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●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さんの第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定

2024年11月02日 00時00分31秒 | Weblog

(2024年10月25日[金])
前川さんの身になってほしい!」(青木理さん)、「福井事件」(福井女子中学生殺し福井女子中学生殺人福井女子中学生殺害事件)という明々白な冤罪。10年近くフォローを怠っていたら、この程漸く、第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部(山田耕司裁判長)が再審を決定7年間も冤罪で服役し、終始、無実を訴えていたのに、事件発生から38年も経って、漸く再審を決定。2013年の段階で、名古屋高裁(志田洋裁判長)は愚挙を行っている。(東京新聞)【福井中3殺害 再審取り消し 検察の異議認める】(2013年3月6日)、《福井市で一九八六年に起きた女子中学生殺害事件の再審請求異議審で、名古屋高裁(志田洋裁判長)は六日、「確定判決の事実認定に合理的な疑いを差し挟む余地はない」として検察側の異議を全面的に認め、前川彰司・元被告(47)の再審開始を認めた高裁金沢支部の決定(二〇一一年)を取り消した》。2011年から、10年以上のロス…。

 (2011年12月03日、神保哲生さんのビデオニュースドットコム)【福井事件再審決定、検察は同じ過ちを繰り返すな】《福井市で1986年に起きた女子中学生殺人事件で、殺人の罪に問われ、7年間の服役を終えた前川彰司さん(46)の再審…》。

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(2011年12月12日のブログ)

 神保哲生さんのvideonews.comから(…)。

 「福井事件」の被告に有利な証拠や証言は開示しない。裁判所ももたもたしてばかりだ。

 最新の『冤罪ファイル(冤罪File)』によると、警察や検察とともに作り上げたウソばかり。ある一人の証言者の嘘を基に、多くの証言者にもつじつま合わせの嘘をつかせている。警察と検察がウソの証言をさせている。それを裁判所が見抜けない。しかも、一審(無罪)、二審(逆転有罪)ともに弁護士にやる気がなく、刑事司法の問題がてんこ盛りな冤罪事件。さらに、この場合、被告は一貫して無罪の主張を貫くという、自白の無い非常にまれな冤罪ケース

 前川彰司さんは本当にお気の毒としか言えない。どう考えたっておかしく、無茶苦茶な冤罪。ただ、これは本当に巨大な氷山の極々一角が極々わずかに見えてきたにすぎないだろう。

 この映像の中にも出てくる、45年囚われの身の「袴田事件」の冤罪被告人 袴田巌さんの精神的な状況も気になる。

 青木理さんの言葉、「前川さんの身になってほしい!」。
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   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」





(朝日新聞、2024年10月24日[木])


 東京新聞の記事【福井中3殺害、再審認める 関係者供述の信用性否定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/362025)、《1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(59)の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部(山田耕司裁判長)は23日、裁判をやり直す再審の開始を認める決定をした。前川さんは捜査段階から無実を訴えてきた。高裁支部は、確定判決が有罪の根拠とした関係者供述について、自己の利益のためうその供述をした疑いがあり、信用できないと指摘した。前川さんは90年に一審福井地裁で無罪判決を受けたが、二審の高裁金沢支部で逆転有罪となり、確定。第1次再審請求で、高裁金沢支部は2011年、再審開始を認めたが、検察の不服申し立てを受け、名古屋高裁の異議審で取り消された。23日の決定を受け、前川さんは「ほっとしているが、浮かれるわけにはいかない」と述べた。犯人を指し示す直接的な証拠がない中、確定判決は前川さんに犯行を告白されたなどとする複数の知人の証言を有罪の根拠とした。司法判断ごとにこれらの証言の評価が二転三転する異例の展開をたどってきた》。

 《指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が一切ない》。2013年再審請求棄却は《立証責任回避の違法な決定》だった。今回は、《検察側は既に一審段階で、テレビ番組が別の日の放映だったことを知っていたのに法廷で明らかにしなかったと難じた。「公益を代表する検察官としてあるまじき、不誠実で罪深い不正の所為と激しく非難》!
 東京新聞の【<社説>福井の中3殺害 検察は再審決定に従え】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/362234)、《一審は無罪、しかも再審開始決定は2度目である検察は異議を申し立てず、今度こそ、裁判のやり直しに応じるべきだ。1986年、福井市の自宅で中学3年の女子生徒が殺害された事件で懲役7年の殺人罪が確定し、服役した元受刑者の前川彰司さん(59)の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部は、「捜査に行き詰まり、関係者に誘導等の不当な働き掛けをしたと厳しく指摘し、再審開始を決定した。前川さんは逮捕後、一貫して容疑を否認有力な物証に乏しく、90年の一審判決は無罪だったが、二審では、関係者の証言など間接証拠で逆転有罪となり、97年に最高裁で上告も退けられて、懲役7年の判決が確定した》。

 同じく、東京新聞の記事【山田裁判長、刑事畑のベテラン 前川彰司さんの再審開始認める】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/362069)、《前川彰司さん(59)の第2次再審請求で再審開始を認めた名古屋高裁金沢支部の山田耕司裁判長(62)は、刑事裁判を長く担当し、近年は中部地方の裁判所で勤務するベテランだ。愛知県出身で、1990年に任官。最高裁調査官や岐阜地裁部総括判事、名古屋地裁部総括判事などを経て、2022年11月から名古屋高裁金沢支部の部総括判事を務めている。名古屋地裁時代の20年7月、知人を暴行して死亡させたなどとして起訴された2人の女性被告の裁判員裁判で、起訴内容を認めた被告の1人の供述には変遷があり、信用性に疑いがあるとして、傷害致死罪について2人とも無罪判決を言い渡した》

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!
   『●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道を
     しました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》
   『●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰する
       のは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》
   『●西村カリンさん《これ以上、あってはならない行動をしないで下さい。そして、
       巌さんと姉・ひで子さんに謝罪した上で…違法な行為を検証して下さい》
   『●検察・警察、裁判所、マスコミによって《大きく人生を変えられたのは、
     巌さんだけではありません。巌さんを58年支え続けてきた、姉のひで子さん》
   『●検察は控訴せず、無罪が確定…自白の強要や証拠の捏造など、袴田冤罪事件
     の被害者、袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間の残酷な日々に報いるには?
   『●袴田冤罪事件、何の反省もない検察の《控訴断念》を受け、漸くの謝罪記事
      …マスコミの罪も非常に重い…検察が控訴したら、どうしたのだろうか?
   『●控訴断念、畝本直美検事総長談話…(袴田事件弁護団事務局長・小川秀世さん)
      《無罪判決が確定すれば、だれも巖さんを犯人として扱ってはならない》

 前川さんも、再審がようやく決まったものの、これからも紆余曲折が予想される。袴田さんは、ずっと《いまも、死刑囚のまま》な状態に置かれ続けた。冷酷・残酷な「」は、冤罪者が沈黙することを待っている。姉・袴田ひで子さん同様、前川さんのお父さんも大変だったことと思う。しかも、ここでも、警察や検察は真犯人を取り逃しており、女子中学生のご遺族にどのように申し開きするつもりなのだろうか…。
 さらに、東京新聞の記事【前川さん、91歳父と喜びの握手 再審開始決定を報告、福井】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/362297)、《1986年の福井中3殺害事件の第2次再審請求で、再審開始決定を受けた前川彰司さん(59)が24日、父礼三さん(91)が生活する福井市内の高齢者施設を訪れ、決定を報告した。2人は「良かった」と言い合い、握手して喜んだ。前川さんを長年支えてきた礼三さんだったが、足腰が衰えるなどし、約2年前から施設で暮らす。決定があった23日、前川さんからメールで「再審開始だよ」と知らされた。礼三さんは、前川さんから警察や検察の捜査を裁判所が批判したことなど、決定の詳しい内容を聞き「当たり前のことが当たり前に進んでいる」と目を細めた》。


 西村カリンさんのつぶやき:

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https://x.com/karyn_nishi/status/1849601616598663224

西村 カリン (Karyn NISHIMURA)💙💛@karyn_nishi

厳しい判断かもしれないけど、強盗や殺人事件の報道を巡って、日本のマスコミは袴田事件から何も学んでいないと私は思ってしまう。現在も逮捕場面の動画や写真を撮影し、容疑者についての報道の全ては検察がリークした内容だ。

冤罪のリスクは今もマスコミのせいで高いのではないか。

午前8:59  2024年10月25日
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 片岡健さんのつぶやき:

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https://x.com/ken_kataoka/status/1849064114506850494

片岡健@ken_kataoka

再審決定の福井女子中学生殺害事件

11年前に前川彰司氏の再審を取消した名古屋高裁の志田洋裁判長は取材した事があります

当時は藤沢簡裁判事でしたが、取材をまとめた冤罪File26号を今読み返しても、いかにも酷い冤罪判決を出しそうな人です

古本は手に入るようなので、関心のある方はご一読下さい

午後9:23  2024年10月23日
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 とんでもなくデタラメな冤罪…福井事件、検察の「なりふり構わぬねつ造」。
 日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/警察、検察の「なりふり構わぬねつ造」どれだけあるんだ】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202410290000135.html)。《袴田事件では物的証拠を捏造(ねつぞう)し、福井の事件では証言を捏造する。検察、警察の許し難い不正が、また暴き出された。38年前、1986年に起きた「福井女子中学生殺害事件」で殺人罪に問われ、7年間服役した前川彰司さん(59)の再審請求に対して、名古屋高裁金沢支部は先週、再審を決定。きのう28日開始が確定した。私は20年前、出所直後に入院した前川さんに代わって、ひとり冤罪(えんざい)を訴え続けるお父さんや現地を取材。決定当日は福井テレビにリモート出演させていただいた》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/362234

<社説>福井の中3殺害 検察は再審決定に従え
2024年10月24日 08時03分

 一審は無罪、しかも再審開始決定は2度目である検察は異議を申し立てず、今度こそ、裁判のやり直しに応じるべきだ

 1986年、福井市の自宅で中学3年の女子生徒が殺害された事件で懲役7年の殺人罪が確定し、服役した元受刑者の前川彰司さん(59)の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部は、「捜査に行き詰まり、関係者に誘導等の不当な働き掛けをしたと厳しく指摘し、再審開始を決定した。

 前川さんは逮捕後、一貫して容疑を否認有力な物証に乏しく、90年の一審判決は無罪だったが、二審では、関係者の証言など間接証拠で逆転有罪となり、97年に最高裁で上告も退けられて、懲役7年の判決が確定した。

 前川さんは、服役後の2004年、再審を請求。11年には、かつて有罪判決を出した名古屋高裁金沢支部が再審開始を決定した。しかし、検察側の異議を受け、13年に同高裁が決定を取り消し、最高裁でも取り消しが確定した。こうした複雑な経緯の末、22年から第2次再審請求が争われていた。

 今回の再審請求審では、裁判所の指揮により検察側が200点以上の証拠を開示。それを基に弁護側は多くの新証拠を提出し、「事件発生日に血の付いた前川さんを見た」と供述した関係者の一人が供述後、取り調べの警察官から金銭を受け取っていたことなどが明らかになった。一緒に前川さんを見たとした別の関係者の供述にある「事件当日に見たテレビ番組実際にはその日に放送されていなかったことなども分かった。

 高裁支部は、捜査側の誘導ぶりや証言のずさんさを示す新証拠の多くを採用捜査機関は見立てたストーリーに合った供述や証言を求めていたと批判した。さらに、検察側は既に一審段階で、テレビ番組が別の日の放映だったことを知っていたのに法廷で明らかにしなかったと難じた。「公益を代表する検察官としてあるまじき、不誠実で罪深い不正の所為と激しく非難したのも当然だろう。

 再審法は、検察有利に過ぎるなど、これまでも不備が指摘されており、国会でも超党派の議員連盟が法改正を目指している。支部の裁判長は、今回の決定は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の大前提に従ったと述べた。現状の再審制度の根本に欠けているものがまさにそれであろう
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コメント
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●《日下部正樹氏「ルールを作るのが政治家の仕事…ルールを守るとかそういう次元じゃない…自ら作ったルールを破る人に政治家の資格はあるのか?」》

2024年10月12日 00時00分45秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2024年10月05日[土])
ルールを守る政治に」…何かの冗談か? (報道特集)《日下部正樹氏「…問題は実は単純なんですよ、ルール 法律を作るのが政治家の仕事ですよね、ですから石破さんが言うようにルールを守るとかそういう次元じゃないんです自ら作ったルールを破る人に政治家の資格はあるのか? …」》。
 #投票に行かないからこうなる、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党の #自民党に投票するからこうなる。泥棒・犯罪者集団・反社組織になぜ投票するんですか? 犯罪者に投票する側の論理とは? 泥棒される側の論理では、とても計り知れない。(狙撃兵)《選挙は、経団連やアメリカ、財務省のいいなりとなって、過酷な搾取と貧困、戦争に誘っている政治構造との対決である》はずなのに…。

   『●#投票に行かないからこうなる、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」
     「脱税」党の#自民党に投票するからこうなる…犯罪者に投票する論理とは?

 あ~あ、《「人権感覚ゼロ」「これが法相って怖すぎる」。牧原秀樹衆院議員(53)の法相就任》だってさ。《三原じゅん子・こども政策担当相》ってもう、どういうこと?
 太田理英子森本智之両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「誹謗中傷は全員逮捕」と言った牧原秀樹法相、「愚か者」発言の三原じゅん子担当相…石破内閣の不思議な人選】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/358037?rct=tokuhou)。《石破茂内閣が1日、発足した。石破首相は同日夜の記者会見で「ルールを守る政治に」「人権が守られる社会に」と述べた。しかし、ルールや人権という観点から、登用に疑問の声が上がっている閣僚もいる理念に沿った適材適所の人事がなされているだろうか。(太田理英子森本智之)》。

 超極右・超極下(高市早苗氏)というワーストを回避したというのに、イシ馬さん鹿さん首相というエセ極右(単なる軍事オタクのオジサン)が総裁選中の発言を恥ずかしげもなく真反対な方向へ、つまり、ウソを吐きまくり。挙句の果てに、《「ルールを守る」、「日本を守る」、「国民を守る」、「地方を守る」、「若者・女性の機会を守る」、これら5つの「守る」を実行するという石破内閣の基本方針を表明》…って? 特に、「ルールを守る」って、アホウ派に加えて、イシ馬さん鹿さん自身が裏金の疑いをかけられているし、すがっち並みに、官房長官時代に何十億もの《官房機密費国庫から引き出される金でありながら領収書不要、支払い先を明かす必要がないヤミ金」…「官邸の裏金」》を何に使ったのですか? 立派な「利権」「裏金」「脱税」議員そのもの。(報道特集)《日下部正樹氏「裏金とか統一教会とかVTRの中では色々な発言がありましたけど、中にはあなたはそれを言える立場なのかと言いたくなるような人もいましたけど、問題は実は単純なんですよ、ルール 法律を作るのが政治家の仕事ですよね、ですから石破さんが言うようにルールを守るとかそういう次元じゃないんです自ら作ったルールを破る人に政治家の資格はあるのか? ということなんですね、反社会的活動をしてきた統一教会との関係は言わずもがなです、一部には『政治とはそんなもんだ、いつまで批判してるんだ』と冷笑的に見る向きもありますけど、いま私達に必要なのは『駄目なものは駄目と政治家に突き付ける態度』だと思います」》(https://x.com/siroiwannko1/status/1842492414050828768)。

   『●《広島県府中町議が、昨年5月に克行容疑者に白封筒に入った現金
     30万円を渡された際、克行容疑者から「安倍さんから」と言われた》
    「アベ様マネー1.5億円の原資は? 税金でしょ? アベ様のポケット
     マネーな訳がない。《安倍マネー》の原資は、まさか、税金?
     #素淮会方式? 官房機密費? 河井夫妻の捜査が進めば、その辺も
     掘り繰り返されるのかな?」

   『●《官房機密費…3つからなり、このうち「調査情報対策費」「活動
     関係費」は領収書が必要となる。問題は「政策推進費」》…〝ヤミ金〟
    「リテラの記事【菅義偉首相が使った官房機密費の“ヤミ金”は78億円!
     河井夫妻や安倍応援団にも? マスコミはパンケーキよりこの問題を
     報じろ】」

   『●しんぶん赤旗スクープ…《官房機密費(内閣官房報償費)は95億
     4200万円超…菅氏が自身に支出したのは86億8000万円超にものぼる》
   『●中國新聞の大スクープ(2020年1月家宅捜査時押収メモ)「総理2800
     すがっち500 幹事長3300 甘利100」…検察は捜査のメスを入れず!?
    「「すがっち」は、まさか官房機密費、《領収書不要の「政策推進費」》
     から支出していないでしょうね? 「買収の原資」の原資の出所は?」
     (リテラ)《また、官房長官だった菅氏には、官房長官の裁量で
     機動的に使える「官房機密費」があり、2019年には自民党本部から
     二階氏個人に約10億円もの「政策活動費」が渡っている。これらの
     政治資金は使途公開の義務がないため、買収のための原資として
     流れていても、何ら不思議はないものだ》」

   『●《検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求めら
     れる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた…》
   『●やはり《ヤミ金》を使用…《裏金だけじゃない! 官房機密費を選挙資金
      に不正使用疑惑も次々…安倍首相から現金100万円手渡しとの証言も》
   『●《すがっち500》は予想通り…官房機密費=《ヤミ金》「政府が保管し
     支出する公金」を利権裏金脱税党の選挙運動に支出、趣旨目的外に使用
   『●もっと報じてくれよ…《官房機密費…国庫から引き出される金でありながら
      領収書不要、支払い先を明かす必要がない「ヤミ金」…「官邸の裏金」》
   『●もっと報じてくれよ…《官房機密費…国庫から引き出される金でありながら
      領収書不要、支払い先を明かす必要がない「ヤミ金」…「官邸の裏金」》
   『●官房機密費「ヤミ金」=「官邸の裏金」…カルト協会とヅボヅボな「利権」
     「裏金」「脱税」党を揺るがす中國新聞の「大スクープ」だったというのに…
   『●《戦後最短となる首相就任後10日で解散し「暴挙だ」と批判を浴びた岸田
     文雄首相でさえ首相就任後に解散日程を打ち出したというのに…》(リテラ)
   『●マイナ保険証ごり押し「エラーヒューマン」氏はマトモじゃない…現行
      の保険証で十分なのに、12月の健康保険証の新規発行停止という狂気…
   『●《河野氏…保険証廃止の方針…「大臣間で適宜、意見交換はしていた」と
     説明。一方で、大臣間の協議の事実を裏付ける記録は「ありません」と断言》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/358037?rct=tokuhou

こちら特報部
「誹謗中傷は全員逮捕」と言った牧原秀樹法相、「愚か者」発言の三原じゅん子担当相…石破内閣の不思議な人選
2024年10月3日 12時00分

 石破茂内閣が1日、発足した。石破首相は同日夜の記者会見で「ルールを守る政治に」「人権が守られる社会に」と述べた。しかし、ルールや人権という観点から、登用に疑問の声が上がっている閣僚もいる理念に沿った適材適所の人事がなされているだろうか。(太田理英子森本智之


◆パリ五輪めぐる強硬なSNS投稿が再燃

 「人権感覚ゼロ」「これが法相って怖すぎる」。牧原秀樹衆院議員(53)の法相就任が報じられて以来、交流サイト(SNS)では批判や疑問の声が相次ぎ、「#牧原秀樹を落選させよう」とのハッシュタグ(検索目印)を付けた投稿も目立つ。

 公式サイトによると、牧原氏は東大法学部在学中に司法試験に合格し、日本、米ニューヨーク州の両方で弁護士登録している。

     (法相就任が報じられて以来、SNSで批判や義慰問の声が
      相次ぐ牧原秀樹衆院議員=1日、首相官邸で(平野皓士朗撮影))

 経歴だけなら法相にふさわしそうだが、なぜ適性が疑われるのか。原因は牧原氏が過去に自身のSNSで書き込んだ投稿内容だ。

 「選手に誹謗(ひぼう)中傷した人は全員逮捕すべきだ」「支障が出る場合は法律も変えていきたい」。パリ五輪の出場選手への誹謗中傷が問題になっていた8月、こんな強硬な意見を投稿した。


◆嫌いなものは「対案なき悪口と批判」

 公式サイトでは嫌いなものに「対案なき悪口と批判」を挙げ、これまでも複数人が死亡したあおり運転事件で「死刑でもやむを得ないくらい」と投稿するなど、しばしば激しい処罰感情をあらわにしてきたが—。

 「弁護士資格をかざす政治家としてあるまじき発言」と話すのは、甲南大の渡辺修名誉教授(刑事訴訟法)。「弁護士であれば逮捕が重大な権利侵害を伴う強制捜査だと認識しているはず。『全員逮捕』発言は、裁判官の厳格な司法審査を経る令状主義の原理や、刑罰はやむを得ないときにのみ適用すべきとする刑罰の謙抑主義無視している」と断じる。

     (「誹謗中傷した人は全員逮捕すべきだ」と主張する牧原氏のX)

 法相には国の刑罰制度や捜査全般の運用改善、国際水準を見据えた立法改革など、「大所高所からの政治判断とリーダーシップが求められ、基本的人権の尊重を揺るがすことは許されない」と強調。牧原氏の過去の投稿からは厳罰化や捜査権限の強化に傾いた発信が見られるとし、「再審制度改革など、冤罪(えんざい)防止に向けた取り組みに遅れが出ないか」と懸念する。


◆ウィシュマさん遺族側弁護団に懲戒請求主張も

 法務省が所管する入管行政を巡る投稿で物議をかもしたことも。名古屋出入国在留管理局で収容中にスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが死亡した問題で、昨年4月、遺族側弁護団が施設の監視カメラ映像を公開したことに対し「入管難民法改正反対という『政治的意図』を持っている方々が政治利用しようとしてないか。懲戒請求対象になってもおかしくない」と主張。弁護団への圧力だと批判を招いた。

     (就任会見に臨む牧原秀樹法相=2日、東京・霞が関の法務省で)

 弁護団の児玉晃一弁護士は、牧原氏の就任に「まさかと思ったとがくぜんとした様子。弁護士法では、弁護士の使命を「社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない」と定める。冤罪被害を訴える受刑者の弁護団が再審法改正を求めて活動するように、「弁護士が社会活動に関与するのは当たり前のことだと理解できていない」とあきれる。

 牧原氏が別の投稿で「『サヨク』と見える人は日本人を装った工作員の可能性がある」と書き込んだことも踏まえ、「ネットのうわさ話を信じて偏見をあらわにするなど軽率で、入管行政のトップとして危険だ」と指摘する。


◆就任会見では「一個人としての投稿」とかわしたが…

 牧原氏は2日の就任記者会見で「全員逮捕」発言の趣旨を問われ、「心配するあまり、(誹謗中傷を)止めたいという思いだった」と釈明し、あくまで「一個人としての投稿」と強調した。

 2005年初当選で現在5期目の牧原氏。永田町では衆院当選5回以上は、「入閣適齢期」と言われるが、牧原氏は選挙に強いわけではない。出馬した埼玉5区では立憲民主党の枝野幸男元代表に苦杯をなめ続け、全て比例復活での議席獲得だった。

     (こども政策相に決まり、首相官邸に入る三原じゅん子
      =1日、東京・永田町で(平野皓士朗撮影))

 過去に言動が物議をかもした新閣僚は他にもいる。三原じゅん子・こども政策担当相は19年6月の参院本会議で、安倍晋三首相(当時)の問責決議案を提出した野党に対し「安倍総理に感謝こそすれ、全くの常識外れ愚か者の所業とのそしりは免れません恥を知りなさい」と非難。だが「品格を欠いた下品なパフォーマンス」などと逆に批判を浴びた。

 同年11月にも、SNSに「政権を握っているのは総理大臣だけ」と書き込み、「独裁政権を望んでいるのか」とざわつかせた。


◆入閣できたのは「論功行賞」だから

 こうした問題発言議員はなぜ入閣できたのか。牧原氏について、政治ジャーナリストの泉宏氏は「ひと言で言えば論功行賞」と指摘する。

 牧原氏は総裁選で上川陽子氏の推薦人代表を務めた。泉氏によると、上川氏の出馬により、高市氏の女性票が食われて分散し、石破氏が有利になった。こうした点を踏まえ「石破氏本人か、周辺が牧原氏の起用を進言したのではないか。牧原氏は選挙に弱いので、大臣にすることで手助けしてやろうという思惑もあるかも」とみる。

     (初閣議後、記念撮影に臨む石破茂首相(前列中央)と
      閣僚ら=1日、首相官邸で(平野皓士朗撮影))

 とはいえ、派閥の裏金や旧統一教会の問題を受け、次の衆院選でも自民党は苦戦する可能性がある。泉氏は「もし現職閣僚の牧原氏が比例復活もできなければ、政権には大きなダメージ。時限爆弾になりかねない」とまで指摘する。

 牧原氏入閣の報道があると、立憲民主党の小沢一郎氏が即座に反応。牧原氏が、電車の人身事故について「電車が遅れると本当に困りますよね」と述べた過去のSNS投稿に対し「国民の生命や安全を守る立場の国会議員が、こんなことを言ったらおしまい」と批判した。衆院選に向け野党はさらに批判を強める可能性がある。


◆「ちゃんと身体検査して決めたのか」の疑問が

 三原氏の登用はどうか。同氏は党内では今回副総裁となった菅義偉氏に近く、法政大大学院の白鳥浩教授(政治学)は「菅氏への秋波だろう」と解説する。その上で「今回は、論功行賞などでポストを与えていく中で、全体としてちゃんと身体検査し、検討してポストを決めたのかなという印象がある」といぶかった。

 法相といえば、22年に葉梨康弘氏が「法相は死刑(執行)のはんこを押す。ニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職」と失言し、更迭された。白鳥氏は「牧原氏の発言は法相としての人権感覚を問われ、葉梨氏の時のようになってもおかしくない」と問題視した。

     (過去にもトップの人権感覚が問われてきた法務省)

 牧原氏に限らず、登用した石破氏の政権全体が人権感覚に疑問を持たれる事態になりつつある。

 神奈川大の大川千寿教授(現代日本政治)も「牧原氏の身体検査がどこまでできていたのか」と疑義を呈しつつ、牧原氏の問題発言が複数に上ることを踏まえて別の見方も示した。

 「石破氏は党内基盤が弱い中で、閣僚に起用する人材が限られていた。もし今回、牧原氏の過去の発言を知った上で石破氏が任命していたとすれば、ある種、政権の苦境を表していると言えるのではないか」


◆デスクメモ

 再審無罪となった袴田事件ずさんな捜査が明らかになった大川原化工機事件など、冤罪のニュースが頭にあるなら、軽々しく「逮捕しろ」と言えないはずだ。「人質司法への不信感の拡大を意識していないのか。「一個人の投稿」で済ませられるような軽い発言とはとても思えない。(北)


【関連記事】石破新内閣の顔触れは? 河野太郎氏後任のデジタル相に平将明氏 三原じゅん子氏はこども政策担当相
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●検察・警察、裁判所、マスコミによって《大きく人生を変えられたのは、巌さんだけではありません。巌さんを58年支え続けてきた、姉のひで子さん》

2024年10月10日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 「裁かれるべきは警察、検察、裁判所 袴田事件」(週刊金曜日 1490号、2024年09月27日) ↑]


※検察が《控訴断念》!! (2024年10月8日 15時31分)(アサヒコム)【独自/袴田巌さんの無罪確定へ、検察が控訴断念方針 判決覆すの困難と判断】(https://www.asahi.com/articles/ASSB81RVYSB8UTIL009M.html?iref=comtop_7_01)…でも、検察は謝罪もなく、何の反省もしていない…。



// (2024年10月06日[日])
検察・警察、裁判所、そして、マスコミ…。袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間、償いようがないでしょ? (週刊金曜日)《裁かれるべきは警察、検察、裁判所》。あまりに残酷過ぎる58年間。
 西村カリンさん《これ以上、あってはならない行動をしないで下さい。そして、巌さんと姉・ひで子さんに謝罪した上で、捜査、取り調べ、裁判などの違法な行為を検証して下さい》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!
   『●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道を
     しました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》
   『●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰する
       のは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》
   『●西村カリンさん《これ以上、あってはならない行動をしないで下さい。そして、
       巌さんと姉・ひで子さんに謝罪した上で…違法な行為を検証して下さい》

 袴田ひで子さんにとっても、あまりに残酷過ぎる58年間…検察の控訴など許されるはずがない。《袴田巌さん…を支え続ける姉の秀子さん…の生涯を描いた漫画「デコちゃんが行く 袴田ひで子物語」が出版…。戦中を生き抜き、弟の無罪を信じて幾多の苦難にもへこたれない姿は周りの人たちを勇気づけている》(片山夏子記者、2020年5月24日)。
 TBSラジオ『荻上チキ Session』のインタビュー記事【【全文】袴田巌さんの姉・ひで子さんへのインタビュー いわゆる「袴田事件」、無罪判決で思うこと】(https://www.tbsradio.jp/articles/88505/)。《1966年に静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」。この事件の犯人として逮捕された袴田巌さんは、無実を訴えたものの、死刑判決まで言い渡されるに至りました事件から58年後、9月26日に行われたやり直し裁判で、とうとう、巌さんに無罪が言い渡されましたこの事件によって大きく人生を変えられたのは、巌さんだけではありません。巌さんを58年支え続けてきた、姉のひで子さんです。「おかしいと思うことはおかしいって言わなきゃ」 無罪判決が出たいま、これまでを振り返って思うこと、再審制度への意見をインタビューしました。(聞き手・荻上チキ南部広美)》。

   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました
    「片山夏子記者による、5月に出ていた東京新聞の記事
     【「デコちゃんが行く」 袴田巌さんを支える姉・秀子さんの生涯が
     漫画に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/16668)によると、
     《一九六六年に静岡県で一家四人が殺害された強盗殺人事件で死刑が
     確定し、第二次再審請求中の元プロボクサー袴田巌さん(84)を
     支え続ける姉の秀子さん(87)の生涯を描いた漫画
     「デコちゃんが行く 袴田ひで子物語」が出版された。
     戦中を生き抜き、弟の無罪を信じて幾多の苦難にもへこたれない
     姿は周りの人たちを勇気づけている》。
      改めて、袴田秀子さんの凄さを感じさせられました」

 自白偏重人質司法、そして、あまりに酷い再審制度の不備。再審法改正が絶対に必要。弁護側が求める、権力を使って警察が集めた証拠や調書の開示だけでもすぐに実施すべき。事件発生から、投獄から、死刑判決から、一体何年を要しているのか!
 さらには、死刑制度の廃止。例えば、取り返しのつかないことを仕出かしてしまっている飯塚事件

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https://www.tbsradio.jp/articles/88505/

2024.10.04
【全文】袴田巌さんの姉・ひで子さんへのインタビュー いわゆる「袴田事件」、無罪判決で思うこと
荻上チキSession

 1966年に静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」。この事件の犯人として逮捕された袴田巌さんは、無実を訴えたものの、死刑判決まで言い渡されるに至りました

 事件から58年後、9月26日に行われたやり直し裁判で、とうとう、巌さんに無罪が言い渡されました

 この事件によって大きく人生を変えられたのは、巌さんだけではありません。巌さんを58年支え続けてきた、姉のひで子さんです。

 「おかしいと思うことはおかしいって言わなきゃ

 無罪判決が出たいま、これまでを振り返って思うこと、再審制度への意見をインタビューしました。(聞き手・荻上チキ南部広美


■「昔のことなんぞ思い出したくもないけど」

――ひで子さん、よろしくお願いします。

よろしくどうぞ。


――まずは今回の静岡地裁での無罪判決、ひで子さんはどのように感じていますか?

うれしくてね、58年の苦労がすっ飛んじゃったっていう感じがしました。

そのくらいうれしくて、感激いたしました。


――静岡地裁には支援者の方も多く集まっていましたが、どうお感じになりましたか。

皆さんにね、いろいろお世話になりましてね。

全国の方どころじゃなく世界から、ご支援いただきまして、本当に大勢の方にご支援いただきまして。

私たちは支援者というか、世間の皆さまに助けられてると思っておりました。


――事件によってひで子さん自身の人生も変わったと思います。これまでの人生振り返って、どういった点が思い起こされますか。

今はもうまだね、再審無罪になったっていうことでいっぱいでね。

昔のことなんぞ思い出したくもないけど、忘れてはいませんがね、なるべく思い出さないようにしておりますの。

だから(裁判が)いつまでするかわかりませんがね、ともかくうれしいという喜びを感じています、今のところは。


――事件当時、多くのメディアが巌さんを犯人だと決めつける報道をおこなっていました。この点について、新聞などは一部謝罪をしましたが、ひで子さんはどのように感じていますか。

新聞報道で事件当時はひどいことを書かれましたがね、そんなことはどうでもいいことでしてね。今現在の状況というものを大事にしたいと思っております。


■「おかしいと思うことはおかしいって言わなきゃ」

――やり直しの裁判が決まるまで非常に長い時間がかかりました。再審制度に対して感じていることは?

やっぱり再審制度はね、もっと早くやればできると思う

私たちは知らないから、そのままにして「お上がおっしゃる通り」でやってたんですがね。

再審法の改正をするとか、何らかの方法で改正をしていただかないと、巌が48年拘置所に入っていたってことが何にもならなくなるんですよ

48年、巌が(拘置所に)入っていたってことはね、それこそ大変苦労してる。

だから、(無罪判決が出たからといってそれでいいとしてはいけない思って、再審法の改正には、皆さんにお力をお借りしたいと思っております。


――新しい政権や国会でも再審制度を見直す議論をしてほしいと

もちろんそうです。

国会でも働きかけておりますがね、今のところまだそれこそまだ決まったばっかりですので、まだはっきりいたしません。

これから大いに改正再審法なり、進めていっていただきたいと思っております。


――これから巌さんのような目に遭う方が出ないために、警察や検察などの体制についてはいかがでしょうか?

これはもう一番最初、清水の警察の調査っていうのはね、ずさんなものがあった。だからこういうことになったと思う。

だからそういうこともないように、これは注文というか、警察に注文をつけることはおかしいんですがね。

捕まってしまって警察に調べられると、即犯人とみなすというか、世間でもそうですがね

どこでもそうですが、みんな親子・きょうだいも「警察に調べられるような者は、ろくなもんじゃない」とかって言って見捨てちゃうでしょ。

そういうことのないようにね、身内がやっぱりしっかりして、おかしいと思うことはおかしいって言わなきゃ。それを口をすぼんでしまう、私たちもそうでした。

一番最初はね、もう「黙ってるしかない」と思って、どんなひどいことを書かれようが言われまいが、黙って。

母親じゃないが、世間を狭くして、無駄ねって言って亡くなっていきましたがね。

世間を狭く生きるっていうことは大変なことなんです。

そういう生き方をするよりも、ちょっとおかしいんじゃないかっていうことがあれば、堂々と行動に移らないと、また冤罪っていうものは続くと思います


■ねつ造の認定「巌の言った通りになった」

――今回の判決では、自白の強要も問題で、証拠もねつ造だとはっきり書かれたことについてはいかがでしょうか?

これは巌が拘置所にいるときからね、もう手紙で綿々と書いてきてるんで。

それが、その通りになったんですよ。(証拠の)ねつ造だってことはもうずいぶん前に言ってるんです。

だけど、弁護士さんもなかなか「ねつ造」っていう言葉には抵抗があって、なかなかはっきり言えなくて。

2014年の3月27日に再審開始になったときに、ねつ造ってことをね、裁判所で言ってくれた

それからねつ造って言うようになりましたがね、それ以前にもう30年も前に、巌は「ねつ造だ、ねつ造だ」って言ってるんです

それがどんどん認められて、「巌の言った通りになった」って巌に私は話したんです。

だからとても嬉しく思っております。

ねつ造なんて本当はあっちゃいけないんですよあっちゃいけないということが、世間に皆さんに知られて、こういう結果になったと思っております。


――検察に控訴を断念すべきだという署名活動も行われておりますが、こうした動きについてはいかがでしょうか?

これはね、支援者の皆さんが奮起してやってくれてることですのでね。本当にありがたいと思っております。

弁護士さんもそうですが、静岡県の支援者とか、東京の支援者とか皆さんが一生懸命になって。ありがたいと思っております。


――この戦いが早く終わることがとても大事だと思いますが、今後、リスナーの皆さんにはどんなところに注目してほしいですか。

こういうこともあるんだっていうことをね、こういう事実があるんだっていうことを、皆さんに改めて認識してもらいたいと思っています。

昔は警察は何も悪いことをしないということでね、「警察がやることはみんな正しい」と思っているんでしょ。

だけどそうではないっていうことは、今度ははっきりわかって、はっきり裁判所でもそれを認めてくれている

だから、今でも警察がそんなことするわけないと思ってる方もいらっしゃると思う。

だけどそうではなくて、我がことに置き換えて、考えていただきたいと思う。


■「袴田事件」という名前「何とも思っておりません」

――この事件はずっと「袴田事件」と呼ばれてきましたが、この名前についてはどう感じていますか?

たまたま「袴田事件」っていう名前で、(巌さんや自分の)名前が出ちゃったんですが、そのことについてはね、別段何とも思っておりません。

「袴田事件」であっても、「こがね味噌事件」であっても、事件そのものには関係ありません。

事件そのものというよりも、冤罪事件っていうものをもっと認識していただきたいと思います。


――その認識を広げるためにも、いろんなメディアの発信はとても大事になってきます。ひで子さんのこれまでの人生が漫画になっていて、今、多くの方に読まれてますね。

たまたまそういうことになって、名前が知れちゃっているんですが、別に私は有名人でも何でもありませんしね。

「元死刑囚の姉である」っていう事には間違いありません。

だからそういう見方は私はしてないですが、ともかく皆さんに事件のことを知って、こういう事件があったよっていうことを改めて認識していただきたいと思っております。


――ひで子さん、ありがとうございました。

袴田事件弁護団の戸舘圭之さんとともに、捜査の問題点や裁判の経緯を振り返った放送本編は以下からお聴きになれます。………
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●西村カリンさん《これ以上、あってはならない行動をしないで下さい。そして、巌さんと姉・ひで子さんに謝罪した上で…違法な行為を検証して下さい》

2024年10月09日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 「裁かれるべきは警察、検察、裁判所 袴田事件」(週刊金曜日 1490号、2024年09月27日) ↑]


※《控訴断念》の号外が出ました!! (2024年10月8日 15時31分)(アサヒコム)【独自/袴田巌さんの無罪確定へ、検察が控訴断念方針 判決覆すの困難と判断】(https://www.asahi.com/articles/ASSB81RVYSB8UTIL009M.html?iref=comtop_7_01➙ 自己コメントしてます。


// (2024年10月06日[日])
検察・警察、裁判所、そして、マスコミ…。袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間、償いようがないでしょ? (週刊金曜日)《裁かれるべきは警察、検察、裁判所》。あまりに残酷過ぎる58年間。
 西村カリンさん《これ以上、あってはならない行動をしないで下さい。そして、巌さんと姉・ひで子さんに謝罪した上で、捜査、取り調べ、裁判などの違法な行為を検証して下さい》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!
   『●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道を
     しました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》
   『●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰する
       のは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》

 (朝日新聞)《「「三つの捏造」捜査断罪」「5点の衣類・押収物 否定」「自白を強要 非人道的」》…あまりに残酷過ぎる58年間。検察の控訴など許されるはずがない。海外からの視線…《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》。
 日刊ゲンダイのコラム【西村カリン ニッポン見聞考/袴田巌さんに無罪判決「検察官よ、世界が見ている。控訴を断念して下さい」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/361421)。《袴田巌さんは世界で最も酷い扱いを受けた死刑囚として知られている。「無罪」と静岡地方裁判所の裁判長らが判断したが、まだ完全に安心できない状況だ。10月10日の23時59分59秒まで検察は控訴できる》、《もう一度書く──検察官よ、世界が見ている唯一の正しい判断だから、控訴を断念して下さい88歳の巌さんを完全に自由にさせて下さい》。



[「袴田さん 無罪」「衣類など 証拠捏造認定」(朝日新聞、2024年09月27日[金])]


[「検察は控訴断念を」]


[「「三つの捏造」捜査断罪」 「5点の衣類・押収物 否定」 「自白を強要 非人道的」]


[「58年 やっと「自由の扉」」 「裁判長が謝罪 姉「巌の半生いかして」」]


 自白偏重人質司法、そして、あまりに酷い再審制度の不備。再審法改正が絶対に必要。弁護側が求める、権力を使って警察が集めた証拠や調書の開示だけでもすぐに実施すべき。事件発生から、投獄から、死刑判決から、一体何年を要しているのか!
 さらには、死刑制度の廃止。例えば、取り返しのつかないことを仕出かしてしまっている飯塚事件

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/361421

西村カリン ジャーナリスト
仏の公共ラジオ「ラジオ・フランス」とリベラシオン紙の特派員。1970年、仏で生まれ、2004年末から20年までAFP通信東京支局特派員。近著に「Japon,la face cachée de la perfection(日本、完璧さの隠れた裏側)」、初の小説「L'affaire Midori(みどり事件)」。


西村カリン ニッポン見聞考
袴田巌さんに無罪判決「検察官よ、世界が見ている。控訴を断念して下さい」
公開日:2024/10/03 17:00 更新日:2024/10/03 17:00

     (袴田巌さん(C)共同通信社)

 「被告人は無罪」──。9月26日、この文言は世界中に速報として報道された。

 「死刑囚、袴田巌さんは無罪判決を言い渡された

 初公判から傍聴してきた私もうれしくて涙が出た。やっと無罪になったと思う人が、フランスにも、米国にも、イギリスにも、ドイツにも、カナダにも、イタリアにも、どこでも大勢いる

 袴田巌さんは世界で最も酷い扱いを受けた死刑囚として知られている。「無罪」と静岡地方裁判所の裁判長らが判断したが、まだ完全に安心できない状況だ。10月10日の23時59分59秒まで検察は控訴できる。

 強い呼びかけをしたい。検事総長の畝本直美さん、東京高等検察庁検事長の斎藤隆博さん、本件との関係がある検察官のみなさん、世界があなたたちを見ている、厳しい目で見ているあなたたちの正しくて最もまともな判断を待っている。10月10日まで待たずに、直ちに唯一の人間性のある判断をして下さい。直ちに控訴を断念して下さい

 もはや控訴どころではない冤罪を認めるべきところだ世界中に「やっと巌さんは無罪になった。この事件はついに終わりだ」と理解されている検察が高すぎるプライドやメンツで控訴したら日本の検察や司法制度はとんでもない批判を浴びる。「非人道的な控訴や精神的な拷問というふうに海外で報道されるだろう

 静岡の裁判長が述べたように袴田さんは無罪であり、証拠は警察によって捏造されたものだ

 警察と検察の悪質な行為により真犯人はずっと自由だが、無実の袴田巌さんは56年前の死刑判決で人生を奪われた民主主義国家の日本で、こんな許せないことが起きるとは遺憾だ。これ以上、あってはならない行動をしないで下さい。そして、巌さんと姉・ひで子さんに謝罪した上で、捜査、取り調べ、裁判などの違法な行為を検証して下さい

 冤罪は最大の人権侵害だと言われている。どの国でも冤罪の可能性がある。ただ、冤罪が証明されても、それを認めない検察は、真実を明らかにするという最大の使命を果たさず、国民の信用を失う

 もう一度書く──検察官よ、世界が見ている唯一の正しい判断だから、控訴を断念して下さい88歳の巌さんを完全に自由にさせて下さい
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●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰するのは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》

2024年10月04日 00時00分25秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年09月29日[日])
(東京新聞社説)《16世紀のフランスの思想家・モンテーニュにこんな言葉がある。 <無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である> 捜査にも裁判にも誤りは起こる。無実の人を罰するのは究極の国家犯罪といえる理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》。

 償いようのない警察・検察による犯罪…せめて、再審法の改正を、《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ無実の人にとっては法との闘いが強いられている何という非人道的なことか》。
 【<社説>袴田さんに無罪判決 再審に道開く法改正こそ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/356843?rct=editorial)。《静岡県の強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さんに静岡地裁の再審公判で「無罪」が言い渡された。無実の訴えから半世紀余。早く真に自由の身とするためにも、検察は控訴してはならない。「開かずの扉」と評される再審制度も根本的に問い直すべきだ》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!
   『●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道を
     しました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》

 自白偏重人質司法、そして、あまりに酷い再審制度の不備。再審法改正が絶対に必要。弁護側が求める、権力を使って警察が集めた証拠や調書の開示だけでもすぐに実施すべき。事件発生から、投獄から、死刑判決から、一体何年を要しているのか!
 さらには、死刑制度の廃止。例えば、取り返しのつかないことを仕出かしてしまっている飯塚事件

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
   『●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実
     人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》

 《何という非人道的なことか》(桐山桂一さん)。《刑事訴訟法の再審規定再審法の改正》が全く進まないニッポン。《台湾では冤罪をなくすために、めざましい改革が進行中》だそうだ。羨ましい限りだ。《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》…何の進歩も無く、《日本の刑事司法のガラパゴス化》(鴨志田祐美さん)。
 言うまでもなく袴田冤罪事件、《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? しかも、検察は再び死刑を求刑した。なんという冷酷…。(大谷昭宏さん)《この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている》。《いまも、死刑囚のまま》な状況から、漸く解放された袴田巖さん。検察の控訴など、絶対に許されない。一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。控訴によって、さらなる人権侵害は許されない…(東京新聞社説、2023年10月28日)《無実の訴えから半世紀日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/356843?rct=editorial

<社説>袴田さんに無罪判決 再審に道開く法改正こそ
2024年9月27日 07時32分

 静岡県の強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さんに静岡地裁の再審公判で「無罪」が言い渡された。無実の訴えから半世紀余。早く真に自由の身とするためにも、検察は控訴してはならない。「開かずの扉」と評される再審制度も根本的に問い直すべきだ

 「わが国の刑事裁判はかなり絶望的である」-。1985年に刑事法の大家だった平野龍一・元東京大学長は論文にそう記した。

 80年代に死刑囚が相次いで再審無罪となった。免田事件財田川(さいたがわ)事件松山事件島田事件まさに死刑台からの生還だった。

 袴田さんは戦後5例目になる。事件は66年。それから58年もたって、やっと「無罪」の声を聞いた気の遠くなる歳月を考えても、刑事司法関係者は深刻な人権問題だと受け止めるべきである

 異常な取り調べだった。袴田さんは強く否認したが、連日、平均12時間を超える過酷な調べを受け体調も崩した。取調室で小便もさせられた。拷問に等しい。20日目に「自白」したが、同地裁は再審判決で「自白調書は非人道的な取り調べで獲得されたもので、捏造(ねつぞう)と認められる」と指弾した。

 死刑確定の証拠も怪しかった。みそタンクの中から発見された「血痕の付いた5点の衣類」は、確定判決の根拠とされたものの、そもそも事件から約1年2カ月後に見つかったこと自体に不自然さが伴う。血痕に「赤み」が残っていた点も鑑定で「1年以上では赤みは残らない」とされた。

 この点についても同地裁は「捜査機関によって血痕を付ける加工がされ、タンク内に隠匿されたものだと断罪した。捜査機関が故意に袴田さんを犯人に仕立て上げたのだ何と恐ろしいことか


◆3重の不正義を許すな

 袴田さんの裁判を見るだけでも、いまだ「絶望的な刑事裁判が続いているのは明らかだ。

 とりわけ無罪までの時間が長すぎる。最高裁は75年、「疑わしきは被告人の利益に」との刑事裁判の原則が再審制度にも適用されるという決定を出した。

 この原則に立てば、もっと早く袴田さんに無罪が届けられたはずだ。死刑確定の翌年に第1次の再審請求がされたが、再審が確定するまで実に42年もかかった

 無実の人を罰する不正義真犯人を取り逃がす不正義無罪まで長い歳月を要する不正義。冤罪(えんざい)には3重もの不正義がある。これはあまりに絶望的である

 袴田さんの無罪はゴールではなく、刑事訴訟法の再審規定再審法を改正するためのスタートの号砲とすべきである。

 再審法は約100年前の条文を使って、戦後もずっと放置されてきたわずか19条しかない再審法の改正は喫緊の課題である

 例えば無罪にたどり着くまで長い時間を要するのは、再審開始決定に検察官が不服申し立てをできる仕組みがあるからだ。

 袴田さんの場合も、2014年に地裁で再審開始決定が出ながら、検察官が即時抗告をしたため、再審開始が確定するまで約9年も経過してしまった

 いったん再審が決まれば、検察官の不服申し立ては禁止する法規定が必要だ冤罪の被害者は一刻も早く救済すべきなのは当然ではないか。今回の無罪判決についても、検察は控訴せずに無罪を確定させるべきである。

 証拠開示の在り方も大きな問題だ。再審については明文の規定が存在せず、裁判所の裁量に委ねられているにすぎない

 存在しないと検察側が主張していた5点の衣類ネガフィルムが保管されているのが判明したのは14年のことだ。証拠隠しともいえる行為が再審の扉を閉ざしていたに等しい。

 このような不正義を防ぐためにも、無罪に結びつく、すべての証拠を検察側に開示させる法規定を設けねばならない。

 現在、超党派の国会議員による「再審法改正を早期に実現する議員連盟」ができている。衆参計347人の議員が名前を連ねる。


◆究極の「国家犯罪」犯す

 法務省が再審法改正に後ろ向きならば、議員立法で進めてほしい。再審法改正を求める市民集会は19日も都内で開かれた=写真。世論の後押しこそ大事だ。

 16世紀のフランスの思想家・モンテーニュにこんな言葉がある。

 <無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である
 捜査にも裁判にも誤りは起こる。無実の人を罰するのは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ
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●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》

2024年09月30日 00時00分38秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年09月28日[土])
検察・警察、裁判所、マスコミ…。袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間、償いようがないでしょ? あまりに残酷過ぎる58年間。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!



[「袴田さん 無罪」「衣類など 証拠捏造認定」(朝日新聞、2024年09月27日[金])]


[「検察は控訴断念を」]


[「「三つの捏造」捜査断罪」 「5点の衣類・押収物 否定」 「自白を強要 非人道的」]


[「58やっと「自由の扉」」 「裁判長が謝罪 姉「巌の半生いかして」」]


 毎日新聞の記事【無実の叫び 袴田事件/「時間かかり申し訳ない」 再審無罪の袴田巌さんに裁判長が謝罪】(https://mainichi.jp/articles/20240926/k00/00m/040/164000c)。《静岡地裁の国井恒志裁判長…その上で、「(袴田さんの逮捕から再審無罪確定まで)ものすごく時間かかることに本当に申し訳なく思うと謝罪した。国井裁判長は判決言い渡し後、袴田さんの姉秀子さん(91)に、検察官には無罪判決を不服として控訴する権利があることを説明。「裁判所は自由の扉を開けた。しかし、この扉は閉まる可能性もある。健やかにお過ごしください」と語り掛けた》。


 森達也さんのつぶやき:

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https://x.com/MoriTatsuyaInfo/status/1839459820128358888

森達也(映画監督・作家)@MoriTatsuyaInfo

捜査機関の捏造が正式に認定されたならばなぜメディアは、当時の静岡県警について取材しないのか単独の犯行なのか組織的なものなのか静岡県警には拷問と捏造の歴史がある。顔や名前を晒せとは言わない。でも捏造の構造くらいは追求すべきだ

午前9:19  2024年9月27日
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 《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外ではない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》。
 毎日新聞の記事【袴田事件/捜査当局情報に傾斜 袴田さん 毎日新聞報道検証】(https://mainichi.jp/articles/20240927/ddm/002/040/101000c)。《静岡県でみそ製造会社の専務一家が殺害された事件当時、袴田巌さん(88)を巡る報道は過熱した。1966年の逮捕から起訴までは捜査当局の視点に偏った記事が目立ち、袴田さんを犯人視する表現もあった。本紙(静岡県版を含む)の当時の記事を検証した。毎日新聞は7月4日夕刊で有力な容疑者として袴田さんのイニシャルを使い「従業員『H』浮かぶ」とする記事を掲載。逮捕を伝える8月19日朝刊では、袴田さんが容疑を否認していることを掲載する一方で「刑事たちの執念と苦しさに耐えたねばりが功を奏して(中略)逮捕にまでたどりついた」と表現した。袴田さんが「自白」に転じたことを伝えた9月7日朝刊も「全力捜査がついに犯罪史上まれな残忍な袴田をくだしたわけで、慎重なねばり捜査の勝利だった」と、捜査当局と一体化したような書きぶりだった。自白に重きを置きすぎた報道とも言える》。


 望月衣塑子さんのつぶやき:

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https://x.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1839483575277903960

望月衣塑子@ISOKO_MOCHIZUKI

袴田巌さん、再審無罪検察庁の組織防衛のための愚かな抵抗で、再審公判が昨年10月に開かれ、決着が長引かされた。検察だけではない、当時の東京新聞をはじめとしたマスコミのほぼ全社が、袴田巌さんを犯人視する報道を繰り返し、死刑判決に加担したと思う。

私たちマスコミに関わる記者たちは、捜査当局一辺倒になりすぎた故に、袴田さんを犯人視し続け、冤罪をうみだすことに加担した過去の過ちを絶対、忘れてはならない。

東京新聞の今日9月27日の1面です。


袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫びします。

事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。

袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します。

1966年8月17日、静岡県警は強盗殺人容疑などで袴田さんの逮捕状を取り、翌18日に逮捕しました。本紙は同日夕刊で取り調べの段階から「犯人はやはり袴田だった」という見出しで報じました。

また、袴田さんは逮捕前から否認を続けていましたが、逮捕から20日目、2回目の拘留期限の3日前に自供を始めたとされています。

本紙は66年9月7日付静岡版で「粘りの捜査にがい歌 袴田の仮面はぐ」との見出しで記事を掲載しました。

逮捕段階では罪が確定していないのに、袴田さんを「犯人」と報道した本紙にも、冤罪を生んだ責任はあります

本紙は現在、容疑者を犯人と決めつけない「事件報道ガイドライン」を策定しています。今後も予断や偏見を拝した冷静な報道を続けてまいります。

https://tokyo-np.co.jp/article/356688

午前10:53  2024年9月27日
――――――――――――――――――――――――――

 一方、朝日新聞には、「お詫び」の言葉は見当たらない。


 償いようのない警察・検察による犯罪…控訴などあり得ない。
 東京新聞の【<コラム 筆洗>詩人の谷川俊太郎さんが書いた『生きる』にこんなくだりがある…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/356817?rct=hissen)。《▼そのブーム時には既に拘束されていた事実に奪われた歳月の長さを痛感する。一家4人強盗殺人事件で66年に逮捕され、死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審公判で静岡地裁は無罪判決を言い渡した▼無実を訴えながら、美しいものとの出会いが制限された独房で死刑執行におびえた日々。支えた姉ひで子さん(91)ともども、冤罪(えんざい)という「悪」を拒み続け、たどり着いた節目である▼釈放され10年がたっても、長い拘束の影響で妄想が出る巌さんには胸が痛むが、判決後のひで子さんの笑顔に救われる思いがした▼検察が控訴せずに判決が確定し、弟と姉が事件から解放されることを。2人が味わうべき喜びを先の詩の続きが教える。<生きているということ いま生きているということ 泣けるということ 笑えるということ 怒れるということ 自由ということ>》。


 海外からの視線…《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》。
 岸本拓也中山岳両記者による、1年半ほど前の2023年3月20日の東京新聞の記事【こちら特報部/「異様さ」に海外も注目 再審開始決定の袴田さんめぐる日本の刑事司法 死刑囚生活45年、再審可否を延々議論】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/239168)。《1966年の静岡一家4人殺害事件で死刑が確定した元ボクサー袴田巌さん(87)。13日の東京高裁の再審開始決定は、欧米など外国のメディアも速報した。驚きとともに強調されているのが、半世紀近い身柄拘束と、87歳という高齢だかねて国連も問題視してきた日本の人権感覚。海外から、どんな視線が注がれているのか。(岸本拓也中山岳)》


 南野森さんのつぶやき:

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https://x.com/sspmi/status/1839213323923108113

南野 森(MINAMINO Shigeru@sspmi

《メモ》袴田事件に関わった裁判官(敬称略)

【死刑判決】
①静岡地判1968年9月11日👉死刑(石見勝四・高井吉夫・熊本典道
②東京高判1976年5月18日👉控訴棄却(横川敏雄・柏井康夫・中西武夫)
③最2小判1980年11月19日👉上告棄却(宮崎梧一・栗本一夫・木下忠良・塚本重頼・鹽野宜慶)

【第1次再審請求】
④静岡地決1994年8月8日👉請求棄却(鈴木勝利・伊東一広・内山梨枝子)
⑤東京高決2004年8月26日👉即時抗告棄却(安広文夫・小西秀宣・竹花俊徳)
⑥最2小決2008年3月24日👉特別抗告棄却(今井功・津野修・中川了滋・古田佑紀)

【第2次再審請求】
⑦静岡地決2014年3月27日👉再審開始と死刑・拘置の執行停止を決定(村山浩昭・大村陽一・満田智彦)
⑧東京高決2018年6月11日👉原決定取消、再審請求棄却(大島隆明・菊池則明・林欣寛)
⑨最3小決2020年12月22日👉原決定取消、東京高裁に差戻し(林道晴・戸倉三郎・林景一・宮崎裕子・宇賀克也)
⑩東京高決2023年3月13日👉検察の抗告を棄却(大善文男・青沼潔・仁藤佳海)

【再審】
⑪静岡地判2024年9月26日👉無罪判決!(國井恒志・益子元暢・谷田部峻)

午後5:00  2024年9月26日
――――――――――――――――――――――――――


 2014年3月27日、村山浩昭・元静岡地裁裁判長は袴田巌さんの死刑と拘置の執行を停止し、釈放を決めた裁判官…「これ以上拘置するのは耐えがたいほど正義に反する」…《2014年3月、静岡地裁は「捜査機関が重要な証拠を捏造(ねつぞう)した疑いがあり、その捏造証拠による死刑判決によって長期間、死の恐怖の下で身柄を拘束されてきた」「拘置をこれ以上継続することは、耐えがたいほど正義に反する」とし、再審の開始と死刑および拘置の執行停止を決定した》(長周新聞)。

   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
                 「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」



 自白偏重人質司法、そして、あまりに酷い再審制度の不備。再審法改正が絶対に必要。弁護側が求める、権力を使って警察が集めた証拠や調書の開示だけでもすぐに実施すべき。事件発生から、投獄から、死刑判決から、一体何年を要しているのか!
 さらには、死刑制度の廃止。例えば、取り返しのつかないことを仕出かしてしまっている飯塚事件

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
   『●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実
     人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/239168

こちら特報部
「異様さ」に海外も注目 再審開始決定の袴田さんめぐる日本の刑事司法 死刑囚生活45年、再審可否を延々議論
2023年3月20日 18時14分

     (袴田巌さん=13日午後、浜松市)

 1966年の静岡一家4人殺害事件で死刑が確定した元ボクサー袴田巌さん(87)。13日の東京高裁の再審開始決定は、欧米など外国のメディアも速報した。驚きとともに強調されているのが、半世紀近い身柄拘束と、87歳という高齢だかねて国連も問題視してきた日本の人権感覚。海外から、どんな視線が注がれているのか。(岸本拓也中山岳

【関連記事】袴田さんの再審開始が確定、無罪の公算強まる 検察側が特別抗告を断念 1966年一家殺害 死刑事件で5例目

 

◆英BBC、米CNN、中東アルジャジーラも

 「袴田さんは半世紀近くの間、不当に拘束されて、人間としてあってはならない残酷な扱いを受けた。この点を英国の人たちは異常なことと見ている」

 13日に「45年間の死刑囚生活を経て再審が認められた日本人男性」と報じた英紙ガーディアン東京特派員のジャスティン・マッカリーさん。「こちら特報部」の取材に対し、事件への自分や母国の受け止めをこう語った。

 同日は他にも、海外メディアのサイトに再審開始決定を伝える見出しが並んだ。「袴田さんの再審開始、東京高裁が認める」(英BBC放送)、「日本の裁判所は、1966年の殺人事件を巡る最長の死刑囚の再審請求を認めた」(米CNN)といった具合だ。

 欧米だけでなく「日本の裁判所、87歳死刑囚の再審を支持 袴田巌は45年間独房に監禁された」(中東・アルジャジーラ)、「47年を死刑囚で服役した日本の87歳男性に裁判所が再審許可」(韓国・ソウル新聞)などニュースは世界中を駆け巡った


◆「日本では裁判所と検察の誤った判断の代償として、死が待っている」

 各メディアは「日本は米国とともに主要な先進民主国の中で、いまだに死刑を採用している例外的な国だ」(BBC)などと解説。際立つのは、その多くが「世界で最も長く拘置された死刑囚」と袴田さんを紹介していることだ。

 日本メディアでは、ほとんど見られない表現だが、ギネスブックのサイトには、2011年に「世界で最も長く収監されている死刑囚」として袴田さんが認定されている。現在は1968年9月の一審の死刑判決から、釈放された2014年3月までの「45年」が認定記録だ。

     (東京高検に特別抗告の断念を求め、記者会見する弁護団
      事務局長の小川秀世弁護士(右)ら=16日、東京都内)

 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」も同様の認識で、アムネスティ日本の中川英明事務局長は「アムネスティ独自の調査でも袴田さんの拘束は最も長い」と話す。検察が期限の20日までに特別抗告すれば、「袴田さんが裁判を受ける権利を損なう。公正な裁判を妨害すべきではなく、再審の実現に協力すべきだ」と求める。

 世界的に見ても異様な事件であるためか、死刑制度が残る米国でも20年にCNNが特集。日本の有罪率が99.9%と極めて高い状況や、米国と違って、容疑者が弁護士の立ち会いなしで取り調べられる日本の司法制度の特異性を否定的に紹介した。ハーバード大教授が、日本の有罪率が高い理由を「検察官が非常に少ない。彼らの仕事量を考えると、最初に有罪判決に焦点を当てる。本当に罪を犯したか否かを考える時間はない」と解説している。

 特集は、無罪判決という形で誤りを認めることが「裁判官と検察官の双方のキャリアにとって有害と見なされる可能性がある」との見方を示す。その上で「日本では(裁判所と検察の)誤った判断の代償として、死が待っていることもある」とした。


◆「正義の時が来た!」

 一方、袴田さんに14年に名誉王者ベルトを贈った世界ボクシング評議会(WBC)は14日、ホームページに「滞った正義を獲得するため闘う」と連帯のメッセージを掲載。日本プロボクシング協会の公式ツイートにも、WBC関係者が「It's time for Justice!正義の時が来た!)」と投稿した。

 同協会「袴田巌支援委員会」委員長で、元東洋太平洋バンタム級王者の新田渉世さん(55)は「WBCのスレイマン会長はじめ海外のボクシング関係者は、常日ごろ袴田さんを気にかけてくれてきた」と話す。

 袴田さんが収監中だった08年、「ハリケーン」と呼ばれた米国の元ボクサーで、殺人罪で20年近く投獄された後に無罪となったルビン・カーター氏が、袴田さんを励ますビデオメッセージを寄せた。新田さんは「袴田さんは『東洋のハリケーン』として、海外でも認知されている。今回の決定後、『フリー、ハカマダ』の声はネットなどで広がっている」と話す。


◆国連の委員会「強要された自白の結果、死刑が科されたという報告に懸念」

 死刑が廃止されている欧州などでは、もともとこの事件への関心が高い。08年、姉のひで子さん(90)が洞爺湖サミットに参加する主要8カ国(G8)の大使館などに救済を求めた際は、「42年の拘束は胸が痛むといった反応があった。袴田さんが釈放された14年には、国際人権規約を担当する国連の委員会が「強要された自白の結果、死刑が科されてきたという報告は懸念される事項」と指摘した。

 一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(大阪市)の藤本伸樹研究員は「袴田さんは自白を強要され、死刑判決後も長期にわたり独居で拘禁された国際的には、日本の司法制度の問題を示す代表的な冤罪事件の一つとして扱われてきた」と話す。


◆日本の再審規定は「周回遅れ」…変えるべき時

     (検察庁)

 そんな事件に改めて下された司法判断で、刑事訴訟法の再審規定再審法見直しが注目されている。裁判所の再審開始決定への検察の不服申し立てに制限がなく、検察側に対する証拠開示請求がほとんど認められないからだ

 熊本大の岡田行雄教授(刑事法)は「欧米などでは、冤罪事件や誤判の発覚をきっかけに再審制度が改められてきた」と説く。例えばドイツは1960年代半ばの制度改正により、裁判所が再審開始決定すれば検察は不服申し立てできず、再審の場で主張するようになった英国では、裁判所から独立した委員会が検察側の証拠を集めて閲覧し、再審を始めるか判断している台湾でも、有罪確定後に再審請求のためなら公判や捜査段階で集めた証拠を閲覧できる

 それに比べて「日本は何周も遅れている」と岡田さんは指摘。「再審請求審は本来、無罪の可能性がある事案を探す手続きだそれなのに、日本では検察の抗告などで延々と『再審するかどうか』に時間をかけているそもそも再審請求しても裁判所がたなざらしにしたままで、審理が進まないケースすら目に付く」と苦言を呈する。

 「迅速に再審開始を確定させ、有罪か無罪かは再審の場で争われるようにすべきだ現行の規定では再審を始めるまでに時間がかかり、冤罪被害者や親族は高齢になっても苦しむ。刑訴法改正を含め、法整備を進める時期にきている」

 袴田さんの記事を何度も書いてきた前出のガーディアン特派員マッカリーさんも、この先を注視する。「海外からは日本に死刑制度の廃止を求める声が上がるが、日本は死刑を支持する声が根強く、あまり変わらなかった。袴田さんのように著しく人権を侵害された事件を受けて、日本がこれからどうするのか、関心を持って見ている」


◆デスクメモ

 在京6紙は全紙が14日朝刊の社説で、今回の再審開始決定について書いている。東京高裁の判断を高く評価こそすれ、否定する意見はない。国際的にも特異なこの事件の経過が、広く知られるようになった結果だろう。さらに争って、国民を納得させられる理由があるとは思えない。(本)
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●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!

2024年09月29日 00時00分17秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年09月26日[木])
いまも、死刑囚のまま》な袴田巖袴田巌)さん…袴田事件、《再審公判も15回の審理を終えて、9月26日に判決が下る》………そして、当然の判決無罪」が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!! 《一刻も早い無罪確定》を。漸く《いまも、死刑囚のまま》な状態から解放された袴田巖さん。《「死刑囚でなく袴田巌として生きてほしい」 弟を支え続けた姉・ひで子さん》《巌には余生を「死刑囚」でなく、人間として、そして「袴田巌」として生きてほしいただ、それだけです》(野村昌二記者)。
 金子和史記者による、アサヒコムの記事【袴田巌さん再審で無罪判決、静岡一家4人殺害で 確定死刑囚で5例目】(https://www.asahi.com/articles/ASS9S2G6GS9SUTIL021M.html?linkType=article&id=ASS9S2G6GS9SUTIL021M&ref=app_flash)。《1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審で、静岡地裁(国井恒志裁判長)は26日、無罪(求刑死刑)を言い渡した。死刑が確定した事件で再審無罪となったのは戦後5件目》、《検察の対応が今後の焦点に》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》


[「袴田さん 無罪」「衣類など 証拠捏造認定」(朝日新聞、2024年09月27日[金])]


[「検察は控訴断念を」]


[「「三つの捏造」捜査断罪」 「5点の衣類・押収物 否定」 「自白を強要 非人道的」]


[「58年 やっと「自由の扉」」 「裁判長が謝罪 姉「巌の半生いかして」」]


 野村昌二記者による、dot.の記事【19日間ぶっ続けで取り調べ 1日平均12時間の過酷さ 袴田事件で知る「冤罪」の温床「人質司法」の問題点/野村昌二】(https://dot.asahi.com/articles/-/234668)。《袴田事件の再審公判の判決が9月26日、言い渡され、無罪となる公算が大きい。「冤罪」の温床とされるのが人質司法大川原化工機を巡る事件でも、浮き彫りになった冤罪を生む構造について考える》。
 同記者による、もう一つの記事【「『死刑囚』でなく『袴田巌』として生きてほしい」 弟を支え続けた姉・ひで子さん/野村昌二】(https://dot.asahi.com/articles/-/234670)/《1966年、静岡県で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんのやり直しの裁判の判決が26日、言い渡される。姉・ひで子さんに心境を聞いた》。

 自白偏重人質司法、そして、あまりに酷い再審制度の不備。再審法改正が絶対に必要。弁護側が求める、権力を使って警察が集めた証拠や調書の開示だけでもすぐに実施すべき。事件発生から、投獄から、死刑判決から、一体何年を要しているのか!
 さらには、死刑制度の廃止。例えば、取り返しのつかないことを仕出かしてしまっている飯塚事件

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
   『●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実
     人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》

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https://www.asahi.com/articles/ASS9S2G6GS9SUTIL021M.html?linkType=article&id=ASS9S2G6GS9SUTIL021M&ref=app_flash

袴田巌さん再審で無罪判決、静岡一家4人殺害で 確定死刑囚で5例目
金子和史 2024年9月26日 14時02分

     (散歩の休憩中に空を見上げる袴田巌さん
      =2020年12月16日、浜松市内)

 1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審で、静岡地裁(国井恒志裁判長)は26日、無罪(求刑死刑)を言い渡した。死刑が確定した事件で再審無罪となったのは戦後5件目。


【特集】袴田巌さん58年後の無罪 なぜ死刑囚にされたのか
袴田巌さん(88)に、再審公判で「無罪」が言い渡された。「死の恐怖」を強いたこの半世紀は何だったのか。前代未聞の事件を数字からたどる。



検察の対応が今後の焦点に

 検察は、再審の判決に対し控訴できる。ただ、80年代に確定死刑囚が再審で無罪になった4事件を含め、検察が再審公判での無罪判決に控訴した例は近年ないとみられる。弁護団や支援者は、袴田さんの年齢も踏まえ一刻も早い無罪確定を求めており、検察の対応が焦点になる。

 事件は66年に発生し、従業員で元プロボクサーの袴田さんが強盗殺人や放火などの容疑で逮捕・起訴された。捜査段階で「自白」したが、公判では一貫して無罪を主張。一審・静岡地裁は68年に死刑を言い渡し、80年に確定した。

 袴田さん側が2008年に申し立てた第2次再審請求審では、静岡地裁による再審開始決定、東京高裁による取り消し、最高裁による差し戻しを経て、東京高裁が23年に再審開始を決定。検察が特別抗告せず、再審公判が開かれることが決まった。


「犯人にさせられた」 再審公判で弁護側主張

 同10月の再審公判の初公判………
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https://dot.asahi.com/articles/-/234670

「『死刑囚』でなく『袴田巌』として生きてほしい」 弟を支え続けた姉・ひで子さん
2024/09/25/ 16:00
野村昌二
AERA


袴田ひで子さん(はかまた・ひでこ)/1933年生まれ。6人きょうだいの5番目で、3歳年下の末っ子が巌さん。33歳の時、巌さんが強盗殺人などの罪で逮捕されて以来、無実を訴え活動を行う(撮影/編集部・野村昌二)


 1966年、静岡県で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんのやり直しの裁判の判決が26日、言い渡される。姉・ひで子さんに心境を聞いた。AERA 2024年9月30日号より。


     (【写真】「自宅でくつろぐ袴田巌さん」はこちら)


*  *  *


 「もう安心しな」って、巌には言ってあげたい。

 釈放されて10年経ちますが、巌は私が姉だとはわかっていても、いまだに妄想の世界にいます。裁判は終わったことだと思っていて、「無罪が確定した」と言っても「当たり前だ」って言うくらいのもんでしょう。でも、まだどこかで、自分は死刑囚で処刑されるという不安が残っていると思うからね

 「無罪判決が待ち遠しいでしょう」と言われるけど、私は悠然としています。一生懸命、無罪に向かって見えない権力と闘ってたからね

 ただ、落ち込んだこともありました。最初の10年くらいは支援がなかったから家族だけでやって、68年9月に巌に死刑判決が出た時は周りが全部敵に見えて。やがて母親も父親も亡くなり、眠れなくてウイスキーをくいくい飲んで寝るようになって、酒浸りの日が3年ほど続きました。その頃から支援者が出始めて、自分がこんな風じゃあ巌を助けるどころじゃないと思って酒はやめました。でも、心ない言葉も耳に入ってきましたから、世間とは距離を置いて生活しました。盆も正月もなく、同窓会にも行っていません。

 ここまで続けてきたのは「巌は無実」っていうことに尽きます。事件が起きて3日後に巌は実家に帰ってきて、近所の人とにこやかに話しているのを見ました。いくらポーカーフェースだって、4人も殺して普通でいるわけがないですから。

 冤罪が起きるのは、警察のずさんな調査があるからだと思う。

 最初から警察は、引っ張った人間は犯人だと決めて、犯人らしくないと思ったら無理にでも犯人にするでしょ。巌の取り調べも苛烈を極め、1日平均12時間、長い時は16時間に及びましたそういうことが冤罪を生む。だから、昔から冤罪はたくさんあって、みんなは泣き寝入りしちゃっているだけです。

     (自宅でくつろぐ袴田巌さん。釈放後も拘禁反応によって、
      意思疎通が難しい(写真:袴田さん支援クラブ提供))

 巌を元の体に戻してほしいとか、私の人生を返してほしいとか、そんな野暮なこと言ったってできるわけありません。だから、警察には巌を48年間も無実の罪で拘置所などに入れていたことをいい方向に生かし、「これ以上、無実の人をつくるな」と言いたい。

 巌は88歳です。足腰がちょっと弱くなったけど、それは年相応。今年になって猫を2匹飼うようになったら「猫にご飯くれてやってくれ」とか言葉が出てくるようになりました。

 巌には余生を「死刑囚」でなく、人間として、そして「袴田巌」として生きてほしいただ、それだけです


(編集部・野村昌二)

※AERA 2024年9月30日号
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●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴…「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》

2024年09月27日 00時00分12秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]

※2024年09月26日(木): 当然の判決が漸く! 検察がこの再審判決「無罪」に対して控訴するなど許されない!! ➙ 【袴田巌さん再審で無罪判決、静岡一家4人殺害で 確定死刑囚で5例目】(https://www.asahi.com/articles/ASS9S2G6GS9SUTIL021M.html?linkType=article&id=ASS9S2G6GS9SUTIL021M&ref=app_flash)、《1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審で、静岡地裁(国井恒志裁判長)は26日、無罪(求刑死刑)を言い渡した。死刑が確定した事件で再審無罪となったのは戦後5件目》、《検察の対応が今後の焦点に》。



(2024年09月25日[水])
袴田事件、《再審公判も15回の審理を終えて、9月26日に判決が下る》(長周新聞)。
 袴田事件の《被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは誰か? それは、少なくとも、袴田巌さんやひで子さんではない。同時に、真犯人を取り逃すという、被害者やその遺族にも大変な被害をもたらしている。(ボクサーに対する偏見と思われる)袴田巌さんを犯人視し、軌道修正を怠り、思い込みや偏見により初動捜査を誤った警察や検察、さらにそれを見抜けない裁判所の罪はあまりに重い。

   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました
    《自責の念から酒におぼれ、生活保護受けた時期も 袴田事件の取材を
     続けているジャーナリストの青柳雄介さんは、初めて会ったときに
     話の途中で何度も嗚咽を漏らし、涙を流す熊本さんの姿が目に
     焼き付いている。「いちずな人だった。判決によって自分の人生も
     随分、曲がってしまったのでしょう」。弁護士になった後は、酒に
     おぼれ、家族と離別。肝硬変や前立腺がんを患い、生活保護を
     受けながら暮らした時期もあった。告白後は再審開始のために
     支援を続けた》

 長周新聞の【書評/『袴田事件:神になるしかなかった男の58年』 著・青柳雄介】(https://www.chosyu-journal.jp/review/31846)。《しかし証拠はなにもなく、袴田氏はほぼ一貫して容疑を否認したが、警察と検察による自白の強要、証拠のでっち上げ、でたらめな調書によって、逮捕から14年後の1980年に死刑が確定した》、《とくに、それまで検察が「ない」といってきた「五点の衣類のカラーネガ93点と取り調べの録音テープ46時間分発見され、それによって違法捜査の全体像がしだいに明らかにされていった》。

 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖袴田巌)さん。
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/袴田巌さんの素顔を見つめたジャーナリスト 「極限の状況を生き抜かせた」ボクサーの経験 最後に求める勝利】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/355956?rct=tokuhou)。《再審公判の判決の言い渡しを26日に控え、無罪を待つ袴田巌さん(88)。釈放から10年を経た今も、拘禁反応が他者との意思疎通を妨げるが、口を突く言葉の節々から「闘い抜く強固な意志」を感じ取ったという2人のジャーナリストがいる。密着を続けた取材者の目に映る袴田さんの素顔とは。(西田直晃)》。

 もう一点、付け加えるならば、あまりに酷い再審制度の不備。再審法改正が絶対に必要。弁護側が求める、権力を使って警察が集めた証拠や調書の開示だけでもすぐに実施すべき。
 さらには、死刑制度の廃止。例えば、取り返しのつかないことを仕出かしてしまっている飯塚事件

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
   『●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実
     人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》

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https://www.chosyu-journal.jp/review/31846

『袴田事件:神になるしかなかった男の58年』 著・青柳雄介
書評・テレビ評 2024年9月23日

 今から半世紀以上前の1966年6月30日、静岡県清水市(現在の静岡市清水区)にあった味噌製造会社の専務宅が放火され、焼け跡から一家4人の焼死体が発見された。4人の遺体には合計40カ所以上の刺し傷があった。そして、強盗殺人と放火などの容疑で、同社従業員の袴田巖氏(当時30歳)が逮捕された。

 しかし証拠はなにもなく、袴田氏はほぼ一貫して容疑を否認したが、警察と検察による自白の強要、証拠のでっち上げ、でたらめな調書によって、逮捕から14年後の1980年に死刑が確定した。

 これに対して本人や姉、支える人々によって再審請求が出され、弁護側の求めと裁判所の勧告によって、それまで検察側が独占していた未提出の証拠が2013年頃から開示され始めた

 とくに、それまで検察が「ない」といってきた「五点の衣類のカラーネガ93点と取り調べの録音テープ46時間分発見され、それによって違法捜査の全体像がしだいに明らかにされていった。

 2014年3月、静岡地裁は「捜査機関が重要な証拠を捏造(ねつぞう)した疑いがあり、その捏造証拠による死刑判決によって長期間、死の恐怖の下で身柄を拘束されてきた」「拘置をこれ以上継続することは、耐えがたいほど正義に反する」とし、再審の開始と死刑および拘置の執行停止を決定した。ところがこれで終わらなかった。メンツを潰された検察は異議を唱えて即時抗告し、昨年3月に東京高裁が再審開始を決定するまで、さらに9年の歳月を要している。


■執拗な取り調べと拷問で自白を強要

 この本は、袴田事件を18年追い続け、関係者にインタビューをくり返してきたフリーのジャーナリストが、この冤罪事件の全貌と袴田氏の思いをまとめたものだ。

 まず第一の特徴は、具体的な証拠がないなかでの、長時間の執拗な取り調べと拷問による自白の強要である。自白以外の客観的な証拠がないまま逮捕したことは、当時静岡県警が作成した「捜査記録」からも明らかだ。

 警察は事件から4日後、袴田氏を参考人として事情聴取したが、この時点でほぼ犯人だと断定していた。8月18日に逮捕すると、炎天下の警察署で、連日12~16時間以上の取り調べを20日間、休みなく続けた本人は明確に容疑を否認しているのに、「犯人はお前だ。早く自白して楽になれ」と、二人一組や三人一組の警察官が交替で罵声を浴びせ、殴ったり蹴ったりしたことがわかっている。

 ついに勾留期限の3日前、1966年9月6日に、袴田氏は意識が朦朧(もうろう)とするなかで「自供させられ、警察と検察に合計45通の自白調書をとられている。このときどういう状態だったかは、2015年に開示された録音テープで明らかになった。

 取り調べを担当した警部補は、「(袴田が)本当に今まで長い間、お手数をかけて申し訳ない」と謝罪し、涙を流しながら動機や犯行内容、奪った金の処理、凶器の購入経緯を具体的に語ったと法廷で証言した。ところがテープには涙や謝罪の場面はなかった。さらに検察が提出した調書も、作成順を並べ替えて、いかにも真犯人の調書らしく偽装していたことが明らかになった。そのうえ4人の取調官がその口裏合わせを組織的におこない、公判で偽証していたことも暴露された。

 もう一つは、重要証拠として持ち出された、袴田氏が犯行時に着ていたとされるパジャマだ。事件直後から大手メディアは「血染めのパジャマ」と大々的に報じたが、これは警察のマスコミへのリークによるもので、実際には血は肉眼では確認できないほどわずかなものだった。

 ところが、事件から1年2カ月後の第一審の公判中、味噌工場のタンクの底から、鮮やかな赤色の血痕のついたズボンなど5点の衣類が発見された。タンクの中は事件直後に徹底的に捜索され、何も発見できなかったのにである。警察・検察は、それまでパジャマを犯行着衣だと袴田氏に自白させていたのに、それでは証拠能力があまりにも低いため、公判中にもかかわらず重要証拠を「5点の衣類」に改めたと見られる。

 だがその後、そのズボンを袴田氏ははけるかどうかの実験が何度もおこなわれたが、ズボンは太腿までしか入らず、チャックも閉められなかった。また、実験結果からは、1年2カ月も味噌に漬かると衣類についた血液は黒色化することがわかった。さらに血痕をDNA鑑定すると、袴田氏のものと一致しなかった

 弁護団は「事件直後でなく、発見直前に捜査機関が仕込んだ捏造証拠だ」と指摘し、これが認められて再審決定になっていく。袴田氏を真犯人にしようとする警察・検察側の証拠が、逆に無実を証明する証拠になったわけだ。


■根深い警察・検察の癒着と腐敗

 著者は、杜撰(ずさん)な捜査で確固たる証拠がないまま、拷問で自白を強要して真犯人をでっち上げる一方、捜査側に不利な証拠は隠蔽・破棄するという強引な手法が、静岡県警に伝統として受け継がれていたとのべている。

 敗戦後の一時期、難事件を次々に解決し「名刑事」と謳われた紅林麻雄という警部補がいた。幸浦事件、二俣事件、小島事件、島田事件など、静岡県下で死刑や無期懲役が下された多くの事件を紅林は以上のような手法で「解決」したが、後にすべて逆転無罪が確定しているそうだ。

 この本のなかでは、1967年の静岡地裁死刑判決を下した裁判官の一人が、約40年にわたる沈黙を破って、「自分は無罪を主張したが、裁判官3人の合議に1対2で敗れ、意に反して死刑判決を書かざるを得なかった」「袴田氏を獄中から救出し、直接謝りたい」と訴えたことにも触れている。この元裁判官に対する著者のインタビューは、彼の号泣で何度も中断したそうだ。守秘義務に抵触することも恐れないこの勇気ある訴えは、逆に、警察・検察・裁判所という権力機構内部の癒着がいかに根深いかを浮き彫りにしている

 安倍政権の「モリ・カケ・桜」に警察・検察は動かず今回の裏金問題もしかり。自分の出世のために、権力者を忖度し巨悪を野放しにする連中が、一般庶民に対しては権力を笠に着て襲いかかり、その人生を奪ってはばからない。「法の支配」とはいいながら、統治のモラルが失われ、損得や忖度で「白」が「黒」になることがあるのだ。それは戦後の一時期に限って起きたことでも、静岡県だけの話でもないことは、最近の大川原化工機事件を見ても明らかだろう。今年も鹿児島県警が「再審や国家賠償請求訴訟などで捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはない」と、捜査書類の廃棄を内部文書で促したことが明らかになったばかりだ。

 袴田事件は事件発生から58年経ち、再審公判も15回の審理を終えて、9月26日に判決が下る。

 (文春新書、286ページ、定価1100円+税)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/355956?rct=tokuhou

こちら特報部
袴田巌さんの素顔を見つめたジャーナリスト 「極限の状況を生き抜かせた」ボクサーの経験 最後に求める勝利
2024年9月23日 12時00分

 再審公判の判決の言い渡しを26日に控え、無罪を待つ袴田巌さん(88)。釈放から10年を経た今も、拘禁反応が他者との意思疎通を妨げるが、口を突く言葉の節々から「闘い抜く強固な意志」を感じ取ったという2人のジャーナリストがいる。密着を続けた取材者の目に映る袴田さんの素顔とは。(西田直晃


◆「おとなしく、非常に寡黙」な人柄

     (笠井千晶さん=東京都渋谷区で)

 「足腰が弱り、口数も少なくなった。急速な老いを実感させられる」

 こう話すのは、2014年の釈放後、袴田さんが暮らす浜松市に拠点を構えた笠井千晶さん(49)。家族との日常を映像に収めてきたが、「この1、2年で衰えが目立ってきた」と述懐する。

 「裁判は終わり」「袴田事件はない」などと事実と異なる発言を繰り返す袴田さん。裁判は複雑な経過をたどり、18年6月、再審開始の決定を東京高裁が取り消したことも。笠井さんは「日常生活での応答に支障はないが、死刑囚のままだという事実、再審の現状は認識していない」とみる。とはいえ、決定取り消しの当日には、自宅に集まった報道陣の多さに「外出先からの帰宅を嫌がった。周囲を注意深く観察するので、ざわついた雰囲気に不安なそぶりが垣間見えた」と振り返る。

 袴田さんの人柄を「おとなしく、非常に寡黙」と評する一方、「ボクサーとしての経験が極限の状況を生き抜かせた」とも。袴田さんが頻繁に発する「闘い」「勝利」などのフレーズを念頭に「まっさらな気持ちで耳を傾けると、袴田さんが構築した世界には一貫性がある」と語る。「虐げられた過去を思いつつ、自分なりの答えを探しているようだ。いかに闘い、いかに生き延び、最後に勝利できるかを求めてきた。全てを拘禁反応に起因する妄想とは一蹴できない」

     (青柳雄介さん=東京都千代田区で)


◆「これ以上の時間の浪費は絶対に許されない」

 袴田さんには別の口癖もあるようだ。こちらも浜松市に移り、取材を続けていた青柳雄介さん(62)によると、周囲に「自分は23歳だ」と吹聴してきた。「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢だ。最も脂が乗り、強かった時期に重ね合わせ、今も闘っているのだと思い知らされた」

 釈放後、かつて勤務した静岡市内の飲食店を訪れる袴田さんに同行し、半世紀を経ても全く道に迷わない記憶力に「舌を巻いた」。昨春、東京高裁が再審開始を決定する直前には、袴田さんが「今日はいい決定が出る日なんだ」とつぶやくのを耳にした。「9月26日がどういう日かも分かっているかもしれない。無罪が確定すれば、拘禁反応も快方に向かうかもしれない」と思うのはこのためだ。

     (支援者とドライブへ出かける袴田巌さん=5月22日、浜松市内で)

 袴田さんが「仕事」と称する日課の散歩に何度も付き合った。「以前は1日8時間も歩き、同世代よりも速かったが、今は車での移動ばかり。最近はヨボヨボと歩幅が小さくなった」と老いがやはり気にかかる。「これ以上の時間の浪費は絶対に許されない


  ◇ 


 
笠井さんのドキュメンタリー映画「(けん)と祈り―袴田巖の生涯―」が10月19日から公開される。青柳さんは「袴田事件 神になるしかなかった男の58年」(文春新書)を8月に刊行した。


【関連記事】袴田巌さん再審のゴングは鳴るのか…輪島功一さんらボクサーたちが支援を続けてきた理由
【関連記事】袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」
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●報道機関を家宅捜査し、ホイッスル・ブロワーを逮捕する鹿児島県警による「民主主義社会の根幹を脅かす」大問題、もっと大騒ぎすべきなのでは?

2024年08月28日 00時00分09秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】


 (20240816[])
報道機関を家宅捜査し、 二人のホイッスル・ブロワーを逮捕する鹿児島県警による「民主主義社会の根幹を脅かす」(日本ペンクラブ)大問題のはずなのに…。特に、前者「報道機関を家宅捜査」について、報道機関はもっと大騒ぎすべきなのでは? (こちら特報部)《事態を受け、日本ペンクラブは6月19日、いち早く「取材源秘匿や内部通報者保護制度を脅かす」と非難する声明を発表した》。金平茂紀さん「この問題に限った話ではなく、地方メディアは地元の警察・行政と、ともすればもたれ合いの関係になりがちだ地元の新聞やテレビ局に伝えても、無駄だと思われるような状況になっていないか。私もテレビの世界に身を置いてきたので、じくじたる思いがある」。さらに、「…メディア全体の危機だこんなときこそ良い意味のメディアスクラムを組み、抗議の輪をつくらなければならない」…はずなのに?

   『●斎藤元彦兵庫県知事、新たなお維案件…ホイッスル・ブロワー《組織の
      不正をただす告発者が、守られる環境》が全く実現されていない悲劇
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
    「再審法の改正を。いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、
     鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、
     なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。」

   『●今西憲之さん《組織内に隠された恥部をさらす警察官を立て続けに逮捕して
     いる鹿児島県警に、「正義」はあるのか》? しかも、報道機関に家宅捜査!
   『●《警察の犯罪を中立的な立場から捜査する仕組みが存在しない》…報道
     機関を家宅捜査し、 二人のホイッスル・ブロワーを逮捕する鹿児島県警
    《これはもはやそんな次元を超えた公益通報者保護制度の破壊
     あり、報道の自由の侵害に他ならない》
    《…鹿児島県警で今何が起きているのか警察の身内の犯罪の隠蔽や
     内部告発者の逮捕メディアへの介入許していいのか
     警察の犯罪は誰が取り締まるべきなのかなどについて、この問題を
     取材しているジャーナリストの青木氏と、ジャーナリストの
     神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した》

   『●《情報提供がもっぱら公益的な目的であり、なおかつ重大な違法行為を摘発
      する目的である場合に限り、公務員は公務員法の守秘義務が免除され…》
   『●神保哲生さん《今回、警察の内部告発者2人が…小さなネットメディアを通報
     先に選んだことを、既存のメディアは深刻に受け止める必要があるだろう》

 報道機関を家宅捜査し、 二人のホイッスル・ブロワーを逮捕した鹿児島県警。《ニュースサイト「ハンター」…代表の中願寺(ちゅうがんじ)純則さん(64)も…「不当捜査だと批判した》《「どう考えても、不当な強制捜査だ」》《取材の成果と商売道具を取り上げられた上、事件と無関係の警察内部文書の削除まで要求された》(こちら特報部)。
 《記者クラブに加盟する数多ある大手メディア既存のメディアは深刻に受け止める必要がある》(ビデオニュースドットコム)というのに、のほほんとし過ぎなのでは? 《異例の強制捜査には、日本ペンクラブが「民主主義社会の根幹を脅かす極めて深刻な事態」と声明で非難。新聞労連日本ジャーナリスト会議福岡支部などからも抗議が相次いでいる》(こちら特報部)。

 《曽我部真裕教授…は「鹿児島県警は『取材の自由』にどう配慮したのか、今からでも明確に説明する責任がある」と批判。捜索令状を出した裁判官の姿勢も問われるという。「令状請求の対象が代表の個人名であれば、見逃すこともあり得るが、メディアと把握した上での判断なら、令状主義の機能不全を意味する。本来は、新聞・テレビなどの既存メディアも大いに報じるべき問題だ」と指摘》(こちら特報部)。「公益通報にあたる」を認めなかった件も酷いのだが、なんで報道機関への捜索令状を出せるのか、裁判所もどうかしている。
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「いずれ新聞社に家宅捜索が…」金平茂紀さんが鹿児島県警不祥事に感じる「行き過ぎ」とメディアへの警鐘】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/346929?rct=tokuhou)。《鹿児島県警の捜査資料漏えい事件に関連し、ニュースサイト「ハンター」が家宅捜索された問題を巡り、「民主主義社会の根幹を脅かす」として、日本ペンクラブは抗議声明を出した。他のメディアはどう受け止めるべきなのか。ペンクラブ理事で、ジャーナリストの金平茂紀さん(70)に聞いた。(西田直晃)》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/346929?rct=tokuhou

こちら特報部
「いずれ新聞社に家宅捜索が…」金平茂紀さんが鹿児島県警不祥事に感じる「行き過ぎ」とメディアへの警鐘
2024年8月12日 12時00分

 鹿児島県警の捜査資料漏えい事件に関連し、ニュースサイト「ハンター」が家宅捜索された問題を巡り、「民主主義社会の根幹を脅かす」として、日本ペンクラブは抗議声明を出した。他のメディアはどう受け止めるべきなのか。ペンクラブ理事で、ジャーナリストの金平茂紀さん(70)に聞いた。(西田直晃


 鹿児島県警「情報漏えい」事件 県警の元巡査長=地方公務員法違反罪で懲役1年、執行猶予3年の鹿児島地裁判決=による捜査情報の漏えい先として4月8日、福岡市のハンター事務所を家宅捜索した。押収したパソコンに保存されていた内部告発に関する文書画像を端緒に、前県警生活安全部長が国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕、同罪で起訴された。


◆「明らかに報道弾圧、公益通報を蹂躙」

 事態を受け、日本ペンクラブは6月19日、いち早く「取材源秘匿や内部通報者保護制度を脅かす」と非難する声明を発表した。金平さんは「家宅捜索に加え、入手した情報をもとに内部告発者を逮捕した。記者への強制捜査が問題となった過去の例と比べても、明らかに突出した報道機関への弾圧であり、公益通報制度の精神の蹂躙(じゅうりん)だ。行き過ぎた捜査だと、会員が共通認識を抱いた」と語る。

     (「取材源秘匿や内部通報者保護制度を脅かす」と非難した
      日本ペンクラブの声明(公式ホームページより、
      スクリーンショット))

 声明発出の前日、ペンクラブの言論表現委員会で、ハンター代表の中願寺(ちゅうがんじ)純則さん(64)の話を聞いたという。パソコンに保存されていた内部告発に関する文書画像は、ハンターで鹿児島県警の不祥事を追及していた札幌市のライターに託されたものだった。

 「なぜ、内部告発先が遠く離れた札幌市のライターだったのか。中願寺さんも言っていたが、その深刻な意味を考えるべきだ」と金平さん。「この問題に限った話ではなく、地方メディアは地元の警察・行政と、ともすればもたれ合いの関係になりがちだ地元の新聞やテレビ局に伝えても、無駄だと思われるような状況になっていないか。私もテレビの世界に身を置いてきたので、じくじたる思いがある」と続けた。


◆「おかしいものはおかしい」と声を上げることが地方紙の存在意義

 今年5月に水俣病の患者・被害者の発言を環境省職員が遮った問題では、先行して反応した地元紙が紙面で大々的に報じ、東京のメディアも追随した。地方メディアの役割について「地域に拠点を構え、いつも地元で取材しているからこそ、本来なら『おかしいものはおかしい』と声を上げられるはずだこれこそが地方紙の存在意義だと再認識してほしい」と言及した。

     (メディアの役割について語る金平茂紀さん=東京都千代田区で)

 ハンターは「調査報道を軸とするニュースサイト」と称しており、新聞・テレビなどとは異なる立ち位置を掲げている。金平さんは「現状、既存メディアと新興メディアの間には緊張感がある。『既存メディアの機能不全』を新興メディアは指摘しており、両者の関係は共存よりも分断の側面が強い」と解説する一方、「権力の監視という点では補完関係を築くべきだ」と強調する。


◆あちこちで起きている公務員による隠蔽

 「今回のケースが許されてしまえば、いずれ新聞社に家宅捜索が入ることにもなりかねないメディア全体の危機だこんなときこそ良い意味のメディアスクラムを組み、抗議の輪をつくらなければならない

 ハンターの家宅捜索後、逮捕、起訴された前県警生活安全部長は、情報を送ったのは「県警の隠蔽(いんぺい)を訴えるためで、公益通報かそれに準ずる」として無罪を主張する方針だ。

 金平さんは「兵庫県の告発文書問題在沖縄米兵の性的暴行事件も同じだが、あちこちで公務員による隠蔽が起きている。自らの利益のみを考え、他者のために生きるという倫理観がこの国から失われ、公共が溶けてしまっている」と危機感を口にした。


【関連記事】「取材源の秘匿」脅かした鹿児島県警の捜査手法はありなのか? ネットメディアへ異例の家宅捜索
【関連記事】鹿児島県警に取材データを奪われたメディア代表の憤り「組織防衛のため、内部告発への見せしめだ」
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●神保哲生さん《今回、警察の内部告発者2人が…小さなネットメディアを通報先に選んだことを、既存のメディアは深刻に受け止める必要があるだろう》

2024年08月27日 00時00分32秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】


(20240805[])
報道機関を家宅捜査し、 二人のホイッスル・ブロワーを逮捕した鹿児島県警。《ニュースサイト「ハンター」…代表の中願寺(ちゅうがんじ)純則さん(64)も…「不当捜査だと批判した》《「どう考えても、不当な強制捜査」》《取材の成果と商売道具を取り上げられた上、事件と無関係の警察内部文書の削除まで要求された》(こちら特報部)。
 《記者クラブに加盟する数多ある大手メディア既存のメディアは深刻に受け止める必要がある》(ビデオニュースドットコム)というのに、のほほんとし過ぎなのでは? 《異例の強制捜査には、日本ペンクラブが「民主主義社会の根幹を脅かす極めて深刻な事態」と声明で非難。新聞労連日本ジャーナリスト会議福岡支部などからも抗議が相次いでいる》(こちら特報部)。

 《曽我部真裕教授…は「鹿児島県警は『取材の自由』にどう配慮したのか、今からでも明確に説明する責任がある」と批判。捜索令状を出した裁判官の姿勢も問われるという。「令状請求の対象が代表の個人名であれば、見逃すこともあり得るが、メディアと把握した上での判断なら、令状主義の機能不全を意味する。本来は、新聞・テレビなどの既存メディアも大いに報じるべき問題だ」と指摘》(こちら特報部)。「公益通報にあたる」を認めなかった件も酷いのだが、なんで報道機関への捜索令状を出せるのか、裁判所もどうかしている。

 警察の不祥事を告発したホイッスル・ブロワー組織の不正をただす告発者》・鹿児島県警元警視正(生活安全部長は〝たたき上げ〟のトップらしい)を逮捕。しかも、もう一人のホイッスル・ブロワー(鹿児島県警曽於署の藤井光樹巡査長)に関する別件とはいえ、(警察の不祥事を告発し続けていた)福岡の報道機関「ハンター」にガサ入れするという前代未聞の行動をとり、たまたま、このこの報道機関にその内部告発が北海道から〝回ってきていた〟ためにホイッスル・ブロワー(元生活安全部長・本田尚志氏)の情報が漏れてしまい、鹿児島県警が逮捕…。マスコミは、もっと大騒ぎすべきと思うのですが? (神保哲生さん)《今回、警察の内部告発者2人が、記者クラブに加盟する数多ある大手メディアではなく小さなネットメディアを通報先に選んだことを、既存のメディアは深刻に受け止める必要があるだろう》。そし て、《弁護人は「公益通報にあたる」と主張したが、裁判所は勾留の取り消しを認めなかった》という鹿児島簡裁も正気だろうか? 家宅捜査を受けた「ハンター」の代表・中願寺純則氏は「鹿児島県警は、メディアに情報を漏らしたといって身内を続けて逮捕していますが、本来逮捕すべきは誰なのか、よく考えてほしい」と。

 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「取材源の秘匿」脅かした鹿児島県警の捜査手法はありなのか? ネットメディアへ異例の家宅捜索】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/345250?rct=tokuhou)。《捜査情報を漏えいしたとして地方公務員法違反罪に問われた元鹿児島県警巡査長の判決が5日、鹿児島地裁で言い渡される。この事件では漏えい先としてニュースサイト「ハンター」(福岡市)を家宅捜索した鹿児島県警の異例の捜査手法が疑問視されている。代表の中願寺(ちゅうがんじ)純則さん(64)も本紙の取材に「不当捜査だと批判した。(西田直晃)》。
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部 鹿児島県警に取材データを奪われたメディア代表の憤り「組織防衛のため、内部告発への見せしめだ」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/345235)。《「どう考えても、不当な強制捜査だ」。鹿児島県警の元巡査長が逮捕、起訴された捜査資料漏えい事件の「関係先」として、福岡市の事務所を捜索されたニュースサイト「ハンター」代表の中願寺純則さん(64)は憤りを隠せない。取材の成果と商売道具を取り上げられた上、事件と無関係の警察内部文書の削除まで要求された。事件の経過を振り返りながら、浮かび上がった問題点を考えた。(西田直晃、写真も)》。

 《これはいずれも組織内の違法行為を告発するもので、明らかに公益通報の範疇に入るものだったが、鹿児島県警は内部告発者を逮捕し、ハンターの事務所を家宅捜索した》、《この問題を取材しているジャーナリストの青木氏は、藤井氏の行動は公益通報以外の何物でもないと指摘する》、《加えて、今回の強権発動警察という組織では決して内部告発は許さないという強い意志を示すことが目的だと思われるが、そのために内部告発した警察職員を様々な理由をつけてあれは公益通報には当たらないと決めつけ逮捕までしていること》(ビデオニュースドットコム)。

   『●斎藤元彦兵庫県知事、新たなお維案件…ホイッスル・ブロワー《組織の
      不正をただす告発者が、守られる環境》が全く実現されていない悲劇
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
    「再審法の改正を。いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、
     鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、
     なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。」

   『●今西憲之さん《組織内に隠された恥部をさらす警察官を立て続けに逮捕して
     いる鹿児島県警に、「正義」はあるのか》? しかも、報道機関に家宅捜査!
   『●《警察の犯罪を中立的な立場から捜査する仕組みが存在しない》…報道
     機関を家宅捜査し、 二人のホイッスル・ブロワーを逮捕する鹿児島県警
    《これはもはやそんな次元を超えた公益通報者保護制度の破壊
     あり、報道の自由の侵害に他ならない》
    《…鹿児島県警で今何が起きているのか警察の身内の犯罪の隠蔽
     内部告発者の逮捕メディアへの介入許していいのか
     警察の犯罪は誰が取り締まるべきなのかなどについて、この問題を
     取材しているジャーナリストの青木氏と、ジャーナリストの
     神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した》

   『●《情報提供がもっぱら公益的な目的であり、なおかつ重大な違法行為を摘発
      する目的である場合に限り、公務員は公務員法の守秘義務が免除され…》


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/345250?rct=tokuhou

こちら特報部
「取材源の秘匿」脅かした鹿児島県警の捜査手法はありなのか? ネットメディアへ異例の家宅捜索
2024年8月5日 06時00分

 捜査情報を漏えいしたとして地方公務員法違反罪に問われた元鹿児島県警巡査長の判決が5日、鹿児島地裁で言い渡される。この事件では漏えい先としてニュースサイト「ハンター」(福岡市)を家宅捜索した鹿児島県警の異例の捜査手法が疑問視されている。代表の中願寺(ちゅうがんじ)純則さん(64)も本紙の取材に「不当捜査だと批判した。(西田直晃


 鹿児島県警「情報漏えい」事件 ニュースサイト「ハンター」に捜査資料を漏らしたとして、鹿児島県警は2024年4月、元巡査長=地方公務員法違反の罪で起訴、5日判決=を逮捕。ハンターの事務所を家宅捜索した。先月の初公判で元巡査長は起訴内容を認めながら警察組織を変えたかったとの動機もあったと説明した。押収データを端緒に県警は5月末に前生活安全部長の本田尚志被告=国家公務員法違反の罪で起訴=を逮捕した。

     (ハンターの事務所。パソコン返却後に
      県警内部資料のデータ消去が行われ

 鹿児島県警は4月、元巡査長による捜査情報の漏えい先と判断し、ハンター事務所を捜索。中願寺さんのパソコンや携帯電話などを押収した。パソコンのデータには別の内部告発に関する文書画像もあり、5月に情報漏えいの疑いで前県警生活安全部長を逮捕した事件のきっかけとされる。

 中願寺さんは「メディアの家宅捜索がなぜ必要だったのか。目的は『内部告発者を許さない』という県警の組織防衛ではないのか」と疑問視する。

 異例の強制捜査には、日本ペンクラブが「民主主義社会の根幹を脅かす極めて深刻な事態」と声明で非難。新聞労連日本ジャーナリスト会議福岡支部などからも抗議が相次いでいる。

 過去の判例でも「取材の自由」は憲法上の権利として尊重されており、京都大の曽我部真裕教授(憲法)は「鹿児島県警の捜索は問題が大きい」と言う。捜査機関にも「取材源の秘匿を侵害しないよう配慮が求められている。県警側は「取材の自由は理解している」と強調するが、曽我部氏は「鹿児島県警は『取材の自由』にどう配慮したのか、今からでも明確に説明する責任がある」と批判。

 捜索令状を出した裁判官の姿勢も問われるという。「令状請求の対象が代表の個人名であれば、見逃すこともあり得るが、メディアと把握した上での判断なら、令状主義の機能不全を意味する。本来は、新聞・テレビなどの既存メディアも大いに報じるべき問題だ」と指摘した。


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/345235

こちら特報部
鹿児島県警に取材データを奪われたメディア代表の憤り「組織防衛のため、内部告発への見せしめだ」
2024年8月5日 06時00分

 「どう考えても、不当な強制捜査だ」。鹿児島県警の元巡査長が逮捕、起訴された捜査資料漏えい事件の「関係先」として、福岡市の事務所を捜索されたニュースサイト「ハンター」代表の中願寺純則さん(64)は憤りを隠せない。取材の成果と商売道具を取り上げられた上、事件と無関係の警察内部文書の削除まで要求された。事件の経過を振り返りながら、浮かび上がった問題点を考えた。(西田直晃、写真も)


◆令状の中身は見せない、弁護士も呼ばせない

 インターホンが鳴ったのは4月8日午前8時半ごろ。中願寺さんがドアを開けると、警察手帳を取り出した若い捜査員は「分かってますよね」と告げたという。示された捜索令状に「地方公務員法違反」と書いてあったが、その中身を見せるべきだという訴えは拒まれ、読み上げもなかった

 「言葉は丁寧だったが、やはり強く出てくるなと思った」と中願寺さん。手にした携帯電話で弁護士に連絡を試みると、近づいた捜査員に取り上げられ、「身に着けているものを押収していいことになっている」と説明を受けた。10人ほどの捜査員が約5時間かけて家宅捜索。差し押さえられたのは、パソコンや携帯電話のほか、取材ノート、これまでにハンターが「県警がもみ消した強制性交」として追及してきた事件の関係者の名刺などだった。

     (家宅捜索で押収されたパソコン)

 ハンターは2011年3月に発足。「記者クラブとは一線を画し、調査報道を軸とするニュースサイト」と位置付け、国会議員秘書の経歴がある中願寺さんが1人で運営し、外部ライターとともに記事を執筆してきた。

 県警の不祥事を追及する記事を書くに当たり、取材や告発を経て入手した内部文書を昨年から、自社のサイトに掲載。県警の事件捜査に疑問を呈するため、内部文書の「告訴・告発事件処理簿一覧表」のほか、「刑事企画課だより」の画像を公開。速やかな事件記録の廃棄を促す記述などを問題視してきた


◆「まさか報道機関に捜索に入るとは」

 今年2月には、県警本部に処理簿一覧表を持参し、県民に謝罪するよう迫ったことも。3月、県警は「約100事件分の処理簿一覧表が外部に流出した」と発表。その数日後、中願寺さんに「情報漏えいの調査のために話を聞きたい」と捜査員から電話がかかってきたが、日程の調整で折り合わないうちに、家宅捜索を受けたという。

 「任意の事情聴取は警戒していたが、まさか報道機関に捜索に入るとは」。万が一を想定し、重要資料の原本は弁護士に預けていたものの、パソコンや携帯電話を押収されれば、配信業務や連絡にも支障が出る。近くの警察署でその日から始まった任意聴取では「取材過程やニュースソースについては一切話さないと黙秘の意向を伝えた。2回目の聴取の前、「被疑者としての取り調べに変更する」と捜査員に言われた。

     (東京新聞のインタビューに応じた中願寺純隆さん。
      今後の取材に支障が出るため顔出しはNGという
      =いずれも福岡市で)

 取調官からは、元巡査長との通話の内容、内部文書の受け渡し方法などを聞かれたほか、「記事のようなキレがないですね」「世間話ならいいでしょう」と水を向けられたが、一度も供述調書にサインしなかった。警察官に尾行されている気配も感じ、「一時は逮捕も覚悟した」と振り返る。

 ハンターの家宅捜索について、県警の野川明輝本部長は6月の会見で「元巡査長の供述や客観証拠などを踏まえて行われた」「取材の自由は理解している」と述べた。「元巡査長が認めているのに、メディアの家宅捜索がどうして必要なのか」と中願寺さんはいぶかしむ。「情報漏えいの教唆という理屈だろうが、正当な取材活動の成果だ。鹿児島県警の組織防衛、ハンターつぶしではないのか」


◆パソコンからデータ削除させられた

 中願寺さんの憤りはそれだけではない。

 家宅捜索の翌日、押収品の一部は自宅に戻ったが、「処理簿一覧表」「刑事企画課だより」のデータをパソコンから削除するように求められた。「流出すると大変なことになる」と説得されたという。

 「後者は特に元巡査長の事件と直接の関係はなく、データを消去させる理由がないはずだ。数年前には、県内の警察署で誰もが目にすることができた。『おかしいだろ』と抵抗したが、任意ではなく強制と思い込んでいたので、従わざるを得なかった」

     (ハンターの事務所。パソコン返却後に県警内部資料の
      データ消去が行われた

 刑事企画課だよりの原本は別に保管していたが、このパソコンには、中願寺さんが別の記者から送られた、鹿児島県警を巡る内部告発の手紙のデータも保存されていた。県警は家宅捜索を契機として、5月にの情報漏えいの疑いで、前県警生活安全部長の本田尚志被告も逮捕した。メディアへの強制捜査を端緒に別の証拠を押収し、内部通報者を特定した形になる。本田被告は今後の公判で、情報を送った行為は「県警の隠ぺいを訴えるためで、公益通報かそれに準ずる」として、無罪を主張する方針を示している。

 中願寺さんは「本田さんの逮捕にしても、内部告発者は絶対に許さないという見せしめだ。鹿児島県警が守っているのは、県民ではなく県警そのものそのためには何だってや。本来であれば、地元メディアが権力の暴走を監視し、声を大にして『おかしいことはおかしい』と言わなければならない」と強調する。

 記者の「取材源の秘匿」「情報漏えい教唆」に焦点が当たった強制捜査は、過去にもあった。


◆過去の例と比べても異質「あってはならないこと」

 1957年の売春汚職事件では、読売新聞の故立松和博記者が「召喚必至」と立件を名指しした国会議員への名誉毀損(きそん)容疑で逮捕された。背景には検察内部の派閥抗争があったとされ、日本新聞協会即時釈放を求めた。1971年の沖縄返還日米密約を巡る外務省機密漏えい事件で、情報提供者の女性事務官とともに逮捕された毎日新聞の故西山太吉記者のケースもある。

     (鹿児島県警のパトカー(資料写真))

 だが、こうした例と比べてもハンターの家宅捜索は特異という。上智大の奥山俊宏教授(メディア法)は「立松、西山両記者は自分自身が被疑者となったが、ハンターは捜索段階では第三者の『関連先』でしかなかった。逮捕された巡査長と極めて近い存在だったわけでもない」と前置きし、「報道の目的を逸脱して利用されたり、公共性や公益性がないのにネット公開されたりするのは問題だが、正当な取材で得られた資料について、探索的に情報源関連の資料を家宅捜索し、差し押さえるという行為は前例がないあってはならないことだ」と続ける。

 「取材・報道の目的で個人情報をメディアに提供する行為は、個人情報保護法でも考慮されている。社会的に是認されるべきだ」


◆名ばかりの公安委員、チェック機能果たされず

 今回の事件を別の角度から検証すべきだ、とする声もある。立正大の石塚伸一客員教授(刑事政策)は「本来、県公安委員会が経緯を調査し、事後だとしても県警にしっかり報告を求め、再発防止の措置を取らないといけない」と指摘する一方、「それがなかなか難しい。都道府県の公安委員には地域の名士が選ばれるが、警察行政の素人ばかりで実質的には名誉職となっている。警察の民主的な運営をチェックするという機能が果たされていない」と話す。

 「今回の家宅捜索のような問題が続けば、第三者の市民が都道府県警を日常的に注視する新たな組織が必要かもしれない。鹿児島だけの問題ではない」と述べた。


◆デスクメモ

 兵庫県知事の疑惑を告発して亡くなった幹部の男性も今回の前部長も60歳退職を迎える中での行動。部下に迷惑をかけまいとしたかもしれない、資料を押収された中願寺さんの苦悩も想像する。不正の告発に組織による報復は許されない警察のように強大な権力ならばなおさらだ。(恭)


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●《情報提供がもっぱら公益的な目的であり、なおかつ重大な違法行為を摘発する目的である場合に限り、公務員は公務員法の守秘義務が免除され…》

2024年08月26日 00時00分11秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】


(2024年08月02日[金])
神保哲生さんのビデオニュースドットコムは、「ディスクロージャー(第22回)」は《行政機関の公益通報をめぐる諸問題》について。《その情報提供がもっぱら公益的な目的であり、なおかつ重大な違法行為を摘発する目的である場合に限り公務員は公務員法の守秘義務が免除され公益通報者保護制度の下でその身分を保護されることになっている》。しかし、《公益通報者保護制度というのは、公益的な目的で組織の不正などを通報した者に対して、その後、制裁を加えたり人事面で不利な扱いをすることを禁止する制度》であるにもかかわらず、ことごとく機能していないようだ。つまり、公益通報者が保護されていないのが現状。鹿児島県警問題しかり、《兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ問題》では悲劇が起きている。
 《これはいずれも組織内の違法行為を告発するもので、明らかに公益通報の範疇に入るものだったが、鹿児島県警は内部告発者を逮捕し、ハンターの事務所を家宅捜索した》、《この問題を取材しているジャーナリストの青木氏は、藤井氏の行動は公益通報以外の何物でもないと指摘する》、《加えて、今回の強権発動警察という組織では決して内部告発は許さないという強い意志を示すことが目的だと思われるが、そのために内部告発した警察職員を様々な理由をつけてあれは公益通報には当たらないと決めつけ逮捕までしていること》(ビデオニュースドットコム)。

   『●斎藤元彦兵庫県知事、新たなお維案件…ホイッスル・ブロワー《組織の
      不正をただす告発者が、守られる環境》が全く実現されていない悲劇
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
    「再審法の改正を。いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、
     鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、
     なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。」

   『●今西憲之さん《組織内に隠された恥部をさらす警察官を立て続けに逮捕して
     いる鹿児島県警に、「正義」はあるのか》? しかも、報道機関に家宅捜査!
   『●《警察の犯罪を中立的な立場から捜査する仕組みが存在しない》…報道
     機関を家宅捜査し、 二人のホイッスル・ブロワーを逮捕する鹿児島県警
    《これはもはやそんな次元を超えた公益通報者保護制度の破壊
     あり、報道の自由の侵害に他ならない》
    《…鹿児島県警で今何が起きているのか警察の身内の犯罪の隠蔽
     内部告発者の逮捕メディアへの介入許していいのか
     警察の犯罪は誰が取り締まるべきなのかなどについて、この問題を
     取材しているジャーナリストの青木氏と、ジャーナリストの
     神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した》

 神保哲生さんのビデオニュースドットコム【行政機関の公益通報者保護制度が行政運営の健全化を阻害している/ディスクロージャー (第22回)】(https://www.videonews.com/disclosure_discovery/22)。《それは国家公務員も地方公務員も、それぞれの公務員法によって守秘義務が課されていることだ。守秘義務を課された公務員が、業務上知り得た情報を外部に漏らせば、本来は公務員法違反となる。しかし、法律の建て付けでは、その情報提供がもっぱら公益的な目的であり、なおかつ重大な違法行為を摘発する目的である場合に限り公務員は公務員法の守秘義務が免除され公益通報者保護制度の下でその身分を保護されることになっている。通報内容がもっぱら公益目的」、かつ重大な犯罪でなければ公務員法違反となってしまうのだ。そして、公益通報を行う公務員が乗り越えなければならないハードルは、警察官でも同じだ第1215回のマル激で扱った鹿児島県における警察幹部による警察官の犯罪の隠蔽の摘発も、この問題が関係してくる。…行政機関の公益通報をめぐる諸問題について、情報公開クリアリングハウス理事長の三木由希子とジャーナリストの神保哲生が議論した》。

 警察の不祥事を告発したホイッスル・ブロワー組織の不正をただす告発者》・鹿児島県警元警視正(生活安全部長は〝たたき上げ〟のトップらしい)を逮捕。しかも、もう一人のホイッスル・ブロワー(鹿児島県警曽於署の藤井光樹巡査長)に関する別件とはいえ、(警察の不祥事を告発し続けていた)福岡の報道機関「ハンター」にガサ入れするという前代未聞の行動をとり、たまたま、この報道機関にその内部告発が北海道から〝回ってきていた〟ためにホイッスル・ブロワー(元生活安全部長・本田尚志氏)の情報が漏れてしまい、鹿児島県警が逮捕…。マスコミは、もっと大騒ぎすべきと思うのですが? (神保哲生さん)《今回、警察の内部告発者2人が、記者クラブに加盟する数多ある大手メディアではなく小さなネットメディアを通報先に選んだことを、既存のメディアは深刻に受け止める必要があるだろう》。そして、《弁護人は「公益通報にあたる」と主張したが、裁判所は勾留の取り消しを認めなかった》という鹿児島簡裁も正気だろうか? 家宅捜査を受けた「ハンター」の代表・中願寺純則氏は「鹿児島県警は、メディアに情報を漏らしたといって身内を続けて逮捕していますが、本来逮捕すべきは誰なのか、よく考えてほしい」と。

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https://www.videonews.com/disclosure_discovery/22


https://youtu.be/CqDNXkcGWzc


2024年07月27日公開
行政機関の公益通報者保護制度が行政運営の健全化を阻害している
ディスクロージャー(第22回)

司会 三木由希子 神保哲生


概要

 第22回のディスクロージャーは行政機関の公益通報者保護が正常に機能していない問題を取り上げた。

 公益通報とは、組織内で不正や違法行為があった時、組織の構成員がその情報を組織内の適切な部署や行政機関、さらには外部の報道機関などに提供すること。その通報を通じて、組織の健全な運営を図ることを目的としている。そして、公益通報者保護制度というのは、公益的な目的で組織の不正などを通報した者に対して、その後、制裁を加えたり人事面で不利な扱いをすることを禁止する制度だ。2006年から法律が施行されている。

 公益通報は組織内の情報を組織の構成員が公益的な動機から外部に提供する行為であり、外部から情報の開示を求める情報公開請求とは表裏一体の関係にある。外部から情報公開請求を行うだけでは、実際に組織内でどのような不正行為が行われていたのかや組織が正常に機能していたのかどうかをうかがい知ることは容易ではない。また、外部からはその組織がどのような情報を保有しているかもわからないが、内部の人間はそれをすべて知っている

 公益通報者保護法は行政、民間を問わずあらゆる組織に適用される法律であり制度だが、民間の企業や組織と比べた時、行政機関には乗り越えなければならない高いハードルがある。それは国家公務員も地方公務員も、それぞれの公務員法によって守秘義務が課されていることだ。守秘義務を課された公務員が、業務上知り得た情報を外部に漏らせば、本来は公務員法違反となる。しかし、法律の建て付けでは、その情報提供がもっぱら公益的な目的であり、なおかつ重大な違法行為を摘発する目的である場合に限り公務員は公務員法の守秘義務が免除され公益通報者保護制度の下でその身分を保護されることになっている。通報内容がもっぱら公益目的」、かつ重大な犯罪でなければ公務員法違反となってしまうのだ。

 そして、公益通報を行う公務員が乗り越えなければならないハードルは、警察官でも同じだ第1215回のマル激で扱った鹿児島県における警察幹部による警察官の犯罪の隠蔽の摘発も、この問題が関係してくる。

 鹿児島県警は県警の警察官や警察関係者による犯罪行為に関する捜査資料を外部のジャーリストに情報提供したことが、公務員法の守秘義務違反に当たるとして、警察官2人を逮捕している。そのうちの1人は直前に鹿児島県警の生活安全部長を定年退官したばかりの、上級幹部だった。

 逮捕にあたり鹿児島県警のトップである野川明輝本部長は記者会見で、元生活安全部長の警察職員によるメディアへの情報提供は「公益通報には当たらない」との考えを示した。その理由として、警察職員が提供した情報の中には、被害者情報など犯罪の摘発に直接関係のない情報が含まれていたことなどがあげられている。

 つまり、メディアに提供された情報のうち、犯罪に直接関わる部分については公益的通報に当たる可能性があるが、それ以外の情報も含まれていた瞬間に、それは違法行為となるというのが、鹿児島県警の認識ということになる。

 しかし、犯罪行為を提供する際に、その周辺情報を一切含まない形で摘発するというのは、必ずしも現実的ではない。特に今回のように、提供された捜査資料の中に被害者の個人情報が含まれていたことが問題視されることになると、情報提供を受けたメディアは、その情報の裏取り、つまり事実確認さえできなくなってしまう

 鹿児島県警以外では、兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ問題に関して、告発を行い誹謗中傷やパソコンの私的利用を理由に懲戒処分を受けた元西播磨県民局長が自死するという事態が起きている。これは県が知事の違法行為を摘発する公益通報を行った職員のパソコンを押収した上で、パソコン内にあった職員のプライバシーに関わる情報を他者に開示するなどして、告発をした職員に圧力をかけた結果だったと考えられている。これもまた、行政機関内の公益通報者保護が徹底されていない結果起きた悲劇だった可能性が高い。

 つまるところ、公益通報者保護制度は地方自治体や官庁ではほとんどまともに機能していないようだ。公務員法の守秘義務というハードルのため、公益通報者が逮捕されたり懲戒処分を受けたりすることが頻発しているのだ。民間企業はもとより税金で運営されている行政機関こそ、違法行為が隠蔽されるようなことがあってはならないことは論を俟たない。より公益通報者保護制度が機能してくれなければ困る行政機関内で、公益通報が難しくなっている現状は変わってくれなければ困る。

 現行の公益通報者保護制度の最大の弱点は、この制度が元々、消費者保護を目的とした消費者行政の延長線上にあり、行政の健全な運営を担保するための制度ではないことだ。そのため管轄官庁も消費者庁になっている。無論、消費者保護は重要だが、行政機関の健全な運営のためには、現行の公的通報者保護制度を強化するか、もしくは消費者保護とは切り離した形で、行政機関を対象とする新たな公的通報者保護制度を定める必要があるのではないか。

 行政機関の公益通報をめぐる諸問題について、情報公開クリアリングハウス理事長の三木由希子とジャーナリストの神保哲生が議論した。
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●《警察の犯罪を中立的な立場から捜査する仕組みが存在しない》…報道機関を家宅捜査し、 二人のホイッスル・ブロワーを逮捕する鹿児島県警

2024年07月31日 00時00分01秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】


(2024年07月28日[日])
《鹿児島県警で今何が起きているのか》(神保哲生さんのビデオニュースドットコム)? 《警察の腐敗も深刻だが、警察とメディアとの癒着も底なし沼だ》、あぁ…。

   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
    「再審法の改正を。いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、
     鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、
     なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。」

   『●今西憲之さん《組織内に隠された恥部をさらす警察官を立て続けに逮捕して
     いる鹿児島県警に、「正義」はあるのか》? しかも、報道機関に家宅捜査!

 警察の不祥事を告発したホイッスル・ブロワー組織の不正をただす告発者》・鹿児島県警元警視正(生活安全部長は〝たたき上げ〟のトップらしい)を逮捕。しかも、もう一人のホイッスル・ブロワー(鹿児島県警曽於署の藤井光樹巡査長)に関する別件とはいえ、(警察の不祥事を告発し続けていた)福岡の報道機関「ハンター」にガサ入れするという前代未聞の行動をとり、たまたま、このこの報道機関にその内部告発が北海道から〝回ってきていた〟ためにホイッスル・ブロワー(元生活安全部長・本田尚志氏)の情報が漏れてしまい、鹿児島県警が逮捕…。マスコミは、もっと大騒ぎすべきと思うのですが? (神保哲生さん)《今回、警察の内部告発者2人が、記者クラブに加盟する数多ある大手メディアではなく小さなネットメディアを通報先に選んだことを、既存のメディアは深刻に受け止める必要があるだろう》。そして、《弁護人は「公益通報にあたる」と主張したが、裁判所は勾留の取り消しを認めなかった》という鹿児島簡裁も正気だろうか? 家宅捜査を受けた「ハンター」の代表・中願寺純則氏は「鹿児島県警は、メディアに情報を漏らしたといって身内を続けて逮捕していますが、本来逮捕すべきは誰なのか、よく考えてほしい」と。

   『●斎藤元彦兵庫県知事、新たなお維案件…ホイッスル・ブロワー《組織の
      不正をただす告発者が、守られる環境》が全く実現されていない悲劇

 原口アヤ子さんの大崎事件、そして、なんと言っても、志布志事件。さらには、先日の、「鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…」。どこまで腐っているのか?
 今西憲之さん《身内の犯罪行為を隠蔽しようとする姿に失望した――。鹿児島県警内部の情報を漏らしたとして逮捕された県警元警視正の法廷での発言が世間を騒がせている。この元警視正のほかにも守秘義務違反で県警に逮捕された警察官がいた。組織内に隠された恥部をさらす警察官を立て続けに逮捕している鹿児島県警に、「正義」はあるのか。》

 是非、ご一読ください。様々な意味で、闇の深さが理解できます。
 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの映像記事【公益通報者を逮捕し報道機関にまでガサ入れをする鹿児島県警をどう裁くべきか/マル激トーク・オン・ディマンド (第1215回) ゲスト 青木理】(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1215)。《日本には本来は先進国であれば必ず備わっていなければならない警察の犯罪を中立的な立場から捜査する仕組みが存在しないことをご存じだろうか。…鹿児島県警で今何が起きているのか警察の身内の犯罪の隠蔽内部告発者の逮捕メディアへの介入許していいのか、警察の犯罪は誰が取り締まるべきなのかなどについて、この問題を取材しているジャーナリストの青木氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した》。

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https://www.videonews.com/marugeki-talk/1215


 (https://youtu.be/B_B8KHniRCY


2024年07月20日公開
公益通報者を逮捕し報道機関にまでガサ入れをする鹿児島県警をどう裁くべきか
マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1215回)

ゲスト
青木理 (あおき おさむ)
ジャーナリスト
1966年長野県生まれ。90年慶應義塾大学文学部卒業。同年共同通信社入社。大阪社会部、成田支局、東京社会部、外信部、ソウル特派員などを経て2006年退社。著書に『日本の公安警察』、『国策捜査』、『絞首刑』など。


概要

 日本には本来は先進国であれば必ず備わっていなければならない警察の犯罪を中立的な立場から捜査する仕組みが存在しないことをご存じだろうか。

 鹿児島県警は警察関係者の犯罪を内部告発した元幹部を逮捕し、その情報提供先となったネットメディアの事務所に家宅捜索に入った。どんな組織にでも多少は身内贔屓はあるかもしれないが、これはもはやそんな次元を超えた公益通報者保護制度の破壊であり、報道の自由の侵害に他ならない。

 鹿児島県警は今、2つの内部通報に揺れている。1つは元県警生活安全部長の本田尚志氏が警察による隠蔽が疑われる事件について告発文を送ったというもの。もう1つは同じく県警元巡査長の藤井光樹氏が不正捜査が疑われる事案について資料などを提供したというものだ。いずれも警察の不正を内部から告発するもので、福岡県をベースにネットでニュースを配信している「ハンター」とそこに寄稿しているフリーのジャーナリストに情報は提供されていた。これはいずれも組織内の違法行為を告発するもので、明らかに公益通報の範疇に入るものだったが、鹿児島県警は内部告発者を逮捕し、ハンターの事務所を家宅捜索した。

 藤井氏は県警の「告訴・告発事件処理簿一覧表」などの資料をハンターに提供したとして4月8日、地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで逮捕され、5月20日に起訴されたが、その処理簿には2021年の強制性交事件に関する情報などが含まれていた。これは医師会の職員による看護師に対する強制性交事件で、被害者の度重なる訴えにもかかわらず事件化されていなかったが、その職員の父親は鹿児島県警所属の警察官だった

 藤井氏は7月11日に鹿児島地裁で行われた初公判で起訴内容を認め、争わない姿勢を示しているが、同時に強制性交事件の捜査に疑問を感じたことが告発の動機だったとも述べている。この問題を取材しているジャーナリストの青木氏は、藤井氏の行動は公益通報以外の何物でもないと指摘する。

 県警はハンターの事務所を家宅捜査した際に、パソコンやハンターの代表者である中願寺純則氏の携帯電話を押収しているが、その中にあったデータから藤井氏の他にも内部告発者がいることを突き止め、藤井氏に続いて元生活安全部長の本田氏が逮捕された。

 本田氏もまた鹿児島県警の職員によるストーカー事件や盗撮事件に関する情報を提供していたが、いずれの事件も事件化しておらず、警察による身内の隠蔽が疑われるものだった。本田氏は告発文の中で「闇をあばいてください」と訴えていた。

 今回露呈した問題は大きく分けて3つある。まず警察官による犯罪は県警のトップである本部長の直轄案件となるため、本部長自らが隠蔽を指示していた疑いが濃いということ。犯罪の隠蔽、しかも被害者が存在する犯罪の隠蔽ということになれば、身内贔屓で済まされる問題ではない。加えて、今回の強権発動警察という組織では決して内部告発は許さないという強い意志を示すことが目的だと思われるが、そのために内部告発した警察職員を様々な理由をつけてあれは公益通報には当たらないと決めつけ逮捕までしていること。そして、3つ目が、内部告発者を特定する目的で情報の提供先となったメディアに強制捜査にまで入ったことだ。言うまでもなく1つ目は警察という組織の信頼の根幹を揺るがすものだし、2つ目は公益通報者保護制度を根底から破壊する行為、そして3つ目は報道の自由を侵害する憲法違反に他ならない

 実際、警察官による犯罪が疑われる行為は表沙汰になったものだけでも非常に多い。一般市民で得られない情報を得られる立場にあり、強大な権力を持った警察官は、よほど規律を厳しく徹底しないと、容易に犯罪に手を染めかねない立場にいる。しかも、警察が警察官を逮捕することは希だし、仮に捕まっても自身の経歴に傷を付けたくない県警本部長の温情と身内贔屓の体質故に、罪に問われずに処理されてしまう場合が多い。しかし、今回鹿児島で起きたような内部告発が許容されれば、どこの警察にも正義感を持った警察官が多少なりともいるだろうから、下手をすると日本中の警察で内部告発が乱発され、収拾が付かなくなるおそれがある。少なくとも鹿児島県警の野川明輝本部長がそう考えたとしても不思議はないだろう。

 今回、警察の内部告発者2人が、記者クラブに加盟する数多ある大手メディアではなく、小さなネットメディアを通報先に選んだことを、既存のメディアは深刻に受け止める必要があるだろう。藤井元巡査長も本田元生活安全部長も、記者クラブに加盟する大手メディアに情報を提供しても報道されないばかりか、下手をすると彼らの情報提供の事実が警察に通報されることを恐れた。警察の内部事情や日頃の警察と記者クラブとの関係をよく知る元警察官だからこそ、警察官の犯罪を告発する対象としては既存のメディアがまったくあてにならないことを熟知していたはずだ。実際に今回内部告発者の警察官が逮捕された事件も、一部で報道はされているが、事態の深刻さを考えると、その報道量はまったく足りていない

 極めつけは藤井氏がハンターに提供した一連の情報の中にあった、警察内で回覧されている「刑事企画課だより」という資料だ。これには、事件記録を速やかに廃棄するよう促す内容が記された上で、「再審や国賠請求において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」などと書かれていた。後に警察に不利になりそうな資料はあらかじめ全部廃棄しておけという警察内の指令だ。一体、警察はどこまで腐ってしまったのだろうか

 一連の事件が露わにしているものは、警察の隠蔽体質はもとより、そもそも犯罪を取り締まる立場にある警察の犯罪は誰が取り締まるのかという問題が日本では未解決となっていることだ。泥棒に泥棒が捕まえられるわけがない。日本では本来は国家公安委員会と各都道府県に設けられた公安委員会がその任にあたる立場にあるが、歴史的に公安委員会は警察によって骨抜きにされ、本来の機能を期待すべくもないお飾りの組織に成り下がっている。しかも、青木氏によると、年収2,000万円を超える公安委員会の委員には大手報道機関のOBにまで指定席が用意されているという。警察の腐敗も深刻だが、警察とメディアとの癒着も底なし沼だ

 鹿児島県警で今何が起きているのか警察の身内の犯罪の隠蔽内部告発者の逮捕メディアへの介入許していいのか、警察の犯罪は誰が取り締まるべきなのかなどについて、この問題を取材しているジャーナリストの青木氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
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●今西憲之さん《組織内に隠された恥部をさらす警察官を立て続けに逮捕している鹿児島県警に、「正義」はあるのか》? しかも、報道機関に家宅捜査!

2024年07月30日 00時00分00秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】


(2024年07月27日[土])
《鹿児島県警で今何が起きているのか》(神保哲生さんのビデオニュースドットコム)?

   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
    「再審法の改正を。いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、
     鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、
     なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。」

 「いま何かと話題の鹿児島県警」、なぜか? 警察の不祥事を告発したホイッスル・ブロワー組織の不正をただす告発者》・県警元警視正(生活安全部長は〝たたき上げ〟のトップらしい)を逮捕した鹿児島県警。しかも、もう一人のホイッスル・ブロワー(鹿児島県警曽於署の藤井光樹巡査長)に関する別件とはいえ、(警察の不祥事を告発し続けていた)福岡の報道機関「ハンター」にガサ入れするという前代未聞の行動をとり、たまたま、このこの報道機関にその内部告発が北海道から〝回ってきていた〟ためにホイッスル・ブロワー(元生活安全部長・本田尚志氏)の情報が漏れてしまい、逮捕…。マスコミは、もっと大騒ぎすべきと思うのですが? そして、《弁護人は「公益通報にあたる」と主張したが、裁判所は勾留の取り消しを認めなかった》という鹿児島簡裁も正気だろうか? 家宅捜査を受けた「ハンター」の代表・中願寺純則氏は「鹿児島県警は、メディアに情報を漏らしたといって身内を続けて逮捕していますが、本来逮捕すべきは誰なのか、よく考えてほしい」と。

   『●斎藤元彦兵庫県知事、新たなお維案件…ホイッスル・ブロワー《組織の
      不正をただす告発者が、守られる環境》が全く実現されていない悲劇

 原口アヤ子さんの大崎事件、そして、なんと言っても、志布志事件。さらには、先日の、「鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》」。どこまで腐っているのか?
 dot,の記事【今西憲之/鹿児島県警「本部長の犯罪隠蔽」に「失望した」元警視正の“告発” 内部資料送られたジャーナリストが訴える「ずさん捜査」】(https://dot.asahi.com/articles/-/224707)。《身内の犯罪行為を隠蔽しようとする姿に失望した――。鹿児島県警内部の情報を漏らしたとして逮捕された県警元警視正の法廷での発言が世間を騒がせている。この元警視正のほかにも守秘義務違反で県警に逮捕された警察官がいた。組織内に隠された恥部をさらす警察官を立て続けに逮捕している鹿児島県警に、「正義」はあるのか。》

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https://dot.asahi.com/articles/-/224707

鹿児島県警「本部長の犯罪隠蔽」に「失望した」元警視正の“告発” 内部資料送られたジャーナリストが訴える「ずさん捜査」
2024/06/09/ 17:30
今西憲之

     (身内の犯罪を隠蔽したと告発された
      鹿児島県警の野川明輝本部長)

 身内の犯罪行為を隠蔽しようとする姿に失望した――。鹿児島県警内部の情報を漏らしたとして逮捕された県警元警視正の法廷での発言が世間を騒がせている。この元警視正のほかにも守秘義務違反で県警に逮捕された警察官がいた。組織内に隠された恥部をさらす警察官を立て続けに逮捕している鹿児島県警に、「正義」はあるのか

     (【写真】ジャーナリストに送られた県警内部文書の一部)

「私がこのような行動をしたのは、鹿児島県警職員が行った犯罪行為を、野川明輝本部長が隠蔽しようとしたことが、どうしても許せなかったからです」

 鹿児島県警内部の情報を漏らしたとして国家公務員法違反(守秘義務違反)容疑で逮捕された県警元警視正の本田尚志・前生活安全部長(60)がこう発言し、法廷に衝撃が走った。

 本田前部長は、警察官らの個人情報が記された文書を3月下旬に札幌市在住のジャーナリスト、小笠原淳氏に送り、職務上知りえた情報を漏洩したとして、5月31日に逮捕された。

 6月5日、本田前部長の勾留理由開示手続きが鹿児島簡裁であり、そこでの意見陳述だった。

 本田前部長の陳述は、昨年12月に枕崎市であった盗撮事件に触れて、こう続いた。

「この事件は、現職の警察官の犯行ということで、野川本部長指揮の事件となりました。生活安全部長として、この事件の報告を受けた私は、現職の警察官がこのような犯罪を行ったということに強い衝撃を受けました。県警の現状に危機感を抱くとともに、県民の皆様に早急に事実を明らかにして、信頼回復に努めなければならないと思いました」
「私は、捜査指揮簿に迷いなく押印をし、野川本部長に指揮伺いをしました。しかし、野川本部長は、最後のチャンスをやろう』『泳がせようと言って、本部長指揮の印鑑を押しませんでした。本部長が警察官による不祥事を隠蔽しようとする姿がく然とし、失望しました」

 そして、

「この不祥事をまとめた文書を、とある記者に送ることにしました」

と語った。そこで、小笠原氏の名前が出たという。

 本田前部長の弁護人は「公益通報にあたる」と主張したが、裁判所は勾留の取り消しを認めなかった

     (逮捕後の法廷で県警本部長を告発した
      本田尚志・前生活安全部長)


■「闇をあばいてください。」

 小笠原氏は4月3日に本田前部長の「文書」を受け取った。小笠原氏によると、手紙には鹿児島中央郵便局の消印があったが、差出人が無記名だったので、そのときは本田前部長が送ったとはわからなかった。84円切手が貼られていたが、料金不足で小笠原氏が10円を負担して受け取ったという。

 文書の1ページ目には、
闇をあばいてください。〉
とパソコンで打たれていた。続く2ページ目には、

鹿児島県警の闇
1 霧島署員による警察の保有する情報を悪用したストーカー事案
2 枕崎署員による盗撮事案の隠蔽
3 警視による超過勤務詐取事案の隠蔽
4 署員によるストーカー事案2件を発生させた霧島署長、M警視の
   警視正昇任とストーカー取締部署である生活安全部長着任

などと整理されて、県警の元巡査部長による盗撮事件のあらましなどの不正事案が記されていた。また、「本件問い合わせ」として、3月まで刑事部長だったI氏の住所と電話番号が記載されていた。

 文書のほかには、県警内部で閲覧される、2023年10月発行と11月発行の「刑事企画課だより」が計2部入っていた。そこには、「県内において、捜査書類の紛失・誤廃棄事案が多発しています」などと記載されていた。

 小笠原氏は、こう話す。

「内部告発は信ぴょう性が高いと思ったが、裏取りするにも高度な個人情報が含まれていることもあり、見合わせていた。これが事件に関連する内部告発だと知ったのは、本田さんの勾留理由開示の法廷の後です。当然ですが、本田さんのことはまったく知りません」

 そして、こう続ける。

「事件になって、鹿児島県警から連絡があり、私を取り調べたいとのことでした。仮に私に届いた内部告発が法に触れるというなら、本田さんを逮捕する前に捜査すべきでしょう。内部告発の原本や手紙が本当にあったのかどうか、私に確認もせずに本田さんを逮捕するなんて、あまりにずさんな捜査ではないですか。鹿児島県警は不祥事や隠蔽続きですから、私も罪をでっちあげられるかもしれないと思うと恐ろしい」

     (小笠原氏が受け取った鹿児島県警の「刑事企画課だより」)

 本田前部長の逮捕後、小笠原氏は福岡県を本拠にするニュースサイト「ハンター」で、「鹿児島県警『情報漏洩』の真相」と題した記事を発信して、鹿児島県警が身内による盗撮事件を隠蔽した内幕などを告発している。

 そもそも、本田氏が小笠原氏に手紙を送ったのは、この「ハンター」に記事を書いていることを知っていたからだったようだ。「ハンター」では、昨年秋ごろから、鹿児島県警の不祥事を追及する記事を続発している。


もう一つの「情報漏洩事件」

「警察の腐敗は日本全国であるのだろうが、鹿児島県警はすさまじいものがある

 そう語るのは「ハンター」の代表、中願寺純則氏だ。

 中願寺氏は、本田前部長の事件には、鹿児島県警曽於署の藤井光樹巡査長(49)が4月に地方公務員法違反(守秘義務違反)容疑で逮捕され同罪で起訴された、もう一つの「情報漏洩事件」と県警の隠蔽体質が密接に関係していると話す。

 藤井被告は、県警が扱った事件の被害者や被疑者の氏名、処理状況などが記載された「告訴・告発事件処理簿一覧表」を第三者に郵送したなどとして逮捕・起訴された。藤井被告が漏らした資料は、県警が犯罪を正当に捜査せず隠蔽してきたことがわかるものだったという。

 中願寺氏は、この件で県警から捜査も受けたと言い、こう語る。

「ここまでくれば語るしかない。鹿児島県警は犯人が目の前にいるのに、なんら動かないどころか隠蔽を図る。被害者は泣き寝入りするしかない。藤井さんはそれを正そうと立ち上がったのでしょう。それを見て、本田さんも危険を承知で動いたのではないかと思います」


■「被疑者の父親は県警OBだった」

 中願寺氏の取材によれば、藤井被告が我慢ならなかったのは、病院で働く女性スタッフが被害に遭った強制性交事件だったという。

     (小笠原氏に送られた文書の1枚目)

 2021年9月、新型コロナウイルス関連の仕事に従事していた女性スタッフが、鹿児島県医師会の元職員から性的な暴行を受けたという。女性スタッフは悩んだ末、勤務していた病院の上司に相談し、22年1月に刑事告訴した。中願寺氏が説明する。

「犯人は元職員と特定されており、被害女性の代理人に謝罪文を書いて、『自らの理性を抑えることが出来ず、衝動的な行動に至ってしまいました。私が、今回犯してしまった罪は、どのような理由があっても決して許されるものではありません』と認めていました。私は被害女性らに寄り添っていて、すぐにでも逮捕に至ると思っていました。それなのに22年1月、鹿児島県警はいったん告訴状の受け取りを拒否し、弁護士がねじ込んだ末、なんとか受理された。その過程で、この元職員の父親が鹿児島県警のOBであることが判明したんです。実際にOBの父親は、複数回警察署にまで行っている」

 その後も不可解なことが続いたと、中願寺氏が怒りを抑えられない表情で話す。

「事件は鹿児島西署の管轄なのに、鹿児島中央署に移されました。被害女性の事情聴取もなかなか行われず、22年11月と事件から1年以上も経過してからだった。警察が組織ぐるみで事件をなかったことにしようというたくらみが透けて見えました。県医師会も、『同意があったから事件ではない』と女性スタッフの訴えを踏みにじるような主張をはじめる。裏で鹿児島県警と連携しているようにみえた」

 2023年12月、鹿児島地検は元職員の不起訴処分を決定。現在、女性スタッフ側が検察審査会に申し立てをしているという。

 この事件について「ハンター」は、情報公開などによって資料を集め、鹿児島県警の身内をかばう捜査への批判を展開。その取材過程で、「告訴・告発事件処理簿一覧表」にたどり着いたという。

 中願寺氏はこう話す。

「まだ藤井さんの裁判が始まっていないので詳細は語れないが、私は鹿児島県警の心ある人が、ハンターを読み、強制性交事件について内部告発をしてくれたと思っています。鹿児島県警は私が藤井さんにカネでも払って情報を出させたのだろうという筋書きで捜査にきましたよ。『告訴・告発事件処理簿一覧表』は入手し、強制性交事件のことが詳しく書かれていたので、情報源や個人情報を特定されないように取材をしてハンターで報じました。警察の筋書きはまったくの的外れ」

 そして中願寺氏は、本田前部長の事件で小笠原氏に文書が送られたことについて、こう語る。

「小笠原さんはハンターで北海道警の批判などを真正面から書いていたので、それを見て信用できると、本田さんが送付したようだとの情報には接しています」


■「本来逮捕すべきは誰なのか

 本田前部長に「犯罪を隠蔽した」と名指しされた野川本部長は、6月7日に会見し、

「私が隠ぺいの意図を持って指示を行ったと言うことは一切ございませ

隠蔽を否定している。

 中願寺氏は言う。

鹿児島県警に正義はありませんまったく何も信用できません。犯人を隠蔽された被害者の女性スタッフは、今も心を病んで苦しんでいます。強制性交事件や警察官の犯罪を鹿児島県警が組織ぐるみで隠蔽せず、適正な捜査をしていれば、藤井さんも本田さんも内部告発に動く必要もなく、当然、逮捕なんてことはなかった。鹿児島県警は、メディアに情報を漏らしたといって身内を続けて逮捕していますが、本来逮捕すべきは誰なのか、よく考えてほしい

AERA dot.編集部・今西憲之


今西憲之 大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。
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●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実の人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》

2024年07月19日 00時00分40秒 | Weblog

[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]


(2024年06月25日[火])
何という非人道的なことか》(桐山桂一さん)。《刑事訴訟法の再審規定再審法の改正》が全く進まないニッポン。《台湾では冤罪をなくすために、めざましい改革が進行中》だそうだ。羨ましい限りだ。《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》…何の進歩も無く、《日本の刑事司法のガラパゴス化》(鴨志田祐美さん)。
 例えば、袴田冤罪事件、《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? しかも、検察は再び死刑を求刑した。なんという冷酷…。(大谷昭宏さん)《この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている》。《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。(東京新聞社説、2023年10月28日)《無実の訴えから半世紀日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。

 東京新聞の【<視点>台湾に学ぶべき時だ 論説委員・桐山桂一】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/335746)。《つまり台湾では冤罪をなくすために、めざましい改革が進行中なのだ。日本では500条を超える刑訴法のうち、再審条文はわずか19しかない。かつ1949年の施行から一度も改正されていないだから無実を叫びつつ、40年、50年を経ても「無罪」とならない法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実の人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか。台湾に学んで早く法改正を実現せねば。》

 (鈴木耕さん)《日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である》…それ故の犠牲者が次々と。再審法改正も進まず。低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法》…さらに、司法取引…。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》

 何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。
 鴨志田祐美さん《日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です》。小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして人の心はあるのだろうか耐えがたいほど正義に反する日々は、まだまだ続く》(大谷昭宏さん)

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
          人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
             喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
            いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》
   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
      を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
   『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
      無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
         証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●飯塚事件…鈴嶋裁判長《「…覚えているのは不自然」…女性の証言…「捜査
     機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない」》
   『●袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である
      可能性が極めて高いと思われる》というのに、またしても検察は死刑求刑
   『●袴田冤罪事件 ――― 冤罪であるという《真実を明らかに》した時、
     被害者遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか?


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/335746

<視点>台湾に学ぶべき時だ 論説委員・桐山桂一
2024年6月25日 06時00分

 刑事訴訟法の再審規定再審法の改正に向け、超党派の議員連盟が動き始めている。先月半ばに開かれた第4回の総会では、台湾の弁護士連合会理事長である尤美女さんが招かれて講演をした。

 台湾が実現した再審法改正を模範にすべきなのだ。もともと大正時代の日本の刑事訴訟法をお手本にし、1928年、台湾刑訴法ができた。

 だが、再審法は約87年間も改正されないまま放置されていた。近年になって台湾で再審法改正が現実化した契機は、2012年と14年の再審無罪判決だった。

 前者は集団強盗や殺人などの罪で起訴され、死刑判決となったが、虚偽自白などに基づいていた。

 後者は準強制性交罪の事件だったが、DNA型の再鑑定により再審無罪となった。

 これがきっかけとなり、15年と19年の2度にわたり台湾で再審法が改正された。

 注目すべき改正のポイントは、再審開始のためには従来、有罪判決を揺るがす「確実な新証拠」が必要だったが、これを「新証拠または新事実と改正したことだ。

 これで再審開始のハードルはぐっと下げられた。かつ新証拠や新事実のみを評価するのではなく、既に存在する各証拠と合わせて総合評価する方法を採用した。

 証拠開示も全面的に変わった日本では検察による証拠隠しが横行しているが、台湾では事件のすべての証拠や捜査機関が保有する記録を再審請求人や弁護人が入手できるようになった。つまり無罪方向の証拠を得られやすくなったわけだ

 再審請求審も原則公開の法廷で審理される。法廷で口頭でのやりとりが重視され、証拠調べの手続きも明文化されたことで、事件の真相がよりつかみやすくなった

 また、裁判所の内部規則によって、再審期日についても、4カ月に1回の頻度で開廷が必要になった。公判の迅速化が図られたわけだ。

 驚くべきことは、検察内部にも、冤罪が潜んでいないかチェックする検証機関ができたことだ。形式だけの組織ではなく、能動的に冤罪を探す審査委員会である。

 それらの結果、2022年には地裁で受理した再審請求568件のうち33件の再審開始決定が出た。13年の12件と比べると大きく改善した。

 つまり台湾では冤罪をなくすために、めざましい改革が進行中なのだ。

 日本では500条を超える刑訴法のうち、再審条文はわずか19しかない。かつ1949年の施行から一度も改正されていない

 だから無実を叫びつつ、40年、50年を経ても「無罪」とならない法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実の人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか。台湾に学んで早く法改正を実現せねば。

【関連記事】袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
【関連記事】飯塚事件の再審認めず、福岡地裁 92年の2女児殺害で死刑執行
【関連記事】「名張毒ぶどう酒事件」再審認めず 最高裁、第10次請求棄却確定へ 1人が初の反対意見
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●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》

2024年07月12日 00時00分05秒 | Weblog

[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]


(20240616[])
再審法の改正を
 いま何かと話題の鹿児島県警。かつて、鹿児島県警と言えば、原口アヤ子さんの大崎事件。そして、なんと言っても、志布志事件。体質は変わらない。

   『●『冤罪File(2009年12月号)』読了(1/2)
   『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
    「…など職業裁判官の怠慢の例は
     数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件西武雄さん
     飯塚事件久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
     しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さん
     志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」

   『●『検察に、殺される』読了
    「『検察に、殺される』…。粟野仁雄著。…ガタガタの特捜。
     志布志事件…、氷見事件…。甲山事件…(松下竜一さん
     『記憶の闇』)。高知白バイ事件…。布川事件…。足利事件…。
     袴田事件…。村木厚子さん冤罪・証拠捏造事件…。」

   『●冤罪(その2/2): せめて補償を
    「飯塚事件久間三千年さんは、冤罪であるにもかかわらず、
     死刑を執行された。これは、被害者の遺族に対する、
     何と表現して良いのかわからないが……遺族の方たちも
     複雑な感情を抱いてしまうはずだ。/どんな背景や力学が
     働いたのかはそれぞれの事件によって異なるが、布川事件
     氷見事件東電OL殺害事件志布志事件村木厚子氏冤罪事件
     足利事件……、せめて賠償で報いる以外に方法が無いのではないか。
     しかし、その扉は当方もなく厚い。」

   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」 
              『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
       「山口正紀さん【「可視化」口実の盗聴法大改悪 
        「刑事司法改革」法案】、「志布志事件の川畑幸夫さん
        …足利事件菅家利和さん…布川事件桜井昌司さん
        …冤罪被害者が声をそろえて「全面可視化を」と訴えた。
        …日弁連執行部の賛成で批判記事を書きにくいのかも
        しれないが、メディアは「冤罪をなくし、人権を守る」視点から、
        法案の危険性を是非伝えてほしい」。青木理さん「刑事司法改革
        …端緒は郵便不正事件・・・法務省に都合よく集約…
        日本の司法は中世なみ

   『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
     新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》
    《…志布志事件の被害者川畑幸夫(さちお)さんの聞き書き
     「一歩も退(ひ)かんど」…》

   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたと
     しても、その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
    《布川事件の再審無罪決定と相前後して、足利事件氷見事件
     志布志事件、そして村木厚子さんの郵便不正事件などで次々と
     衝撃的な冤罪が明らかになったことを受けて、公訴権を独占する
     上に、密室の取り調べが許される検察の暴走が冤罪を生んでいる
     との批判が巻き起こり、2009年に民主党政権下で刑事訴訟制度の
     改正論議が始まった。しかしその後、政権が自民党に戻る中、
     一連の制度改正論議の結果として行われた2016年の刑事訴訟法の
     改正では、むしろ検察の権限が大幅に拡大されるという
     信じられないような展開を見せている

   『●《首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代…
                 こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだ》?
    「桐山桂一さんの仰る通り、《今日では既に、首相の演説にやじを
     飛ばしただけで、警官に排除される時代である。
     こんな表現の不自由な社会を誰が望んだであろうか》?」
    「《鹿児島県警から任意の「捜査関係事項照会」と呼ばれる依頼を受け、
     うち4図書館で利用者の個人情報が提供》…。
     《警察は政党の手先ではない訳がないし警察は正義の味方
     呼ぶこと》もできない…悲惨な社会。最「低」裁を頂点とした司法も、
     検察や警察も、いまやアベ様に忖度する時代。
     《岸の末裔が首相では日本に未来はない》。」

   『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
      らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」
    「元鹿児島県警捜査員「適正捜査だった」「自白偏重はだめだと徹底的に
     言われた時代。決して自白の強制はなかった」…本当だろうか?
     原口アヤ子さん以外の3人 (一郎氏・二郎氏・太郎氏) が、
     無実なのに「自白」するだろうか? 志布志事件では何が起きたか?
     在りもしなかった事件を、鹿児島県警から
     「強制的に自白させられた」…。」

 東京新聞の【<社説>捜査書類の管理 冤罪招く「廃棄の助長」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/333457?rct=editorial)。《鹿児島県警が昨年、捜査書類の速やかな廃棄を促す内部文書を捜査員らに配布していたことが明らかになった。後に訂正されたが、「即時廃棄されると再審請求などで被告に有利な証拠が失われる可能性があり、冤罪(えんざい)を招きかねない文書だった。同県警ではほかにも不祥事が続発しており、迷走する組織の立て直しが必要だ。文書は昨年10月、「刑事企画課だより」と題した公文書で、県警本部各部や各署を通じて、捜査員にメールで送られた。再審請求などで、警察にとって都合の悪い書類だったので(検察に)送致しなかったのではないか、と疑われかねないため、未送致書類であっても、不要な書類は適宜廃棄する必要があります」などと記載されていた。また、末尾では「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!と捜査員らに呼びかけていた》。

 (鈴木耕さん)《日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である》…それ故の犠牲者がまたしても。再審法改正も進まず。低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法》…さらに、司法取引…。

   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
       …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
   『●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそ
     をついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》
   『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
       するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化
   『●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…
     《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》
   『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
       するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化
   『●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…
     《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国家賠償訴訟・東京高裁控訴審…《原告側
           は事件そのものを「捏造」》《社長らは「真相を明らかにする」》と

 これも、何度でも、書く。飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/333457?rct=editorial

<社説>捜査書類の管理 冤罪招く「廃棄の助長」
2024年6月14日 07時48分

 鹿児島県警が昨年、捜査書類の速やかな廃棄を促す内部文書を捜査員らに配布していたことが明らかになった。後に訂正されたが、「即時廃棄されると再審請求などで被告に有利な証拠が失われる可能性があり、冤罪(えんざい)を招きかねない文書だった。同県警ではほかにも不祥事が続発しており、迷走する組織の立て直しが必要だ。

 文書は昨年10月、「刑事企画課だより」と題した公文書で、県警本部各部や各署を通じて、捜査員にメールで送られた。

 再審請求などで、警察にとって都合の悪い書類だったので(検察に)送致しなかったのではないか、と疑われかねないため、未送致書類であっても、不要な書類は適宜廃棄する必要があります」などと記載されていた。また、末尾では「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!と捜査員らに呼びかけていた

 この文書が一部、ネットに流出して県警内部でも問題視され、11月に「国賠請求や再審請求への対応に必要な文書は廃棄せずに保管管理する必要がある」といった内容に改められた。県警はこうした経緯を公表していなかったが、最近、報道で明らかになった。

 刑事裁判で検察側は、自らに有利な証拠だけを法廷に提出して有罪を立証するケースが大半だ被告に有利な証拠は、検察は基本的に開示せず、そもそもそうした証拠は警察から検察に送られずに眠っていることも少なくない

 名張毒ぶどう酒事件(第11次再審請求を準備中)の鈴木泉弁護団長は「警察当局が組織的に証拠を廃棄させようとするのは、『全ての証拠開示』を求める私たちにとって、無罪立証の機会を奪う行為ではないか」と憤る。

 鹿児島県警では最近、捜査情報を流出させた疑いで巡査長、続いて同様事案で前生活安全部長が逮捕されている。さらに、この前部長が裁判手続きの中で、その後、盗撮容疑で逮捕された巡査部長の捜査中に、「(その事案を)県警本部長が隠蔽(いんぺい)しようとした」と告発。本部長は否定したが、警察庁が監察を行う方針を示している。

 警察組織にあるまじき組織の混乱だ。文書廃棄を求める文書がどんな指示に基づいて出されたのかも含め、徹底した監察で背景を洗い出さなければならない。
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