[※ 違法捜査 滋賀県に賠償命令/再審無罪 元看護助手の訴訟/虚偽の供述 誘導認定 地裁判決/不利な証拠 送致なら不起訴も 判決指摘/西山さん「国に勝つのは難しいのかな」(朝日新聞、2025年7月18日[金])] (2025年07月21日[月])
湖東記念病院人工呼吸器事件、なぜ、《国への賠償請求》を棄却? 《患者が自然死した可能性を示す捜査報告書を検察に送らなかった》…申し訳ないけど、本当なのかね? 検察が本当にそれを知らなかった? 《捜査の問題点と刑事司法の改善》は行われたか? 未だ《(湖東記念病院冤罪事件) 西山美香さんの15年を無駄にして》しまったままなのではないか?
『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】』
『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!』
『●警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、
《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか?』
『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》』
《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い。
再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減
次第である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ》
《元看護助手・西山美香さん…「…鹿児島・大崎事件(第4次
再審請求中=懲役10年)の原口アヤ子さんは41年間無実を
訴えていますし、松橋事件(懲役13年)も無罪確定まで34年
かかっています。正直、再審開始が決まったときはほっとした
と同時に、長く闘われている方には申し訳ない気持ちも
ありましたね。」》
『●《裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、
逮捕・起訴はなかったかもしれません」》と仰ってたのですがね?』
《だが、県は、15日に地裁へ提出した準備書面で「取り調べ担当官に
好意と信頼を寄せて虚偽の殺害を自白することなど、
根本的にあり得ない」とし、捜査の違法性を否定。「被害者を
心肺停止状態にさせたのは、原告である」と主張した。
再審の無罪判決で、裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも
適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」
と説諭したが、「滋賀県警としては、承服し難い」とも反論した》
『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!』
『●再審無罪が確定した西山さんの国家賠償請求訴訟で、冤罪を生んだ滋賀県警が
《今になって西山さんを犯人視する書面を作成、裁判所に》…』
『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、
冤罪を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を』
《弁護団によると、大津地方裁判所で行われた再審の判決で、
裁判長は「15年の歳月を経て初めて開示された証拠が多数ある。
1つでも適切に開示されていれば起訴されなかったかもしれない」
と述べた》
『●《捜査の問題点と刑事司法の改善》は行われたか? 未だ《(湖東記念病院
冤罪事件) 西山美香さんの15年を無駄にして》しまったままなのではないか?』
東京新聞の【<社説>冤罪に賠償命令 刑事捜査改革の契機に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/421883?rct=editorial)によると、《違法な捜査が冤罪(えんざい)を生む怖さを改めて印象づけた判決だ。滋賀県東近江市の病院で2003年、患者が死亡した「呼吸器事件」。再審無罪が確定した元看護助手、西山美香さんが国と県に損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁は県に賠償を命じた。再審無罪の判決同様、捜査の違法性を認め、日本の刑事捜査が抱える根源的な問題を問うた判決だ。国への賠償請求は棄却したが、西山さんの身に起きた悲劇を、司法全体が真摯(しんし)に受け止め、改革を進めなければならない》…いやぁ、無理だと思いますよ。
大滝哲彰記者による、アサヒコムの記事【【そもそも解説】無罪になっても認められない? 国家賠償のハードル】(https://www.asahi.com/articles/AST7J0J1HT7JPTIL00DM.html)によると、《違法捜査などの被害について、国や自治体に裁判で「国家賠償」を求めるケースが相次いでいます。国家賠償とはどのようなもので、どんな場合に認められるのでしょうか。》《「湖東記念病院事件」で再審無罪となり、国家賠償を求めた西山美香さん(右)=2024年5月、大津市》。
真常法彦記者による、アサヒコムのもう一つの記事【元看護助手への取り調べを違法と認定、滋賀県に賠償命令 再審で無罪】(https://www.asahi.com/articles/AST7J24XRT7JPTJB00MM.html?iref=pc_ss_date_article)によると、《滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に死亡した患者への殺人罪で服役後、裁判をやり直す再審で無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(45)が、国と県(県警)に計約5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、大津地裁であった。池田聡介裁判長は、警察の捜査は違法だったと認め、県に約3100万円の賠償を命じた。一方で、国への請求は棄却した。西山さん側は控訴する方針。》
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/421883?rct=editorial】
<社説>冤罪に賠償命令 刑事捜査改革の契機に
2025年7月18日 08時07分
違法な捜査が冤罪(えんざい)を生む怖さを改めて印象づけた判決だ。滋賀県東近江市の病院で2003年、患者が死亡した「呼吸器事件」。再審無罪が確定した元看護助手、西山美香さんが国と県に損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁は県に賠償を命じた。再審無罪の判決同様、捜査の違法性を認め、日本の刑事捜査が抱える根源的な問題を問うた判決だ。
国への賠償請求は棄却したが、西山さんの身に起きた悲劇を、司法全体が真摯(しんし)に受け止め、改革を進めなければならない。
西山さんは男性患者の人工呼吸器を外したとして殺人罪で懲役12年の判決を受け、服役後の再審で無罪となった。今回の判決は、西山さんが「自白」したのは、担当刑事が強く誘導して虚偽の供述をさせた結果だとして、違法な捜査だったと指摘。
さらに、たんを詰まらせるなど患者が自然死した可能性を示す証拠を検察に送致しなかったことは違法と断じた。そうした状況下で検察の起訴が違法とまでは言えないと判断した。
無辜(むこ)の一女性の貴重な時間を奪っておきながら、滋賀県警に冤罪をつくり出したことへの深い反省があったとは言い難い。再審無罪の確定後、当時の本部長は県議会で西山さんに謝罪し、取り調べの適正化などを約束した。
しかし県警は、西山さんを再び犯人視する準備書面を提出。その後、撤回したが、証人として出廷した捜査員は「記憶にない」と繰り返すなど、この訴訟に誠実に向き合ったとは到底言えない。
県警は今回こそ、判決の指摘を正面から受け止め、当時の捜査や立証の過程を徹底検証し、再発防止策を根本から模索するよう、強く求めたい。西山さんにも改めて深く謝罪すべきである。
捜査現場に根強い「自白偏重主義」の危険性も指摘したい。捜査当局がいったん「ストーリー」を作り上げると、軌道修正が極めて難しい組織が正常と言えるのか。「密室」での取り調べが冤罪の温床になっている面も否めない。
各地の弁護士会などが求めているように、取り調べの全過程の可視化(録音・録画の義務化)や弁護士の立ち会い、裁判における証拠の全面的な開示などは、いずれも喫緊の課題。同じような悲劇を二度と起こさないために、今回の判決を重要な契機とすべきだ。
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【https://www.asahi.com/articles/AST7J0J1HT7JPTIL00DM.html】
【そもそも解説】無罪になっても認められない? 国家賠償のハードル
大滝哲彰 2025年7月17日 9時00分
違法捜査などの被害について、国や自治体に裁判で「国家賠償」を求めるケースが相次いでいます。国家賠償とはどのようなもので、どんな場合に認められるのでしょうか。
(「湖東記念病院事件」で再審無罪となり、
国家賠償を求めた西山美香さん(右)
=2024年5月、大津市)
Q 一般的な損害賠償との違いは。
A 損害賠償は民法に定められた手続き。個人や私企業が、故意や過失によって他人の権利を傷つけた場合に償う。
国家賠償は「国家賠償法」という別の法律にもとづく。公務員が誰かに損害を生じさせると、国や自治体が賠償責任を負う。
Q なぜ別の法律になっているのか。
A 法務省によると、戦前は、公務員の不法行為について国は責任を負わないという「国家無答責」が一般的だった。だが日本国憲法の制定によって、国家賠償の考え方が設けられたという。
憲法17条は「何人も公務員の不法行為で損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国や公共団体に賠償を求めることができる」としている。これが国賠法の根拠だ。
(ハンセン病をめぐる国賠訴訟で「勝訴」の旗を掲げる
原告団=2001年5月11日、熊本市京町1丁目)
公務員個人の不法行為だけでなく、道路や堤防といった「公の営造物」に欠陥があって何らかの被害が生じた場合も、国や自治体が賠償責任を負うとしている。
Q 国賠訴訟の件数は。
A 最高裁によると、2024年に地裁が受理した国賠訴訟は約2700件。中身は、自治体のごみ収集車の事故や税金の徴収ミスといったものから、ハンセン病患者への差別、東京電力福島第一原発事故による避難まで幅広い。
(東京電力福島第一原発事故をめぐって国賠訴訟を
起こした避難者ら=2022年6月17日、東京都千代田区)
行政のあり方や立法の不備を………………。
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【https://www.asahi.com/articles/AST7J24XRT7JPTJB00MM.html?iref=pc_ss_date_article】
元看護助手への取り調べを違法と認定、滋賀県に賠償命令 再審で無罪
真常法彦 2025年7月17日 18時55分
(国家賠償訴訟の判決を前に大津地裁に入る西山美香さん
(手前)=2025年7月17日午後1時29分、大津市、
伊藤進之介撮影)
滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に死亡した患者への殺人罪で服役後、裁判をやり直す再審で無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(45)が、国と県(県警)に計約5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、大津地裁であった。池田聡介裁判長は、警察の捜査は違法だったと認め、県に約3100万円の賠償を命じた。一方で、国への請求は棄却した。西山さん側は控訴する方針。
【これまでの経緯】「供述弱者」が抱いた恋愛感情を利用 刑事の取り調べに「違法」判決 ➙
西山さんは警察の取り調べに対し、患者の人工呼吸器を外したと「自白」したことに基づき04年に逮捕され、殺人罪で懲役12年の判決が確定し、服役した。大津地裁の再審で20年、患者は病死の可能性があり、「自白」も誘導されたとして無罪判決を受け、確定した。
この日の判決は、取り調べを担当した男性警察官が、人工呼吸器の操作について虚偽供述を強く誘導した一方で、西山さんの心情をコントロールして虚偽自白を維持させようとしたと指摘。県警の取り調べを「社会通念上相当と認められる範囲を超えたもの」と厳しく指摘した。
患者が自然死した可能性を示す捜査報告書を検察に送らなかったことについては、「証拠調べされていれば、患者の死因判断にも重大な疑義が生じ、検察官は起訴に及ぶことはなかった」と言及。警察が職務上の法的義務に反した判断だったとして、事案の真相を明らかにする刑事訴訟法の目的に反すると断じた。
一方、検察の捜査、判断については「相応の合理性があった」とし、違法性を認めなかった。
滋賀県警は「判決の内容を精査した上で、今後の対応を検討する」、大津地検は「判決は基本的に国の主張が認められたものと考えている」とそれぞれコメントを出した。
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