀罪」成立1年 「監視社会強化招く」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061602000139.html)によると、《自由人権協会代表理事の芹沢斉(ひとし)・青山学院大名誉教授は、一年前に与党が参院法務委員会で採決を省略する異例の手続きで議論を打ち切り、参院本会議で採決を強行したことを振り返り「こんな暴挙をしたのは、近代刑法の原則に違反する悪法だからだ」と指摘。「『犯罪』をかぎつけ、立証するには通信の秘密やプライバシーを侵害する捜査手法が伴う。人権からも大いに問題がある」とも述べ、「皆さんと一緒に廃止に向かっていきたい」と呼び掛けた。…弁護士有志らでつくる「共謀罪対策弁護団」の海渡雄一弁護士は、市民のプライバシー情報が集まるIT企業の警察への情報提供について複数の市民団体でアンケートをとったところ、国内大手八社から回答がなかったことを報告し、情報収集に対する監督機関の必要性を指摘。「市民が自由に発言できるよう改憲をくい止め、共謀罪法秘密保護法廃止することが戦争への道を止める」と訴えた》。

   『●「平成の治安維持法」…「いつの間にか「こんな人たち」に
                くくられる危険性が、この法には色濃く潜む」
    「沖縄タイムスの磯野直記者のコラム【[大弦小弦]具体的な犯罪行為が
     なくても…】…《合意という「心の中」を処罰できる「共謀罪」法が11日、
     施行された…軍国主義が拡大し、同法は一般人の権力批判と
     少数意見も徹底的に弾圧した。何かが劇的に変化したわけではない。
     昨日より今日と、なし崩し的に社会の空気を変え、言論の自由を
     消滅させた》。…よっぽど後ろめたいのだろう、こんな短期間で
     「平成の治安維持法」を施行。じわじわとボディーブロ-のように…
     今は何も感じなくても。気づいた時には茹でガエル。いま踏んばらねば」


 《毛利正道弁護士…治安維持法の制定時にも、政府や警察は『乱用はしない』と再三説明していた。実際には拡大解釈され、戦争に反対した人たちが摘発された。歴史的教訓としなければならない》。
 《戦後最大の冤罪…一審で死刑判決を受けた男性(93)は十年近く拘置所に入れられ男盛りの時代を奪われた。本紙に「『共謀罪』に反対だ実行行為すらいらず、何にでも適用できる。権力の横暴に歯止めがかからなくなる」と答えていた。冤罪。人間の愚かしさも記憶として後世に伝えねばならない》。

 平成の治安維持法と監視・密告社会。冤罪・謀略と国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」…。

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「GHQの策略・謀略。《一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
     年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
     (八月一七日)…。いずれをとっても謀略の色が濃く、…
     「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
     謎に包まれている事件ばかりだ》」

   『●国鉄三大謀略「事件が、
       一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」

 斎藤貴男さん曰く、《奪われた自由 戦前想像して》と。さらに、《権力が市民を監視し、民主主義の絶対条件である「思想信条の自由」を奪う内容に危機を感じ、廃止を訴え続けてきた。その自由を安倍政権に奪われてしまったことに、改めて怒りと屈辱を感じている…思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される》とも。
 是非、斎藤さんの警鐘に耳を傾けてほしい。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017051590135422.html

27年前の「横浜事件」映画が続々再上映 「共謀罪」審議の中「歴史の教訓に」
2017年5月15日 13時54分

 戦時下の治安維持法による言論弾圧を題材に、27年前に富山県朝日町などで撮影された映画「横浜事件を生きて」が今、各地で上映されている。生き証人として事件を語り続けた元雑誌編集者、木村亨さん(1998年に82歳で死去)を追ったドキュメンタリー。戦争に批判的な言論人らを取り締まるため警察が拷問で事件をつくり上げていく過程が当事者の証言で生々しく再現され、反響を呼んでいる。 (伊東浩一)

 三月下旬、長野県岡谷市で開かれた上映会。スクリーンの中で、生前の木村さんが問い掛ける。「『おまえたち、ここで殺していいんだぞ。天皇陛下の命令だ』と(警察官が)堂々と言う。まさに殺されそうだった。こんなむちゃくちゃな時代を想像できますか

 雑誌「中央公論」の編集者だった木村さんは四二年、朝日町出身の国際政治学者、細川嘉六らと新潟県境の親不知(おやしらず)海岸を観光し、同町の旅館「紋左(もんざ)」に宿泊。だが、警察はこの集まりを共産党再建を準備する目的だったと決め付けた。治安維持法違反容疑で木村さんら編集者、研究者ら六十人以上を芋づる式に逮捕し、拷問で四人が獄死。木村さんは丸太の上で正座させられ、さらに警察官が膝の上に乗るといった拷問を受け、うその自白をした

 映画製作では、朝日町で木村さんらを接待した芸者、横浜拘置所の看守らにも取材。証拠がない中、事件がつくり上げられた実態を浮き彫りにする。「情けないことに、あの侵略戦争に屈し、拷問に屈したが、もうこれ以上は許せない」。木村さんが再審請求で冤罪(えんざい)を勝ち取ることを誓い、涙ぐむ場面で映画は終わる。

 上映会を企画した毛利正道弁護士は「大きな衝撃を受けた。今、政府は共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)の成立を目指しているが、治安維持法の制定時にも、政府や警察は『乱用はしない』と再三説明していた。実際には拡大解釈され、戦争に反対した人たちが摘発された歴史的教訓としなければならない」と語る。

 <横浜事件> 1942年、細川嘉六(1888~1962)が雑誌「改造」の掲載論文を「共産党の宣伝」と批判され、警視庁に治安維持法違反容疑で逮捕された。その後、神奈川県警特別高等課(特高)が押収した紋左の写真をもとに、細川らが共産党再建準備会を開いたとして、同容疑などで言論、出版関係者ら60人以上を投獄。拷問で4人獄死、30人余りが起訴される戦時下最大の言論弾圧事件となった。2010年2月、元被告5人の刑事補償を巡る横浜地裁決定は「共産党再建準備会の事実を認定する証拠はない」とし、「実質無罪」と認められた。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017061902000139.html

【私説・論説室から】
松川事件を記憶遺産に
2017年6月19日

 戦後最大の冤罪(えんざい)は松川事件であろう。一九四九年に福島県内で起きた列車転覆事故である。線路継ぎ目のボルトが緩められレール一本も外され、転覆するように仕組まれていた。機関士ら三人が死亡した。

 警察は当時の国鉄の大量人員整理に反対していた労働組合員による犯行だと決め付けていた芋づる式に組合員らが逮捕された。

 一審では被告二十人が全員有罪、うち死刑が五人、五人が無期懲役だった。二審も有罪だったが、最高裁が二審を破棄。差し戻し審で全員が無罪となり、これが確定した。

 冤罪であったことが明白となったが、その背景には弁護団の活躍ばかりでなく、作家の広津和郎が「中央公論」で無罪論を書くなど、作家らの支援運動があったことがある。

 福島大学には松川事件の資料がある。八八年に開設した松川資料室には十万点にのぼる関係資料を収集・公開している。同大ではこれをユネスコの「世界記憶遺産」への登録を目指している。既に国内委員会に対して登録申請の手続きを済ませた。

 一審で死刑判決を受けた男性(93)は十年近く拘置所に入れられ男盛りの時代を奪われた。本紙に「『共謀罪』に反対だ。実行行為すらいらず、何にでも適用できる。権力の横暴に歯止めがかからなくなる」と答えていた。

 冤罪。人間の愚かしさも記憶として後世に伝えねばならない。 (桐山桂一
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http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/06/15/125008

今日の東京新聞
購読している東京新聞の記事を紹介します。読者の応援ブログです。

                       2018-06-15
       言わねばならないこと110 斎藤貴男さん

言わねばならないこと/「戦える国」に変質 斎藤貴男さん/2面


奪われた自由 戦前想像して

 「共課罪」法(改正組織犯罪処罰法)の成立から1年。権力が市民を監視し、民主主義の絶対条件である「思想信条の自由」を奪う内容に危機を感じ、廃止を訴え続けてきた。その自由を安倍政権に奪われてしまったことに、改めて怒りと屈辱を感じている。

 共謀罪は、テロの未然防止の名目で一般市民がテロリストか否かを見分けるところから捜査を始める。性悪説に立ち、市民を見張るべき対象に位置づけている。本来、見張るべき対象は権力側ではないのか

 この1年間に財務省の文書改ざんや自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)などの問題が次々と明らかになった。権力こそ暴走したら恐ろしい。「権力は判断を誤らない」という考えはもはや信用できない

 こういう話をすると「被害者意識ばかり膨らませている」と批判を受ける。確かに共謀罪の疑いで逮捕された人はまだいない。でもそれは、単に権力が逮捕しなかったということにすぎない恣意(しい)的な判断で逮捕できるという現状は変わらず、むしろ社会は監視の度合いを強める方向に向かっている

 共謀罪法が成立した前年には通信傍受法が改正され、警察が会話を盗聴できる対象犯罪が広がった。今月から他人の罪を密告すれば自分の罪を軽くできる司法取引制度も始まっている。

 全ての動きは連動している。この国の「自由度」は極端に狭まっている

 気掛かりなのは、社会が現状に無関心であるように感じられること。戦争がない状態が当たり前の時代に育った人が大半を占めているから仕方ないかもしれない。だが、思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される


 さいとう・たかお/フリージャーナリスト 1958年、東京生まれ。早稲田大卒。日本工業新聞、週刊文春などの記者を経てフリーに。2013年から放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会委員。主な著書に「戦争経済大国」など
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●死刑制度存置: 袴田事件にどう責任?、そして、飯塚事件の絶望感

2014年05月06日 00時00分31秒 | Weblog


マガジン9』(http://www.magazine9.jp/)に出ていた小石勝朗氏による記事【法浪記第26回 改めて、袴田事件の再審開始決定を受けてなすべきこと】(http://www.magazine9.jp/article/hourouki/12282/)。

   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                         司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
                 「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難・・・・・・
               袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田冤罪事件を機に死刑制度の再考ができない我国
   『●「疑わしきは罰せず」「疑わしきは被告人の利益に」:
              今ごろそれを裁判所に訴えねばならないとは・・・
   『●鎌田慧さんインタビュー: 「一人の人間として勇気をふるった名判決」
   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件: 
                        「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」

 「袴田さんが即日釈放になるとは、弁護団も予想していなかった。袴田さんが無実であり、再審開始が必ずや認められると信じていた人たちでさえ、そうだった。これまで捜査機関や裁判所に、ことごとく主張を跳ね返されてきただけに、なおさらだった。だから、これが現実の出来事なのかどうか、いまだに実感が湧かないのだと思う。解放を心から喜びたい」。

 裁判で「捜査機関による証拠捏造の疑い」が指摘された袴田事件。警察・検察はまだ悪あがきを続けるようだ。
 「東京高裁の大島隆明判長は弁護団に「検察、弁護団双方の意見を聞きながら、速やかに審理を進める」と答えたという」 大島隆明裁判官は、

   『
●『冤罪File(2009年12月号)』読了(2/2)
    「池添徳明氏「横浜事件再審で免訴 葛飾ビラ配布に無罪 
     大島隆明裁判長ってどんな人?」(pp.112-119)。良識派の珍しい、
     貴重な裁判官という評価。「「疑わしきは被告人の利益に」という
     刑事裁判の基本原則を、忠実に実践しているように見える」
     数少ない裁判官」 

という方。 

 当ブログでも指摘したし、この記事でも指摘されている様に・・・・・・「政府の世論調査(2009年)では85.6%が「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えていることは承知のうえで、では袴田さんのような事態が現実に起きていることに対する死刑存置論者の意見を聞きたい」。全く同感だ。

 「それにしても国は、釈放すればあとは姉や弁護団、支援者に任せて知らんふりで良いのか。袴田さんの体調をここまで悪化させた原因は、すべて国家機関や警察にあるのだから、無罪確定前とはいえ可能な限りの支援策を講じるべきだろう。1人の人間の人生をめちゃめちゃにした側の、最低限の対応だと思う」・・・・・・袴田巌さんの「人生をめちゃめちゃにした」警察や検察、裁判官、国家は「最低限の対応」さえ出来ていない。「場合によっては死刑もやむを得ない」とする「85.6%」の人々は、冤罪で死刑にされた久間三千年さん、「飯塚事件」をどう考えているのだろうか? 警察や検察、裁判官、国家の威信にかけて「飯塚事件」をもみ消し冤罪は決して晴れることはないのだろうか・・・・・・、大変に悔しいけれども絶望的じゃないかな・・・・・・。何とかならないものか! 「85.6%」の死刑制度存置派がいるわが国ではますます絶望的か・・・・・・。

 最後に、袴田巌さんについての『BOX袴田事件 命とは』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/992be37bb74661549a9c7343d2143341http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9f1d0b1a666a16759c240cbeccd37e90) を漸く見た。フィクションとノンフィクションが混ざってはいるが、本当に恐ろしい中身。映画が出来て約4年。高橋伴明監督の大力作。

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http://www.magazine9.jp/article/hourouki/12282/

小石勝朗 「法浪記」第26回 
改めて、袴田事件の再審開始決定を受けてなすべきこと
2014年4月16日up

 目の前にいるのが本当にご本人なのか、にわかには信じられない気持ちだった。死刑判決が確定しながら身柄拘束48年目にして自由の身になった元プロボクサー・袴田巖さん(78歳)が、再審開始決定~即日釈放から18日ぶりに公の場に姿を見せた。4月14日に東京で開かれた日本弁護士連合会(日弁連)主催の報告集会である。

 袴田さんが即日釈放になるとは、弁護団も予想していなかった。袴田さんが無実であり、再審開始が必ずや認められると信じていた人たちでさえ、そうだった。これまで捜査機関や裁判所に、ことごとく主張を跳ね返されてきただけに、なおさらだった。だから、これが現実の出来事なのかどうか、いまだに実感が湧かないのだと思う。解放を心から喜びたい

 袴田さんの様子は後述するとして、この集会には受けとめるべき材料が多かった。

 率直に記すと集会の会場では、マスコミへのPRに過剰なまでに注力する主催者の姿勢と、マスコミの厚顔無恥な取材態度がどうにも胡散臭く感じられて、「誰に向けた集会なの?」とやや白ける部分もあった。ただ、日弁連は、袴田さんが最初の再審請求をした直後の1981年から継続して支援してきただけに、これから取り組むべきことについてもポイントをきちんと押さえていた。

 静岡地方裁判所(村山浩昭裁判長)の再審開始決定の内容については、前回の拙稿を読んでいただくとして、袴田さんの様子に大騒ぎしているだけのマスコミが報じない部分を報告しておきたい。

 最初の関心事は、再審請求の今後の動向だろう。ご存じの通り、検察は静岡地裁の再審開始決定を不服として、東京高等裁判所に即時抗告したからだ。

 袴田さん弁護団の小川秀世事務局長は強気だった。根拠に挙げたのは、再審開始決定が指摘した「捜査機関による証拠捏造の疑い」である。警察が捏造なんてするはずはないという「偏見」を打ち破り、事実と証拠を素直な目で見ることに加えて、捜査機関の行動を全体的に判断することによって導き出された「必然の結果」だからこそ、「決して動かないものになった」と評価した。

 小川弁護士によると、袴田さんの犯行着衣とされてきた「5点の衣類」には、そもそも犯行着衣である証拠は何もなかったそうだ。犯行現場の近くで発見されたことや血が付いていること、損傷があることなどだけで、犯行着衣と断定されてしまった。それが、再審請求審で実施された血痕のDNA鑑定で完全に否定されたわけで、高裁の即時抗告審に向けても「盤石だ」と、やや興奮気味に語っていた。

 一橋大大学院の葛野尋之教授(刑事法)は、やはり検察の即時抗告に批判的な立場から、もう少し冷静に見通しを分析していた。

 葛野教授によると、高裁の審理では少なくとも、5点の衣類に付着した血痕のDNA型が「袴田さんと一致する」という結果が示されない限り、5点の衣類が袴田さんの犯行着衣とした死刑判決の認定には合理的な疑いが残る。しかし現実的には、高裁でDNAの再鑑定をしたとしても、一致するという結果が得られる可能性は限りなく低い。だから、高裁は「再鑑定を実施しても意味がない」と判断するのではないか、と見立てていた。

 袴田さんの弁護団は3月31日、検察の即時抗告に対して「きわめて不当」との声明を出している。地裁の重い判断を無視して、いたずらに再審開始決定の確定を先延ばしさせるうえ、袴田さんに無用の負担を負わせることを理由に挙げ、「国家機関の不正義により作り出してしまった現状を全く顧みようとしていない」と強く批判した。4月10日には東京高裁に、検察の即時抗告を棄却するよう求める意見書を出している。

 袴田さんの年齢や体調を考えた時、一刻も早く再審を開始し、無罪判決を確定させるべきだろう。東京高裁の大島隆明判長は弁護団に「検察、弁護団双方の意見を聞きながら、速やかに審理を進める」と答えたという。訴訟指揮に期待したい。

 もう一つの大きなテーマは、冤罪を生んだ原因を究明し、同じ被害者を絶対に出さないための対策をしっかり取ることだ。前回の拙稿でも触れたが、「袴田さんが釈放されて良かった」で終わりにしてはいけない制度の改革が不可避である。

 集会で葛野教授は、取り調べの全過程の可視化、検察が持つ証拠の全面開示、DNA再鑑定の機会保障を求めていた。西嶋勝彦・弁護団長も、取り調べの全面可視化、証拠の全面開示、冤罪の原因を究明する公的な第三者機関の設置などを冤罪防止策として挙げた。

 袴田さんは逮捕直後、犯行を否認していたがゆえに、猛暑の中、1日平均12時間、日によっては午前2時まで16時間を超える長時間の取り調べを受けた。取調室に持ち込まれた便器で用を足すように指示されたり、暴行されたりもしたらしい。その結果、逮捕から20日目で「嘘の自白」に追い込まれる。こうした経緯を振り返れば、取り調べの可視化は冤罪の防止に欠かせまい

 今回の再審請求審では、静岡地裁の訴訟指揮で検察が持つ約600点の証拠が新たに開示され、再審開始決定の支えになった。例えば、5点の衣類のズボンはタグに記された「B」をもとに、もともと袴田さんがはけた大きなサイズが味噌に漬かって縮んだとされてきたが、実は「B」は色を示しており、ズボンはY体だったことが明らかになった。検察が自分たちに都合の悪い証拠を出さなくても良い仕組みになっているからこそ、袴田さんの冤罪を証明するのにこれほどの時間がかかったと言える。

 また、袴田さんを有罪にした証拠が否定された最大の要因が48年前の血痕のDNA鑑定だったことを振り返れば、どんなに昔の事件であっても後に再鑑定ができるように、試料の保存・適正管理をする仕組みも必要だろう。袴田事件の再審開始決定が出た4日後に、死刑執行後の再審請求が棄却された「飯塚事件」では、試料が使い切られていてDNA再鑑定ができなくなっている

 葛野、西嶋両氏は「死刑制度の再考」にも触れていた。「死刑事件でも捜査や裁判の誤りが現実にある」ことが明らかになってしまったわけだから、誤判が取り返しのつかないことになる死刑のあり方について、改めて議論する機会にするべきだろう。政府の世論調査(2009年)では85.6%が「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えていることは承知のうえで、では袴田さんのような事態が現実に起きていることに対する死刑存置論者の意見を聞きたい。

 最後に、袴田さん本人の様子に触れておこう。

 姉の秀子さん(81歳)とともに会場に入って来る時に、客席に向かってVサイン。やや猫背で、飄々と歩いて演壇へ。イスに座ってからも右手でVサインを繰り返し、やがて両手でVを掲げた。穏やかだが、フラッシュの放射を浴びても表情は変わらない。

 秀子さんの挨拶の途中でマイクを握ると、「西郷隆盛」「改革」「完全平和」「権力一本化」といった単語を織り交ぜて語るが、脈絡はない。秀子さんによると、「ピントが狂ったことを言うが、まともな時もある」そうだ。逮捕から48年近くに及ぶ身柄拘束による拘禁反応と認知症の影響である。秀子さんは「何年かかっても、せめて半分くらいは(もとの)自分に戻ってほしい」と願っていた。ぜひそうなってほしい。

 解放されてから袴田さんと面会した支援者が、集会の前に記者会見した。

 一緒に散歩をした日本プロボクシング協会事務局長の新田渉世さんは「ボクシングの会話がかみ合わずに、ちょっと残念でした」と話した。袴田さんは常に持ち歩いている紙袋にちり紙の束を入れていて、いろいろな物をきれいに拭くほか、念入りに手を洗ったり歯磨きをしたりしていたそうだ。病棟の外出届にはしっかりと自分の名前を書いていた。

 長年の支援者で3回面会した寺澤暢紘さんは「今も自分の世界に閉じこもったまま、まだ自由を実感していない」と印象を語り、その原因となった冤罪の問題性を強調した。「のんびりと自分のしたいことができる時間を確保でき、必要な時に支えてくれる人のいる場所で過ごしてほしい」と望む。現在は東京都内の病院にいるが、郷里の静岡県への転院を検討しているようだ。

 袴田さんの弁護団は、当面の生活費や医療費に充てるため「袴田救済ファンド」と名づけた基金を設け、募金を呼びかけている。無罪が確定すれば刑事補償を受けられるが、それまでには時間がかかりそうだからだ。

 それにしても国は、釈放すればあとは姉や弁護団、支援者に任せて知らんふりで良いのか。袴田さんの体調をここまで悪化させた原因は、すべて国家機関や警察にあるのだから、無罪確定前とはいえ可能な限りの支援策を講じるべきだろう。1人の人間の人生をめちゃめちゃにした側の、最低限の対応だと思う。

   (客席に向かってVサインをする袴田巖さん。右隣は姉の秀子さん。)
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●「プロテストソング」 『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号)について

2014年03月03日 00時00分38秒 | Weblog


週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、佐高信の政経外科 番外編/『サンデー毎日』の〝屈服〟】、青木理さん【司法を正す第7回/戦時下の言論弾圧「横浜事件」で国の責任を問い続ける木村まきさん 国家秘密法案の国会提出に危機抱き再審を請求】。

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■①『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 「プロテストソング」。満田夏花さん【震災から3年を前に「帰還」キャンペーン進む 「新・安全神話」のもくろみ】、「被曝管理を個人の責任に」。この国は「自己責任」がお好き(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a26fc111c8f20d49020da3197160d1a8

■②『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 粟野仁雄さん【誤認逮捕の男性が国賠訴訟 失態続きの大阪府警】、「誤認逮捕され、85日間も拘留された会社員・・慰謝料など・・の賠償を求めて大阪地裁に提訴」。大阪府警(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4443c18f725cc3d55ed231e44d57db68

■③『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 柴山哲也氏【原因は特定秘密保護法記者クラブ制度 日本の言論自由度は世界59位】、「トップがフィンランド、そしてオランダノルウェースウェーデンなど北欧や・・」。彼我の差(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d75cc1675b25b8cb8c98d4cc38b06441

■④『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 丸山昇さん【狙いは日本全体の情報管理 安倍的NHKで集会】、「籾井勝人会長が連日国会に呼ばれて質問攻めにされ、醜態をさらしている。こういう人事を行い、大きな批判が巻き起こっていいても平然と見ている安倍内閣

■⑤『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 本多勝一さん【風速計/安倍首相と鎮霊社】、東京新聞記事「靖国・・一角に、『鎮霊社』というなじみの薄い社がある。本殿と鎮霊社の違いは何か。なぜ、四十一年前に設けられたのか。目立たぬ社から、靖国全体を逆照射すると・・」

■⑥『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 島田興生氏【マーシャル諸島の被曝を追い続けて ビキニ・デー60年 帰還に揺れる島民たち】、「「安全宣言で再び被曝」。映画『放射線を浴びた『X年後』』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8048da440ef992da9c1fdd4c4685c149

■⑦『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 【村岡和博の政治時評/文字の記録では伝わりにくい安倍首相の逆ギレや独善性をどう伝え広めていくかが課題】、「経済統計のつまみ食いもこの反論も、質の悪い経済学者たち・・と同類で、・・恣意的なものでしかない」

■⑧『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 【佐高信の政経外科 番外編/『サンデー毎日』の〝屈服〟】、「「『政経外科』はお休みいたします」と小さく書いてあるのを見て、また怒りがこみあげてきた・・「打ち切り」に対する「打ち切り」であって、決して「休み」ではない」

■⑨『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 藤田正氏【今こそ抵抗のうたを】、「忌野清志郎はくじけなかった・・友よ、夜明けまえの闇の中だ!・・「イムジン河」(ザ・フォーク・クルセイダーズ・・)・・「自衛隊に入ろう」(高田渡・・)・・「手紙」(岡林信康・・)」

■⑩『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 【竹信三恵子の経済私考/みえない「輸出立国」の先の道筋 株価頼みのお祈り経済策に不安】、「NHKが「アベノミクスの成功」を連日はやしたてている。だが、日本経済はむしろ方向を失った巨艦になりかけているのでは」

■⑪『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 【小室等 なまくらのれん26/「花はどこへ行った」】、「・・の精神は、この、日本においても、忌野清志郎「Love Me Tender【放射能はいらねえ!】」、斎藤和義ずっとウソだった」などのパフォーマンスに、確実に受け継がれている」

■⑫『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 矢崎泰久さん【発言2014】、「日本全体に怪しい気配が漂っている・・それを徹底的に蔓延させたのは、他ならぬNHKが元凶のように思う・・受信料を払ってはならない」。矜持無し(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f6bbd3835abda9a159fb58a062089547

■⑬『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 中嶋啓明さん【三鷹痴漢冤罪 津山さんの無実、より鮮明に】、「高裁に移ってからは、これまた型通り完全無視」。「国策捜査第32回」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2dabd912c0784cbb12cf507d0adbc88fhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a335981b6c2117894f28ff9b086dced1

■⑭『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 青木理さん【司法を正す第7回/戦時下の言論弾圧「横浜事件」で国の責任を問い続ける木村まきさん 国家秘密法案の国会提出に危機抱き再審を請求】。「戦前の「治安維持法の再来」」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/eba7913f790119052ad2a3313ebc4478

■⑮『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 青木理さん【司法を正す第7回/・・「横浜事件」・・】、「拷問で4人が獄死・・最新は開始されたが・・勇気がない裁判官・・デタラメが続く理由」。せめてもの救い(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d325a91d19262fd2cce2cdf44c70dcf2

■⑯『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 石坂啓さん【初めて老いった!?第78回/考えただけでも恐ろしい】、「友人たちに「啓ちゃんは心配しすぎだよ」と一笑に付されたことがあった。特定秘密保護法がゴリ押しされた時のことだ戦争につながる危惧を・・」

■⑰『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 石坂啓(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/98732c3fbf99caac055e0e25ce59d6b1)さん【初めて老いった!?・・】、「・・「単純すぎる」とみなに閉口されたのだ・・世間との温度差に愕然とさせられた・・いきなり殺されなければ「危険じゃない」という訳じゃないでしょう

■⑱『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 石坂啓さん【初めて老いった!?・・】、「道徳心とか愛国心とかがコドモたちにとって安全かどうか、なぜ疑ってかからない。なぜ怖い光景を想像しないのだろう・・2歳児も戦争はイヤだとは言えない責任は大人の側にある

■⑲『週刊金曜日』(2014年2月28日号、981号) / 赤岩友香氏【金曜日から】、「森達也さん・・『ご臨終メディア』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0fc271402c01b471f0559f03abbde3fb)・・「抗議は怖い、視聴率が非しい。」とある・・自主規制してしまうメディアの様は今にも通じる・・佐高信・・連載・・打ち切・・」
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●特定秘密保護法案「改悪」協議: 沖縄密約事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」

2013年11月23日 00時00分33秒 | Weblog


asahi.comの記事【(新ポリティカにっぽん)「秘密国家」に挑む記者魂】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311190242.html?ref=comtop_fbox_d1と東京新聞の記事【秘密保護法案 横浜事件遺族ら反対声明 「治安維持法の再来」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013112002000248.html)。

 「沖縄密約」で未だにシラを切り続ける自民党議員・日本国政府。西山太吉さんが喝破するように「ウソをつく人達」が、いま、悪法=猛毒の特定秘密保護法案を作成し、「沖縄密約」事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」を狙っているようだ。「「横浜事件」で、治安維持法違反容疑で逮捕された被害者の遺族や支援者」は、当然だけれども、反対声明を出した。
 与党もどきの野党であるみんなの党や日本維新の会は、廃案しか道はないはずであるのに、協議に応じ、しかも、「修正」協議で「正しく」修正するどころか、改悪する始末である。橋下徹元大阪“ト”知事は「仕方ない」と他人事で、「改悪」協議が猿芝居・デキレースであったことを示唆している。両「与党もどきの野党」は、さっさと「自公」党と合体して、すっきり国民に見えやすい形にすべきだ。
 安倍政権になって何もかも無茶苦茶が通り、最悪だと思っていた小泉純一郎政権を下回る悪辣ぶりである。愚痴っても仕方がないのだが、自公議員や与党もどきの野党議員に投票してしまった人たちは、一体どうこの「責任」をとるのだろうか?

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http://www.asahi.com/articles/TKY201311190242.html?ref=comtop_fbox_d1

(新ポリティカにっぽん)「秘密国家」に挑む記者魂
2013年11月19日19時10分

 臨時国会は、戦後日本の危うい曲がり角になりそうである。むろん、それは国家安全保障会議の設立と特定秘密保護法案の行方にかかっている。

 小泉純一郎元首相が「原発ゼロ」を改めてぶちあげた日本記者クラブで、先週末、西山太吉さんの会見があった。沖縄返還密約事件で山崎豊子さんの描く小説「運命の人」となった彼がこの秘密保護法案をどう見るか、それを聞いてみたかった。


■沖縄密約 シラを切り続ける無責任さ

 「日本はもともと秘密体質なんだ。そのうえに秘密保護法をつくるだなんて、どんな秘密国家をつくろうというのかね

 1972年の沖縄返還の裏に、米国が負担すべき土地原状回復費用を日本が肩代わりする密約があったことを暴いた西山さんの話は具体的である。

 2000年、アメリカは日本との沖縄返還交渉の外交文書を一挙に公開した。そこには西山さんがつかんだ密約が明らかにされていた。ふつうはそれで日本政府も兜(かぶと)を脱ぐだろう。ところが違った。外務省は密約の当時のアメリカ局長吉野文六氏を呼んで「密約は一切ないと言ってくれと口止めをした。吉野さんはOKした。外務省はあわてて日本側の資料を焼却した。1200トンに及ぶ量だった、と西山さんは語った。

・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013112002000248.html

秘密保護法案 横浜事件遺族ら反対声明 「治安維持法の再来
2013年11月20日 夕刊

 戦時下最大の言論弾圧事件とされる「横浜事件」で、治安維持法違反容疑で逮捕された被害者の遺族や支援者でつくる「横浜事件を語り、伝える会」が、特定秘密保護法案に反対する声明を出した。秘密の範囲があいまいな点が、拡大解釈で言論を封じていった歴史に重なるためだ。「本質は治安維持法の再来。断じて許せない」と訴えている。 (橋本誠)

 「亡くなった元被告たちが生きていたら黙っていないと思った」。終戦直後の一九四五年九月に有罪判決を受けた故小野康人さんの長女、斎藤信子さん(64)=横浜市=が声明に込めた思いを語る。

 雑誌「改造」の編集者だった小野さんは、共産主義を啓蒙(けいもう)する論文に関与し、共産党再建の謀議をしたとして逮捕された。戦後の口述書には「『(プロレタリア作家の)小林多喜二がどうして死んだか知っているか』と絶叫しながら、約一時間にわたって袋だたきに」などと拷問の様子が記されている。

 二〇〇八年の再審開始決定で、横浜地裁は「共産主義的啓蒙論文といえるか疑問」「(会合は)慰労会そのもの」と断定。斎藤さんは「父は事実が全くないのに逮捕された。特定秘密保護法案も、条文の『その他』という言葉など拡大解釈の抜け道が多く、恣意(しい)的に逮捕できるようになるのでは」と廃案を求める。

 被害者が最初に再審請求したのは一九八六年。前年の八五年、中曽根康弘政権が、特定秘密保護法案と似た趣旨の国家秘密法案(スパイ防止法案)を国会に上程していた。

 再審請求は、治安維持法の「目的遂行ノ為(タメ)ニスル行為」という条文の拡大解釈で、普通の出版活動まで処罰されていった歴史を再現させないためだった。

 今回の声明では、特定秘密保護法案も「行政機関の長」が秘密指定する点で、治安維持法のような無限の拡大解釈を招くと警告する。

 言論人として再審を支えた出版社「高文研」前代表の梅田正己(まさき)さん(77)は「八五年と同じ危機感を覚える。現在行われている修正協議は枝葉の問題で、意味がない」と話している。

 横浜事件 神奈川県警察部特高課(当時)による言論弾圧事件。「改造」の論文が共産主義を宣伝し、著者の社会評論家が開いた宴会が共産党再結成の準備会だったなどとして、1942~45年、雑誌編集者や新聞記者ら60人以上が逮捕された。拷問で4人が獄死、1人が保釈直後に死亡。3、4次請求で再審が行われたが、有罪か無罪か判断せずに審理を打ち切る免訴判決が2009年までに確定した。横浜地裁は10年2月、「実体判断が可能だったならば、無罪の判決を受けたであろうことは明らか」と元被告5人の遺族への刑事補償を決定した。
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●「希望にすがるな 絶望せよ」/『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号)についてのつぶやき

2013年02月26日 00時00分31秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年2月22日、932号)、「希望にすがるな 絶望せよ」についてのつぶやきから、AS@ActSludge

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■『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号) / 今到着。「希望にすがるな 絶望せよ」。木野龍逸氏「国会事故調に虚偽説明、すでに3兆円超の税金投入決定/情報隠蔽の東電は国有化を」。真野きみえ氏「橋下大阪市長の処分撤回求め裁判スタート/「入れ墨調査」の是非を問う」

■『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号) / 落合恵子さん「風速計/福島からの声」。平田剛氏「奪われた「山の幸」」。「西川伸一の政治時評/ディテール石破幹事長の不気味な党風刷新の動きと安倍首相が出し始めた地金」

■『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号) / 「谷村智康の経済私考住民の幸福を度外視した「復興」はやめよ! 自治体、業界、マスコミがしていること」。宇都宮健児さん「黒風白雨22/問題の多い公職選挙法」

■『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号) / 「伊藤千尋の国際時典/中国/公害対策なしの経済重視政策が生んだ大気汚染 何のための成長・発展かという原点を見直すとき」。北村肇氏「『約束 名張ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』/「真実」への執念が目に耳に、そして心に」

■『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号) / 本多勝一さん「貧困なる精神543/「人類の契約」を提唱する③ 人間でないと考えるよう教育された兵士」。中嶋啓明氏「天皇制国家の責任追及し戦争への動きを止めたい 「言論弾圧横浜事件国賠請求」、「被害者全員が再審開始決定を見る前に死亡」

■『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号) / 三宅勝久さん「年一億円かけた差別警備に疑問持たぬ記者クラブ員」、「テロ容疑なみの徹底検査を受ける「一般人」を横目に・・・素通りしている。・・・「名誉白人」待遇に嬉々としているとすれば、遠からず読者に見放されることだろう」

■『週刊金曜日』(2013年2月22日、932号) / 岩本太郎氏「安倍自民党政権が」出す“悪法”に向けて「緊急作戦会議」、「いま目の前にある危機~秘密保全法・自衛隊海外派兵・盗聴法改悪・共謀罪復活・排外主義~」をテーマに、寺澤有さんや三宅勝久さんら
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●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(後半)

2011年01月09日 00時05分31秒 | Weblog

前半へのリンク


松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』、11月に読了。梶原得三郎新木安利編。海鳥社。2009年6月第1刷発行。

 『草の根通信』(p.78、159、223)。ガサ入れという警察の嫌がらせで購読者が減るどころか、ますます増加。警察は地団駄でしょうね。
 盟友得さん(p.82、148、219、297、310、324、373、387)。『明神の小さな海岸にて』、梶原和嘉子さんとの問答(p.297)。

 〝殺人〟は絶対に否定されなければならない・・・でも彼らがなぜ「その闘争」をやらなければならないと思ったのか、には耳を傾ける必要がある。『狼煙を見よ ―――東アジア反日武装戦線狼部隊』。東アジア反日武装戦線〈狼〉の大道寺将司さん(p.159、163、183、186、194、199、209、218、221,226、233、242)。
 
オウム・麻原氏に関する森達也さんの『A3』でも感じたこと。「・・・拒絶反応だと断じざるを得ない。/・・・私は暗然とする。信頼してきた『草の根通信』の読者にしてこうなのかと思う。/一度焼きつけられた「冷酷非情の狼」という印象は消えることなく、大道寺将司という名だけで、もう拒絶反応が起きてしまうことになる。知ろうとする心を閉ざして拒絶する壁をめぐらせてしまうことほど、危険なことはないのだが」(p.160)。
 
反日集会での一人の若者からの質問に対して松下センセは、「・・・つい感情を昂ぶらせてしまった。/「あなたは、なんでそんな第三者的な質問をするのか。死傷者を出したことで一番苦しんでいるのは、彼らではないか。われわれは大きな不正を正すために何をしたというのか。何もしないからこそ、彼らのように重大な失敗を招くこともなかった。何もしないわれわれが、やったがゆえに死傷者を出してしまった彼らを、裁くことができるのか」」(p.162)。「そのことで彼らを無差別大量殺人者として糾弾することはたやすい。だが、時代の痛みにも気づかず、あるいは気づいても知らぬふりをしていた者が(行動しなかったがゆえに失敗しもしなかっただけのことで)、行動を起こしたがゆえに大きな失敗をしてしまったものを威丈高(いたけだか)に指弾できるだろうかという思いは、『狼煙を見よ』を書き進むにつれて私の中でつのっていった。なによりも、そのことで一番苦しみ抜いているのは獄中の〝狼〟たちなのだ。/荒井まり子は、企業爆破事件の実行犯ではない。謀議にすら関与してはいない」(p.2101)。
 
司法や警視庁の横暴。荒井まり子さんと田中伸尚さん(p.198、247、249)。田中さんも同件でガサ入れ、しかも、ガサ国賠裁判一審判決で不当な敗訴(p.237)。ガサ入れの無茶苦茶な令状を発布した裁判官を訴えた国賠訴訟に、「国家権力を相手の国賠裁判では、民を全面的に勝たせるほどに気骨のある裁判官はこの国の司法界には存在しないのだろう」(p.232)。「今回の一連の令状を出し続けているのが東京簡裁で、司法段階でのチェック機能が全く放棄されているとしか思えない。・・・東京簡裁の自省を求め、これ以上の令状乱発を阻みたいがためなのだ。/・・・。/『草の根通信』を受け取り拒否してきた人が一人、・・・いるが、逆に新規購読申し込みは・・・九十人にも達している。凄いとしかいいようのない勢いである。警視庁さん、くやしいでしょうな」(pp.222-223)。「・・・八年余の歳月を強いられたわけで、それ自体理不尽である。・・・/・・・。/・・・被告に二名の裁判官を特定した・・・。そもそも家宅捜査の令状を発布するのは裁判官なのだ。警視庁からの・・・令状請求を、裁判官がその段階できちんとチェックしていれば、百数十人にも及ぶ捜査令状は乱発されていなかったはずなのだ。/しかし一審を通じて、東京地裁はついに、令状を乱発した二人の裁判官を法廷に呼ばなかった。・・・。/・・・。/ちなみに、勝訴した私は十万円を貰ったかというと、それは貰えない。・・・賠償金の何倍もの出費を強いられるわけで、まことに国家権力に刃向かう民草の立つ瀬はないのである」(pp.238-239)。大赤字の勝訴(p.240)。「簡易裁判の(家宅捜査)令状請求に対する却下率は0.0六五九%、地方裁判所でも0.二七%という。・・・つまり警察の請求した令状を却下する数は限りなくゼロに近い・・・(しかも、ガサ裁判では令状を出した裁判官の罪は一切問われることはないままに終わった)」(p.253)。
 
田中伸尚さんらの控訴審で福島瑞穂弁護士からの要請で松下センセが意見陳述(p.245)。「大逆事件」、「横浜事件」(p.251)。
 
『腹腹時計』(p.218、225)。
 
在りし日の『朝日ジャーナル』に載った記事、「出かけようとして踏み込まれる側の論理」(pp.224-228)。伊方原発での出力調整実験反対運動に対する〝運動つぶし〟、「東京簡裁は司法サイドのチェック機能を全く放棄してしまっているとしか思えない」。
 
大道寺あや子さん、浴田由紀子さん、重信房子さん(p.234)。

 
『豆腐屋の四季』と〈いのちき〉(p.165、368)。緒形拳さん(p.171)。

 
大分県臼杵市の風成(かざなし)の漁村のお母さんたちの大阪セメントに対するすさまじい闘いを描いた『風成の女たち』(p.176)。そこで指摘された松下センセ自身の足元の問題が周防灘総合開発計画。

 ガサ入れが結ぶ縁。日本赤軍コマンド泉水博さん(p.191、207、214、219、240、244)。『怒りていう、逃亡には非ず ―――日本赤軍コマンド泉水博の流転』。
 『豆腐屋の四季』が取り持つ縁。鎌田俊彦さん(p.196)。

 完全無罪判決後も無謀な追及を続ける警察。記憶の闇、甲山事件と山田悦子さん(p.257)。伊藤ルイさん(p.265)。無謀な神戸地検(p.265)。浅野健一さん(p.266)。判決前に、冤罪被害者と確信しての『文藝』に一挙掲載された長編ノンフィクション『記憶の闇 ―――甲山事件[1974←1984]』(p.268)。

 
遺族には申しわけないが、暴走する検察審査会(p.270)。

 人殺しの練習(p.327)。日米合同軍事演習に凛と反対を唱える伊藤ルイさん(p.334、345)。
 井上澄夫さん(p.351)。
 下筌ダム反対闘争の鬼と化した室原知幸さんについての『砦に拠る』(p.365)。〝拠る(よる)〟とは、立て籠もること。
 アメリカ空軍の射撃場にされた「梅香里(メヒヤンリ)」(p.368)。
 福島菊次郎さん(p.378)。
 「・・・こうして通い続けることが私の答えなのだ・・・。/・・・風成の闘いの中で・・・。/・・・黙っているかぎりはその人は賛成にかぞえられているのだから、と」(p.383)。
 「・・・自衛隊が米軍とともに戦争をする軍隊へとさらに進むことを意味する。・・・「集団的自衛権」を否定した憲法に抵触するものであるとともに、そのようなかたちで自衛隊員らを、殺し殺される戦場に送り出すことを私たちは絶対に許すわけにはいかない」(p.396)。

 新木さんの解説から。「「疾風勁草」・・・。松下さんは激しい風の中でも、「強靭な意志」を峻立させて踏ん張った勁草であった。・・・負けても負けても闘い続ける草の根の一灯は、一隅を照らし、社会の木鐸となる。「斃(たお)れて止まざるは我道なり」と田中正造は言っている。・・・。/松下さんが増田宋太郎を描いた『疾風の人』は「疾風怒濤」という言葉からきていると思われるが、松下さんは「疾風勁草」の「勁草の人」である」(pp.422-423)。「・・・魯迅は「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道となる」・・・。小田実さんは「環境」という言葉は、松下さんたちの努力・たたかいがあって社会に定着してきたのだと言っている」(pp.429-430)。

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●『冤罪File(No.10)』読了

2010年11月20日 00時28分16秒 | Weblog

冤罪File』(冤罪ファイル)(No.10)、11月に読了。2010年6月号。

 「冤罪で苦しむ人たちを支えたい」(pp.2-5)。足利事件の菅家さん。三人の裁判官が謝罪。集う冤罪事件の関係者の皆さん。「布川事件」の桜井昌司・杉山卓男さん、「東電OL殺人事件」、「富山・氷見事件」の柳原浩さん、「仙台・北稜クリニック事件」の守大助さんのご家族、「狭山事件」の石川一雄さん、「免田事件」の免田栄さん、「袴田事件」の袴田巌さんの姉・秀子さん、「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝さんの支援者の皆さん。

 映画『BOX 袴田事件 命とは』の高橋伴明監督インタビュー(pp.8-19)。裁判員制度熊本典道さんの苦しみ。「マスコミが作り上げた冤罪事件も少なくないと思います」。

 裁判員制度は冤罪を見抜けるか? 「・・・絶対に無実の者を罰しないこと。刑事裁判の目的は「無罪の発見」にあるといわれる。/・・・さまざまな原則が定められている。裁判官の「予断排除の原則」、被疑者・被告人の「黙秘権」、有罪の立証があるまで無罪と推定される「無罪推定」、起訴された犯罪事実の存否が不明な場合の「疑わしきは罰せず」・・・」(p.31)。

 三宅勝久さん、「知的障害者は陥れられたのか?/「東金女児殺害事件」に浮かぶでっち上げ疑惑」(pp.33-45)。指紋の不一致や、濡れた手でレジ袋に指紋が残るのかなど、数々の疑問。また、取り調べメモの破棄などの「出したいものだけ出す」検察。

 柳原三佳氏、「「被害者」が「犯罪者」に!? 白バイ冤罪① 最新インタビュー」(pp.46-59)。でっち上げで禁錮1年4カ月の実刑判決を終えた片岡晴彦さん。最初から最後までずっと独居房というイジメ。

 池添徳明氏、「「横浜事件」刑事補償決定で実質無罪/「やっと勝ち取った」遺族の思い交錯」(pp.80-81)。

 三井環[元大阪高検公安部長]さん、「〝悪徳検事〟が検察の実態を完全告発!/情報リークと冤罪のメカニズム」(pp.88-100)。

 粟野仁雄氏、「一体、どういう捜査をしたらこんなことになるのか?/厚生省 村木元局長冤罪事件」(pp.101-109)。

 池添徳明氏、「中川博之裁判長ってどんな人?」(pp.112-119)。多くがヒラメ裁判長の中、「中川さんが無罪判決を書くと目立つというそのことが、実は問題なんです」。「大阪地裁の裁判長は全体的に常識的」。一方、「大阪高裁はひどい裁判官がほとんどで壊滅的」。また、大阪の「検察官の立証活動に最近は荒っぽさが目立つ」。
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●『冤罪File(2009年12月号)』読了(2/2)

2010年03月14日 10時15分39秒 | Weblog

冤罪File(2009年12月号、No.8)』
 里見繁氏「現役テレビプロデューサーの「取材現場発!」 ―足利事件飯塚事件― 「DNA鑑定の呪縛」」(pp。104-111)。地獄から何とか復活できた足利事件と、さっさと死刑を執行されてしまった飯塚事件。「「疑わしきは被告人の利益に」という言葉は捨て去られ、ここでも「難しい科学鑑定は検察の利益に」という悪魔のルールが適用された」。91年と92年頃のデタラメなDNA鑑定は、裁判所の怠慢。「足利事件を暴くことは同時に飯塚事件の真相を暴くことになる。国家が無実の人を殺してしまった可能性がある。これは法務省だけの責任では終わらない。デタラメな鑑定を証拠として主張し続けた検察、それを擁護し冤罪を正すことから逃げ続けた裁判所、もはや法治国家の名に値しない。/異常なスピードで行われた釈放、そして再審開始決定。日本の司法全体が飯塚事件の真相を必死で隠そうとしている」。

 池添徳明氏「横浜事件再審で免訴 葛飾ビラ配布に無罪 大島隆明裁判長ってどんな人?」(pp.112-119)。良識派の珍しい、貴重な裁判官という評価。「「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の基本原則を、忠実に実践しているように見える」数少ない裁判官。
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●横浜事件刑事補償

2010年02月09日 05時13分03秒 | Weblog

敗戦前の冤罪事件として注目すべき横浜事件について、inti-solさんの2月4日のブログ(http://plaza.rakuten.co.jp/intisol/diary/201002040000/)にも出ていましたが、以下は、AMLに代わるCMLに出ていた記事です。

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【http://list.jca.apc.org/public/cml/
              2010-February/002815.html】
[CML 002865] 横浜事件で遺族の訴えを認める判決
 
戦時下最大のえん罪事件である横浜事件で、遺族が提訴した刑事補償について、横浜地裁は遺族の訴えを認める決定を出したとのこと。判決では当時の司法関係者を批判したとのこと。
・・・・・・
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 最高裁で再三の再審請求を免訴しておきながら、今さらという感じはぬぐえませんが、遺族の皆さんには「判決では当時の司法関係者を批判した」という部分がせめてもの救いでしょうか。
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●『ルポ 改憲潮流』読了(1/3)

2008年11月05日 08時08分49秒 | Weblog

『ルポ 改憲潮流』、9月に読了。斎藤貴男著。岩波新書。20065月刊。

改憲派だった「小林節教授が変節した最大の理由」(p.62) は意外だった。「小泉政治の傲慢さと軽さに耐えられなくなりました」(p.42)。大臣にまでなった新自由主義信奉者の経済学者とは一味違う模様。

「過去の非道、罪責に向き合おうとすることさえ、この国の権力は拒否」(p.V)。例えば、横浜事件 (先日1030日、横浜地裁で再審開始が決定。無罪を言い渡すべき新証拠が見つかったとの判断。遺族による4回目の請求でようやく開始)
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