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●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」

2018年12月21日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞の社説【松橋事件再審 早く無罪を告げるため】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018101802000180.html)。中盤に、東京新聞の夕刊(2018年12月20日)の記事ついて、追記あり。

 《一九八五年の松橋(まつばせ)事件(熊本県)の再審が決まり、殺人犯とされた男性は無罪となろう。決め手の新証拠は何と検察側から出てきた再審における証拠開示の明確なルールづくりが必要だ。…一つはやはり自白を偏重する捜査の危うさ…もう一つは証拠開示の在り方…さらに検察が常に抗告する姿勢の問題だ》。

 冤罪はいつまでたっても晴れず。松橋事件のような稀な例を除けば(といっても、検察は最「低」裁に特別抗告している訳で、誤りを認めたのはないようですが…)、警察や検察、裁判所は決して誤りを認めようとしない。
 袴田冤罪事件なんてその典型だ。検察=《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》と。《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ。

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」


 ……… いま、松橋事件について、再審無罪がほぼ確定したようです。末尾に、東京新聞の夕刊記事をコピペさせて頂きます。【松橋事件、再審無罪へ 検察、殺人立証断念】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122002000283.html)。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018101802000180.html

【社説】
松橋事件再審 早く無罪を告げるため
2018年10月18日

 一九八五年の松橋(まつばせ)事件(熊本県)の再審が決まり、殺人犯とされた男性は無罪となろう決め手の新証拠は何と検察側から出てきた再審における証拠開示の明確なルールづくりが必要だ

   <小刀の柄に血が付くのを防ぐため、シャツの布を切り取って
     柄に巻いて刺した。布は燃やした>

 男性は捜査段階の取り調べで、こんな「自白」をしてしまった。松橋町(現・宇城市)で将棋の仲間を殺した容疑が持たれていた。

 首などを刃物のようなもので刺された遺体だった。任意で十三日間も取り調べを受け、その結果の「自白」。そして警察は逮捕令状を取った。

 一審の公判から男性は全面否認に転じたものの、懲役十三年の判決が確定し服役した。その後、驚くべき展開があった。

 九七年に弁護団が再審請求の準備で熊本地検に「証拠物の衣類を見せてほしい」と求めた。すると検察が開示した大量の証拠物の中に、問題の布きれがあった

 燃やしたはずの布きれが存在する-。これは決定的である。「自白」の重要な部分が客観的な事実と矛盾し、信用性が一挙に崩れてしまった。弁護側は小刀の形状と遺体の傷も一致しないとする鑑定書も再審請求審で提出した。

 熊本地裁も福岡高裁も最高裁も再審開始を認めた。逮捕から三十三年もたっていた。このテーマは大きく三つの問題の在りかを指し示す。一つはやはり自白を偏重する捜査の危うさである。

 もう一つは証拠開示の在り方である。二〇一六年に施行された改正刑事訴訟法により裁判員裁判などで全証拠のリストを出す制度になった。だが、再審手続きの場合は制度の対象外である。今回、布きれの開示は偶然の出来事だったかもしれない。

 それを考えると、もはや証拠の全面開示が必要であろう。捜査で得られた証拠は検察のものだという意識改めねばならない

 さらに検察が常に抗告する姿勢の問題だ。熊本地裁での再審開始決定のとき、なぜ検察は抗告したのか。福岡高裁の判断に対しても…。抗告を繰り返せば、それだけ時間が経過してゆくメンツにこだわる必要もない。争う中身があるなら、再審裁判の過程で主張すればよいではないか

 男性は長く殺人犯の汚名を着せられた。今や八十五歳と高齢になった。司法は早く名誉回復を図らねばならない。再審裁判では検察が無罪主張してもいいのだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122002000283.html

松橋事件、再審無罪へ 検察、殺人立証断念
2018年12月20日 夕刊

     (宮田浩喜さん)

 熊本県松橋(まつばせ)町(現宇城市)で一九八五年、男性=当時(59)=が刺殺された松橋事件で、殺人罪などで懲役十三年が確定し、服役した宮田浩喜さん(85)の再審公判に向け、裁判所と検察、弁護団の三者協議が二十日、熊本地裁で始まり、検察側は有罪立証を断念すると表明した。やり直しの裁判で宮田さんの殺人罪について無罪が確実となった。地裁は再審初公判を来年二月八日に開く方針。

 協議終了後に記者会見した弁護団によると、検察側は殺人罪について「有罪の立証も主張もしない。無罪求刑はしない」とした。協議の中で地裁は、確定判決時に有罪認定の根拠となった宮田さんの自白調書の取り調べを再審公判でしないよう提案し、検察側は「上級庁と協議して判断する」と応じた。一方、他に罪に問われた銃刀法違反と火薬類取締法違反については有罪の求刑をする方針を示した。次回三者協議は来年一月三十一日に設定した。

 再審請求審で、熊本地裁は二〇一六年六月、宮田さんが「凶器の小刀に巻いて犯行後に燃やした」と説明したシャツ片が現存した点を重視し、捜査段階の自白の信用性を否定。裁判のやり直しを認める決定をし、昨年十一月に福岡高裁も支持した。検察側は特別抗告したが最高裁が今年十月、棄却した

 事件は八五年一月、岡村又雄さんが自宅で殺害され、将棋仲間の宮田さんが逮捕された。八六年の一審熊本地裁判決は自白の信用性を認めて懲役十三年とし、最高裁で九〇年に確定した。宮田さんは九九年三月に仮出所。認知症のため、成年後見人の弁護士が一二年に再審請求した。

 宮田さんは現在、脳梗塞の後遺症と認知症を患い、熊本市内の施設で暮らす。食事や入浴など、日常生活に介助が必要な状態だという。
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■コレで御終いではない (A.S.)
2019-02-08 21:22:33
■コレで御終いではない(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0334333d9081a07ea5b3df1a07782203) 【松橋再審で無罪確定へ、熊本地裁 即日結審、判決は3月28日】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019020801001744.html)/《熊本県松橋町(現宇城市)で1985年、男性=当時(59)=が刺殺された松橋事件で、殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さん(85)の裁判をやり直す再審の初公判が8日、熊本地裁(溝国禎久裁判長)で開かれ、検察側は殺人罪の求刑をせず、即日結審した。判決は3月28日。無罪が言い渡され、確定する見通しだ…検察側は求刑で殺人罪について「新たな有罪主張はせず、裁判所に適切な判断を求める」とし、宮田さんが他に起訴された銃刀法違反などの罪に対し懲役2年を求めた》


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019020801001744.html

【社会】
松橋再審で無罪確定へ、熊本地裁 即日結審、判決は3月28日

2019年2月8日 16時42分


 熊本県松橋町(現宇城市)で1985年、男性=当時(59)=が刺殺された松橋事件で、殺人罪などで懲役13年が確定し服役した宮田浩喜さん(85)の裁判をやり直す再審の初公判が8日、熊本地裁(溝国禎久裁判長)で開かれ、検察側は殺人罪の求刑をせず、即日結審した。判決は3月28日。無罪が言い渡され、確定する見通しだ。

 認知症を患う宮田さんは出廷せず、罪状認否で主任弁護人の三角恒弁護士が「殺人は無罪です」と述べた。

 検察側は求刑で殺人罪について「新たな有罪主張はせず、裁判所に適切な判断を求める」とし、宮田さんが他に起訴された銃刀法違反などの罪に対し懲役2年を求めた。

(共同)

松橋事件の再審初公判を前に、熊本地裁前で集会を開く弁護団と支援者=8日午後
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