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●《史上最大の公害事件》核発電人災について《東電の旧経営陣に対し、東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟…13兆円の賠償命令

2022年07月27日 00時00分09秒 | Weblog

[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]


 (2022年)07月15日[金])
デモクラシータイムスの映像記事【【白井聡 ニッポンの正体】原発事故はまた起きる!最高裁、驚愕の無責任判決 ゲスト:馬奈木厳太郎さん】(https://www.youtube.com/watch?v=dIljdGNGO9s)、《東京電力福島第一原発事故について被害者が国の賠償責任を問うた訴訟で、最高裁が6月に、「責任がない」という判断を示しました。この判決をどう見るのか。また、今後再び事故が起きうる可能性について福島の事故を基に再検証しました。2022年7月10日 収録》。


【【白井聡 ニッポンの正体】原発事故はまた起きる!最高裁、驚愕の無責任判決 ゲスト:馬奈木厳太郎さん】
 (https://www.youtube.com/watch?v=dIljdGNGO9s

 《史上最大の公害事件》、核発電人災。《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国の日本で原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》…なはずなのに。最「低」裁。そんな論理が許されるのならば、二度と核発電所の稼働など許されない。さっさとすべて廃炉作業に入るべき。(琉球新報)《電力会社と共に「安全神話」を掲げて原発政策を進めてきた国の責任も問われる》べきなのに…。

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?

   『●《史上最大の公害事件》…最「低」裁は《仮定に仮定を重ねて…国の
     責任を否定した。被害者が何を裁判に求めていたかに…向き合わず…》
    《原発避難者訴訟で最高裁が初判断「国の責任認めず」 
     争点は「津波の予見」できたのか添田孝史
     …この史上最大ともいえる公害事件を、誰が引き起こしたのか
     防げなかったのか
      それを追及するため、大きくわけて3種類の訴訟が起こされている。
     当時の東電幹部を業務上過失致死傷罪で強制起訴した
     刑事裁判(1審無罪)。東電の旧経営陣に対し、東電に賠償するよう
     株主が求めた株主代表訴訟。そして17日に最高裁で判決があった
     のは、住民らが国や東電に損害賠償や原状回復を求めた
     訴訟(集団訴訟)だ》

   『●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で
     原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》





[↑ 朝日新聞朝刊 (2022年07月14日[木])]

 さて、《史上最大の公害事件》、核発電人災についての《東電の旧経営陣に対し、東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟、東京地裁は《13兆3210億円の賠償を命じた》。当たり前な判決だと思う。漸く、地裁・高裁レベルではまともな判決も出るようになった。
 田中恭太記者による、アサヒコムの記事【東電旧経営陣4人に13兆円の賠償命令 原発事故めぐる株主代表訴訟】(https://www.asahi.com/articles/ASQ7F3Q0DQ76UTIL03D.html)によると、《朝倉佳秀裁判長は勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の4人に13兆3210億円の賠償を命じた。取締役としての注意義務を果たしていれば原発事故は防げたという判断で、原発事業者の経営責任の重さを示した画期的な判決となる》。
 琉球新報の【<社説>原発事故株主訴訟 経営陣の責任は当然だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1549669.html)によると、《東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟で、東京地裁は13日、勝俣恒久元会長や清水正孝元社長ら旧経営陣4人に計13兆円余りの支払いを命じた。安全対策を怠った当時の経営トップの責任を司法として初めて認めた》。

 《だが、原発事故で住む土地を失い避難生活を続ける人がいる。廃炉の見通しは立たず、大量の汚染水が日々生じている。どんな金額を積んでも取り返せる被害ではない》。そんなに核発電を続けたければ、国や電力会社は福島を《原状回復》して見せて下さい。100兆歩譲って、《原状回復》して見せてくれたら、再稼働について議論して下さい。《原状回復》なんてできないわけですから、さっさと全炉の廃炉作業に移るべき。11年間超、なにをゴチャゴチャ言っているのか。電力が足りない? この11年間以上、国や電力会社は何をやっていたのか?

   『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」 
            …では、何が原因なのか?、を説明して下さい!
   『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で 
     放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?
   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
      みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
    《とくに、原発事故による放射性物質の拡散の影響、それによる
     疾病の増大、小児甲状腺癌の発生と検査体制の問題については、
     とても数十行の文章では意を尽くせない。それについては稿を
     改めようと思う》

   『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ご
     せる未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)
   『●子ども甲状腺がん裁判《東電側…弁護団…「原告らは…甲状腺の健康
     リスクの上昇には関わりがない」などと因果関係を否定》…血も涙も無し
   『●3.11から11年で、この有様…《配管は…事故直後…炉内の汚染蒸気を
     放出する排気(ベント)で使われた。11年が過ぎても、人が近づけない》

 《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ…安倍晋三》様だ。そのアベ様もいまは亡い。キシダメ氏は、国会での議論も無く、国葬をぶち上げた。正気とは思えない。リテラ《3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった》。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
       “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき


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https://www.asahi.com/articles/ASQ7F3Q0DQ76UTIL03D.html

東電旧経営陣4人に13兆円の賠償命令 原発事故めぐる株主代表訴訟
田中恭太 2022年7月13日 15時07分

     (東京地裁に入る東電株主代表訴訟の原告や弁護士ら
      =2022年7月13日午後2時30分、東京都千代田区、
      井手さゆり撮影)

 東京電力福島第一原発事故をめぐり、東電の株主48人が旧経営陣5人に対し、「津波対策を怠り、会社に巨額の損害を与えた」として22兆円を東電に賠償するよう求めた株主代表訴訟の判決が13日、東京地裁であった。朝倉佳秀裁判長は勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の4人に13兆3210億円の賠償を命じた。

 取締役としての注意義務を果たしていれば原発事故は防げたという判断で、原発事業者の経営責任の重さを示した画期的な判決となる。

13兆円の賠償命じた朝倉佳秀裁判長とは 原発訴訟で初の現地視察も
識者「他の電力会社にも影響」東電株主訴訟、原告勝訴の意味合いとは
「過去最高」の22兆円、払える? 原発事故の東電株主訴訟、判決へ
【そもそも解説】株主代表訴訟、勝っても賠償金入らず でも闘う理由

 被告は、経営の2トップだった勝俣元会長、清水元社長、原発を担う「原子力・立地本部」の責任者だった武黒元副社長、武藤元副社長、小森明生元常務の5人。


賠償や廃炉の費用、22兆円を請求

 原告は事故前から脱原発を求めてきた東電の個人株主らで、2012年3月に提訴した。被害者への賠償、廃炉、除染など、原発事故で東電に生じる費用を総額22兆円と算出し、東電に支払うよう求めていた。株主側は、22兆円の請求額は国内の株主代表訴訟で過去最高額とみていた。

 株主らは、02年に国が公表した地震予測「長期評価」や、これを元に東電子会社が08年に計算した最大15・7メートルの津波予測には信頼性や合理性があったと指摘。旧経営陣は、巨大津波の到来を予見できたのに、原発事故を防ぐ防潮堤の建設や原子炉建屋の浸水対策を怠り取締役が負うべき「善良な管理者」としての注意義務に違反したと主張した。

 特に武藤元副社長については、15・7メートルの計算結果の報告を受けたのに、妥当性の検討を土木学会に委ねることで対策を先送りしたと強調した。武黒元副社長に対しても、この方針を了承して何の措置も講じなかったと訴えた。


5人の被告、いずれも反論

 一方、武黒、武藤、小森の3氏は「長期評価には津波対策に採り入れるべき信頼性はなかった」と反論した。長期評価の取り扱いについて社外の専門家である土木学会に検討を依頼したのは「合理的」で、むしろ注意義務は尽くしていたとも主張した。

 勝俣氏と清水氏は、会社全体をみる立場で原発の専門的な知識はなく、「対策が必要になれば担当部署から報告・提案があると認識していた」と反論した。会長については、業務上の執行権限もなかったともしていた。

 株主代表訴訟では、取締役らの違法行為や経営判断の誤りで会社が被った損害について、会社が責任を追及しない場合株主が会社に代わって賠償を求める。東電は被告側の立場で補助参加していた。


刑事裁判では一審無罪

 東電旧経営陣の個人の責任を問う裁判としては、勝俣、武黒、武藤の3氏が、検察審査会の議決に基づき、業務上過失致死傷罪で強制起訴された刑事事件もある。東京地裁は19年に無罪判決を言い渡し、東京高裁の控訴審判決が23年1月に予定されている。

 また、事故で被害を受けた住民らが国を訴えた集団訴訟では、最高裁が6月に責任を認めない判決を出していた。(田中恭太)
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1549669.html

<社説>原発事故株主訴訟 経営陣の責任は当然だ
2022年7月15日 05:00

 東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟で、東京地裁は13日、勝俣恒久元会長や清水正孝元社長ら旧経営陣4人に計13兆円余りの支払いを命じた。安全対策を怠った当時の経営トップの責任を司法として初めて認めた

 未曽有の被害をもたらした原発事故で、責任の所在を明確にした判決の意義は大きい。原発は安全でも低コストでもない。経営者個人が負担するにはあまりに巨額な責任を負うことになる原発の経営は、事業として破綻していると言っていい。脱原発を進めなければならない

 訴訟は、廃炉や汚染水処理の費用などで会社に巨額の損害を与えたとして、一部株主が旧経営陣5人に対して総額22兆円を東電へ賠償するよう求めた。2012年3月の提訴以来、巨大津波による事故を予見できたかどうかが焦点となってきた。

 予見可能性を巡り、政府の地震調査研究推進本部が02年に公表した地震予測「長期評価」に基づき、東電子会社は福島第1原発に最大15.7メートルの津波が到達する試算を出していた。13日の判決は、長期評価は科学的信頼性が認められるとし、大津波が来ることは予見できたと結論付けた

 試算を得ながら対策を先送りした東電の対応について、朝倉佳秀裁判長は「いかにできるだけ現状維持できるか、有識者の意見のうち都合の悪い部分を無視ないし顕在化しないようにするかということに腐心してきた」と厳しく批判。試算に基づき建屋や重要機器室の浸水対策工事を実施していれば、事故を避けられた可能性があったと判断し「事故対策を速やかに指示すべきだったが、取締役としての注意義務を怠ったと旧経営陣の賠償責任を認めた

 原発事故が起きるまで、国も電力会社も原発は「安全」だと強調して設置を推進してきた。その内側では、対策工事の費用がかさむことを嫌がり、現場任せの対応で適切な対策を先送りしていた。発電コストを抑えることが経営者の関心であり、原子力事業者としての徹底した安全意識は根本から欠けていた

 今回の賠償額は国内の民事訴訟で最高とみられる。津波対策を放置した経営判断のつけは巨額の代償となった。だが、原発事故で住む土地を失い避難生活を続ける人がいる。廃炉の見通しは立たず、大量の汚染水が日々生じている。どんな金額を積んでも取り返せる被害ではない

 旧経営陣3人が強制起訴された刑事裁判では、大津波の予見可能性はなかったとして一審は無罪となった。だが、今回の判決は東海第2原発(茨城県)を運営する日本原子力発電が浸水対策を取っていたことなどを挙げ、東電も「浸水対策を発想することは十分に可能だった」とした。経営陣が責任を負うのは当然だ

 電力会社と共に「安全神話」を掲げて原発政策を進めてきた国の責任も問われる
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コメント
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●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?

2022年06月19日 00時00分00秒 | Weblog

[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]


(20220618[])
小沢慧一記者による、東京新聞の記事【原発事故、国の責任認めず 避難者訴訟、最高裁が統一判断「津波対策命じても防げなかった可能性高い」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/184060)。

 《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》

 苦しむ市民を救わない司法、最「低」である
 「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一氏、岡野和美氏も同意見なの? 正気なのかな? 《「大量の海水が敷地に浸入することを防ぐことはできなかった可能性が高い」と指摘。国が東電に対策を義務付けなかったことと、原発事故の発生に因果関係はないと結論づけた》?
 「安全な原発」という形容矛盾を表していて、「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」のならば、国は核発電所を稼働させてはいけなかったのだ。国に明確な責任がある。
 《「地震、津波は想定外だから仕方なかったと言っているに等しい》。






[※ ↑ 朝日新聞 (2022年06月18日[土])]

 「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とってやめたか申し訳ないと謝罪したか」!
 誰も責任をとらない…。《誰も事故の責任を取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》。いまの政治状況と全く同じ。アベ様らの《無責任体質》、腐敗が連鎖。最大の戦犯は未だにのうのうと政治家で居続けている。《火事場ドロボー》として戦争を煽っている。最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か?
 核発電「麻薬」中毒患者の皆さんのやることはデタラメばかり。最「低」裁を頂点とした裁判所も「司法判断」を放棄し、アベ様らに忖度した「政治判断」を繰り返してきた。
 「原発さえなければと思います」―――《原状回復》なき《原発回帰》は許されない。

 原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らし…もう11年半が経とうとしている。
 《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ…安倍晋三》様だ。リテラ《3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった》。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
       “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき


 最「低」裁による究極の《国の責任隠し》、なんのため? 何食わぬ顔で《最大の戦犯》なアベ様を守るため。これも、数多のアベ様案件の一つだ。最高裁の裁判官を、ひたすらアベ様派で固めていたとの噂だが、それが大きく実を結んだ。
 しかも、菅直人氏についてのデマメルマガ事件」の犯人もアベ様だ。今も何食わぬ顔で、原子力「寄生」委員会のデタラメな「お墨付き」の下、核発電所再稼働を強行し、司法も役立たず、核発電所まで輸出しようと暴走していた…大迷惑な核発電「麻薬」中毒者のトップがアベ様。《最大の戦犯》が犯罪を犯し続けており、それさへも《継承》する自公政権。いまだに《ベースロード電源》などと嘯く始末だ。

   『●「想定外」という言い訳は許されない
    《実は、東電の福島第一は津波に弱く、炉心溶融の危険性があることは、
     5年前から指摘されていた想定外などではない。福島第一で
     想定されている津波、チリ地震津波クラスに遭遇すると、大きな引き波に
     よって冷却用の海水を取水できなくなるといわれる。この引き波による
     取水停止が、炉心溶融に発展する可能性を、2006年に国会で共産党の
     吉井英勝議員が質問している。
       二階俊博経産相(当時)は善処を約したが、東電は具体的な改善を
     行なわなかった。東電には地元から改善の要望書も出されているので、
     津波による炉心溶融の「危険性の指摘」を知らなかったはずはない
     百も承知だったのに、素知らぬ顔ですべての原因が想定外の巨大地震に
     あるかのように振舞っているとしたら、なかなかの役者である》

   『●”原子力発電”という箱を開ける覚悟と、(とりようの無い)開けた責任
    《この日、これまでに原発問題を国会で追及してきた吉井英勝衆院議員
     (共産)が質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は昨年5月の同委で、
     電源喪失は「あり得ないだろうというぐらいまでの安全設計はしている」
     と発言していたが、この日は「当時の認識について甘さがあったことは
     深く反省をしている」と述べた。 
       これまでの法廷証言などで電源喪失の可能性を否定してきた班目春樹
     ・原子力安全委員長は「事故を深く反省し、二度とこのようなことが
     起こらないようにしたい」と答えた。 
       また、過去に同様の見解を示してきた前原子力安全委員長
     (現・日本原子力研究開発機構理事長)の鈴木篤之氏も「国民の皆様に
     大変申し訳ないと思っている。痛恨の極み」。電源喪失の事態に備えて
     こなかったことは「正しくなかった」とした》

   『●SLAPPと原発、沖縄
    《[CML 019566] 甘利明の名誉棄損訴訟にSLAPP批判
       甘利明・自民党衆議院議員がテレビ東京を提訴した名誉棄損訴訟が
     恫喝訴訟SLAPPであると批判されている。甘利氏は安倍政権の
     経済産業大臣であった。テレビ東京『週刊ニュース新書』は2011年
     6月18日に甘利氏へのインタビューを放送した。
       インタビューで取材陣は福島原発事故を自公政権の安全対策の
     不備に起因するのではないかと追及した。甘利氏は「津波は想定外」と
     責任回避するが、取材陣は日本共産党の吉井英勝・衆議院議員の
     「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の
     安全を守ることに関する質問主意書」を提示した。そこでは津波被害など
     による電源喪失に起因する原発事故の危険が指摘されている。
       福島原発事故が想定外でないことを示す事実
であるが、この趣意書を
     突き付けた直後にインタビューは中断された。インタビュー中断の事実は
     番組で報道された。この番組放送に対して甘利氏は名誉毀損として
     1000万円もの損害賠償を求めてテレビ東京を提訴した》

   『●『DAYS JAPAN』
      (2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき
    「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
     吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
     ことに関する質問主意書」…提言を無視した結果がご覧の通りの事故である」」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/184060

原発事故、国の責任認めず 避難者訴訟、最高裁が統一判断「津波対策命じても防げなかった可能性高い」
2022年6月18日 06時00分

 東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一

 裁判官4人中3人の多数意見で、三浦守裁判官(検察官出身)は「原子力安全・保安院(当時)と東電が法令に従って真摯(しんし)な検討を行っていれば事故を回避できた可能性が高い」として国の責任を認める反対意見を出した。

 主な争点は①原発事故の原因となった津波を予想できたかどうか②防潮堤の設置や原子炉建屋の浸水対策などの対策を講じていれば事故が防げたか—の2点。

 判決は、国の地震調査研究推進本部が2002年に公表した地震予測「長期評価」に基づき、津波が最大15メートルを超えると予測した08年の東電の試算には合理性があると判断。国が東電に対策を義務付けていれば、防潮堤が設置された可能性は高かったとした。

 しかし、実際に発生した地震はマグニチュード(M)9.1で、想定された8.2前後よりも規模が大きく、津波の到来方向も異なっていたことから、試算を基に防潮堤を設計していたとしても「大量の海水が敷地に浸入することを防ぐことはできなかった可能性が高い」と指摘。国が東電に対策を義務付けなかったことと、原発事故の発生に因果関係はないと結論づけた。

 原告側が主張した原子炉建屋の浸水対策については「事故以前は防潮堤設置が津波対策の基本だった」とし、浸水対策は当時は知見がなく一般的な対策ではなかったとして必要性を認めなかった津波が予測できたかどうかや長期評価の信頼性については、明確な判断を示さなかった

 4訴訟は福島、群馬、千葉、愛媛の各県で起こされ、原告総数は約3700人。2審では群馬以外の3件で国の責任が認められた。東電の賠償責任については今年3月に最高裁で確定し、賠償総額は4件で計約14億円となっている。国の責任はないとの判断が確定したため、東電が全額を支払う。

 原発事故による避難などを巡り、国と東電に賠償を求める同種訴訟は全国で約30件ある。


最高裁第2小法廷の裁判官4人は「国の責任」をどう判断したのか?
  名 前              前 職       判断
――――――――――――――――――――――
 菅野博之              大阪高裁長官            
 草野耕一              弁護士                       認めず
 岡野和美              消費者庁長官
――――――――――――――――――――――
 三浦守                  大阪高検検事長         
                                                                 認める
――――――――――――――――――――――


【関連記事】「被災者の苦しみ無視」 原発避難者訴訟で国の責任認めず 原告ら落胆「国に原発動かす資格ない」

     (東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが国に
      損害賠償を求めた集団訴訟で、最高裁前で判決文を手に
      結果を報告する原告団の馬奈木厳太郎弁護士=17日、
      東京都千代田で)


◆「加害者」あいまいなまま

 原発避難を巡る17日の最高裁判決は、国が東電に津波対策を指示していても事故は防げなかったとして、国の責任を認めなかった。地震、津波は想定外だから仕方なかったと言っているに等しい

 高裁段階で国の責任を認めた愛媛、千葉訴訟では、国は原発建屋などの浸水対策も取っていたら津波の影響が相当程度軽減され、事故は起きなかったと推認した。これに対して最高裁判決は、想定津波で設計した防潮堤では実際の津波は防げず、浸水対策は事故前には一般的な対策ではなかったため、事故は防げなかったとした。

 だが、防潮堤だけで津波を防げるという国側の発想にこそ問題があったのではないか。国の長期評価を基にした2008年の東電の試算でも、原発建設当初の想定の5倍超の津波が算出されている。それまでの安全性が根底から覆される事態であり、浸水を前提とした設計にかじを切るべきだった。

 実際には、国も東電も具体的な対策を「全く」しなかった。高度な専門性を有する原発で、事故から住民の命を守るには国の規制しかないが、国はその役割を放棄したといえる。事故の影響で現在も3万人以上が避難生活を送っている

 再発防止には、責任の所在の明確化が欠かせない。未曽有の被害を出した原発事故で「加害者」が曖昧なままでは、将来の世代に対し「2度と事故は起きない」とは到底言えない。(小沢慧一)


◆唯一反対意見の三浦裁判官、確実に防ぐ対策必要

 原発事故について国に責任があるとした三浦守裁判官の反対意見は、原発事故被害の深刻さを重く捉えた上で、想定を超える事態に備えて、確実に事故を防ぐための対策が必要だったと判示した。

 反対意見は、2002年公表の国の地震予測「長期評価」の信頼性を認めた上で、公表から1年たった03年ごろには、国は津波による被害を予見できた、とした。

 津波や地震は正確な予測が困難で、浸水すれば深刻な事態が生じることを踏まえ、長期評価に基づく試算では浸水が想定されなかった方向からの津波についても「想定することはむしろ当然」と指摘。多数意見が認めなかった浸水対策についても「想定を超える事態への多重的な防護の必要性を、東電も国も認識することが十分可能だった」とした。

 浸水対策が講じられ防潮堤が完成していれば、実際の事故より浸水は相当減り、事故を回避できる可能性は高かったと言及。長期評価は、実際に起きたような巨大地震は想定していなかったものの「『想定外』という言葉によって、すべての想定がなかったことになるものではない」と述べ、「地震や津波の規模などにとらわれて、問題を見失ってはならない」と厳しく断じた。(小嶋麻友美


【関連記事】原発事故の賠償責任「なし」でも…国には賠償基準を見直す責務ある 原発避難者訴訟
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●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》

2020年10月13日 00時00分48秒 | Weblog


リテラの記事【菅首相がきょう訪問する福島の「原子力災害伝承館」で、被災者の“語り部”が国や東京電力の批判をしないよう口封じ】(https://lite-ra.com/2020/09/post-5650.html)。

 《菅義偉首相が初の地方視察として福島県を訪問する。16日におこなわれた初閣議で決定された内閣の基本方針では東日本大震災や原発事故について一切触れなかったことから「もう終わったことにするのか」と批判を浴びていたが、こうした声をかき消すために慌てて視察先に福島を選んだのはミエミエだ。実際、安倍政権では「被災地切り捨て政策がつづけられてきたが、それを菅政権も継承する》。

   『●【金子勝の「天下の逆襲」/野党は「消費減税で戦う」ではなく
      ニューディール議論を】…最悪な税制なんかを導入したが故に…
   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

   『●《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商は〝ベーシック
       インカム7万円〟を「トリクルダウン」だとでも思っているのでは?
   『●《「その後、体調は」と問われた安倍前首相は、こう答えているのだ。
      「新しい薬が効いている。もう大丈夫だ。」》(リテラ)…仮病?
   『●アベ様御夫妻、元・最低の官房長官スガ様、晋官房長官殿…
     ジャパンライフ、48HDも含め「桜を見る会」問題の幕引きは許されない

 《「被災地切り捨て」政策…も「継承」》とはねぇ…。
 リテラのエンジョウトオルさんによる記事【3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった】(http://lite-ra.com/2018/03/post-3862.html)によると、《そんなマスコミが一切触れようとしない、重大な事実がある。それは、あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三であるということだ》。この一点をとっても、アベ様政権や大惨事アベ様政権の冷酷さが分かろうというもの。東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達の多くも無《責任政党》議員だ。
 《いや、政府の姿勢は「被災地軽視」にとどまらない。というのも…「東日本大震災・原子力災害伝承館」…をめぐっては、被災者である「語り部」の話す内容に対し、国や東京電力の批判をおこなわないよう求めている》《「語り部」の話す内容を職員が“検閲”“修正”している》。開いた口が塞がらないよ、全く。

   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな
               詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪
     《オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》

 未だに3.11東京電力核発電人災を引き起こした国が何をやっているのか…。
 東京新聞の【社説/原発輸出戦略 「看板」を書き換えねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/58232?rct=editorial)によると、《日立製作所が、英国での原発新設計画から完全撤退することを決めた。原発輸出は政府の成長戦略の柱の一つ。だがもはや、原発に資金は集まらない。世はまさに再生可能エネルギーの時代である》。
 第一、《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている。

   『●核発電所を再稼働したい? 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑
     …<故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》を聞けよ!
    《女川原発は、震源に最も近い原発です。福島同様、激しい揺れと津波に
     襲われました。到達点よりわずかに高い所にあったため、辛うじて難を
     逃れたにすぎません。…東北の被災原発を再稼働に導いて、「復興原発
     にしたいのか
。原発は安全です、ちゃんと制御
     アンダー・コントロールできていますと、五輪を前に世界へ
     アピールしたいのか》。

   『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
     事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》
   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
     《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている

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https://lite-ra.com/2020/09/post-5650.html

菅首相がきょう訪問する福島の「原子力災害伝承館」で、被災者の“語り部”が国や東京電力の批判をしないよう口封じ
2020.09.26 10:11

     (首相官邸HPより)

 本日26日、菅義偉首相が初の地方視察として福島県を訪問する。16日におこなわれた初閣議で決定された内閣の基本方針では東日本大震災や原発事故について一切触れなかったことから「もう終わったことにするのか」と批判を浴びていたが、こうした声をかき消すために慌てて視察先に福島を選んだのはミエミエだ。

 実際、安倍政権では「被災地切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」する。たとえば、昨日25日に判明した復興庁の2021年度予算の概算要求は、昨年度当初予算である1兆4024億円から55%減となる6331億円。なかでも「住宅再建・復興まちづくり」の予算は5472億円から546億円と10分の1にまで減らされるという。

 東京五輪の招致の際は「復興五輪」と連呼しながら、いつのまにかその掛け声は人類が新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪へとすり替わったように、菅首相も「現場主義に徹して復興をさらに前に進める必要がある」と口にしながら、予算大幅削減の方針からも被災地軽視の態度は明らかだ

 いや、政府の姿勢は「被災地軽視」にとどまらない。というのも、本日、菅首相が訪問する予定の「東日本大震災・原子力災害伝承館」(以下、「伝承館」)をめぐっては、被災者である「語り部」の話す内容に対し、国や東京電力の批判をおこなわないよう求めていることが発覚したからだ。

 「伝承館」は震災と原発事故の記録と教訓を風化させず伝えていくためのアーカイブ拠点施設として今月20日に双葉町に開館したばかりで、「災害の記録と記憶を後世に伝える」「国内外に向け教訓を発信する」ことを目的として設置。24万点を超える資料の展示のほか、「語り部」による被災体験の講話を聞くことができる、という触れ込みだった。

 しかし、開館から3日後の今月23日、「語り部」の話す内容を職員が“検閲”“修正”しているという事実を朝日新聞朝刊が報じたのだ。


■水俣病伝承館ではチッソ批判を禁止してないのに原発災害の伝承館では国や東電批判を禁止

 記事によると、「語り部」の研修会で配られたマニュアルでは〈口演内容は「大震災及びそれに伴い発生した原発事故に関する」ものとする一方、「特定の団体、個人または他施設への批判・誹謗中傷等」を「口演内容に含めないようお願いします」と記載〉していたといい、〈口演内容は事前に原稿にまとめ、伝承館が確認、添削特定の団体を批判した場合などは口演を中止して、語り部の登録から外すこともあるという趣旨の説明もあった〉という。実際、〈東電や国の責任を指摘する語り部のひとりは、〈添削で原稿の一部の変更を求められた〉というのである。

 また、朝日新聞の「『特定の団体』に国や東電が含まれるかどうか」という取材に対し、伝承館を所管する福島県の生涯学習課長は「そうですね」と回答県から出向する伝承館の企画事業部長も「国や東電、県など第三者の批判を公的な施設で行うことはふさわしくないと考えている」と答えている

 言うまでもなく、原発事故は「安全神話」を振りまいてきた東電と国の責任抜きには語れないものだ。しかも、この施設は「東日本大震災・原子力災害伝承館」というその名のとおり、原発事故の教訓を伝え継ぐ役割を担っている。にもかかわらず、被災した「語り部」の思い、考えを封じようとは何事か。

 無論、「伝承」を謳う施設でこのような言論封殺は許されるものではない。たとえば、熊本県にある水俣市立水俣病資料館では、語り部に原因企業であるチッソの批判を禁止するようなことはなく、〈一部の語り部はチッソを名指し、「水俣病の原因と知りながら有機水銀を流した。水俣病問題でなく事件だ」と批判することもある〉(朝日新聞23日付)という。

 しかも、福島第一原発事故は、国会の事故調査委員会も「事故は自然災害ではなく明らかに人災」と結論づけているものだ。国も東電も地震や津波に対する十分な安全対策を怠り、さらには事故後の対応でも東電はメルトダウンの事実を隠蔽するなど杜撰極まりないものだったこうした実態を語ることさえ許さず、何を「教訓」にしようというのだろう


■誰が国と東電の批判を封じたのか 背景に安倍政権から続く原発推進路線

 そして、問題なのは誰が批判封じをしようとしているか、ということだろう。「語り部」のひとりは「(事業費を全額負担する)国への忖度があるんだろう」と朝日新聞の取材に語っているが、実際、「伝承館」の建設費や収集費など計53億円はすべて国が負担。管理・運営をおこなう「公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構」には国の職員も出向している。

 昨年、福島原発事故で対応拠点となるはずだったが役に立たなかった福島県大熊町の「原子力災害センター」(オフサイトセンター)が解体され、事故当時の備品の展示が2020年に開館予定だった「伝承館」に引き継がれることになった際も、「展示を決める主体によって中身が左右されやすい」「原発事故が起きた原因や責任の所在を伝えなければならないが、その点をきちんと伝えられるか」といった懸念が指摘されていた。(東京新聞2019年9月22日)

 安倍政権では「影の総理」とも呼ばれた今井尚哉首相補佐官(現・内閣官房参与)の下、原発推進路線がとられ、原発再稼働が押し進められ、菅首相も総裁選では原発を重要なベースロード電源と位置づけてきた安倍政権を継承する姿勢を見せていた。そうした背景を考えれば、政府が睨みをきかせるなかで国や東電の批判は封じ込められたのだろう。

 「語り部」が教訓を伝える場なのに、政権にとって不都合な事実を語ることが封じ込められた、その施設に出向く菅首相は、いったい何を語るのか。できれば囲み取材で記者からこの件にかんする質問がおこなわれることを期待したいが、今後、菅政権がどのような原発政策を打ち出すのか、その点にも注視しなければならないだろう。

(編集部)
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●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

2018年04月01日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



リテラのエンジョウトオルさんによる記事【3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった】(http://lite-ra.com/2018/03/post-3862.html)。

 《そんなマスコミが一切触れようとしない、重大な事実がある。それは、あの未曾有の福島第一原発事故を招いた最大の戦犯が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三であるということだ》。

   『●「想定外」という言い訳は許されない
    《実は、東電の福島第一は津波に弱く、炉心溶融の危険性があることは、
     5年前から指摘されていた想定外などではない。福島第一で
     想定されている津波、チリ地震津波クラスに遭遇すると、大きな引き波に
     よって冷却用の海水を取水できなくなるといわれる。この引き波による
     取水停止が、炉心溶融に発展する可能性を、2006年に国会で共産党の
     吉井英勝議員が質問している。
       二階俊博経産相(当時)は善処を約したが、東電は具体的な改善を
     行なわなかった。東電には地元から改善の要望書も出されているので、
     津波による炉心溶融の「危険性の指摘」を知らなかったはずはない
     百も承知だったのに、素知らぬ顔ですべての原因が想定外の巨大地震に
     あるかのように振舞っているとしたら、なかなかの役者である》

   『●”原子力発電”という箱を開ける覚悟と、(とりようの無い)開けた責任
    《この日、これまでに原発問題を国会で追及してきた吉井英勝衆院議員
     (共産)が質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は昨年5月の同委で、
     電源喪失は「あり得ないだろうというぐらいまでの安全設計はしている」
     と発言していたが、この日は「当時の認識について甘さがあったことは
     深く反省をしている」と述べた。 
       これまでの法廷証言などで電源喪失の可能性を否定してきた班目春樹
     ・原子力安全委員長は「事故を深く反省し、二度とこのようなことが
     起こらないようにしたい」と答えた。 
       また、過去に同様の見解を示してきた前原子力安全委員長
     (現・日本原子力研究開発機構理事長)の鈴木篤之氏も「国民の皆様に
     大変申し訳ないと思っている。痛恨の極み」。電源喪失の事態に備えて
     こなかったことは「正しくなかった」とした》

   『●SLAPPと原発、沖縄
    《[CML 019566] 甘利明の名誉棄損訴訟にSLAPP批判
       甘利明・自民党衆議院議員がテレビ東京を提訴した名誉棄損訴訟が
     恫喝訴訟SLAPPであると批判されている。甘利氏は安倍政権の
     経済産業大臣であった。テレビ東京『週刊ニュース新書』は2011年
     6月18日に甘利氏へのインタビューを放送した。
       インタビューで取材陣は福島原発事故を自公政権の安全対策の
     不備に起因するのではないかと追及した。甘利氏は「津波は想定外」と
     責任回避するが、取材陣は日本共産党の吉井英勝・衆議院議員の
     「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の
     安全を守ることに関する質問主意書」を提示した。そこでは津波被害など
     による電源喪失に起因する原発事故の危険が指摘されている。
       福島原発事故が想定外でないことを示す事実であるが、この趣意書を
     突き付けた直後にインタビューは中断された。インタビュー中断の事実は
     番組で報道された。この番組放送に対して甘利氏は名誉毀損として
     1000万円もの損害賠償を求めてテレビ東京を提訴した》

   『●『DAYS JAPAN』
      (2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき
    「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
     吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
     ことに関する質問主意書」…提言を無視した結果がご覧の通りの事故である」」

 〝四月バカ〟では済まない、本質的●●。何食わぬ顔で《最大の戦犯》なアベ様。しかも、菅直人氏についてのデマメルマガ事件の犯人もアベ様だ。今も何食わぬ顔で、原子力「寄生」委員会のデタラメな「お墨付き」の下、核発電所再稼働を強行し、司法も役立たず、核発電所まで輸出する…大迷惑な核発電「麻薬」中毒者のトップがアベ様。《最大の戦犯》が犯罪を犯し続けている。

   『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒト
    《結果は大丈夫だったが、海水注入を中断していれば再臨界が起こる
     可能性があり、このネタが本物なら菅首相はすでに辞任していたかも
     知れない。自民党、安倍元首相の背後には原発を今後も推進したい
     経産省が付いており、この谷垣総裁質問の本質は、菅降ろしのための
     「原発クーデータ」計画
だったといっていいだろう》

   『●「メルマガ事件」東京地裁判決、アベ様の
     「息吐く様に嘘つく」典型例が無罪に、そして、はしゃぐメディア
    《数々の「ニセ情報」を発信して政策を捩じ曲げ、「捏造」によって
     「日本の名誉」を傷つけてきたのは、むしろ安倍首相ご本人》
    《メディア報道や他人の発言を「捏造」「でっち上げ」
     「ウソをばらまいた」と声高に批判する安倍だが、その安倍こそが
     過去に数々のニセ情報を捏造し、発信し、大ウソを拡散させてきた》

   『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒトは、 
           いま、熊本大分大地震に際して何をしている?
   『●鈴木耕さん、核発電人災等々々々々々…
       「自民党内閣だったら解決できただろうか。とてもそうは思えない」
    「同感。そして、例えば、核発電人災で誰か一人でも自民党議員が
     責任をとったという話を聞いたことが無い。デマまで流して
     (アベ様による「メルマガ事件」)、当時の政権に責任を押し付ける、
     しかも、それを司法までが助ける」

   『●「安倍ちゃん…○○の象徴じゃない?…あれぐらいのさ、
            ■■な人じゃないと、多分あんなことやれない…」
    「マツコ・デラックスさん、すばらしい。…《インスタとかSNSっていうのは、
     ようはああいうのって、ものすごい操作できるってこと》…本当に。
     直ぐさま、《菅降ろしのための「原発クーデータ」計画》アベ様の
     デマメルマガ事件を思い出した。《都合のいい》ことの羅列に
     終始するに決まっていますね、アベ様のインスタ。《安倍首相のほうこそ
     いたるところで見境なくデマを乱発してきた自らのイメージ向上や
     政策ゴリ押しのために「デマ拡散装置」として利用してきた実績》がある訳
     ですし。息吐く様に噓をつく

 リテラの別の記事【大飯原発福井訴訟弁護団・島田広弁護団長インタビュー/大飯原発が14日に再稼働! 差し止め判決を出した地裁裁判長は左遷、一変した控訴審…裁判所で何が起きているのか】(http://lite-ra.com/2018/03/14.html)によると、《大飯原発といえば、住民らによる運転差止め訴訟で2014年5月、福井地方裁判所樋口英明裁判長(当時)が3、4号機の運転差止めという判決を出した原発だ。…しかも、この判決後、露骨な圧力を思わせる事態が起きる。差止め判決を出した樋口裁判長は大飯原発訴訟の後、高浜原発の差止め訴訟を担当。15年4月に高浜原発再稼働差し止めの仮処分を出すのだが、その後、古屋家裁懲罰左遷される。そして、後任の裁判長は、高浜の樋口判決を覆して再稼働を決定してしまったのだ》。
 「立法府の長」気取りの、最低最悪な「行政府の長」。司法も掌握し、幻影と化した三権分立。…福井地裁「高浜仮処分取消の背景、《政府の意向》に従う《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》。政治判断しかできなくなった司法。
 《このままいけば、“フクシマ”は確実に繰り返されることになる》。

   『●②福井地裁「高浜仮処分」取消の背景《政府の意向》に従う
              《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》

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http://lite-ra.com/2018/03/post-3862.html

3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった
2018.03.11

     (福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”安倍晋三(首相官邸HPより))

 毎年、3.11になると必ずどこのメディアも特集を組み、原発事故の検証記事や避難生活を余儀なくされている人たちの現況を報道する。しかし、そんなマスコミが一切触れようとしない、重大な事実がある。

 それは、あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三であるということだ。

 言っておくが、これは歴代自民党政権が昔から原発政策を推進してきたとか、そういう抽象的なレベルの話ではない。もっと具体的かつ直接的なものだ。

 実は、第一次安倍政権時の2006年には、すでに国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性が指摘されていた。しかし、ときの総理大臣だった安倍は、「日本の原発でそういう事態は考えられないとして一切の対策を拒否していたのである。

 ところが東日本大震災後、安倍は、原発事故の責任を当時の菅直人首相と民主党政権に押し付け真実を追及するメディアを捏造だ!と恫喝することで、その重大責任を隠蔽してきた。そして政権に返り咲くと原発再稼働を次々と強行している

 これまでに再稼働した原発は5基で、原子力規制委員会の新規制基準に合格した原発は14基。言うまでもなく、すべて第二次安倍政権でのことだ。さらに、政府はこれまで原発の新設・増設については「想定していない」としてきたが、昨年、ついに経産省が原発新設の議論に着手した。各社の世論調査でも原発再稼働に反対する声が賛成を大きく上回っているにもかかわらず、である。

 こんな暴挙が、許されていいはずがない。本サイトでは3月11日を迎えるたびに、安倍首相こそが原発事故のA級戦犯であること、そして、その責任を隠すためメディアを黙らせてきたことを、客観的事実を元に記事にしてきた。だが、安倍が総理の椅子に座り続けるかぎり、この状況は止まらないだろう。だからこそ、何度でも伝える義務がある。安倍こそがフクシマの戦犯とは、どういうことか。じっくりと、読んでみてもらいたい。

(編集部)


福島原発事故から5年前、安倍は「全電源喪失はありえない」と地震対策を拒否

 故郷に帰れない多くの被災者を生み出し、放射性物質を広範囲にまき散らし、作物を汚染し、今も国土や海を汚し続けている福島原発事故

 だが、この国家による犯罪ともいえる重大な事故をめぐって、ほとんど語られてこなかった事実がある。それは、現内閣総理大臣である安倍晋三の罪についてだ。

 こういうと、安倍支持者はおそらく原発事故が起きたときの首相は民主党の菅直人じゃないか、サヨクが安倍さん憎しで何をいっているのか、というだろう。そうでない人も、原発を推進してきたのは自民党だが、歴代の政権すべてがかかわっていることであり、安倍首相ひとりの問題じゃない、と考えるかもしれない。

 だが、福島原発の事故に関して安倍首相はきわめて直接的な責任を負っている。第一次政権で今と同じ内閣総理大臣の椅子に座っていた2006年、安倍首相は国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、「日本の原発でそういう事態は考えられないとして対策を拒否していたのだ。

 周知のように、福島原発の事故は津波によって全電源が喪失し、原子炉の冷却機能が失われたことが原因で、政府や電力会社はこうした事態を専門家さえ予測できない想定外のことだったと弁明してきた。

 しかし、実際にはそうではなく、原発事故の5年前に、国会質問でその可能性が指摘されていたのだ。質問をしたのは共産党の吉井英勝衆院議員(当時)。京都大学工学部原子核工学科出身の吉井議員は以前から原発問題に取り組んでいたが、2006年から日本の原発が地震や津波で冷却機能を失う可能性があることを再三にわたって追及していた。3月には、津波で冷却水を取水できなくなる可能性を国会で質問。4月には福島第一原発を視察して、老朽化している施設の危険性を訴えていた

 そして、第一次安倍政権が誕生して3カ月後の同年12月13日には「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を政府宛に提出。「巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい」として、電源喪失によって原子炉が冷却できなくなる危険性があることを指摘した。

 ところが、この質問主意書に対して、同年12月22日、「内閣総理大臣 安倍晋三名で答弁書が出されているのだがこれがひどいシロモノなのだ。質問に何一つまともに答えず、平気でデタラメを強弁する。


福島原発事故と同じバックアップ電源機能不全の実例を指摘されても安倍は…

 まず、吉井議員は「原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」という質問を投げかけていたのだが、安倍首相はこんな答弁をしている。

   「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、
    非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」

 吉井議員はこうした回答を予測していたのか、次に「現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。」とたたみかける。

 しかし、これについても、安倍首相は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない」と一蹴。

 これに対して、吉井議員はスウェーデンのフォルスマルク原発で、4系列あったバックアップ電源のうち2系列が事故にあって機能しなくなった事実を指摘。「日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」と糾した。

 すると、安倍首相はこの質問に対して、こう言い切ったのである。

   「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは
    異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と
    同様の事態が発生するとは考えられない。」

 吉井議員が問題にしているのはバックアップ電源の数のことであり、原子炉の設計とは関係ない。実際、福島原発はバックアップ電源が全部ダメになって、あの深刻な事故が起きた。それを安倍首相は「設計が違うから、同様の事態が発生するとは考えられない」とデタラメを強弁していたのだ。

 そして、吉井議員がこの非常用電源喪失に関する調査や対策強化を求めたことに対しても、安倍首相は「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と、現状で十分との認識を示したのだ。

 重ね重ね言うが、福島原発が世界を震撼させるような重大な事故を起こした最大の原因は、バックアップ電源の喪失である。もし、このときに安倍首相がバックアップ電源の検証をして、海外並みに4系列などに増やす対策を講じていたら、福島原発事故は起きなかったかもしれないのだ。

 だが、安倍首相はそれを拒否し、事故を未然に防ぐ最大のチャンスを無視した。これは明らかに不作為の違法行為であり、本来なら、刑事責任さえ問われかねない犯罪行為だ。

 ところが、安倍首相はこんな重大な罪を犯しながら、反省する素振りも謝罪する様子もない。それどころか、原発事故の直後から、海水注入中止命令などのデマをでっちあげて菅直人首相を攻撃。その罪を民主党にすべておっかぶせ続けてきた


安倍が責任逃れのためにぶちまけたメディアへの恫喝、お得意の「捏造だ」攻撃

 その厚顔ぶりに唖然とさせられるが、それにしても、なぜ安倍首相はこれまでこの無責任デタラメ答弁の問題を追及されないまま、責任を取らずに逃げおおせてきたのか。

 この背景には、いつものメディアへの恫喝があった。

 実は、下野していた自民党で安倍が総裁に返り咲いた直後の2012年10月、「サンデー毎日」(毎日新聞社)がこの事実を報道したことがある。1ページの短い記事だったが、本サイトが指摘したのと同じ、共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の質問主意書に対して安倍首相が提出した答弁書のデタラメな内容を紹介。吉井議員のこんなコメントを掲載するものだった。

   「いくら警告しても、マジメに対策を取らなかった安倍内閣の不作為は重大
    です、そんな安倍氏が総裁に返り咲いて首相再登板をうかがっているのは、
    本人も自民党も福島事故の責任を感じていない証拠でしょう」

 ところが、これに対して、安倍は大好きなFacebookで、こう反撃したのだ。

   「吉井議員の質問主意書には『津波で外部電源が得られなくなる』との
    指摘はなく、さらにサンデー毎日が吉井議員の質問に回答として引用した
    政府答弁書の回答部分は別の質問に対する回答部分であって、
    まったくのデタラメ捏造記事という他ありません」(現在は削除)

 出た、お得意の「捏造」攻撃(笑)。だが、「サンデー毎日」の報道は捏造でもなんでもなかった。たしかに安倍首相の言うように、吉井議員が質問で外部電源が得られなくなる理由としてあげたのは、津波でなく「地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故」だった。しかし、だったらなんだというのだろう。そもそも、吉井議員が問題にしていたのは外部電源が得られなくなる理由ではなく、外部電源が得られなくなった場合のバックアップ(非常用)電源の不備だった。

 吉井議員は質問主意書の中で、バックアップ電源4系列中2系列が機能しなくなったスウェーデンの原発事故を引き合いに出しながら、日本の多くの原発が2系列しかないことを危惧。2系列だと両方とも電源喪失して原子炉を冷却できなくなり、大事故につながる可能性があると指摘した。

 それに対して、安倍首相が「我が国の原子炉施設で同様の事態が発生するとは考えられない」と回答したのだ。福島原発の事故はまさにバックアップ電源が喪失したことで起きたものであり、その意味で「サンデー毎日」の「津波に襲われた福島原発を"予言"するような指摘を、十分な調査をせずに『大丈夫』と受け流した」という記述はまったく正しい。

 もし、質問主意書が地震でなく津波と書いていたら、安倍首相は、バックアップ電源の検証を行って、2系列を海外並みの4系列にするよう指導していたのか。そんなはずはないだろう。

 ようするに、安倍首相は自分の責任をごまかすために、枝葉末節の部分をクローズアップし、問題をスリカエ、「記事は捏造」という印象操作を行っているだけなのだ。

 だいたい、これが捏造だとしたら、メルマガで「菅直人首相の命令で福島原発の海水注入が中断された」というデマを拡散した安倍首相はどうなのか、と言いたくなるではないか。


安倍の盟友・甘利明がテレ東にしかけたトンデモ抗議と、法廷で明かされた真相

 だが、こうした卑劣な責任逃れを行っているのは安倍首相だけではない。実は安倍首相の捏造攻撃にはお手本があった。それは安倍の盟友の甘利明・経産相がその少し前、テレビ東京に対して行っていた抗議だ。前述した安倍首相のFacebookの投稿はこう続けられている。

   「昨年テレビ東京が安倍内閣の経産大臣だった甘利代議士に取材した
    放送で同様の虚偽報道がされたそうです。
      甘利事務所は強く抗議し、テレビ東京が「質問主意書には、
    津波で電源を失う危険性についての記述はないにもかかわらず、
    放送では、その危険性があるかのような誤った認識の下、
    自民党政権の原子力政策に関する報道を行いました」として、
    虚偽内容の放送であったことを認め、放送法第4条に基づく
    訂正放送をしたとのことです
      天下のサンデー毎日がすでに訂正放送を行い、謝罪したテレビ局と
    同じねつ造をするとは(笑)」

 安倍が「同様の虚偽報道」としているのは、2011年6月18日放送の『週刊ニュース新書』(テレビ東京系)のことだ。同番組は原発事故の責任を検証する企画で、第一次安倍内閣でも経産相をつとめ、原子力行政に深くかかわっていた甘利をインタビューし、その際にやはり吉井議員の質問主意書に対する安倍首相の答弁書の問題を追及した。すると、突然、甘利が席を立って、別室に姿を消した。そして、記者にテープを消し、インタビューを流さないように要求したのである。

 テレ東の記者は当然、その要求を拒否。番組では、甘利議員がいなくなって空席となった椅子を映し「取材は中断となりましたとナレーションとテロップを入れて放送した

 これに対して、放映後、甘利事務所がテレビ東京に抗議してきたのだ。しかも、テレビ東京が完全謝罪を拒否したところ、甘利は東京地裁にテレビ東京と記者3名を名誉毀損で訴えたのである。

 ちなみにこの法廷では、テレビ東京の記者の意見陳述で、甘利元経産相のとんでもない本音が暴露されている。

 甘利元経産相は別室に呼び出した記者に、「これは私を陥れるための取材だ。放送は認めない。テープを消せ」と何度も恫喝し、それを拒否されると、逆ギレしてこう叫んだのだという。

   「何度も言うが、原子力安全委員会が安全基準を決める。彼らが決めた
    基準を経済産業省は事業者に伝えるだけ。(中略)大臣なんて細かいこと
    なんて分かるはずないし、そんな権限がないことくらい分かってるだろう。
    (質問主意書への)答弁書だって閣議前の2分間かそこらで説明を
    受けるだけだ」

   「原発は全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本は終わりだ。
    落ちる所まで落ちればいい。もう私の知った事ではない」


スラップ訴訟でマスコミは完全に萎縮、いまなお放置され続けている安倍の罪

 これが、経産大臣として原子力行政を司った人間の言葉か、と耳を疑いたくなるが、この裁判にいたる経緯からもわかるように、甘利サイドの抗議、訴訟のメインは質問主意書の内容が「津波でなく地震だった」という話ではなかった。いきなり質問主意書を持ち出してきたことがルール違反だ、自分の承諾なしにインタビューを放映した、自分が逃げたという印象を与えるような報道をされたことが「名誉毀損にあたる」と訴えてきたのである。

 ただ、それだけでは大義がたたないために、テレ東が番組で、「津波による電源喪失を指摘」と報じていたことをとらえ、今回の安倍首相と同じく「質問主意書には津波のことは書いていない」とついでに抗議したのだ。

 そういう意味で、甘利の抗議と訴訟は明らかなイチャモンであり、スラップ訴訟としか思えないものだった。そもそも、甘利や安倍は吉井の質問主意書に津波のことが書いていないというようなことをいっているが、実際は、津波によって冷却機能喪失の危険性を指摘する記述がある。

 だが、弱腰のテレビ東京は、訴訟を起こされる前になんとかなだめようと、地震を津波と間違えた部分だけを訂正してしまった。その結果、訴訟でもほとんどのところで甘利側の言い分が却下されたが、この枝葉末節の部分をテレ東がすでに間違いを認めているとみなされ、330万円の損害賠償金がテレ東側に命じられた(もちろん、この判決の背景には政治家が起こした名誉毀損訴訟についてほとんど政治家側を勝たせ続けている裁判所の体質もある)。

 しかも、テレ東は現場の意向を無視して控訴を断念。報道そのものが「虚偽」「捏造」だったということになってしまった。

 ようするに、安倍首相はこのオトモダチ・甘利が使ったやり口をそのままならって、責任追及の動きを封じ込めようとしたのである。しかも、テレ東がお詫びを出したという結果をちらつかせることで、他のマスコミを封じ込めようとした

 実際、「サンデー毎日」はさすがにお詫びを出したりはしなかったが、新聞・テレビはすでに甘利のスラップ訴訟で萎縮していたところに安倍の捏造攻撃が加わり、この問題を扱おうとする動きはほとんどなくなった。

 そして、翌年、第二次安倍内閣が発足すると、安倍首相はこれとまったく同じ手口で、自分に批判的なマスコミを片っ端からツブシにかかった。枝葉末節の間違いを針小棒大に取り上げて、「捏造」と喧伝し、批判報道を押さえ込む――。さらに、読売、産経を使って、菅直人元首相や民主党政権の対応のまずさを次々に報道させ、完全に原発事故は菅政権のせいという世論をつくりだしてしまった

 こうした安倍首相とその仲間たちの謀略体質には恐怖さえ覚えるが、もっと恐ろしいのは、彼らが政権をとって、再び原発政策を決める地位にあることだ。不作為の違法行為によってあの苛烈な事故を引き起こしながら、その責任を一切感じることなく、デマを流して他党に責任を押しつける総理大臣。そのもとで、反対を押し切って進められた原発再稼働。そして、まさかの原発新設議論の着手……。

 このままいけば、“フクシマ”は確実に繰り返されることになる

エンジョウトオル
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