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●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さんの第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定

2024年11月02日 00時00分31秒 | Weblog

(2024年10月25日[金])
前川さんの身になってほしい!」(青木理さん)、「福井事件」(福井女子中学生殺し福井女子中学生殺人福井女子中学生殺害事件)という明々白な冤罪。10年近くフォローを怠っていたら、この程漸く、第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部(山田耕司裁判長)が再審を決定7年間も冤罪で服役し、終始、無実を訴えていたのに、事件発生から38年も経って、漸く再審を決定。2013年の段階で、名古屋高裁(志田洋裁判長)は愚挙を行っている。(東京新聞)【福井中3殺害 再審取り消し 検察の異議認める】(2013年3月6日)、《福井市で一九八六年に起きた女子中学生殺害事件の再審請求異議審で、名古屋高裁(志田洋裁判長)は六日、「確定判決の事実認定に合理的な疑いを差し挟む余地はない」として検察側の異議を全面的に認め、前川彰司・元被告(47)の再審開始を認めた高裁金沢支部の決定(二〇一一年)を取り消した》。2011年から、10年以上のロス…。

 (2011年12月03日、神保哲生さんのビデオニュースドットコム)【福井事件再審決定、検察は同じ過ちを繰り返すな】《福井市で1986年に起きた女子中学生殺人事件で、殺人の罪に問われ、7年間の服役を終えた前川彰司さん(46)の再審…》。

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(2011年12月12日のブログ)

 神保哲生さんのvideonews.comから(…)。

 「福井事件」の被告に有利な証拠や証言は開示しない。裁判所ももたもたしてばかりだ。

 最新の『冤罪ファイル(冤罪File)』によると、警察や検察とともに作り上げたウソばかり。ある一人の証言者の嘘を基に、多くの証言者にもつじつま合わせの嘘をつかせている。警察と検察がウソの証言をさせている。それを裁判所が見抜けない。しかも、一審(無罪)、二審(逆転有罪)ともに弁護士にやる気がなく、刑事司法の問題がてんこ盛りな冤罪事件。さらに、この場合、被告は一貫して無罪の主張を貫くという、自白の無い非常にまれな冤罪ケース

 前川彰司さんは本当にお気の毒としか言えない。どう考えたっておかしく、無茶苦茶な冤罪。ただ、これは本当に巨大な氷山の極々一角が極々わずかに見えてきたにすぎないだろう。

 この映像の中にも出てくる、45年囚われの身の「袴田事件」の冤罪被告人 袴田巌さんの精神的な状況も気になる。

 青木理さんの言葉、「前川さんの身になってほしい!」。
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   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」





(朝日新聞、2024年10月24日[木])


 東京新聞の記事【福井中3殺害、再審認める 関係者供述の信用性否定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/362025)、《1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(59)の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部(山田耕司裁判長)は23日、裁判をやり直す再審の開始を認める決定をした。前川さんは捜査段階から無実を訴えてきた。高裁支部は、確定判決が有罪の根拠とした関係者供述について、自己の利益のためうその供述をした疑いがあり、信用できないと指摘した。前川さんは90年に一審福井地裁で無罪判決を受けたが、二審の高裁金沢支部で逆転有罪となり、確定。第1次再審請求で、高裁金沢支部は2011年、再審開始を認めたが、検察の不服申し立てを受け、名古屋高裁の異議審で取り消された。23日の決定を受け、前川さんは「ほっとしているが、浮かれるわけにはいかない」と述べた。犯人を指し示す直接的な証拠がない中、確定判決は前川さんに犯行を告白されたなどとする複数の知人の証言を有罪の根拠とした。司法判断ごとにこれらの証言の評価が二転三転する異例の展開をたどってきた》。

 《指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が一切ない》。2013年再審請求棄却は《立証責任回避の違法な決定》だった。今回は、《検察側は既に一審段階で、テレビ番組が別の日の放映だったことを知っていたのに法廷で明らかにしなかったと難じた。「公益を代表する検察官としてあるまじき、不誠実で罪深い不正の所為と激しく非難》!
 東京新聞の【<社説>福井の中3殺害 検察は再審決定に従え】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/362234)、《一審は無罪、しかも再審開始決定は2度目である検察は異議を申し立てず、今度こそ、裁判のやり直しに応じるべきだ。1986年、福井市の自宅で中学3年の女子生徒が殺害された事件で懲役7年の殺人罪が確定し、服役した元受刑者の前川彰司さん(59)の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部は、「捜査に行き詰まり、関係者に誘導等の不当な働き掛けをしたと厳しく指摘し、再審開始を決定した。前川さんは逮捕後、一貫して容疑を否認有力な物証に乏しく、90年の一審判決は無罪だったが、二審では、関係者の証言など間接証拠で逆転有罪となり、97年に最高裁で上告も退けられて、懲役7年の判決が確定した》。

 同じく、東京新聞の記事【山田裁判長、刑事畑のベテラン 前川彰司さんの再審開始認める】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/362069)、《前川彰司さん(59)の第2次再審請求で再審開始を認めた名古屋高裁金沢支部の山田耕司裁判長(62)は、刑事裁判を長く担当し、近年は中部地方の裁判所で勤務するベテランだ。愛知県出身で、1990年に任官。最高裁調査官や岐阜地裁部総括判事、名古屋地裁部総括判事などを経て、2022年11月から名古屋高裁金沢支部の部総括判事を務めている。名古屋地裁時代の20年7月、知人を暴行して死亡させたなどとして起訴された2人の女性被告の裁判員裁判で、起訴内容を認めた被告の1人の供述には変遷があり、信用性に疑いがあるとして、傷害致死罪について2人とも無罪判決を言い渡した》

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!
   『●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道を
     しました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》
   『●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰する
       のは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》
   『●西村カリンさん《これ以上、あってはならない行動をしないで下さい。そして、
       巌さんと姉・ひで子さんに謝罪した上で…違法な行為を検証して下さい》
   『●検察・警察、裁判所、マスコミによって《大きく人生を変えられたのは、
     巌さんだけではありません。巌さんを58年支え続けてきた、姉のひで子さん》
   『●検察は控訴せず、無罪が確定…自白の強要や証拠の捏造など、袴田冤罪事件
     の被害者、袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間の残酷な日々に報いるには?
   『●袴田冤罪事件、何の反省もない検察の《控訴断念》を受け、漸くの謝罪記事
      …マスコミの罪も非常に重い…検察が控訴したら、どうしたのだろうか?
   『●控訴断念、畝本直美検事総長談話…(袴田事件弁護団事務局長・小川秀世さん)
      《無罪判決が確定すれば、だれも巖さんを犯人として扱ってはならない》

 前川さんも、再審がようやく決まったものの、これからも紆余曲折が予想される。袴田さんは、ずっと《いまも、死刑囚のまま》な状態に置かれ続けた。冷酷・残酷な「」は、冤罪者が沈黙することを待っている。姉・袴田ひで子さん同様、前川さんのお父さんも大変だったことと思う。しかも、ここでも、警察や検察は真犯人を取り逃しており、女子中学生のご遺族にどのように申し開きするつもりなのだろうか…。
 さらに、東京新聞の記事【前川さん、91歳父と喜びの握手 再審開始決定を報告、福井】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/362297)、《1986年の福井中3殺害事件の第2次再審請求で、再審開始決定を受けた前川彰司さん(59)が24日、父礼三さん(91)が生活する福井市内の高齢者施設を訪れ、決定を報告した。2人は「良かった」と言い合い、握手して喜んだ。前川さんを長年支えてきた礼三さんだったが、足腰が衰えるなどし、約2年前から施設で暮らす。決定があった23日、前川さんからメールで「再審開始だよ」と知らされた。礼三さんは、前川さんから警察や検察の捜査を裁判所が批判したことなど、決定の詳しい内容を聞き「当たり前のことが当たり前に進んでいる」と目を細めた》。


 西村カリンさんのつぶやき:

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https://x.com/karyn_nishi/status/1849601616598663224

西村 カリン (Karyn NISHIMURA)💙💛@karyn_nishi

厳しい判断かもしれないけど、強盗や殺人事件の報道を巡って、日本のマスコミは袴田事件から何も学んでいないと私は思ってしまう。現在も逮捕場面の動画や写真を撮影し、容疑者についての報道の全ては検察がリークした内容だ。

冤罪のリスクは今もマスコミのせいで高いのではないか。

午前8:59  2024年10月25日
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 片岡健さんのつぶやき:

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https://x.com/ken_kataoka/status/1849064114506850494

片岡健@ken_kataoka

再審決定の福井女子中学生殺害事件

11年前に前川彰司氏の再審を取消した名古屋高裁の志田洋裁判長は取材した事があります

当時は藤沢簡裁判事でしたが、取材をまとめた冤罪File26号を今読み返しても、いかにも酷い冤罪判決を出しそうな人です

古本は手に入るようなので、関心のある方はご一読下さい

午後9:23  2024年10月23日
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 とんでもなくデタラメな冤罪…福井事件、検察の「なりふり構わぬねつ造」。
 日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/警察、検察の「なりふり構わぬねつ造」どれだけあるんだ】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202410290000135.html)。《袴田事件では物的証拠を捏造(ねつぞう)し、福井の事件では証言を捏造する。検察、警察の許し難い不正が、また暴き出された。38年前、1986年に起きた「福井女子中学生殺害事件」で殺人罪に問われ、7年間服役した前川彰司さん(59)の再審請求に対して、名古屋高裁金沢支部は先週、再審を決定。きのう28日開始が確定した。私は20年前、出所直後に入院した前川さんに代わって、ひとり冤罪(えんざい)を訴え続けるお父さんや現地を取材。決定当日は福井テレビにリモート出演させていただいた》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/362234

<社説>福井の中3殺害 検察は再審決定に従え
2024年10月24日 08時03分

 一審は無罪、しかも再審開始決定は2度目である検察は異議を申し立てず、今度こそ、裁判のやり直しに応じるべきだ

 1986年、福井市の自宅で中学3年の女子生徒が殺害された事件で懲役7年の殺人罪が確定し、服役した元受刑者の前川彰司さん(59)の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部は、「捜査に行き詰まり、関係者に誘導等の不当な働き掛けをしたと厳しく指摘し、再審開始を決定した。

 前川さんは逮捕後、一貫して容疑を否認有力な物証に乏しく、90年の一審判決は無罪だったが、二審では、関係者の証言など間接証拠で逆転有罪となり、97年に最高裁で上告も退けられて、懲役7年の判決が確定した。

 前川さんは、服役後の2004年、再審を請求。11年には、かつて有罪判決を出した名古屋高裁金沢支部が再審開始を決定した。しかし、検察側の異議を受け、13年に同高裁が決定を取り消し、最高裁でも取り消しが確定した。こうした複雑な経緯の末、22年から第2次再審請求が争われていた。

 今回の再審請求審では、裁判所の指揮により検察側が200点以上の証拠を開示。それを基に弁護側は多くの新証拠を提出し、「事件発生日に血の付いた前川さんを見た」と供述した関係者の一人が供述後、取り調べの警察官から金銭を受け取っていたことなどが明らかになった。一緒に前川さんを見たとした別の関係者の供述にある「事件当日に見たテレビ番組実際にはその日に放送されていなかったことなども分かった。

 高裁支部は、捜査側の誘導ぶりや証言のずさんさを示す新証拠の多くを採用捜査機関は見立てたストーリーに合った供述や証言を求めていたと批判した。さらに、検察側は既に一審段階で、テレビ番組が別の日の放映だったことを知っていたのに法廷で明らかにしなかったと難じた。「公益を代表する検察官としてあるまじき、不誠実で罪深い不正の所為と激しく非難したのも当然だろう。

 再審法は、検察有利に過ぎるなど、これまでも不備が指摘されており、国会でも超党派の議員連盟が法改正を目指している。支部の裁判長は、今回の決定は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の大前提に従ったと述べた。現状の再審制度の根本に欠けているものがまさにそれであろう
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●冤罪者の「死」を待つという残酷な国家の犯罪と、《正義の名の下に死刑執行》された飯塚事件…何の検証もすることなく、全く反省の無い警察や検察

2024年10月28日 00時00分03秒 | Weblog

[※ 「裁かれるべきは警察、検察、裁判所 袴田事件」(週刊金曜日 1490号、2024年09月27日) ↑]


/ (2024年10月19日[土])
余談ですが、コラム末尾の《最大の争点は裏金事件に象徴される「政治とカネ」の問題》…ではないです。「自民党とカネ」「お維とカネ」なんだってば。二重三重取りした、有り余った政党助成金はどうしてんの? 余るような自民党には、政党助成金を渡す必要は無いです。…と思っていたら、『●赤旗「裏金非公認に2000万円 自民本部が政党助成金」…税金使ってどんな「ルール」? どこが《謙虚》? どこが《誠実》? 何が《温かい政治》だ!!』。
 つかみ金政策活動費」の闇もありますが、ヤミ金官邸の裏金」は? 《官房機密費国庫から引き出される金でありながら領収書不要、支払い先を明かす必要がないヤミ金」…「官邸の裏金」》は? まさか衆院選で、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党の候補者に配ったりしていませんよね…。#自民党に投票するからこうなる
 畝本直美検事総長は、それらの問題をどこまで追求してますか?

   『●冤罪死刑囚の死を待ち、責任を逃れようとする冷酷な人々
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                  ……死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●司法権力の〝執念〟:映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
    《別の意味で恐るべし、司法権力の“執念”

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》

 例えば、《「名張毒ブドウ酒事件」(1961年) の奥西勝死刑囚》のように、冤罪者の「死」を待つという残酷な国家の犯罪と、《正義の名の下に死刑執行》された飯塚事件…袴田さん冤罪事件について、全く反省の無い畝本直美検事総長に感じる恐怖。
 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>繰り返される国家の犯罪】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/360001?rct=discussion)。《検察は否定していますが、確定判決が捏造と指摘したことを、厳しく受け止めるべきです。犯人にでっち上げるために証拠を捏造したとしたら権力の乱用であり、国家による犯罪にほかなりません。読者からは「冤罪(えんざい)でありながら正義の名の下に死刑執行が行われた可能性が高い人もいたのではないか」との意見が届いています。冤罪事件を二度と起こさないためにどうすべきか、警察や検察、裁判所は真剣に、深く考えるべきでしょう》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!
   『●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道を
     しました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》
   『●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰する
       のは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》
   『●西村カリンさん《これ以上、あってはならない行動をしないで下さい。そして、
       巌さんと姉・ひで子さんに謝罪した上で…違法な行為を検証して下さい》
   『●検察・警察、裁判所、マスコミによって《大きく人生を変えられたのは、
     巌さんだけではありません。巌さんを58年支え続けてきた、姉のひで子さん》
   『●検察は控訴せず、無罪が確定…自白の強要や証拠の捏造など、袴田冤罪事件
     の被害者、袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間の残酷な日々に報いるには?
   『●袴田冤罪事件、何の反省もない検察の《控訴断念》を受け、漸くの謝罪記事
      …マスコミの罪も非常に重い…検察が控訴したら、どうしたのだろうか?
   『●控訴断念、畝本直美検事総長談話…(袴田事件弁護団事務局長・小川秀世さん)
       《無罪判決が確定すれば、だれも巖さんを犯人として扱ってはならない》
   『●《「死刑制度を続ける日本は北朝鮮やシリアと同じ」―。…日本に向けられて
      いる厳しい視線》《間違いが起こる可能性を認める国こそ民主主義的な国》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/360001?rct=discussion

<ぎろんの森>繰り返される国家の犯罪
2024年10月12日 07時52分

 静岡県の強盗殺人事件で死刑が確定していた袴田巌さんの再審公判で「無罪」を言い渡した地裁判決に対し、検察が控訴を断念し、袴田さんの無罪が確定しました。

 東京新聞は9日の社説「袴田さん『真の自由』に」で、「事件発生から58年での『無罪』確定は、あまりにも長すぎた。これは誤った捜査と裁判による、究極の人権侵害にほかならない」「地裁が指摘した捜査当局による『三つの捏造(ねつぞう)』は、袴田さんを犯人にでっち上げた恥ずべき権力の乱用である」と捜査を厳しく批判しました。

 検察は否定していますが、確定判決が捏造と指摘したことを、厳しく受け止めるべきです。犯人にでっち上げるために証拠を捏造したとしたら権力の乱用であり、国家による犯罪にほかなりません。

 読者からは「冤罪(えんざい)でありながら正義の名の下に死刑執行が行われた可能性が高い人もいたのではないか」との意見が届いています。

 冤罪事件を二度と起こさないためにどうすべきか、警察や検察、裁判所は真剣に、深く考えるべきでしょう

 国家による犯罪は司法だけでなく立法府である国会も無縁ではありません。「戦後最大の人権侵害」とも言われる強制不妊手術の根拠となった旧優生保護法は1948年、当時の与野党が全会一致で成立させたものだからです。

 人権上深刻な問題が指摘されながら、法改正されたのは48年後の96年。この間、約2万5千人が手術を受けたとされています。被害者に対する補償法が8日に成立し、「国会および政府は、憲法に違反する立法行為と執行の責任を認め、心から深く謝罪する」と法律に明記されましたが、人権侵害を犯した作為と救済が遅れた不作為を、国会は猛省しなければなりません。

 最大の人権侵害かつ国家犯罪の最たるものは、国民の命や暮らしを犠牲にしての誤った戦争です。ですから少しでも戦争に再び近づく動きがあれば、警鐘を鳴らすことが私たち新聞の役割なのです。

 衆院選が15日に公示されます。最大の争点は裏金事件に象徴される「政治とカネ」の問題ですが、国家に犯罪を再び起こさせないためにはどの候補者や政党に託せばいいのか。東京新聞は有権者の選択に資する報道・論説を続けたいと考えています。 (と)
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●控訴断念、畝本直美検事総長談話…(袴田事件弁護団事務局長・小川秀世さん)《無罪判決が確定すれば、だれも巖さんを犯人として扱ってはならない》

2024年10月17日 00時00分00秒 | Weblog

[※ 「裁かれるべきは警察、検察、裁判所 袴田事件」(週刊金曜日 1490号、2024年09月27日) ↑]


(2024年10月14日[月])
自白を強要し、証拠や調書を捏造までしておいて、畝本直美検事総長のコノ言い草、上から目線。


[「判決に納得という誤解、避けたい」「最高検・高検・地検 異例の対応」「検事総長の談話(要旨)」](朝日新聞、2024年10月09日[水])]

 《被告人が犯人であること》…とはどういうことか? 自白を強要し、証拠や調書を捏造まで行ったことが裁判で認定されたのに、まだ、袴田巖さんが犯人であると公言する畝本直美検事総長。《客観性の高い証拠》ってどれだ? ことごとく証拠や調書は否定されているのだが。警察や検察は真犯人を取り逃し、事件の被害者や遺族の皆さんに、顔向けできるのか? まずは、袴田巖さんや秀子さんらに真摯に謝罪し、また、当時の警察や検察の自白の強要、証拠や調書の捏造を検証せずして、何が《検察の責務》か。
 東京新聞の記事【袴田さん再審で検察が控訴断念「判決は到底承服できない。しかしながら…」 畝本直美検事総長が談話【全文】】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/359173)/《他方、改めて関係証拠を精査した結果、被告人が犯人であることの立証は可能であり、にもかかわらず4名もの尊い命が犠牲となった重大事犯につき、立証活動を行わないことは、検察の責務を放棄することになりかねないとの判断の下、静岡地裁における再審公判では、有罪立証を行うこととしました。そして、袴田さんが相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも配意し、迅速な訴訟遂行に努めるとともに、客観性の高い証拠を中心に据え、主張立証を尽くしてまいりました》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!
   『●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道を
     しました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》
   『●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰する
       のは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》
   『●西村カリンさん《これ以上、あってはならない行動をしないで下さい。そして、
       巌さんと姉・ひで子さんに謝罪した上で…違法な行為を検証して下さい》
   『●検察・警察、裁判所、マスコミによって《大きく人生を変えられたのは、
     巌さんだけではありません。巌さんを58年支え続けてきた、姉のひで子さん》
   『●検察は控訴せず、無罪が確定…自白の強要や証拠の捏造など、袴田冤罪事件
     の被害者、袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間の残酷な日々に報いるには?
   『●袴田冤罪事件、何の反省もない検察の《控訴断念》を受け、漸くの謝罪記事
      …マスコミの罪も非常に重い…検察が控訴したら、どうしたのだろうか?

 当然、弁護団側は激しく批判。
 テレビ静岡の記事【【全文】「検事総長がいまでも犯人と考えていると公言したに等しい」 袴田巖さんの弁護団が怒りの声明文】(https://www.sut-tv.com/news/indiv/29413/)、《1966年に当時の静岡県清水市(現在の静岡市清水区)で一家4人が殺害された強盗殺人放火事件のやり直しの裁判をめぐり元プロボクサー・袴田巖さん(88)の無罪が確定する中、検察が発表した畝本直美検事総長による談話について、袴田さんの弁護団が10月10日、静岡地検に声明文を提出した。以下は弁護団声明の全文である》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/359173

袴田さん再審で検察が控訴断念「判決は到底承服できない。しかしながら…」 畝本直美検事総長が談話【全文】
2024年10月8日 17時27分

 静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審で、無罪とした静岡地裁判決について、畝本直美検事総長は8日、「控訴しない」との談話を発表した。


あわせて読みたい
幻覚、妄想…「拘禁反応」の恐ろしさとは? 再審無罪ならば回復するのか


 談話の全文は次の通り。

  ◇


検事総長談話
令和6年10月8日

○結論

 検察は、袴田巖さんを被告人とする令和6年9月26日付け静岡地方裁判所の判決に対し、控訴しないこととしました。


○令和5年の東京高裁決定を踏まえた対応

 本件について再審開始を決定した令和5年3月の東京高裁決定には、重大な事実誤認があると考えましたが、憲法違反等刑事訴訟法が定める上告理由が見当たらない以上、特別抗告を行うことは相当ではないと判断しました。他方、改めて関係証拠を精査した結果、被告人が犯人であることの立証は可能であり、にもかかわらず4名もの尊い命が犠牲となった重大事犯につき、立証活動を行わないことは、検察の責務を放棄することになりかねないとの判断の下、静岡地裁における再審公判では、有罪立証を行うこととしました。そして、袴田さんが相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも配意し、迅速な訴訟遂行に努めるとともに、客観性の高い証拠を中心に据え、主張立証を尽くしてまいりました。

     (姉のひで子さん㊨と笑顔を浮かべマイクを手に挨拶をする
      袴田巌さん=2024年9月29日、静岡市葵区で(斉藤直純撮影))


○静岡地裁判決に対する評価

 本判決では、いわゆる「5点の衣類」として発見された白半袖シャツに付着していた血痕のDNA型が袴田さんのものと一致するか、袴田さんは事件当時鉄紺色のズボンを着用することができたかといった多くの争点について、弁護人の主張が排斥されています。

 しかしながら、1年以上みそ漬けにされた着衣の血痕の赤みは消失するか、との争点について、多くの科学者による「『赤み』が必ず消失することは科学的に説明できない」という見解やその根拠に十分な検討を加えないまま、醸造について専門性のない科学者の一見解に依拠し、「5点の衣類を1号タンク内で1年以上みそ漬けした場合には、その血痕は赤みを失って黒褐色化するものと認められる。」と断定したことについては大きな疑念を抱かざるを得ません。

     (畝本直美検事総長=2024年7月、平野皓士朗撮影)

 加えて、本判決は、消失するはずの赤みが残っていたということは、「5点の衣類」が捜査機関のねつ造であると断定した上、検察官もそれを承知で関与していたことを示唆していますが、何ら具体的な証拠や根拠が示されていません。それどころか、理由中で判示された事実には、客観的に明らかな時系列や証拠関係とは明白に矛盾する内容も含まれている上、推論の過程には、論理則・経験則に反する部分が多々あり、本判決が「5点の衣類」を捜査機関のねつ造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ません。


○控訴の要否

 このように、本判決は、その理由中に多くの問題を含む到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容であると思われます。しかしながら、再審請求審における司法判断が区々になったことなどにより、袴田さんが、結果として相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも思いを致し、熟慮を重ねた結果、本判決につき検察が控訴し、その状況が継続することは相当ではないとの判断に至りました。


○所感と今後の方針

 先にも述べたとおり、袴田さんは、結果として相当な長期間にわたり、その法的地位が不安定な状況に置かれてしまうこととなりました。この点につき、刑事司法の一翼を担う検察としても申し訳なく思っております。

 最高検察庁としては、本件の再審請求手続がこのような長期間に及んだことなどにつき、所要の検証を行いたいと思っております。

以上


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https://www.sut-tv.com/news/indiv/29413/

【全文】「検事総長がいまでも犯人と考えていると公言したに等しい」 袴田巖さんの弁護団が怒りの声明文
2024年10月10日(木)

     (小川秀世 弁護団事務局長)

1966年に当時の静岡県清水市(現在の静岡市清水区)で一家4人が殺害された強盗殺人放火事件のやり直しの裁判をめぐり元プロボクサー・袴田巖さん(88)の無罪が確定する中、検察が発表した畝本直美検事総長による談話について、袴田さんの弁護団が10月10日、静岡地検に声明文を提出した。以下は弁護団声明の全文である。(原文ママ)


2024年10月8日、最高検は、9月26日静岡地裁が袴田巖さんに対し言い渡した無罪判決に対し、控訴を断念する旨の畝本直美検事総長の談話を発表した。

検事総長の談話の要旨は、静岡地裁の無罪判決には論理則・経験則に反する事実誤認があるが巖さんの置かれている状況を考えて控訴を断念したというものである。しかし、これは控訴はやめておくが、巖さんを冤罪と考えてはいないということであり、到底許し難いものである

無罪判決が確定すれば、だれも巖さんを犯人として扱ってはならない。これは、法治国家であれば、当然のことである。にもかかわらず、検事総長の談話では、巖さんの事件の判決について、「疑念を抱(き)」、「強い不満」を表して、「判事された事実には、客観的に明らかな時系列や証拠関係とは明白に矛盾する内容も含まれ」「推論の過程には、論理則・経験則に反する部分が多々あり」「理由中に多くの問題を含む」とされ「控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容」であるとしている。

要するに、検事総長がいまでも巖さんを犯人と考えていると公言したに等しい。これは、法の番人たるべき検察庁の最高責任者である検事総長が、無罪判決を受けた巖さんを犯人視することであり、名誉毀損にもなりかねない由々しき問題と言わなければならない。


袴田巖さんの弁護団が怒り「犯人視している。名誉棄損になりかねない」 控訴断念の検事総長談話に”抗議”


もちろん、検事総長の談話における無罪判決に対する上記指摘自体も、まったく間違ったものである。

談話において大きな疑念があるとされた5点の衣類に付着していた血痕が1年以上みそ漬けになったときには赤みが消失するとした判決の結論は、弁護側の専門家証人の証言した血液が黒褐色化する科学的機序を前提にし、化学反応の速度についても実験結果や専門的知見に裏付けられた理論的な説明をもとに判断しているのであって、検察官や検察側の科学者は、上記説明への反論となる専門的知見も提出できず、単に、抽象的な可能性論を述べるに終始したことから、その主張が排斥されたものである。

そもそも、1年以上みそに漬かっていても血痕に赤みが残る可能性があれば巖さんの犯人性の認定に疑いは生じないという再審公判における検察官の主張は、本件無罪判決が、「1年以上みそ漬けされた5点の衣類の血痕に赤みが残ることが合理的な疑いを差し挟む余地がない程度に証明される必要がある」(判決要旨39頁)と説示することで、明確に否定されている。つまり、検察官の上記主張は、検察官の役割の根幹に関わる説明責任の本件へのあてはめ自体が誤っていたとされたのである。

さらに検事総長が強い不満を表明した5点の衣類が捜査機関のねつ造であると判決が断定した点は、客観的証拠である取調べの録音テープ等により検察官調書が警察と連携した実質的なねつ造であるとした上で、血痕に赤みが残っていた事実等からして5点の衣類は犯行着衣ではありえないのだから、5点の衣類はねつ造証拠であり、ねつ造する動機と現実的可能性があったのは捜査機関だけであること及び吉村検察官による警察の捜査活動と連携した臨機応変かつ迅速な主張・立証活動を考慮して、検察官を含む捜査機関によるねつ造であるとされたものである。

以上のとおり、今回の無罪判決は、検察官の有罪立証が完全に誤りであったことを明らかにしており、事実誤認があるとする検察庁の判断こそ誤っていたのであるから、検察官には、法律上、控訴の理由などまったくなかったものである。この点で検事総長の談話は、単なる強弁に過ぎない。このような姿勢でいる限り、検事総長が言う「所要の検証」も期待できるものではない。

検察庁は、まずもって有罪立証の判断の誤りを率直に認め、巖さんに直接謝罪すべきである。検事総長の談話では、「再審請求審における司法判断が区々になったことなどにより」と裁判所に責任を転嫁した上、「袴田さんは、結果として相当な長期間にわたり、その法的地位が不安定な状況に置かれてしまうこととなりました。この点につき、刑事司法の一翼を担う検察としても申し訳なく思っています。」と述べるが、その言葉も他人事のような表現であって、巖さんに対する非人道的な取調べや5点の衣類のねつ造についての反省すらないもので、何ら謝罪になっていない

そして、違法な取調べが行われ、5点の衣類等がねつ造されたこと、さらには死刑再審事件でありながら、重要な証拠が隠されていたこと等を深刻に受け止めなければならない。その上で、こうした重大なる冤罪を生み出してしまい、その誤りを改めることに58年もの年月を要した原因を明らかにし、二度と繰り返さないようにするため、捜査・公判手続き全般にわたって厳正かつ真摯な検証をすべきである。


2024年10月10日
袴田事件弁護団事務局長 小川秀世
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●袴田冤罪事件、何の反省もない検察の《控訴断念》を受け、漸くの謝罪記事…マスコミの罪も非常に重い…検察が控訴したら、どうしたのだろうか?

2024年10月14日 00時00分54秒 | Weblog

[※ 「裁かれるべきは警察、検察、裁判所 袴田事件」(週刊金曜日 1490号、2024年09月27日) ↑]


(2024年10月11日[金])
いまも、死刑囚のまま》から、漸く完全に無罪、完全に自由の身、袴田巖さんは「完全に正しかった」ということが確定しました。
 袴田冤罪事件
、何の反省もない検察の《控訴断念》を受け、漸くの朝日新聞の謝罪記事…マスコミの罪も非常に重い…検察が控訴していたら、どうしたのだろうか? 再びのダンマリ? 袴田巖さんや袴田秀子さんの残酷すぎる58年間の一つの誘因はマスコミ報道にもあります。警察が拷問してまで自白を強要し、証拠や調書を捏造したことをどれほど調査報道したでしょうか? アノ畝本直美検事総長の声明からは、今後も「同じこと」をやる気満々のように感じられますが、マスコミはなぜ批判しないのでしょうか。袴田巖さんは危うく死刑執行されていたかもしれないこと、過去にも「同じこと」をやっていたのではないか、例えば、飯塚事件のように冤罪者を死刑にしてしまったケースは無いのか、今後「同じこと」やらないということの保証はどこに在るのか、マスコミは是非報道してほしいもの。(当時の村山浩昭静岡地裁裁判長)《2014年3月、静岡地裁は「捜査機関が重要な証拠を捏造(ねつぞう)した疑いがあり、その捏造証拠による死刑判決によって長期間、死の恐怖の下で身柄を拘束されてきた」「拘置をこれ以上継続することは、耐えがたいほど正義に反する」とし、再審の開始と死刑および拘置の執行停止を決定》(長周新聞)、《2014年3月、静岡地裁で再審開始決定と死刑の執行停止決定が出て釈放され》て以降も、さらに10年間、《耐えがたいほど正義に反する》ことが続きました。《いまも、死刑囚のまま》でした。

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
       死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    「《「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを
     促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合う
     ことになるだろう》。そして、マスコミ。《事件発生当初からの
     自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める
     西日本新聞社のジャーナリストたち》。《◆再審開始なら、
     死刑執行事件では史上初》。《◆デスクメモ …恣意的な捜査が
     えん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、
     そう強く思う》。」

 最近でも、公安警察は大川原化工機でっち上げ事件を起こしたではないか、検察はその片棒を担いだではないか ――― (元木昌彦さん)《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を間違っているとは思っていない謝罪する気持ちなどない」と答えた》 ――――。この「女性検事」は塚部貴子検事で、村木厚子さん冤罪・証拠捏造事件(郵便不正事件)の際には、《この主任検事の証拠改ざんを「告発」した》真っ当な検事だったのです…でも、いまや、大川原化工機でっち上げ事件ではコノ有様。現畝本直美検事総長を彷彿とさせる。
 さらには、原口アヤ子さんの大崎事件、そして、なんと言っても、志布志事件鹿児島県警。(東京新聞)《鹿児島県警が昨年、捜査書類の速やかな廃棄を促す内部文書を捜査員らに配布していたことが明らかになった。後に訂正されたが、「即時廃棄されると再審請求などで被告に有利な証拠が失われる可能性があり、冤罪(えんざい)を招きかねない文書だった。同県警ではほかにも不祥事が続発しており、迷走する組織の立て直しが必要だ。文書は昨年10月、「刑事企画課だより」と題した公文書で、県警本部各部や各署を通じて、捜査員にメールで送られた。再審請求などで、警察にとって都合の悪い書類だったので(検察に)送致しなかったのではないか、と疑われかねないため、未送致書類であっても、不要な書類は適宜廃棄する必要があります」などと記載されていた。また、末尾では「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!と捜査員らに呼びかけていた》。
 そもそも、推定無罪の原則はどこに行ってしまったのか? 警察や検察の広報ばかりして、冤罪に加担し、マスコミが犯人視報道してどうするのか。さらには、ボクサーに対する偏見もあったのではないですか。また、真の犯人を逮捕することを怠り、事件の被害者にも大変に失礼な結果となりました。被害者の皆さんは、袴田さんを犯人と思って懐いてきた感情をどこにぶつければいいのでしょうか。
 アサヒコムの記事【朝日新聞の当時の報道、おわびします 袴田巌さん無罪確定へ】(https://www.asahi.com/articles/ASSB810JGSB8ULZU001M.html?ref=tw_asahi)。《再審を経て、いったん死刑囚となった袴田巌さんの無罪が確定します。無実の人を死刑にしていたかもしれないことの重大性を改めて痛切に感じます。袴田さんが逮捕された1966年当時、朝日新聞は犯人視して報道していました》。

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https://www.asahi.com/articles/ASSB810JGSB8ULZU001M.html?ref=tw_asahi

朝日新聞の当時の報道、おわびします 袴田巌さん無罪確定へ
2024年10月8日 17時51分

     (袴田巌さんが逮捕された事件を報道した朝日新聞の紙面)


ゼネラルエディター兼東京本社編集局長 春日芳晃

 再審を経て、いったん死刑囚となった袴田巌さんの無罪が確定します。無実の人を死刑にしていたかもしれないことの重大性を改めて痛切に感じます。

 袴田さんが逮捕された1966年当時、朝日新聞は犯人視して報道していました。逮捕当初は「葬儀にも参列 顔色も変えず」といった見出しで伝え、「自白」した際には「検察側の追及をふてぶてしい態度ではねつけてきていたが、ついに自供した」とも書いています。明らかに人権感覚を欠いていましたこうした報道が袴田さんやご家族を苦しめたことは慚愧(ざんき)に堪えません。袴田さん、ご家族、関係者のみなさまに心からおわびいたします

 事件報道は世の中の関心に応え、より安全な社会を作っていくために必要だと考えています。ただ、発生や逮捕の時点では情報が少なく、捜査当局の情報に偏りがちです。これまでにも捜査側の情報に依存して事実関係を誤り、人権を傷つけた苦い経験があります。

 こうした反省に立ち、朝日新聞は80年代から事件報道の見直しを進めてきました。推定無罪の原則を念頭に、捜査当局の情報を断定的に報じない▽容疑者、弁護側の主張をできるだけ対等に報じる▽否認している場合は目立つよう伝えるなどと社内指針で取り決めています。

 科学捜査が大きく進歩したとはいえ、供述頼みや見込み捜査による冤罪(えんざい)は今もありますし、今後も起こり得ます。捜査や司法をチェックする視点を忘れず、取材、報道を続けてまいります。


犯人視報道、捜査当局に偏った内容を掲載

 袴田巌さん(88)が逮捕された事件について、当時のメディアでは、人権侵害につながるような内容が報道されていた。朝日新聞も、犯人視するような表現や、捜査当局側に偏った内容をたびたび掲載した

 初報は発生当日の1966年6月30日の夕刊。その後は地域面を中心に記事を掲載した。7月5日、「従業員寮の一室から血のついたパジャマ、作業衣などを発見」「持主Hさん(三〇)に出頭を求め、事情聴取した」と報じた。捜査幹部による「返り血ではなく、事件と直接結びつかないだろう」との談話を載せつつも「Hさん」の指に切り傷や擦り傷があり「(6月29日午後)十時半以後のアリバイが証明されない」とも記した。

 初めて実名で触れたのは8月18日夕刊。同日朝、県警が任意同行を求めたことを「従業員の袴田取調べ」の見出しで報じた。「清水署に連行されてからも笑顔さえうかべていた」とも記した。当時は、刑事事件の被疑者らを呼び捨てで報じるのが一般的だった。

 脇に添えた記事では、知人などによる人物評として「モッサリしたタイプで人とあまり口をきかない陰気な男だったが(中略)静岡県一のアマボクサーといわれた」「練習はサボる、生活はルーズ」などと書いた。

 袴田さんは同日夜に逮捕された。翌19日の社会面では「追及すると黙りこくって係官をけむにまいていた」と書いた。地域面では、取調官に「私は取調べを受ける覚えはなにもない」と供述したことを、「うそぶいた」と表現。袴田さんが「自供」した翌日の9月7日には「やはり袴田は犯人だった」などと報じた。

 「冤罪(えんざい)」との訴えを大きく取り上げるようになったのは、最高裁で判決が確定した後の翌81年ごろになってのことだ。弁護団による再審請求の動きや、支援者の支援活動などを報じた

 袴田さんの呼称については、判決確定後は「元被告」や「死刑囚」の肩書を使っていた。2014年3月、静岡地裁で再審開始決定と死刑の執行停止決定が出て釈放されたことを受け、釈放翌日の紙面から「袴田巌さん」と改めた。


袴田さんの姉・秀子さんの話

 事件の発生から数年間の報道はひどかった巌を犯人だと決めつけるかのようだった。文句を言ってもしょうがないから、新聞やテレビ、ラジオは一切、見聞きしなかった。

 当時は、警察は正義の味方だ、警察が悪いことをするわけがない、とみんなが思っていた時代だ。報道に恨みも何もない。でも、いまの記者のみなさんも、ひどい報道だったと思っているのではないか

 最近は、(現在の報道に携わる)みなさんのおかげで、ちょっとはマシになった。直していくのは、今の記者である、みなさんの力だ

 記者になると、その世界につかってしまうのではないか。中に入って溶け込んでしまったら、おしまい疑問に思うことには抵抗しないといけない。「上司がそう言うから」ではダメだと思う。


弁護団の小川秀世事務局長の話

 逮捕後はもちろんのこと、逮捕前から袴田巌さんを犯人視するような報道があったのは問題だ。捜査機関のリークや記者会見による情報自分たちで十分な裏付けを取ることなく、決めつけの報道がなされていたのではないか。事実に様々な矛盾が出てきてもその姿勢は変わらなかったように思う。「疑わしきは被告人の利益にを前提に片方の立場に立つのではなく、しっかりと調べて報道することを心がけてもらいたい。
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●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》

2024年09月30日 00時00分38秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年09月28日[土])
検察・警察、裁判所、マスコミ…。袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間、償いようがないでしょ? あまりに残酷過ぎる58年間。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!



[「袴田さん 無罪」「衣類など 証拠捏造認定」(朝日新聞、2024年09月27日[金])]


[「検察は控訴断念を」]


[「「三つの捏造」捜査断罪」 「5点の衣類・押収物 否定」 「自白を強要 非人道的」]


[「58やっと「自由の扉」」 「裁判長が謝罪 姉「巌の半生いかして」」]


 毎日新聞の記事【無実の叫び 袴田事件/「時間かかり申し訳ない」 再審無罪の袴田巌さんに裁判長が謝罪】(https://mainichi.jp/articles/20240926/k00/00m/040/164000c)。《静岡地裁の国井恒志裁判長…その上で、「(袴田さんの逮捕から再審無罪確定まで)ものすごく時間かかることに本当に申し訳なく思うと謝罪した。国井裁判長は判決言い渡し後、袴田さんの姉秀子さん(91)に、検察官には無罪判決を不服として控訴する権利があることを説明。「裁判所は自由の扉を開けた。しかし、この扉は閉まる可能性もある。健やかにお過ごしください」と語り掛けた》。


 森達也さんのつぶやき:

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https://x.com/MoriTatsuyaInfo/status/1839459820128358888

森達也(映画監督・作家)@MoriTatsuyaInfo

捜査機関の捏造が正式に認定されたならばなぜメディアは、当時の静岡県警について取材しないのか単独の犯行なのか組織的なものなのか静岡県警には拷問と捏造の歴史がある。顔や名前を晒せとは言わない。でも捏造の構造くらいは追求すべきだ

午前9:19  2024年9月27日
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 《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外ではない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》。
 毎日新聞の記事【袴田事件/捜査当局情報に傾斜 袴田さん 毎日新聞報道検証】(https://mainichi.jp/articles/20240927/ddm/002/040/101000c)。《静岡県でみそ製造会社の専務一家が殺害された事件当時、袴田巌さん(88)を巡る報道は過熱した。1966年の逮捕から起訴までは捜査当局の視点に偏った記事が目立ち、袴田さんを犯人視する表現もあった。本紙(静岡県版を含む)の当時の記事を検証した。毎日新聞は7月4日夕刊で有力な容疑者として袴田さんのイニシャルを使い「従業員『H』浮かぶ」とする記事を掲載。逮捕を伝える8月19日朝刊では、袴田さんが容疑を否認していることを掲載する一方で「刑事たちの執念と苦しさに耐えたねばりが功を奏して(中略)逮捕にまでたどりついた」と表現した。袴田さんが「自白」に転じたことを伝えた9月7日朝刊も「全力捜査がついに犯罪史上まれな残忍な袴田をくだしたわけで、慎重なねばり捜査の勝利だった」と、捜査当局と一体化したような書きぶりだった。自白に重きを置きすぎた報道とも言える》。


 望月衣塑子さんのつぶやき:

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https://x.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1839483575277903960

望月衣塑子@ISOKO_MOCHIZUKI

袴田巌さん、再審無罪検察庁の組織防衛のための愚かな抵抗で、再審公判が昨年10月に開かれ、決着が長引かされた。検察だけではない、当時の東京新聞をはじめとしたマスコミのほぼ全社が、袴田巌さんを犯人視する報道を繰り返し、死刑判決に加担したと思う。

私たちマスコミに関わる記者たちは、捜査当局一辺倒になりすぎた故に、袴田さんを犯人視し続け、冤罪をうみだすことに加担した過去の過ちを絶対、忘れてはならない。

東京新聞の今日9月27日の1面です。


袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫びします。

事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。

袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します。

1966年8月17日、静岡県警は強盗殺人容疑などで袴田さんの逮捕状を取り、翌18日に逮捕しました。本紙は同日夕刊で取り調べの段階から「犯人はやはり袴田だった」という見出しで報じました。

また、袴田さんは逮捕前から否認を続けていましたが、逮捕から20日目、2回目の拘留期限の3日前に自供を始めたとされています。

本紙は66年9月7日付静岡版で「粘りの捜査にがい歌 袴田の仮面はぐ」との見出しで記事を掲載しました。

逮捕段階では罪が確定していないのに、袴田さんを「犯人」と報道した本紙にも、冤罪を生んだ責任はあります

本紙は現在、容疑者を犯人と決めつけない「事件報道ガイドライン」を策定しています。今後も予断や偏見を拝した冷静な報道を続けてまいります。

https://tokyo-np.co.jp/article/356688

午前10:53  2024年9月27日
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 一方、朝日新聞には、「お詫び」の言葉は見当たらない。


 償いようのない警察・検察による犯罪…控訴などあり得ない。
 東京新聞の【<コラム 筆洗>詩人の谷川俊太郎さんが書いた『生きる』にこんなくだりがある…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/356817?rct=hissen)。《▼そのブーム時には既に拘束されていた事実に奪われた歳月の長さを痛感する。一家4人強盗殺人事件で66年に逮捕され、死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審公判で静岡地裁は無罪判決を言い渡した▼無実を訴えながら、美しいものとの出会いが制限された独房で死刑執行におびえた日々。支えた姉ひで子さん(91)ともども、冤罪(えんざい)という「悪」を拒み続け、たどり着いた節目である▼釈放され10年がたっても、長い拘束の影響で妄想が出る巌さんには胸が痛むが、判決後のひで子さんの笑顔に救われる思いがした▼検察が控訴せずに判決が確定し、弟と姉が事件から解放されることを。2人が味わうべき喜びを先の詩の続きが教える。<生きているということ いま生きているということ 泣けるということ 笑えるということ 怒れるということ 自由ということ>》。


 海外からの視線…《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》。
 岸本拓也中山岳両記者による、1年半ほど前の2023年3月20日の東京新聞の記事【こちら特報部/「異様さ」に海外も注目 再審開始決定の袴田さんめぐる日本の刑事司法 死刑囚生活45年、再審可否を延々議論】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/239168)。《1966年の静岡一家4人殺害事件で死刑が確定した元ボクサー袴田巌さん(87)。13日の東京高裁の再審開始決定は、欧米など外国のメディアも速報した。驚きとともに強調されているのが、半世紀近い身柄拘束と、87歳という高齢だかねて国連も問題視してきた日本の人権感覚。海外から、どんな視線が注がれているのか。(岸本拓也中山岳)》


 南野森さんのつぶやき:

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https://x.com/sspmi/status/1839213323923108113

南野 森(MINAMINO Shigeru@sspmi

《メモ》袴田事件に関わった裁判官(敬称略)

【死刑判決】
①静岡地判1968年9月11日👉死刑(石見勝四・高井吉夫・熊本典道
②東京高判1976年5月18日👉控訴棄却(横川敏雄・柏井康夫・中西武夫)
③最2小判1980年11月19日👉上告棄却(宮崎梧一・栗本一夫・木下忠良・塚本重頼・鹽野宜慶)

【第1次再審請求】
④静岡地決1994年8月8日👉請求棄却(鈴木勝利・伊東一広・内山梨枝子)
⑤東京高決2004年8月26日👉即時抗告棄却(安広文夫・小西秀宣・竹花俊徳)
⑥最2小決2008年3月24日👉特別抗告棄却(今井功・津野修・中川了滋・古田佑紀)

【第2次再審請求】
⑦静岡地決2014年3月27日👉再審開始と死刑・拘置の執行停止を決定(村山浩昭・大村陽一・満田智彦)
⑧東京高決2018年6月11日👉原決定取消、再審請求棄却(大島隆明・菊池則明・林欣寛)
⑨最3小決2020年12月22日👉原決定取消、東京高裁に差戻し(林道晴・戸倉三郎・林景一・宮崎裕子・宇賀克也)
⑩東京高決2023年3月13日👉検察の抗告を棄却(大善文男・青沼潔・仁藤佳海)

【再審】
⑪静岡地判2024年9月26日👉無罪判決!(國井恒志・益子元暢・谷田部峻)

午後5:00  2024年9月26日
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 2014年3月27日、村山浩昭・元静岡地裁裁判長は袴田巌さんの死刑と拘置の執行を停止し、釈放を決めた裁判官…「これ以上拘置するのは耐えがたいほど正義に反する」…《2014年3月、静岡地裁は「捜査機関が重要な証拠を捏造(ねつぞう)した疑いがあり、その捏造証拠による死刑判決によって長期間、死の恐怖の下で身柄を拘束されてきた」「拘置をこれ以上継続することは、耐えがたいほど正義に反する」とし、再審の開始と死刑および拘置の執行停止を決定した》(長周新聞)。

   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
                 「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」



 自白偏重人質司法、そして、あまりに酷い再審制度の不備。再審法改正が絶対に必要。弁護側が求める、権力を使って警察が集めた証拠や調書の開示だけでもすぐに実施すべき。事件発生から、投獄から、死刑判決から、一体何年を要しているのか!
 さらには、死刑制度の廃止。例えば、取り返しのつかないことを仕出かしてしまっている飯塚事件

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
   『●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実
     人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/239168

こちら特報部
「異様さ」に海外も注目 再審開始決定の袴田さんめぐる日本の刑事司法 死刑囚生活45年、再審可否を延々議論
2023年3月20日 18時14分

     (袴田巌さん=13日午後、浜松市)

 1966年の静岡一家4人殺害事件で死刑が確定した元ボクサー袴田巌さん(87)。13日の東京高裁の再審開始決定は、欧米など外国のメディアも速報した。驚きとともに強調されているのが、半世紀近い身柄拘束と、87歳という高齢だかねて国連も問題視してきた日本の人権感覚。海外から、どんな視線が注がれているのか。(岸本拓也中山岳

【関連記事】袴田さんの再審開始が確定、無罪の公算強まる 検察側が特別抗告を断念 1966年一家殺害 死刑事件で5例目

 

◆英BBC、米CNN、中東アルジャジーラも

 「袴田さんは半世紀近くの間、不当に拘束されて、人間としてあってはならない残酷な扱いを受けた。この点を英国の人たちは異常なことと見ている」

 13日に「45年間の死刑囚生活を経て再審が認められた日本人男性」と報じた英紙ガーディアン東京特派員のジャスティン・マッカリーさん。「こちら特報部」の取材に対し、事件への自分や母国の受け止めをこう語った。

 同日は他にも、海外メディアのサイトに再審開始決定を伝える見出しが並んだ。「袴田さんの再審開始、東京高裁が認める」(英BBC放送)、「日本の裁判所は、1966年の殺人事件を巡る最長の死刑囚の再審請求を認めた」(米CNN)といった具合だ。

 欧米だけでなく「日本の裁判所、87歳死刑囚の再審を支持 袴田巌は45年間独房に監禁された」(中東・アルジャジーラ)、「47年を死刑囚で服役した日本の87歳男性に裁判所が再審許可」(韓国・ソウル新聞)などニュースは世界中を駆け巡った


◆「日本では裁判所と検察の誤った判断の代償として、死が待っている」

 各メディアは「日本は米国とともに主要な先進民主国の中で、いまだに死刑を採用している例外的な国だ」(BBC)などと解説。際立つのは、その多くが「世界で最も長く拘置された死刑囚」と袴田さんを紹介していることだ。

 日本メディアでは、ほとんど見られない表現だが、ギネスブックのサイトには、2011年に「世界で最も長く収監されている死刑囚」として袴田さんが認定されている。現在は1968年9月の一審の死刑判決から、釈放された2014年3月までの「45年」が認定記録だ。

     (東京高検に特別抗告の断念を求め、記者会見する弁護団
      事務局長の小川秀世弁護士(右)ら=16日、東京都内)

 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」も同様の認識で、アムネスティ日本の中川英明事務局長は「アムネスティ独自の調査でも袴田さんの拘束は最も長い」と話す。検察が期限の20日までに特別抗告すれば、「袴田さんが裁判を受ける権利を損なう。公正な裁判を妨害すべきではなく、再審の実現に協力すべきだ」と求める。

 世界的に見ても異様な事件であるためか、死刑制度が残る米国でも20年にCNNが特集。日本の有罪率が99.9%と極めて高い状況や、米国と違って、容疑者が弁護士の立ち会いなしで取り調べられる日本の司法制度の特異性を否定的に紹介した。ハーバード大教授が、日本の有罪率が高い理由を「検察官が非常に少ない。彼らの仕事量を考えると、最初に有罪判決に焦点を当てる。本当に罪を犯したか否かを考える時間はない」と解説している。

 特集は、無罪判決という形で誤りを認めることが「裁判官と検察官の双方のキャリアにとって有害と見なされる可能性がある」との見方を示す。その上で「日本では(裁判所と検察の)誤った判断の代償として、死が待っていることもある」とした。


◆「正義の時が来た!」

 一方、袴田さんに14年に名誉王者ベルトを贈った世界ボクシング評議会(WBC)は14日、ホームページに「滞った正義を獲得するため闘う」と連帯のメッセージを掲載。日本プロボクシング協会の公式ツイートにも、WBC関係者が「It's time for Justice!正義の時が来た!)」と投稿した。

 同協会「袴田巌支援委員会」委員長で、元東洋太平洋バンタム級王者の新田渉世さん(55)は「WBCのスレイマン会長はじめ海外のボクシング関係者は、常日ごろ袴田さんを気にかけてくれてきた」と話す。

 袴田さんが収監中だった08年、「ハリケーン」と呼ばれた米国の元ボクサーで、殺人罪で20年近く投獄された後に無罪となったルビン・カーター氏が、袴田さんを励ますビデオメッセージを寄せた。新田さんは「袴田さんは『東洋のハリケーン』として、海外でも認知されている。今回の決定後、『フリー、ハカマダ』の声はネットなどで広がっている」と話す。


◆国連の委員会「強要された自白の結果、死刑が科されたという報告に懸念」

 死刑が廃止されている欧州などでは、もともとこの事件への関心が高い。08年、姉のひで子さん(90)が洞爺湖サミットに参加する主要8カ国(G8)の大使館などに救済を求めた際は、「42年の拘束は胸が痛むといった反応があった。袴田さんが釈放された14年には、国際人権規約を担当する国連の委員会が「強要された自白の結果、死刑が科されてきたという報告は懸念される事項」と指摘した。

 一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(大阪市)の藤本伸樹研究員は「袴田さんは自白を強要され、死刑判決後も長期にわたり独居で拘禁された国際的には、日本の司法制度の問題を示す代表的な冤罪事件の一つとして扱われてきた」と話す。


◆日本の再審規定は「周回遅れ」…変えるべき時

     (検察庁)

 そんな事件に改めて下された司法判断で、刑事訴訟法の再審規定再審法見直しが注目されている。裁判所の再審開始決定への検察の不服申し立てに制限がなく、検察側に対する証拠開示請求がほとんど認められないからだ

 熊本大の岡田行雄教授(刑事法)は「欧米などでは、冤罪事件や誤判の発覚をきっかけに再審制度が改められてきた」と説く。例えばドイツは1960年代半ばの制度改正により、裁判所が再審開始決定すれば検察は不服申し立てできず、再審の場で主張するようになった英国では、裁判所から独立した委員会が検察側の証拠を集めて閲覧し、再審を始めるか判断している台湾でも、有罪確定後に再審請求のためなら公判や捜査段階で集めた証拠を閲覧できる

 それに比べて「日本は何周も遅れている」と岡田さんは指摘。「再審請求審は本来、無罪の可能性がある事案を探す手続きだそれなのに、日本では検察の抗告などで延々と『再審するかどうか』に時間をかけているそもそも再審請求しても裁判所がたなざらしにしたままで、審理が進まないケースすら目に付く」と苦言を呈する。

 「迅速に再審開始を確定させ、有罪か無罪かは再審の場で争われるようにすべきだ現行の規定では再審を始めるまでに時間がかかり、冤罪被害者や親族は高齢になっても苦しむ。刑訴法改正を含め、法整備を進める時期にきている」

 袴田さんの記事を何度も書いてきた前出のガーディアン特派員マッカリーさんも、この先を注視する。「海外からは日本に死刑制度の廃止を求める声が上がるが、日本は死刑を支持する声が根強く、あまり変わらなかった。袴田さんのように著しく人権を侵害された事件を受けて、日本がこれからどうするのか、関心を持って見ている」


◆デスクメモ

 在京6紙は全紙が14日朝刊の社説で、今回の再審開始決定について書いている。東京高裁の判断を高く評価こそすれ、否定する意見はない。国際的にも特異なこの事件の経過が、広く知られるようになった結果だろう。さらに争って、国民を納得させられる理由があるとは思えない。(本)
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●袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》というのに、またしても検察は死刑求刑

2024年05月27日 00時00分01秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年05月23日[木])
袴田事件、《捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》というのに、検察は死刑を求刑》しました。ヒトデナシの所業です。第三者には《みそタンクに隠すのは不可能》ですが、唯一、《捜査機関の者》はそれが可能だったのではないですか。《捜査機関の者》には《「実行不可能で非現実的な空論だ」》となぜ言えるのですか?
 とにかく、91歳の袴田ひで子さんが気の毒でならない。また、検察の所業は被害者やその遺族をも欺く酷い仕打ちだ。検察は《被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた》そうだが、冤罪であるという《真実を明らかに》した時、遺族は、捜査機関や検察にどう責任をとってもらうのだろうか? 遺族の意見陳述では《袴田さんに言及することはなかった》そうだが、検察はその理由をどう考えるか。袴田巌さんや姉ひで子さん、親族の皆さんの人生を滅茶滅茶にした上に、検察や捜査機関は真犯人を取り逃がした訳だ。
 《白山聖浩弁護士は「間違えましたということができない検察の姿勢は、事件発生時から何も変わっていない」と批判した》。《被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ》。大川原化工機冤罪事件同様、間違いを認めない、謝ることの出来ない検察。そして裁判官の責任。

 共同通信の速報【再審でも死刑求刑、結審へ 捏造「理由ない」、袴田さん公判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328643)によると、《検察側は論告で、袴田さんが金品を得るために犯行に及んだと指摘。最大の争点となっている「5点の衣類は袴田さんのものだとし犯行着衣と認められる」と述べ、死刑を求刑した》。

   『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
     …暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》
   『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
     たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
   『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
     進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ
    「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
     無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
     自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
     何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
     袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
     ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
     掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
     いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん
   『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
     …裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》
   『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
      姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》
   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
     て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
      死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
        …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
   『●高杉晋吾氏「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」…いつまで《耐えがたいほど
     正義に反する日々は…続く》のか? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん

 東京新聞の記事【袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328784)によると、《「死刑を求刑します」。被告のいない法廷に検察官の声が響いた。22日、強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌さん(88)の再審公判が結審した。検察側が求めたのは56年前と同じ刑。袴田さんの姉ひで子さん(91)は改めて、心神喪失で不在の弟は無実と訴えた。事件発生から58年余となる9月、判決が言い渡される》。

 それにしても、《元検事の高井康行弁護士》…酷いね。「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」って、正気で言っているのかね? 赤みが残る可能性も立証」されただって??
 東京新聞の記事【袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/328785)によると、《だが、展開した主張や示した証拠は、半世紀以上前の一審時とほぼ同じ血痕の赤みについても「残る可能性があると従来の主張の域を出なかった》。また、《◆「有罪の立証になっていない」 関東学院大の宮本弘典教授(刑事法)…》、一方、《◆「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」 元検事の高井康行弁護士…赤みが残る可能性も立証しているので、確定判決までの証拠によって(袴田さんの)犯人性は裏付けられる》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/328643

再審でも死刑求刑、結審へ 捏造「理由ない」、袴田さん公判
2024年5月22日 14時39分 (共同通信)

     (自宅前で取材に応じる袴田巌さんの姉ひで子さん
      =22日午前、浜松市)

 1966年に静岡県清水市(現静岡市)のみそ製造会社専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第15回公判が22日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。検察側は論告で、袴田さんが「金品を得るために犯行に及んだ」と指摘。最大の争点となっている「5点の衣類は袴田さんのものだとし犯行着衣と認められる」と述べ、死刑を求刑した。

 一連の証拠を捏造とする指摘に対しては「合理的理由がないと否定した。袴田さんの服と酷似した衣類を用意し、従業員に知られないようにみそ工場に侵入してみそタンクに隠すのは不可能だとして、捜査機関の捏造だとする指摘は「実行不可能で非現実的な空論だ」と強調した。

 被害者遺族の「真実を明らかにしてほしい。尊い4人の命が奪われていることを忘れないで」とする意見陳述書も読み上げた。

 同日午後、弁護側の最終弁論や、姉ひで子さん(91)の最終意見陳述を経て結審する見通し。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/328784

袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」
2024年5月23日 06時00分

 「死刑を求刑します」。被告のいない法廷に検察官の声が響いた。22日、強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌さん(88)の再審公判が結審した。検察側が求めたのは56年前と同じ刑。袴田さんの姉ひで子さん(91)は改めて、心神喪失で不在の弟は無実と訴えた。事件発生から58年余となる9月、判決が言い渡される。

 旧清水市一家4人強盗殺人事件と袴田さんの再審 1966年6月30日、旧清水市のみそ製造会社専務宅から出火、焼け跡から4人の他殺体が見つかった。従業員だった袴田さんが強盗殺人罪などで起訴され、無罪を主張したが80年に最高裁で死刑が確定した。第2次再審請求審で2014年に静岡地裁が再審開始を認め、死刑執行と拘置が停止に。袴田さんは約48年ぶりに釈放された。検察の異議申し立て(即時抗告)で審理は続き、昨年3月、東京高裁は「5点の衣類」が捜査機関に捏造(ねつぞう)された可能性を指摘した上で、再審開始を決定。検察側の特別抗告断念で確定し、同10月27日に再審の初公判が開かれた。

     (自宅でくつろぐ袴田巌さん=浜松市内で
      (袴田さん支援クラブ提供の動画から))


◆再審7カ月 ようやく結審

 「強固な殺意」「生命軽視の態度は顕著」—。

 静岡地裁の202号法廷。男性検察官は論告で、袴田さんの罪状などについて淡々と口にしていった。読み上げは数時間。「特段くむべき事情も認められない」と極刑が相当とした。

 求刑時、ひで子さんは正面を見つめたまま、表情も変えなかった。この日は白色のジャケット姿。「白(無実)ということを強調するように」との考えからだ。再度の死刑求刑については「検察側の都合でやっていることだから、当たり前だと思う」と受け止めた。

 袴田さんが待ち望んだ再審の開始が確定したのは昨年3月。同10月に始まり、7カ月をへて結審した。ひで子さんは記者会見で「ようやく終わった。判決が出たら、巌に裁判のことを伝えようと思っております」。「もうこれで勝ったようなものだと思っている」と晴れやかな表情で語った。


◆弁護団「検察官は汚点残した」

 ひで子さんの会見には、弁護団も同席。検察側の死刑求刑への怒りを示し、角替清美弁護士は「検察官は今日、汚点を残した」。白山聖浩弁護士は「間違えましたということができない検察の姿勢は、事件発生時から何も変わっていない」と批判した。

 検察側が証拠捏造(ねつぞう)を否定したことにも不満を示し、小川秀世弁護士は「5点の衣類が(犯行時の着衣との)根拠は何もない」と批判。「裁判所に捏造をはっきりと認定してもらいたい。弁護側はそれだけの立証はできた」と自信をのぞかせた。

 一方、公判後に会見した静岡地検の小長光健史次席検事は死刑求刑について「極めて悪質な事案であることを踏まえた」と理由を述べ、「被告人が有罪であることは立証されている」と説明。証拠捏造の疑いの指摘には「現実的に行い得ない」と反論した。

 取材に応じた検察幹部は「法と証拠に基づき、証拠を十分に検討し、慎重に見極めて事案に見合う量刑として求刑した。メンツのために死刑求刑したということはこれっぽっちもない」と強調した。(東田茉莉瑛、長谷川竜也)

     (袴田巌さんの再審公判で、静岡地裁に入る姉ひで子さん(左)
      と弁護団事務局長の小川秀世弁護士)


 


◆みそ製造会社専務の孫「真実を明らかにして」と意見陳述

 再審公判では、事件で殺害されたみそ製造会社専務の孫が書面で意見陳述した。書面は検察官が自席で代読。冒頭で「尊い4人の命が奪われたことを忘れないで」と訴え、「事実を精査し、真実を明らかにして」と願いを伝えた。袴田さんに言及することはなかった

 孫は、自身の母である専務の長女が、事件で家族を失ったことで「計り知れないほどの悲しみと恐怖を感じ、重度のうつ病にかかった」と述べた。2014年に静岡地裁が再審開始を決定する直前に亡くなったという。

 読み上げられた書面では、事件で生き残ったことなどを理由に長女がネット上で犯人視されてきたことや、「自殺した」とうわさされたことを明かし、「根拠のない話」と強調。再審公判で、事件の真相が解明されることを望んだ。(佐々木勇輝)


 


◆「お母さん、遠からず真実を立証して帰りますからね」

  再審公判も終盤に近づいた午後5時過ぎ。袴田巌さんの姉ひで子さんは最終意見陳述で証言台に立った。国井恒志裁判長と正対し、片手にはA4判の用紙。「今朝方、母さんの夢を見ました、元気でした、夢のように元気でおられたらうれしいですが、お母さん、遠からず真実を立証して帰りますからね」と読み上げた。

 袴田さんが獄中から母にあてた手紙だった。無実を信じた母は一審の公判に通い続け、1968年の死刑判決の2カ月後に亡くなった。ひで子さんは、袴田さんが体験した苦悩や無念を代弁するように読み上げ、用紙を持つ手は震えた。

 手紙部分を伝え終えると、時折、裁判長に視線を向けながら「(袴田さんは)釈放されて10年たちますが、いまだ拘禁症の後遺症、妄想の世界にいる心は癒えておりません」と言葉をつないだ。(足達優人)


【関連記事】袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
【関連記事】獄中の袴田巌さんが手紙につづった「無実」 高杉晋吾さんと往復書簡 「彼はなぁ、本当に正しいんだよ」
【関連記事】袴田さんに検察は求刑どうする 検察組織は変わったのか…OBは語った 
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/328785

袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま
2024年5月23日 06時00分

 1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審公判が22日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で結審した。検察側は、事件現場近くで見つかった「5点の衣類」は袴田さんの犯行時の着衣と認められるなどとして死刑を求刑。弁護側は、捜査機関が証拠を捏造(ねつぞう)したと主張し、無罪を訴えた。判決は9月26日。


◆検察側 捏造は「非現実的で実行不可能な空論」

 長期間拘束された影響による拘禁症状が残る袴田さんに代わって出廷した姉ひで子さん(91)は最終意見陳述で、「巌を人間らしく過ごさせてくださいますよう、お願い申し上げます」と訴えた。

     (支援者とドライブへ出かける袴田巌さん
      =22日午後2時59分、浜松市内で)

 刑事訴訟法は再審公判について、「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」が認められた場合に開かれると規定。袴田さんも無罪の公算が大きい。

 検察側は論告で、金品を得るための袴田さんの犯行と指摘。最大の争点となった5点の衣類に付着した血痕を巡っては「赤みは残りうる」と弁護側に反論した。証拠を捏造した、との指摘には「非現実的で実行不可能な空論」と否定した。その上で「強固な殺意に基づく極めて冷酷で残忍な犯行」と述べた。検察側は論告に先立ち、「事実を精査し、真実を明らかにしてほしい」との被害者遺族の意見陳述書を読み上げた。

 弁護側は最終弁論で、東京高裁による再審開始決定などを引き合いに「検察側の証拠はすでに否定されているか、ほとんど価値がないものだ」と主張。5点の衣類について「袴田さんを犯人に仕立てあげるために捜査機関が捏造した証拠」と改めて訴えた。

 5点の衣類は事件発生から1年2カ月後、袴田さんの勤務先のみそタンク内で見つかった。確定判決は袴田さんの犯行時の着衣と認定。再審請求審では、長期間みそ漬けにされた血痕に赤みが残っていたことは不自然かが争われ、東京高裁は昨年3月、弁護側の主張を認めて赤みは残らないと判断。捜査機関による証拠捏造の可能性を指摘し、再審開始を認めた。再審公判は昨年10月に始まり、この日は15回目。

 戦後、被告の死刑確定後に再審公判が開かれた4事件では、いずれも検察側が死刑を求刑したが、無罪となっている。(足達優人、佐々木勇輝)


◆検察がこだわった「証拠捏造」への反論

 記者解説 7カ月の審理の末、検察側は56年前と同じ死刑を求刑した。再審公判で袴田さんの有罪立証に改めて取り組んだが、過去の主張の繰り返しが目立った。その一方で、証拠捏造(ねつぞう)の疑いを払拭することには強いこだわりを見せた。

     (袴田巌さんの再審公判で、支援者らに手を振って
      静岡地裁に入る姉ひで子さん(前列左)と弁護団
      事務局長の小川秀世弁護士(同右))

 再審公判は、過去の判決や決定に拘束されない。再審請求審では検察側、弁護側双方の争点は5点の衣類に付いた血痕の赤みに絞られたが、検察側は再審公判で「一から立証し、裁判官に総合判断を求める」と表明していた。

 だが、展開した主張や示した証拠は、半世紀以上前の一審時とほぼ同じ。血痕の赤みについても「残る可能性がある」と従来の主張の域を出なかった

 5点の衣類を捜査機関が捏造した疑いに対しては、当時の状況や発覚のリスクなどから「非現実的で、不可能」と多くの時間を費やして否定した。この日の論告でも、「捏造の主張に合理的な根拠はない」などと否定の言葉を繰り返した。

 弁護側は5点の衣類だけでなく、他の一部の証拠も捏造されたと主張。捏造を認定した上での無罪判決を求めている。再審開始を判断した静岡地裁、東京高裁に続いて三たび裁判所が捏造の疑いを指摘すれば、捜査当局への打撃は計り知れないだろう。(山本真嗣)


◆「有罪の立証になっていない」

 関東学院大の宮本弘典教授(刑事法)の話 1年以上みそ漬けされた「5点の衣類」の血痕には赤みが残らないと判断した再審開始決定で、確定判決の証拠構造に疑いが出た。再審では検察側に「赤みが残る」ことを証明する必要があった。どのような状況であれば赤みが残り、実際にその状況で5点の衣類がみそタンクに漬かっていた事実を証明しなければならなかった。検察側は「赤みが残りうる」という可能性の指摘にとどまった。有罪の立証になっていない


◆「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」

 元検事の高井康行弁護士の話 当時のみそタンク内の状況を再現できない限り、「5点の衣類」の血痕に赤みが100%残らないとは言えない。再審のポイントは、捜査機関が5点の衣類を捏造(ねつぞう)したかどうか。検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した。赤みが残る可能性も立証しているので、確定判決までの証拠によって(袴田さんの)犯人性は裏付けられる。


【関連記事】袴田巌さんの姉が白いジャケット姿を選んだ理由 死刑求刑にも表情変えず「検察側の都合でやっていること」
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●東京新聞《検察は袴田さんを再び収監して、死刑にすべきだと本気で考えているのだろうか。東京高裁は捜査機関による「証拠の捏造」の可能性…》

2023年07月28日 00時00分01秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2023年07月12日[水])
袴田巖さん《いまも、死刑囚のまま》をいつまで続けるつもりなのか、検察は? 《捜査機関による証拠捏造》まで行っていたというのに…。刑事司法の原則《「疑わしきは被告の利益に」という原則》を蔑ろにした司法の罪もあまりにも重い。
 東京新聞の記事【袴田さん再審、有罪立証へ 検察、弁護側と全面対決】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/262093)によると、《再審で無罪が言い渡される公算は大きいとみられるが、検察と弁護側が争うことになり、審理が長引く可能性が高まった》。

 立川談四楼@Dgoutokujiさんのつぶやき:

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https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1678973947604512768

立川談四楼@Dgoutokuji

「袴田巌さん姉ひで子さん『法廷で無罪聞かせたい』検察の有罪立証方針に冷静」ひで子さん(90)は冷静かつ強い。「ここで2、3年長くなったってどうってことないですよ」ときた。闘ってきた人は違うね。検察の手口なんぞ知り抜いてるんだ。検察よ、心してかかれ。そしてこの姉弟にきっちり謝罪するんだ

午後0:45 · 2023年7月12日
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 記者会見での袴田秀子さんの対応を見ていて、本当に頭の下がる思いだ。90歳ですよ…。《袴田さんはすでに八十七歳…一刻も早く「無罪」の宣告をすべき》(東京新聞社説)。冷酷にも、検察は、袴田さんらが訴えることが出来なくなることを持っている、時間稼ぎしているとしか思えない。

   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない
     裁判所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち

     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない

 東京新聞の【<社説>袴田さんの再審 審理を長引かせるな】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/262284)によると、《検察は袴田さんを再び収監して、死刑にすべきだと本気で考えているのだろうか。東京高裁は捜査機関による「証拠の捏造(ねつぞう)」の可能性を指摘している。検察は「捏造」の言葉に拒否反応を示しているのかもしれないが、もはや検証すべきは当時の捜査の在り方を巡る問題点にほかならない袴田さんはすでに八十七歳になる。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に従って、一刻も早く「無罪」の宣告をすべきと考える》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
    《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》
   『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
     言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう
   『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
      機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》
   『●<コラム 筆洗>《高裁は捜査機関による証拠捏造の可能性まで踏み
     込んでいる…袴田さんをただ犯人にしたいという卑劣なトリックだろう》
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃ
     にした《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/262093

袴田さん再審、有罪立証へ 検察、弁護側と全面対決
2023年7月10日 18時01分 (共同通信)

     (袴田巌さんの再審公判で検察側が有罪を立証する方針を
      静岡地裁に示したことを受け、姉ひで子さん(左)と
      記者会見する弁護団事務局長の小川秀世弁護士
      =10日午後、静岡市)

 1966年に静岡県清水市(現静岡市)の一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、釈放された袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審公判で、検察側は10日、袴田さんの有罪を立証する方針を静岡地裁に伝えた。弁護側は無罪を主張している。再審で無罪が言い渡される公算は大きいとみられるが、検察と弁護側が争うことになり、審理が長引く可能性が高まった

 刑事訴訟法は再審開始について「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」があった時と定める。東京高裁は今年3月、確定判決が「犯行着衣」とした衣類5点の証拠を、捜査機関側が捏造した可能性が極めて高いと指摘。「到底袴田さんを犯人と認定できない」とし、再審開始決定をした。

 検察は最高裁への特別抗告を断念し、再審開始が確定した。特別抗告は憲法違反や判例違反がある場合に限られ、理由が見いだせないとして断念したが、再審公判で主張する内容に法的な制限はない。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/262284

<社説>袴田さんの再審 審理を長引かせるな
2023年7月11日 07時43分

 一九六六年に起きた静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審公判を巡り、検察側が有罪立証すると表明た。これまで争点となっていた「衣類の血痕」について反論するというが、審理を長引かせることは避けるべきである。

 静岡地検は再審公判で五点の衣類の血痕について反論すると静岡地裁に伝えた。この衣類はあくまで犯行時に袴田さんが着ていたものとの主張である。

 衣類は袴田さんの勤務先のみそタンクから発見された。当時の捜査資料では血痕の色は「濃赤色」と記されたが、弁護側は実験や鑑定に基づいて「長期間、みそ漬けにされた血痕には赤みは残らない」と主張。東京高裁も認めて再審決定につながった。

 静岡地検は十日、赤みが残ることは不自然ではないことを法廷で立証すると明らかにした。

 確かに、同じ争点の場合、新証拠の証明力を弾劾する証拠であれば、提出可能とされている。

 しかし、既に四十年以上も裁判のやり直しを求めていた事件である。第二次の再審請求審から九年間も「色」を巡る攻防が繰り返されてきた経緯もある。

 問題の衣類は、確定判決の決め手だったが、そもそも袴田さんが着られるサイズでなかった。検察は「縮んだ」とも「袴田さんが太ったため」とも…。事件後、何と一年二カ月もたっての発見という経緯にも不自然さが残る。

 今回の検察方針は、これまで争点でなかった事実や証拠を再審公判で唐突に持ち出すことには当たらないとしても、同じ論点でこれ以上、時間をかけることが本当に正義にかなうのか

 検察は袴田さんを再び収監して、死刑にすべきだと本気で考えているのだろうか

 東京高裁は捜査機関による「証拠の捏造(ねつぞう)」の可能性を指摘している。検察は「捏造」の言葉に拒否反応を示しているのかもしれないが、もはや検証すべきは当時の捜査の在り方を巡る問題点にほかならない

 袴田さんはすでに八十七歳になる。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に従って、一刻も早く「無罪」の宣告をすべきと考える。
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●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》

2023年03月22日 00時00分45秒 | Weblog

(2023年03月21日[火])
《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査機関による証拠捏造》《証拠を捜査機関側が捏造した可能性が極めて高い》《犯行着衣について捜査機関の捏造 (ねつぞう) とまで踏み込んだ高裁決定》とまで言われているのだ、最高裁への特別抗告を断念という当然の結果。さっさと裁判を開始し、即座に「無罪」判決を。
 それにしても、あまりに長い…。袴田巖さん、姉の袴田秀子さん、償いようのない48年。無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚のまま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられる袴田巖さん。48年の月日は戻らない。《「疑わしきは被告の利益にという原則》を蔑ろにした司法の罪はあまりにも重い。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
    《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》
   『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
     言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう

 小嶋麻友美太田理英子両記者による、東京新聞の記事【袴田さん再審確定 追い詰められた検察、高裁の緻密な認定覆す余地はなく…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/239208)によると、《犯行着衣について捜査機関の捏造 (ねつぞう) とまで踏み込んだ高裁決定の後、検察側に特別抗告断念を求めるうねりが一気に高まった。支援者や研究者、法曹団体は連日、声明を出し「今回は絶対、特別抗告はされないだろうというムードができた皆さんの力が一つになって今日が迎えられた」と小川弁護士は振り返る。高齢の袴田さんに残された時間は多くない。矢村教授は「特別抗告して無益な争いをし、社会的批判に耐えられるのかという判断も働いたのでは」と語り、再審公判でも検察側の有罪立証は難しいとみる》。

   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
      袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
               「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
   『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
      チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
           耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」 
     弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
    《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
     1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
     袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
     “新証拠”を提出した》

   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
     《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》
   『● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの
          袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》
   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました
    「袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん」

   『●映画『BOX 袴田事件 命とは』で熊本典道さん役…《「法廷では
     裁判官自身も裁かれている」。自分で自分を裁こうとした日々…》
   『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
     …暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》
   『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
     たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
   『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
     進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ
    「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
     無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
     自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
     何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
     袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
     ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
     掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
     いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!
   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/239208

袴田さん再審確定 追い詰められた検察、高裁の緻密な認定覆す余地はなく…
2023年3月21日 06時00分

     (東京高検前で、最高裁への特別抗告断念を訴え座り込みを
      する袴田事件の支援者ら=20日、東京・霞が関で)

 袴田巌さん(87)の再審開始を認めた東京高裁決定について、検察当局が20日、特別抗告を断念したことで、再審無罪が大きく近づいた。もともと袴田さんを有罪とする証拠が弱かった上、審理の争点が絞られた中で、検察側に高裁の緻密な判断を覆す余地はほぼなかった。(小嶋麻友美太田理英子

【関連記事】袴田さんの再審開始が確定、無罪の公算強まる 検察側が特別抗告を断念 1966年一家殺害 死刑事件で5例目


◆難しい判断迫られた高検

 特別抗告の期限だった20日の午後4時半前。検察側の動きが見えないまま、記者会見のため東京・霞が関の司法記者クラブを訪れていた弁護団事務局長の小川秀世弁護士の携帯電話に、高検の担当検事から「断念」の一報が入った。

 高検による正式な記者会見が始まったのは、それから2時間以上後。山元裕史次席検事は「法と証拠に基づいて慎重に検討を重ねた結果、特別抗告しないことになった」と述べるばかり。再審公判でどのような立場を取るのかを問われても「この段階では差し控える」と回答を避け続けた。

 事実ではなく法律問題を審理する最高裁への特別抗告は、憲法違反か判例違反に限られる。判決から2週間の期間がある通常の裁判とは異なり、再審請求を巡る抗告の期限は休日を除きわずか5日。「(書面を)書きながら判断していかないと間に合わない。やってみて結局、どこまで書けるか」(検察幹部)という難しい判断を迫られ、最高検を交えた検討はぎりぎりまで続いたとみられる。


◆詳細、丁寧に「宿題」こなした高裁

 静岡地裁が認めた再審開始決定を高裁が一転取り消し、最高裁が差し戻すという異例の展開をたどった今回の第2次再審請求審。最高裁が高裁に課した「宿題」は、確定判決が認めた犯行着衣に関して、長期間みそ漬けされた場合の血痕の色に赤みが残るかどうかの化学的知見に基づく検証だった。

 東京高裁の大善文男裁判長は、弁護側の実験結果や専門家による鑑定の信用性を認め、検察側の主張は「化学的論拠に基づかない抽象的な反論とことごとく退けた。着衣以外の証拠も「それだけでは犯人性を推認させる力がもともと限定的か、弱いものだったと指摘。再審判断に当たって「新旧の証拠を総合的に評価すべきだ」とする1975年の最高裁「白鳥決定」を踏まえ、犯行着衣が袴田さんのものであることに疑いが生じると断じた

 元東京高裁部総括判事の矢村宏・北海学園大教授(刑事訴訟法)は「差し戻しによって争点が絞られた中で、検察は反論の余地を見つけられなかった。高裁からあれほど詳細、丁寧な事実認定と判断をされ、欠陥を見つけるのは難しかったのだろう」と指摘する。


◆特別抗告の断念求めるうねり一気に

 犯行着衣について捜査機関の捏造 (ねつぞう) とまで踏み込んだ高裁決定の後、検察側に特別抗告断念を求めるうねりが一気に高まった。支援者や研究者、法曹団体は連日、声明を出し「今回は絶対、特別抗告はされないだろうというムードができた皆さんの力が一つになって今日が迎えられた」と小川弁護士は振り返る。

 高齢の袴田さんに残された時間は多くない。矢村教授は「特別抗告して無益な争いをし、社会的批判に耐えられるのかという判断も働いたのでは」と語り、再審公判でも検察側の有罪立証は難しいとみる。
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●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》

2023年03月19日 00時00分02秒 | Weblog

/ (20230317[])
⦅犯人とされ、死刑判決を受けた袴田巌さんの再審開始を東京高裁が認めた⦆ことは素晴らしい。でも一体何年かかっているのか? (東京新聞社説)《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」と高裁は述べた。つまり、捜査機関による証拠捏造…》。証拠のでっち上げまでやっておきながら、警察や検察は、いい加減に非を認めろ。袴田巌さんの一生を破壊しておきながら、この上、まだ東京高検は特別抗告する気なのか? 一体何をやっているのか?
 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。最「低」裁は、即刻、特別抗告を棄却し、即座に再審を開始して、すぐさま無罪を言い渡すべきだ。少しは、最高裁らしい仕事をしなさい。

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
   『●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が
     進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ
    「《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに
     無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も
     自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を
     何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…
     袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』」

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過
     ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は
     掌中の証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ
   『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めて
     いません》って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!
   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》

 〝味噌漬け〟により縮んだとはいえ、異常に小さすぎる衣服のサイズなど、数々の《重大な疑い》があるにもかかわらず、《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。しかも、《B》というタグはサイズではなく、色のタグ。
 タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ。《1年以上みそ漬けにされても「血痕の赤み」が残る》訳も無く、《弁護側は高裁段階で「メイラード反応が進行し、血痕は黒くなっていたはずだ」》は十分に《常識的》だ。《再審請求審では弁護側、検察側の双方が、血液を付けた衣類をみそに漬け込んだ実験の結果を証拠として提出。いずれも5~6カ月経過すると褐色化が進み、赤みが完全に消える結果が出》ている。


1年以上みそ漬けだった服の血痕、なぜ赤いまま? 袴田さん審理差し戻しで焦点 DNA型鑑定論争には終止符
 (https://www.tokyo-np.co.jp/article/76240

 東京新聞の【<社説>袴田さん再審 無罪への扉が開いた】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/237896?rct=editorial)によると、⦅静岡県の一家四人が殺害された事件から約五十七年。犯人とされ、死刑判決を受けた袴田巌さんの再審開始を東京高裁が認めた。一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない検察が証拠を隠すことが、どれほど罪深いことか。事件は一九六六年、袴田さんの死刑確定は八〇年である。最初に再審を求めたときは退けられ、第二次の再審請求で静岡地裁が再審開始を認めた。二〇一四年のことだ⦆。

 五百旗頭幸男さんのつぶやきから:

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https://twitter.com/yukioiokibe/status/1636578073557753863

五百旗頭幸男 『裸のムラ』全国公開中@yukioiokibe

袴田巌さんは、逮捕から釈放までに477か月かかり、1次再審請求から棄却までに約27かかり、2次再審請求から再審開始決定までに約15かかった。東京高検が特別抗告する方向で協議しており、審理はさらなる長期化が避けられないという。袴田さんは今月87歳になった

jiji.com
袴田事件、特別抗告の方向 再審開始に不服、検察側協議―審理15年、さらに長期化:時事ドットコム

1966年に静岡県でみそ製造会社専務一家4人が殺害された「袴田事件」で、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審開始を認めた第2次請求差し戻し審の東京高裁決定について、東京高検が不服として、最高裁に特別抗告する方向で協議を進めていることが16日、関係者への取材で分かった。

午後0:59  2023年3月17日
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 奥村圭吾記者による、東京新聞の記事【「特別抗告断念を」袴田巌さんの弁護団が東京高検に2度目の申し入れ 「国民の理解を得られない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/238472)によると、《1966年に静岡県で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の第2次再審請求差し戻し審で、東京高裁が再審開始を決定したことを受け、弁護団は16日、最高裁に特別抗告をしないよう東京高検に申し入れた。要請は高裁決定があった13日に続いて2度目。弁護団事務局長の小川秀世弁護士は「検察が不服申し立てをすることは国民の理解を得られない」と訴えた》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/237896?rct=editorial

<社説>袴田さん再審 無罪への扉が開いた
2023年3月14日 08時07分

 静岡県の一家四人が殺害された事件から約五十七年。犯人とされ、死刑判決を受けた袴田巌さんの再審開始を東京高裁が認めた。一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない

 検察が証拠を隠すことが、どれほど罪深いことか。事件は一九六六年、袴田さんの死刑確定は八〇年である。最初に再審を求めたときは退けられ、第二次の再審請求で静岡地裁が再審開始を認めた。二〇一四年のことだ。

 結論が変わったのは、検察が第一次の再審請求審で出さなかった証拠が開示されたためだ争点となった血痕のカラー写真のネガフィルムなどだ。犯行時の着衣とされた衣類に血痕の「赤み」があることに弁護側は着目した。事件から約一年二カ月後に、袴田さんの勤務先だったみそ工場のタンク内から発見された衣類である。

 「血痕は数カ月で黒色化し、一年以上では赤みは残らない」との鑑定書を弁護側は提出し、高裁も認めた。「事件から相当期間経過後に第三者がみそ漬けにした可能性がある」と高裁は述べた。つまり、捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)にも言及した。再審開始は当然だ

 問題は検察が再審決定を不服とし、特別抗告するかどうかだ。最高裁がそれを認めれば、無罪への扉は再び閉ざされることになる。不服なら再審裁判の中で主張すればよく、八十七歳という袴田さんの年齢を考えても、検察はもはや抗告権を使うべきではない。

 とくに証拠隠しともいえる検察の態度は指弾されて当然である。なぜもっと早く開示されなかったか悔やまれる。

 冤罪(えんざい)が罪深いのは、無実の人を罰し、同時に真犯人を取り逃がす二重の不正義があるためだ名誉回復が遅れれば、三重の不正義となるはずだ。地裁の再審開始決定からもおよそ九年が経過した。もはや不毛な時間は許されない

 司法は本来、人権の番人でなければならない。裁判所も検察もその役目をもっと重く考えるべきである。刑事訴訟法で旧法時代の再審規定が七十年以上も放置されていることも許されない。

 少なくとも証拠開示制度を改めるべきであるし、再審開始の決定に対する検察官の不服申し立ては禁止すべきである。国会も再審法の全面改正に取り組むべきであることは、袴田さんの冤罪事件が雄弁に物語っている
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/238472

「特別抗告断念を」袴田巌さんの弁護団が東京高検に2度目の申し入れ 「国民の理解を得られない」
2023年3月16日 21時22分

     (東京高検に特別抗告の断念を求め、記者会見する弁護団
      事務局長の小川秀世弁護士(右)ら=16日、東京都内で)

 1966年に静岡県で起きた一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の第2次再審請求差し戻し審で、東京高裁が再審開始を決定したことを受け、弁護団は16日、最高裁に特別抗告をしないよう東京高検に申し入れた。要請は高裁決定があった13日に続いて2度目。弁護団事務局長の小川秀世弁護士は「検察が不服申し立てをすることは国民の理解を得られない」と訴えた。

【関連記事】輪島功一さんらボクサーたちが袴田巌さんを支援し続けてきた理由

 今回の差し戻し審では、殺害現場付近のみそ工場内のタンクから見つかり、確定審で犯人の着衣とされた「5点の衣類」の血痕の色が争点だった。

 申し入れ書では、約2年にわたった差し戻し審で検察側は「『5点の衣類』が犯行着衣であるという証拠を提出できなかった」とし、特別抗告は「時間と税金の浪費であるばかりか、検察官の信頼、信用が大きく失墜する」と主張した。

 仮に特別抗告があった場合には、差し戻し審で検察側が行ったみそ漬け実験の写真の色について、専門家が分析した鑑定書を特別抗告審で提出する方針だとし、「検察官の判断の誤りを容易に明らかにできる」と強調した。

 特別抗告の期限は20日。高検が断念すれば高裁決定が確定し、今後開かれる再審公判で無罪が言い渡される可能性が高まる。特別抗告した場合は、最高裁でさらに審理が続くことになる。(奥村圭吾
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●袴田冤罪事件…タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ

2021年04月14日 00時00分33秒 | Weblog

(20210331[])
山田雄之記者による、二つの東京新聞の記事【1年以上みそ漬けだった服の血痕、なぜ赤いまま? 袴田さん審理差し戻しで焦点 DNA型鑑定論争には終止符】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/76240)と、
【科学論争で審理さらに長期化の懸念 袴田さん差し戻し審で3者協議】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/93105)。

 《「もう50年以上、裁判をしている長いですよ。とにかく勝つしかない」 裁判所と検察側、弁護側の3者が非公開で協議後、袴田さんの姉秀子さん(88)は弁護団とともに東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、再審開始決定までの道のりの長さに疲れたような表情を見せた》。

 「鑑定技術の進展によって細胞が数個分あればDNAの検出は十分に可能だとされていて、鑑定の信用性を否定すべきとは思わない。犯人のものとされるシャツに付いた血痕と袴田さんのDNA型が違い、血痕は袴田さんのものではないという重大な疑いが生じる」との指摘にもかかわらず、「DNA型鑑定論争には終止符」と言われてもねぇ。

 〝味噌漬け〟により縮んだとはいえ、異常に小さすぎる衣服のサイズなど、数々の《重大な疑い》があるにもかかわらず、《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。

 タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」が進み、1年2カ月後には《常識的な範囲で『赤みは残らない』》はずだ。《1年以上みそ漬けにされても「血痕の赤み」が残る》訳も無く、《弁護側は高裁段階で「メイラード反応が進行し、血痕は黒くなっていたはずだ」》は十分に《常識的》だ。《再審請求審では弁護側、検察側の双方が、血液を付けた衣類をみそに漬け込んだ実験の結果を証拠として提出。いずれも5~6カ月経過すると褐色化が進み、赤みが完全に消える結果が出》ている。
 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』。

   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
      袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
               「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」
   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
   『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
      チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
           耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」 
     弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
    《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
     1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
     袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
     “新証拠”を提出した》

   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
     《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》
   『● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの
          袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》
   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました
    「袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん」

   『●映画『BOX 袴田事件 命とは』で熊本典道さん役…《「法廷では
     裁判官自身も裁かれている」。自分で自分を裁こうとした日々…》
   『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
     …暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》
   『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官
     たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/76240

1年以上みそ漬けだった服の血痕、なぜ赤いまま? 袴田さん審理差し戻しで焦点 DNA型鑑定論争には終止符
2020年12月24日 05時50分

 袴田巌さん(84)の再審請求審で最高裁第3小法廷が審理を東京高裁に差し戻したのは、「なぜ1年以上もみそに漬けられた衣類の血痕に、まだ赤みが残っているのかという疑問からだった。DNA型鑑定論争には終止符を打ったが、血痕の化学反応を巡る今後の検討結果次第で、再審開始が近づく可能性がある。(山田雄之

【関連記事】袴田さん審理差し戻し 再審理認めぬ決定を最高裁が取り消す





◆5点の衣類「DNA残っても微量、劣化の可能性高い」

 「DNAが残っているとしても極めて微量で、劣化している可能性が高い。確定判決に合理的な疑いを差し挟む証拠とは言えない」

 事件から1年2カ月後にみそ工場のタンクから見つかり、犯行時の着衣とされる「5点の衣類」。その衣類に付いた血痕のDNA型が、袴田さんや被害者と一致するかが焦点となっていた第2次再審請求審で、最高裁はDNA型鑑定の証拠価値を否定した。

 弁護側が推薦した筑波大の本田克也教授が、独自の手法に基づく鑑定で「袴田さんや被害者の型と一致しないとした結論を評価し、2014年の静岡地裁は再審開始決定を導いた。一方、18年の東京高裁は「研究途上で、科学的原理や有効性には深刻な疑問がある」とし、再審開始を認めなかった

 最高裁が今回、鑑定論争に終止符を打ったことで、差し戻し審での焦点は、1年以上みそ漬けにされても「血痕の赤み」が残るのか否かに移る。


◆弁護側「血痕黒いはず」、高裁は分析や考察せず

 「5点の衣類」発見当時の実況見分調書などには、血痕は「濃赤色」「濃赤紫色」の記述がある。

 再審請求審では弁護側、検察側の双方が、血液を付けた衣類をみそに漬け込んだ実験の結果を証拠として提出。いずれも5~6カ月経過すると褐色化が進み、赤みが完全に消える結果が出た。タンパク質に糖分が触れると「メイラード反応」という化学反応が起き、タンパク質は褐色化する。血液にはタンパク質が含まれ、みそは糖分がある。

 弁護側は高裁段階で「メイラード反応が進行し、血痕は黒くなっていたはずだ」と主張したが、高裁は専門的知見に基づく分析や考察をすることなく、「メイラード反応はさほど進行していなかったはずだ」と一蹴した


◆最高裁「著しく正義に反する」と高裁非難

 最高裁は決定で、メイラード反応を巡る高裁の訴訟指揮を「審理を尽くしていない」とし、高裁決定を取り消さなければ「著しく正義に反すると非難した。「現時点では1年余りみそ漬けにされた血痕に赤みが残る可能性があるのかどうかを判断するには不十分」と指摘。「弁護側の主張通りであれば、袴田さんが犯行直後にみそタンクに衣類を入れたとすることに疑いが生じる。袴田さんの犯人性にも合理的な疑いを差し込む可能性がある」と述べた。

 さらに一歩踏み込んだのが、外交官出身の林景一裁判官と行政法学者出身の宇賀克也裁判官が述べた反対意見だ。衣類をタンクに入れたのは犯行直後ではなく発見直前と考えられ、袴田さん以外の第三者による可能性を指摘。ただちに再審を開始すべきだとした。

 最高裁の多数意見が再審でなく審理の差し戻しとしたことに、あるベテラン裁判官は「最高裁は再審開始決定も検討しただろうが、慎重に判断すべきだとの考えが勝ったのでは」と推察した。今後、東京高裁での差し戻し審では、みそと血痕のメイラード反応について、専門家らが意見を戦わせることになりそうだ。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/93105

科学論争で審理さらに長期化の懸念 袴田さん差し戻し審で3者協議
2021年3月23日 06時00分

 袴田巌さん(85)の第2次再審請求審で、最高裁が東京高裁に差し戻した審理を巡る3者協議が22日、高裁で始まった。審理の焦点は、犯行時の着衣とされた衣類の血痕の色みが不自然かどうか。1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害されてから半世紀余り。科学論争に陥るのではなく、早期に再審開始を決定すべきだとする声もある。(山田雄之


◆「50年以上も」

 「もう50年以上、裁判をしている。長いですよ。とにかく勝つしかない」

 裁判所と検察側、弁護側の3者が非公開で協議後、袴田さんの姉秀子さん(88)は弁護団とともに東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、再審開始決定までの道のりの長さに疲れたような表情を見せた。

     (「早く再審開始を」と求める袴田巌さんの姉秀子さん(左)と
            小川秀世弁護士=東京・霞が関の司法記者クラブで)

 最高裁は昨年12月、逮捕から1年以上たって、袴田さんの勤務先のみそタンクから発見された「犯行時の5点の衣類」に、赤みを帯びた血痕が残っていたことを疑問視。血液のタンパク質がみその糖分に5~6カ月触れると「メイラード反応」で褐色化するという可能性について、専門的知見に基づき十分に審理されていないなどとして、高裁に審理を差し戻した。


◆消えた赤み

 みそに漬かった血液が褐色化し、赤みが消えることが証明されれば、第三者がタンクに隠した疑いが濃くなる。

 弁護団は最高裁の決定を受け、複数の専門家に相談したものの、血とみその化学反応を調べた研究結果は見当たらず、研究に取り組んでいる専門家がいる形跡も確認できなかった。

 そこで弁護団は自ら、血液を付着させた布をみそに漬ける実験を100以上のパターンで実施。血を付けてからみそに漬けるまでの時間やみその種類をどのように条件を変えても、すべて2週間以内に血液の赤みは消え、黒や黒褐色になった

 3者協議後の会見に参加した弁護団の小川秀世弁護士は、「現段階では1年以上もみそに漬かれば、血液の赤みが消えてしまうと推認できる」と指摘。3者協議に出した意見書では、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則再審にも適用されるとして、「速やかに審理を進め、早期の再審開始決定を」と求めたという。


◆再審への道

 あるベテラン裁判官は「裁判所の指揮次第では検証実験をする可能性もある」と指摘。そうなればさらなる長期化は必至だ。最高裁決定では、2人の裁判官が「時間をかけることには反対」などとして再審を直ちに開始すべきだとの反対意見を述べている。

 白鴎大の村岡啓一教授(刑事訴訟法)は「科学論争になれば審理は長引く。いたずらに踏み込みすぎるべきではない。常識的な範囲で『赤みは残らない』と証明できれば、裁判所は再審開始を認めてもいいのではないか」と話した。

【関連記事】1年以上みそ漬けだった服の血痕、なぜ赤いまま? 袴田さん審理差し戻しで焦点 DNA型鑑定論争には終止符
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●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響…暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》

2021年01月15日 00時00分16秒 | Weblog

 (2020年12月27日[日])
NHKの記事【袴田事件 再審認めない決定取り消す 高裁に差し戻し 最高裁】(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201223/k10012779771000.html)。

 《今回、最高裁が東京高裁の決定を取り消したため、6年前の静岡地裁の決定に基づいて、釈放された状態が続くことになります》。

 《袴田巖さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…こんな残酷なことがあっていいのか?
 東京新聞の記事【袴田事件 最高裁が再審を認めなかった高裁決定を取り消し 裁判官2人は「再審開始すべき」と反対意見】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/76173)によると、《裁判のやり直しを認めなかった東京高裁決定を取り消し、審理を差し戻す決定をした。弁護団が「無罪とすべき新証拠として提出したDNA型鑑定信用性を否定した一方、犯行時の着衣とされた「5点の衣類」に付着した血痕の変色状況について疑問が解消されていないと指摘。高裁で改めて審理を尽くすべきだと結論付けた…第2次再審請求では、静岡地裁が2014年に再審開始を認め、併せて死刑と拘置の執行を停止した。高裁も執行停止は維持し、袴田さんは現在釈放されている。結論が確定するまで、再収監はされない見通し》。

 酷過ぎる…。袴田巌さんにすぐさま無罪を。
 西日本新聞の【社説/袴田事件の再審 いたずらに引き延ばすな】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/676745/)によると、《裁判をやり直す再審の道を維持したことは評価できる。それでも「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の大原則に照らせば、何とももどかしい決定と言わざるを得ない。…再審開始の可否に決着をつけるものではなく、袴田さんの再審請求はさらに長期化する。仮に再審が始まっても判決までにはさらに時間が必要だろう。袴田さんの年齢を考えれば、あまりに酷というほかはない》。
 東京新聞のコラム【筆洗/<目とじても片隅に咲く月見草>。劇作家寺山修司が「誰か月見…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/76527?rct=hissen)によると、《▼その袴田さんに再審の可能性をもたらす最高裁の決定である。決定を知らされた袴田さんは、「こんなもの来るはずない」と話したという▼死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響は、地裁の再審開始決定で六年前に釈放された後も残っているようだ。暗黒の日々の長さを思わざるをえない▼最高裁は、再審開始を認めなかった高裁の決定を取り消した。事件の一年以上も後に見つかり、有罪の最大の根拠となった衣類。血痕の変色などについて審理が尽くされていないとし、高裁に再検討を求めた▼疑わしきは被告人の利益は原則だろう。寺山が「打たれ強いボクサー」であったと記した袴田さんも八十四歳である。夜は終わったわけではない急がなければなるまい。》

 《今回の決定について、元刑事裁判官の門野博弁護士は、「…高裁でまた時間をかけて審理するのではなく、直ちに再審を認めて、やり直しの裁判の中で議論させるという判断をしてもよかったのではないか」と話しています》。それでも時間をかけ過ぎです。さっさと、(無理なことは承知ですが)無罪判決を出すべきではないのか? とことろで、《元刑事裁判官の門野博弁護士》 ――― 「とうとう、奥西勝死刑囚が亡くなった。警察や検察、裁判所は「触らぬ神にたたりなし、ということなのか」?、訴えることが出来なくなるのを待った司法の残酷さ!、を痛切に感じる。のろのろと「死」を待っている様にしか見えない。特に、裁判所の酷さ。当時の《名古屋高裁刑事第2部(門野博裁判長)》、《名古屋高裁刑事第2部(下山保男裁判長)》、《名古屋高裁刑事一部(石山容示(ようじ)裁判長)》、《最高裁第1小法廷(櫻井龍子裁判長)》ら。《冤罪と同じほど罪深い司法の自殺的行為》」…。名張ぶどう酒事件で、再審開始決定を取り消したのが門野博元裁判長。「のろのろと「死」を待っている様にしか見えない」司法の一人だ。

   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
      袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
               「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」
    《ルビン・カーターさんが二十日亡くなった。七十六歳…
     デンゼル・ワシントン主演の映画「ザ・ハリケーン」のモデル
     といえば、思い出すだろうか▼一九六六年六月、
     米ニュージャージー州のバーで三人が殺された。現場近くを車で
     走っていたカーターさんが逮捕された。無実を訴えたが、
     有罪の評決が下り、八五年に釈放されるまで十九年間服役した。
     冤罪事件の背景には人種差別もあった袴田事件も同じ年同じ六月
     だった。同じ元ボクサー。獄中にあった袴田巌さん(78)は
     境遇の似たカーターさんが釈放された時、手紙を書いたという。
     「万歳万歳と叫びたい」。カーターさんの返事は
     「決してあきらめてはならない」だった》

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
   『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
      チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
           耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」 
     弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
    《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
     1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
     袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
     “新証拠”を提出した》

   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
     《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》
   『● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの
          袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》
   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました
    「袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん」

   『●映画『BOX 袴田事件 命とは』で熊本典道さん役…《「法廷では
     裁判官自身も裁かれている」。自分で自分を裁こうとした日々…》

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201223/k10012779771000.html

袴田事件 再審認めない決定取り消す 高裁に差し戻し 最高裁
2020年12月23日 16時57分

 昭和41年に静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌さんについて、最高裁判所は、再審・裁判のやり直しを認めなかった東京高等裁判所の決定を取り消し、高裁で再び審理するよう命じる決定をしました。

 袴田巌さん(84)は、昭和41年に今の静岡市清水区でみそ製造会社の役員の一家4人が殺害された事件で、死刑が確定しましたが、無実を訴えて再審を申し立てています。

 平成26年に静岡地方裁判所が、事件の1年余り後に会社のみそのタンクから見つかった犯人のものとされる衣類の血痕のDNA型が袴田さんのものとは一致しなかったという鑑定結果などをもとに再審を認める決定をした一方、おととし、東京高等裁判所は「DNA鑑定の信用性は乏しい」として再審を認めず、弁護団が特別抗告していました。

 最高裁判所第3小法廷の林道晴裁判長は、衣類の血痕のDNA鑑定について「衣類は40年以上、多くの人に触れられる機会があり、血液のDNAが残っていたとしても極めて微量で、性質が変化したり、劣化したりしている可能性が高い。鑑定には非常に困難な状況で証拠価値があるとはいえない」として、弁護側の主張を退けました

 一方で、衣類に付いた血痕の色の変化について「1年余りみそに漬け込まれた血痕に赤みが残る可能性があるのか、化学反応の影響に関する専門的な知見に基づいて審理が尽くされていない」として、23日までに再審を認めなかった東京高裁の決定を取り消し、高裁で再び審理するよう命じる決定をしました。

 一方、決定では、5人の裁判官が、3対2で意見が分かれています。

 2人の裁判官は反対意見の中で、DNA鑑定などを新証拠と認め、血痕が袴田さんのものではないという重大な疑いが生じているとして、再審を認めるべきだとしています。

 再審を求める特別抗告で裁判官の意見が割れるのは異例です。

 袴田さんは、静岡地裁で再審が認められた際に釈放されていて、今回の決定後も釈放された状態が続きます。


裁判官2人が「再審開始すべき」

 5人の裁判官のうち、林景一裁判官と宇賀克也裁判官の2人が、「再審を開始すべきだ」とする反対意見を述べました。

 反対意見ではまず、犯人のものとされる衣類に付いた血痕のDNA鑑定について、「鑑定技術の進展によって細胞が数個分あればDNAの検出は十分に可能だとされていて、鑑定の信用性を否定すべきとは思わない。犯人のものとされるシャツに付いた血痕と袴田さんのDNA型が違い、血痕は袴田さんのものではないという重大な疑いが生じる」と指摘しています。

 また、みそのタンクから見つかった衣類に赤い血痕が付いていたことについて、「みそ漬けを再現した実験では、1か月で血痕の赤みは全くなくなり、1年2か月後にはさらに黒くなって血液が付いたことすら分からない状態になっている。袴田さんが逮捕される前にみそのタンクに衣類を隠したとすれば、1年以上、漬けられていたことになるが、実験の結果は、この点に合理的な疑いを生じさせる証拠で、袴田さんが衣類を隠したことにも合理的な疑いが生じる。犯行直後ではなく、衣類の発見直前に袴田さん以外の第三者に隠された可能性が生じる」と指摘しています。

 そのうえで、DNA鑑定と、みそ漬けの再現実験の報告書はいずれも新証拠として認められると判断して再審を開始すべきだとして、高裁に審理のやり直しを命じることについて「化学反応の影響を審理するためだけに、時間をかけることには反対せざるをえない」と述べています。

 再審を求める特別抗告で裁判官の意見が割れるのは異例です。


最高検察庁刑事部長「内容精査し適切に対処」

 最高検察庁の齋藤隆博刑事部長は「検察官の主張が認められなかったことは誠に遺憾だ。決定の内容を精査し、適切に対処したい」というコメントを発表しました。


袴田巌さん「言うことはない 終わったんだ」

 袴田巌さんと姉のひで子さん(87)は、23日午後6時すぎ、浜松市の自宅で取材に応じました。

 巌さんは「言うことはない。終わったんだ、分かりきっている」などと話していました。

 ひで子さんは、巌さんに「おめでとう」と声をかけたうえで、「なんとなく表情が明るい。やっぱり分かっていると思う」と話しました。

 自宅には、知人などから電話が相次いでいて、ひで子さんは、最高裁判所から届いた書類を手に取って、主文を読み上げるなどして、笑顔で報告をしていました。

 ひで子さんは「とにかく前進してくれないと困るのでうれしい。年内に最高裁の決定が出ると思わなかったので、クリスマスプレゼントになった」と話していました。


死刑確定も釈放続く

 袴田巌さんは、刑事手続き上は死刑が確定していますが、釈放された異例の状況が当面、続きます。

 6年前、静岡地裁で再審が認められた際に刑の執行と拘置が停止されて、東京拘置所から釈放されました。

 おととしの東京高裁の決定では、再審は認められませんでしたが、「年齢や生活状況、健康状態などを考えると、再審についての決定が確定する前に、釈放を取り消すべきとは言いがたい」として釈放は取り消されず、浜松市内で家族とともに生活を続けています。

 今回、最高裁が東京高裁の決定を取り消したため、6年前の静岡地裁の決定に基づいて、釈放された状態が続くことになります。


弁護団「主張が正しく理解された」

 最高裁判所の決定を受けて袴田巌さんの弁護団が静岡市内で記者会見を開きました。

 この中で、弁護団の事務局長を務める小川秀世弁護士は「非常にうれしい決定だ。われわれの主張が正しく理解されたと思っている。論点がはっきりしたので再審開始という結論に持って行くことができるのではないかと大いに期待している」と述べました。

 一方、別の弁護士は、今後の審理について、「最高裁判所の指摘があった衣類の血痕の色の変化について、専門的に研究している人はいないので、具体的に裏付けるような資料や意見を集めることができるかどうか、弁護団にとっても高裁にとっても大きな課題になる」と話しました。


プロボクシング関係者は

 長年にわたって袴田さんの支援活動をしてきた日本プロボクシング協会の新田渉世事務局長は「心強い決定だ。裁判官の意見がわかれたことで長引く懸念があるが、大きな一歩だと思う」と話していました。

 また、プロボクシングを統括するJBC=日本ボクシングコミッションの安河内剛本部事務局長は「私たちとしては、一刻も早く真相が解明されることを祈っている」と話していました。


元刑事裁判官「再審を認めてもよかったのでは」

 今回の決定について、元刑事裁判官の門野博弁護士は、「『再審を開始すべきだ』という反対意見もあり、最高裁判所の裁判官の間でかなり時間をかけて議論が交わされたことがうかがえ、それだけ多くの謎が残されている難しい事件だということが表れている。最高裁の決定の中で、みそに漬かった衣類の色の変化についてさらに精査が必要だと判断したのであれば、差し戻しによって高裁でまた時間をかけて審理するのではなく、直ちに再審を認めて、やり直しの裁判の中で議論させるという判断をしてもよかったのではないか」と話しています。


これまでの経緯

 「袴田事件」は、有罪か無罪かが50年余りにわたって争われ続けています

 昭和41年6月、今の静岡市清水区で、みそ製造会社の専務の家が全焼し、焼け跡から一家4人が遺体で見つかりました。その年の8月に会社の従業員だった元プロボクサーの袴田巌さんが、強盗殺人などの疑いで逮捕されました。

 当初は無実を訴えましたが、19日後に取り調べでいったんは自白し、裁判では再び無実を主張して争いました。

 事件から1年余りがたち、裁判が始まった後で、みそ製造会社のタンクから血の付いたシャツなど、犯人のものとされる5点の衣類が見つかりました。昭和43年9月、静岡地方裁判所は、自白した時に作られた45通の調書のうち44通は捜査官に強要された疑いがあるとして、証拠として認めませんでしたが、衣類を有罪の証拠だとして死刑を言い渡しました。

 2審の東京高等裁判所と最高裁判所でも無罪の主張は退けられ、昭和55年に死刑が確定しました。翌年、弁護団は再審・裁判のやり直しを求めました。

 弁護団は、事件の直後の捜索でタンクから衣類が見つからなかったことや、衣類のサイズが合わないことなど不自然な点があるうえ、自白も強要されたものだと主張しましたが、静岡地裁で退けられました。

 東京高裁では衣類に付着した血痕のDNA鑑定が行われましたが、劣化が激しかったことからこの時は「鑑定不能」とされ、申し立てが退けられました。

 その後、平成20年に最高裁でも退けられ、27年に及んだ1度目の再審の申し立ては認められませんでした。2度目の申し立てで、静岡地裁は、5点の衣類のDNA鑑定を再び行うことを決めました。

 その結果、弁護側の専門家が「シャツの血痕のDNAの型は袴田さんと一致しない」と結論づけたことなどから、平成26年に再審・裁判のやり直しを認める決定を出しました。

 「捜査機関が重要な証拠をねつ造した疑いがある」と、当時の捜査を厳しく批判し、釈放も認める異例の決定でした

 東京高裁では、弁護側の専門家が行ったDNA鑑定の手法が科学的に信頼できるかどうかが争われました。おととし6月、東京高裁は「DNA鑑定の手法の科学的原理や有用性には深刻な疑問が存在している」として、地裁とは逆に、衣類は袴田さんのものだと考えて不合理な点はないという判断を示し、再審を認めませんでした。

 一方で、地裁で認められた釈放については「本人の年齢や生活状況、健康状態などに照らすと、再審についての決定が確定する前に釈放を取り消すのが相当とは言い難い」として、取り消しませんでした。

 弁護団は高裁の決定を不服として最高裁判所に特別抗告。最高裁の決定が注目されていました。
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コメント
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●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました

2020年11月23日 00時00分52秒 | Weblog


熊本典道さんが亡くなられたとのこと、ご冥福をお祈りいたします。

   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
      袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
               「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」
    《ルビン・カーターさんが二十日亡くなった。七十六歳…
     デンゼル・ワシントン主演の映画「ザ・ハリケーン」のモデル
     といえば、思い出すだろうか▼一九六六年六月、
     米ニュージャージー州のバーで三人が殺された。現場近くを車で
     走っていたカーターさんが逮捕された。無実を訴えたが、
     有罪の評決が下り、八五年に釈放されるまで十九年間服役した。
     冤罪事件の背景には人種差別もあった袴田事件も同じ年同じ六月
     だった。同じ元ボクサー。獄中にあった袴田巌さん(78)は
     境遇の似たカーターさんが釈放された時、手紙を書いたという。
     「万歳万歳と叫びたい」。カーターさんの返事は
     「決してあきらめてはならない」だった》

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
   『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
      チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
           耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」 
     弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
    《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
     1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
     袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
     “新証拠”を提出した》

   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
     《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》
    「関連して…青木理さん。ローマ法王来日に関して、もう一つの
     注目点は「死刑制度」。明日のミサに袴田巌さんを呼ばれている
     らしい。事実上の廃止も含めて国連加盟国の7割…死刑廃止が
     世界の潮流。存置派は、先進国でアメリカの一部の州とニッポンのみ。
     昨年も13人のオウム幹部を死刑…。死刑制度を考えるきっかけに」

   『● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの
          袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》

 袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん。
 迂闊にも見落としていた記事。東京新聞の記事【袴田さんの姉、一審判事を見舞う 無罪の心証を告白、福岡で入院中】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/67301)によると、《1966年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、再審請求中の元プロボクサー袴田巌さん(84)の弁護団は9日、静岡市内で記者会見し、袴田さんの姉秀子さん(87)らが、一審静岡地裁で無罪との心証を持ちながら死刑判決を書き、福岡市内の病院に入院中の元裁判官熊本典道さん(83)を見舞ったと明らかにした。危篤状態が続く熊本さんは2007年、袴田さんが無罪との心証を持ちながら他の裁判官との合議で死刑判決を書いたと告白。14年に静岡地裁が再審開始を決定した直前にも陳述書を提出している。今月3~4日に見舞ったが、会話はできなかったという》。

 袴田巖さん「1審の裁判官の熊本」「人間、生きてりゃぁ、会えるんだね」…。
 東京新聞の【おくやみ/熊本典道さん死去 元裁判官】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/68336)によると、《熊本典道さん(くまもと・のりみち=元裁判官)11日、急性肺炎のため死去、83歳。佐賀県出身。葬儀は近親者で営む。66年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件の一審静岡地裁で、袴田巌さんの死刑判決を書いた。判決翌年の69年に退官。自責の念から07年に無罪の心証を持っていたことを告白し、その後、再審を求める陳述書を裁判所に提出した。第2次再審請求で静岡地裁が14年、DNA型鑑定結果を新証拠と認めて再審開始を決定。18年には釈放された袴田さんと50年ぶりに面会した》。

 佐藤直子記者による、東京新聞の【特報Web/袴田事件の元裁判官 熊本典道さん死去/苦悩の半生とは?】(https://tokuho.tokyo-np.co.jp/n/nd5a61f002cc1)によると、《1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」と明かした元裁判官熊本典道さん(83)が11日、急性肺炎で死去した。判決の翌年に裁判官を退官した後は波乱に富んだ人生を送りながら、死刑確定後に釈放された袴田巌さん(84)の再審請求審の支援に力を注いだ人物だった》。

 さらに、片山夏子記者による、5月に出ていた東京新聞の記事【「デコちゃんが行く」 袴田巌さんを支える姉・秀子さんの生涯が漫画に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/16668)によると、《一九六六年に静岡県で一家四人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、第二次再審請求中の元プロボクサー袴田巌さん(84)を支え続ける姉の秀子さん(87)の生涯を描いた漫画「デコちゃんが行く 袴田ひで子物語」が出版された。戦中を生き抜き、弟の無罪を信じて幾多の苦難にもへこたれない姿は周りの人たちを勇気づけている》。
 改めて、袴田秀子さんの凄さを感じさせられました。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/68164

袴田事件元判事の熊本典道氏死去 無罪の心証告
2020年11月13日 09時43分 (共同通信)

     (死去した熊本典道さん)

 1966年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、再審請求中の袴田巌さんの一審静岡地裁判決で、無罪との心証を持ちながら死刑判決を書いたと後に告白した元裁判官熊本典道(くまもと・のりみち)さんが11日午後2時57分、急性肺炎のため福岡市の病院で死去した。83歳。佐賀県出身。葬儀は近親者で営む。

 66年に静岡県で4人を殺害したなどとして起訴された袴田さんの一審を担当。判決翌年の69年退官。自責の念から2007年、公判当時、無罪との心証を持っていたと告白。それ以降、袴田さんの再審請求審を巡り、陳述書を裁判所に提出するなど支援を続けていた。
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https://tokuho.tokyo-np.co.jp/n/nd5a61f002cc1

特報Web
袴田事件の元裁判官 熊本典道さん死去
苦悩の半生とは?

袴田事件元裁判官・熊本さん死去 判決の重さに苦悩した半生とは?
東京新聞 特報Web
2020/11/19 13:49

(2020年11月19日東京新聞に掲載)

 1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」と明かした元裁判官熊本典道さん(83)が11日、急性肺炎で死去した。判決の翌年に裁判官を退官した後は波乱に富んだ人生を送りながら、死刑確定後に釈放された袴田巌さん(84)の再審請求審の支援に力を注いだ人物だった。(佐藤直子)


[冤罪 訴え続ける5人の日常 映画「獄友」杉並と中野で上映会:東京新聞 TOKYO Web
◆きょうから5回「布川事件」桜井さんの対談も 殺人など凶悪事件の有罪判決が確定した後、釈放されて冤罪(えんざい)を訴え続け
www.tokyo-np.co.jp https://www.tokyo-np.co.jp/article/25636

[「デコちゃんが行く」 袴田巌さんを支える姉・秀子さんの生涯が漫画に:東京新聞 TOKYO Web
一九六六年に静岡県で一家四人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、第二次再審請求中の元プロボクサー袴田巌さん(84)を支援
www.tokyo-np.co.jp https://www.tokyo-np.co.jp/article/16668


▼目次
  司法試験トップ合格の裁判官
  死刑判決に悩み退官「無実の心証」明かす
  自責の念から酒におぼれ、生活保護受けた時期も
  50年越しで本人と対面「裁判官も過ちを犯す」


司法試験トップ合格の裁判官

 「『秀子だよ、分かる?』って呼びかけたら、熊本さんは口もきけなかったけど、目でうなずいた」。袴田さんの姉秀子さん(87)が、最後になった面会を振り返った。

 今月2日、熊本さんの家族から「医師に『命はあと2、3日』と告げられた」と電話があった。秀子さんは袴田さんの支援者と一緒に翌朝、福岡市の入院先に向かった。熊本さんの腕をさすりながら、「元気出しなよー」と声をかけて病室を後にした。

 佐賀県唐津市出身の熊本さんは九州大法学部を卒業後、司法試験にトップで合格。63年に任官した。静岡県清水市(現静岡市清水区)のみそ製造会社の専務一家4人を殺害、家に放火するなどしたとして起訴された袴田さんの一審静岡地裁の公判を担当し、死刑判決を書いた。


死刑判決に悩み退官「無実の心証」明かす

 判決を悔やんで半年後に裁判官を退官した後、弁護士に転身。自責の念から「公判当時、無罪との心証を持っていた」と告白し、最高裁に再審を求める上申書を提出したのは2007年のことだった。自白の信ぴょう性に疑問を抱いて無罪を主張したものの、有罪だとする裁判長ともう一人の裁判官の考えを覆せなかったと打ち明けた

     (孫の写真を眺める熊本さん。長女に連れられて今年3月、
      初めて会った=2010年6月1日、福岡市東区で)
     (生前の熊本典道さん=2010年3月、福岡市東区で)

 当時の記者会見によれば、熊本さんは控訴審で判決が否定されると期待しながらそうはならず、1980年に最高裁で死刑が確定。袴田さんの人生を台無しにしたことに耐えられなかったと、長い沈黙を破った理由を説明した。


自責の念から酒におぼれ、生活保護受けた時期も

 袴田事件の取材を続けているジャーナリストの青柳雄介さんは、初めて会ったときに話の途中で何度も嗚咽を漏らし、涙を流す熊本さんの姿が目に焼き付いている。「いちずな人だった。判決によって自分の人生も随分、曲がってしまったのでしょう」。弁護士になった後は、酒におぼれ、家族と離別。肝硬変や前立腺がんを患い、生活保護を受けながら暮らした時期もあった。

 告白後は再審開始のために支援を続けた。2014年、第2次再審請求で静岡地裁がDNA型の鑑定結果を新証拠と認めて再審開始を決定。決定理由で捜査機関の証拠の捏造にまで言及し、袴田さんの死刑と拘置を停止して釈放した

 ………。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/16668

「デコちゃんが行く」 袴田巌さんを支える姉・秀子さんの生涯が漫画に
2020年5月24日 20時31分

     (袴田厳さんの姉秀子さんの漫画「デコちゃんが行く」)

 一九六六年に静岡県で一家四人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、第二次再審請求中の元プロボクサー袴田巌さん(84)を支え続ける姉の秀子さん(87)の生涯を描いた漫画「デコちゃんが行く 袴田ひで子物語」が出版された。戦中を生き抜き、弟の無罪を信じて幾多の苦難にもへこたれない姿は周りの人たちを勇気づけている。(片山夏子)


◆支援者が自費出版

 漫画は浜松市に住む袴田さん姉弟の日常を支える「袴田さん支援クラブ」の猪野待子代表=同市=が自費出版。猪野さんが監修し、静岡市の漫画家たたらなおきさんが作画した。猪野さんは「どんな困難が襲ってきてもへこたれず、なにくそと前進する気丈な人。事件に巻き込まれた家族の暗さとは懸け離れ、会う人が皆元気をもらって帰って行く。閉塞感のある現代で生きるのに疲れてしまった人たちに届けたいと思った」と話す。

 漫画は、「デコちゃん」こと秀子さんの生涯を描く。六人兄弟の五番目で巌さんが六番目。遠州弁で何でもやってやろうを意味する「やらまいか精神」が旺盛な姉御肌で、素直でおとなしい巌さんの面倒をよくみた。だが、秀子さんが三十三歳のとき、巌さんが逮捕され、人生が激変した。

     (袴田秀子さん)

 一貫して弟の無罪を信じてきたが、世間の目は冷たく、眠れずに酒に頼った日々も。支援者に支えられ立ち直った後も、最高裁で死刑が確定し、巌さんの面会拒否が続いたり、拘禁反応が悪化したりなど試練が。秀子さんは「自分にも生きる希望が必要だ」と感じ、六十一歳のとき、巌さんと同居するためのマンションを建てた。その願いがかなったのは二十年後だ。


◆「漫画の第2部も」

 秀子さんは「こちら特報部」の取材に「過去を振り返ってもどうにもならんこと。くよくよしないの。巌は四十八年間も刑務所の中で苦労した。私の苦労なんてどうってことない」と笑う。気付いたら五十年以上闘っていたが、「無罪になるまで、命ある限り闘い続ける。百歳まで生きるから漫画の第二部も作ってほしい」と話す。

 巌さんは二〇一四年三月に釈放されたが、今も拘禁反応が続き、毎日、何時間も街中を歩く。見守り隊として同行する浜松市の清水一人さん(71)は「秀子さんは巌さんを一切否定せずに包み込み、自由にさせている。それはすごいこと」と言う。見守り隊の磐田市の自営業女性(49)は「秀子さんに笑顔じゃない時期があったなんて想像できない。会った人はその人柄にひかれまた会いたくなる」。小学三年の時に事件に興味を持って以来、支援に関わる東京都狛江市の高校一年畑山智哉さん(15)は「漫画を読み、改めて秀子さんの信念を感じた」と話した。


◆くじけぬ姿勢若い世代に

 袴田事件弁護団事務局長の小川秀世弁護士(67)は、弁護団が秀子さんに激励されてきたと説明する。「支援活動は秀子さんのけん引力があってこそ。周りが秀子さんに勇気づけられている。くじけない秀子さんの姿勢が、漫画を通じて若い世代にも伝わったら」

 ジャーナリストの大谷昭宏氏は取材で何度も秀子さんに会い、元気をもらったと語る。「長年権力に痛めつけられてきたのに、打ちひしがれるどころか、それをはね返して余りある力がある」。一四年、拘置停止の決定を出した静岡地裁で裁判長は「捏造された疑いのある証拠で死刑の恐怖の下、拘束されてきた」とし「これ以上拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する」と司法を批判した。「これほど猛省を促された司法なのに決定からすでに六年。姉弟は高齢。一日も早く無罪判決を出すべきだ。漫画で秀子さんの元気をもらうと同時に、世論をもう一度高めなくては」

 漫画はA5判、千三百六十四円(税別)。全国の書店で扱っている。
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●死刑制度存置: 袴田事件にどう責任?、そして、飯塚事件の絶望感

2014年05月06日 00時00分31秒 | Weblog


マガジン9』(http://www.magazine9.jp/)に出ていた小石勝朗氏による記事【法浪記第26回 改めて、袴田事件の再審開始決定を受けてなすべきこと】(http://www.magazine9.jp/article/hourouki/12282/)。

   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                         司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
                 「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難・・・・・・
               袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田冤罪事件を機に死刑制度の再考ができない我国
   『●「疑わしきは罰せず」「疑わしきは被告人の利益に」:
              今ごろそれを裁判所に訴えねばならないとは・・・
   『●鎌田慧さんインタビュー: 「一人の人間として勇気をふるった名判決」
   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件: 
                        「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」

 「袴田さんが即日釈放になるとは、弁護団も予想していなかった。袴田さんが無実であり、再審開始が必ずや認められると信じていた人たちでさえ、そうだった。これまで捜査機関や裁判所に、ことごとく主張を跳ね返されてきただけに、なおさらだった。だから、これが現実の出来事なのかどうか、いまだに実感が湧かないのだと思う。解放を心から喜びたい」。

 裁判で「捜査機関による証拠捏造の疑い」が指摘された袴田事件。警察・検察はまだ悪あがきを続けるようだ。
 「東京高裁の大島隆明判長は弁護団に「検察、弁護団双方の意見を聞きながら、速やかに審理を進める」と答えたという」 大島隆明裁判官は、

   『
●『冤罪File(2009年12月号)』読了(2/2)
    「池添徳明氏「横浜事件再審で免訴 葛飾ビラ配布に無罪 
     大島隆明裁判長ってどんな人?」(pp.112-119)。良識派の珍しい、
     貴重な裁判官という評価。「「疑わしきは被告人の利益に」という
     刑事裁判の基本原則を、忠実に実践しているように見える」
     数少ない裁判官」 

という方。 

 当ブログでも指摘したし、この記事でも指摘されている様に・・・・・・「政府の世論調査(2009年)では85.6%が「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えていることは承知のうえで、では袴田さんのような事態が現実に起きていることに対する死刑存置論者の意見を聞きたい」。全く同感だ。

 「それにしても国は、釈放すればあとは姉や弁護団、支援者に任せて知らんふりで良いのか。袴田さんの体調をここまで悪化させた原因は、すべて国家機関や警察にあるのだから、無罪確定前とはいえ可能な限りの支援策を講じるべきだろう。1人の人間の人生をめちゃめちゃにした側の、最低限の対応だと思う」・・・・・・袴田巌さんの「人生をめちゃめちゃにした」警察や検察、裁判官、国家は「最低限の対応」さえ出来ていない。「場合によっては死刑もやむを得ない」とする「85.6%」の人々は、冤罪で死刑にされた久間三千年さん、「飯塚事件」をどう考えているのだろうか? 警察や検察、裁判官、国家の威信にかけて「飯塚事件」をもみ消し冤罪は決して晴れることはないのだろうか・・・・・・、大変に悔しいけれども絶望的じゃないかな・・・・・・。何とかならないものか! 「85.6%」の死刑制度存置派がいるわが国ではますます絶望的か・・・・・・。

 最後に、袴田巌さんについての『BOX袴田事件 命とは』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/992be37bb74661549a9c7343d2143341http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9f1d0b1a666a16759c240cbeccd37e90) を漸く見た。フィクションとノンフィクションが混ざってはいるが、本当に恐ろしい中身。映画が出来て約4年。高橋伴明監督の大力作。

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http://www.magazine9.jp/article/hourouki/12282/

小石勝朗 「法浪記」第26回 
改めて、袴田事件の再審開始決定を受けてなすべきこと
2014年4月16日up

 目の前にいるのが本当にご本人なのか、にわかには信じられない気持ちだった。死刑判決が確定しながら身柄拘束48年目にして自由の身になった元プロボクサー・袴田巖さん(78歳)が、再審開始決定~即日釈放から18日ぶりに公の場に姿を見せた。4月14日に東京で開かれた日本弁護士連合会(日弁連)主催の報告集会である。

 袴田さんが即日釈放になるとは、弁護団も予想していなかった。袴田さんが無実であり、再審開始が必ずや認められると信じていた人たちでさえ、そうだった。これまで捜査機関や裁判所に、ことごとく主張を跳ね返されてきただけに、なおさらだった。だから、これが現実の出来事なのかどうか、いまだに実感が湧かないのだと思う。解放を心から喜びたい

 袴田さんの様子は後述するとして、この集会には受けとめるべき材料が多かった。

 率直に記すと集会の会場では、マスコミへのPRに過剰なまでに注力する主催者の姿勢と、マスコミの厚顔無恥な取材態度がどうにも胡散臭く感じられて、「誰に向けた集会なの?」とやや白ける部分もあった。ただ、日弁連は、袴田さんが最初の再審請求をした直後の1981年から継続して支援してきただけに、これから取り組むべきことについてもポイントをきちんと押さえていた。

 静岡地方裁判所(村山浩昭裁判長)の再審開始決定の内容については、前回の拙稿を読んでいただくとして、袴田さんの様子に大騒ぎしているだけのマスコミが報じない部分を報告しておきたい。

 最初の関心事は、再審請求の今後の動向だろう。ご存じの通り、検察は静岡地裁の再審開始決定を不服として、東京高等裁判所に即時抗告したからだ。

 袴田さん弁護団の小川秀世事務局長は強気だった。根拠に挙げたのは、再審開始決定が指摘した「捜査機関による証拠捏造の疑い」である。警察が捏造なんてするはずはないという「偏見」を打ち破り、事実と証拠を素直な目で見ることに加えて、捜査機関の行動を全体的に判断することによって導き出された「必然の結果」だからこそ、「決して動かないものになった」と評価した。

 小川弁護士によると、袴田さんの犯行着衣とされてきた「5点の衣類」には、そもそも犯行着衣である証拠は何もなかったそうだ。犯行現場の近くで発見されたことや血が付いていること、損傷があることなどだけで、犯行着衣と断定されてしまった。それが、再審請求審で実施された血痕のDNA鑑定で完全に否定されたわけで、高裁の即時抗告審に向けても「盤石だ」と、やや興奮気味に語っていた。

 一橋大大学院の葛野尋之教授(刑事法)は、やはり検察の即時抗告に批判的な立場から、もう少し冷静に見通しを分析していた。

 葛野教授によると、高裁の審理では少なくとも、5点の衣類に付着した血痕のDNA型が「袴田さんと一致する」という結果が示されない限り、5点の衣類が袴田さんの犯行着衣とした死刑判決の認定には合理的な疑いが残る。しかし現実的には、高裁でDNAの再鑑定をしたとしても、一致するという結果が得られる可能性は限りなく低い。だから、高裁は「再鑑定を実施しても意味がない」と判断するのではないか、と見立てていた。

 袴田さんの弁護団は3月31日、検察の即時抗告に対して「きわめて不当」との声明を出している。地裁の重い判断を無視して、いたずらに再審開始決定の確定を先延ばしさせるうえ、袴田さんに無用の負担を負わせることを理由に挙げ、「国家機関の不正義により作り出してしまった現状を全く顧みようとしていない」と強く批判した。4月10日には東京高裁に、検察の即時抗告を棄却するよう求める意見書を出している。

 袴田さんの年齢や体調を考えた時、一刻も早く再審を開始し、無罪判決を確定させるべきだろう。東京高裁の大島隆明判長は弁護団に「検察、弁護団双方の意見を聞きながら、速やかに審理を進める」と答えたという。訴訟指揮に期待したい。

 もう一つの大きなテーマは、冤罪を生んだ原因を究明し、同じ被害者を絶対に出さないための対策をしっかり取ることだ。前回の拙稿でも触れたが、「袴田さんが釈放されて良かった」で終わりにしてはいけない制度の改革が不可避である。

 集会で葛野教授は、取り調べの全過程の可視化、検察が持つ証拠の全面開示、DNA再鑑定の機会保障を求めていた。西嶋勝彦・弁護団長も、取り調べの全面可視化、証拠の全面開示、冤罪の原因を究明する公的な第三者機関の設置などを冤罪防止策として挙げた。

 袴田さんは逮捕直後、犯行を否認していたがゆえに、猛暑の中、1日平均12時間、日によっては午前2時まで16時間を超える長時間の取り調べを受けた。取調室に持ち込まれた便器で用を足すように指示されたり、暴行されたりもしたらしい。その結果、逮捕から20日目で「嘘の自白」に追い込まれる。こうした経緯を振り返れば、取り調べの可視化は冤罪の防止に欠かせまい

 今回の再審請求審では、静岡地裁の訴訟指揮で検察が持つ約600点の証拠が新たに開示され、再審開始決定の支えになった。例えば、5点の衣類のズボンはタグに記された「B」をもとに、もともと袴田さんがはけた大きなサイズが味噌に漬かって縮んだとされてきたが、実は「B」は色を示しており、ズボンはY体だったことが明らかになった。検察が自分たちに都合の悪い証拠を出さなくても良い仕組みになっているからこそ、袴田さんの冤罪を証明するのにこれほどの時間がかかったと言える。

 また、袴田さんを有罪にした証拠が否定された最大の要因が48年前の血痕のDNA鑑定だったことを振り返れば、どんなに昔の事件であっても後に再鑑定ができるように、試料の保存・適正管理をする仕組みも必要だろう。袴田事件の再審開始決定が出た4日後に、死刑執行後の再審請求が棄却された「飯塚事件」では、試料が使い切られていてDNA再鑑定ができなくなっている

 葛野、西嶋両氏は「死刑制度の再考」にも触れていた。「死刑事件でも捜査や裁判の誤りが現実にある」ことが明らかになってしまったわけだから、誤判が取り返しのつかないことになる死刑のあり方について、改めて議論する機会にするべきだろう。政府の世論調査(2009年)では85.6%が「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えていることは承知のうえで、では袴田さんのような事態が現実に起きていることに対する死刑存置論者の意見を聞きたい。

 最後に、袴田さん本人の様子に触れておこう。

 姉の秀子さん(81歳)とともに会場に入って来る時に、客席に向かってVサイン。やや猫背で、飄々と歩いて演壇へ。イスに座ってからも右手でVサインを繰り返し、やがて両手でVを掲げた。穏やかだが、フラッシュの放射を浴びても表情は変わらない。

 秀子さんの挨拶の途中でマイクを握ると、「西郷隆盛」「改革」「完全平和」「権力一本化」といった単語を織り交ぜて語るが、脈絡はない。秀子さんによると、「ピントが狂ったことを言うが、まともな時もある」そうだ。逮捕から48年近くに及ぶ身柄拘束による拘禁反応と認知症の影響である。秀子さんは「何年かかっても、せめて半分くらいは(もとの)自分に戻ってほしい」と願っていた。ぜひそうなってほしい。

 解放されてから袴田さんと面会した支援者が、集会の前に記者会見した。

 一緒に散歩をした日本プロボクシング協会事務局長の新田渉世さんは「ボクシングの会話がかみ合わずに、ちょっと残念でした」と話した。袴田さんは常に持ち歩いている紙袋にちり紙の束を入れていて、いろいろな物をきれいに拭くほか、念入りに手を洗ったり歯磨きをしたりしていたそうだ。病棟の外出届にはしっかりと自分の名前を書いていた。

 長年の支援者で3回面会した寺澤暢紘さんは「今も自分の世界に閉じこもったまま、まだ自由を実感していない」と印象を語り、その原因となった冤罪の問題性を強調した。「のんびりと自分のしたいことができる時間を確保でき、必要な時に支えてくれる人のいる場所で過ごしてほしい」と望む。現在は東京都内の病院にいるが、郷里の静岡県への転院を検討しているようだ。

 袴田さんの弁護団は、当面の生活費や医療費に充てるため「袴田救済ファンド」と名づけた基金を設け、募金を呼びかけている。無罪が確定すれば刑事補償を受けられるが、それまでには時間がかかりそうだからだ。

 それにしても国は、釈放すればあとは姉や弁護団、支援者に任せて知らんふりで良いのか。袴田さんの体調をここまで悪化させた原因は、すべて国家機関や警察にあるのだから、無罪確定前とはいえ可能な限りの支援策を講じるべきだろう。1人の人間の人生をめちゃめちゃにした側の、最低限の対応だと思う。

   (客席に向かってVサインをする袴田巖さん。右隣は姉の秀子さん。)
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●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示

2011年12月23日 00時00分46秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011121202000032.html)。もたもたと、腹立たしくてしょうがない。

 ようやく証拠の開示。初だ。あまりに理不尽ではないか。単なる冤罪ではない。味噌樽に仕込まれた、本人が履くこともできない服など、警察や検察に証拠が捏造された冤罪の疑いが濃い。それを正せなかった裁判所。一体どう責任を取るつもりか! 司法は、「スローな死刑」を待っているとしか思えない。司法関係者は、美談の男冤罪 袴田事件を裁いた元主任裁判官・熊本典道の秘密』を読んでくれ。
 袴田秀子さんによると、精神的にかなり問題が発生しているようだ。絶望感、毎朝が死刑に脅える恐怖で、まともな精神状態でいられるはずがない。しかも、作られた冤罪で・・・。

 asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/1222/TKY201112220265.html)によると、DNAは不一致だったという。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011121202000032.html

袴田事件 録音テープを開示
20111212 夕刊

 一九六六年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家四人が殺害された袴田事件の第二次再審請求で、静岡地検は十二日、静岡地裁の勧告を受け、袴田巌死刑囚(75)の取り調べを録音したテープや供述調書など百七十六点の証拠を、地裁で開かれた臨時の三者協議で新たに弁護団に開示した。

 弁護団は開示後に記者会見し、警察官が録音の承諾を求める部分などテープの一部を再生した。

 裁判所の勧告に基づく証拠開示は、同事件で初めて。福井の女子中学生殺害事件では、名古屋高裁金沢支部の勧告による証拠開示が再審開始につながったとされ、今回明らかになった証拠も、再審の可否をめぐる地裁の判断に影響を与える可能性がある。

 弁護団の西嶋勝彦団長は会見で「大きな前進」と評価。「証拠を基に論点を補充し一日も早く再審決定をしてもらえるようにしたい」と述べた。

 開示されたのは静岡県警が起訴後の六六年九月二十一日に取り調べ状況を録音したテープ一本と、起訴前後の同年七月四日~九月三十日に作成された供述調書など約三十通のほか、凶器とされた小刀に関する捜査報告書、血が付いているとされたパジャマの血液鑑定書など。

 地検はこれまで、弁護団が請求した捜査報告書など証拠の一部を開示したが、今回の証拠は「再審請求の内容に関連がない」と拒否していた。地裁は今月五日、全てを開示するよう勧告した。


取り調べ一部再生 小さな声「はい」 

 「今日はこれから、きみの話したことを録音しますが、承諾するかね」と質問する警察官。袴田死刑囚は小さい声で「はい、いいです」と答えた。弁護団が十二日、記者会見で再生した録音テープ。確定判決から三十一年、袴田死刑囚が取り調べに臨んだ際の肉声が初めて表に出た。

 「言いたくないことは言わなくていいし、嫌なら言わなくていい」と諭すように話し、録音していいか尋ねる取調官に、袴田死刑囚は「はい」と答えた。再生はされなかったが、この後に犯行を認める供述調書を読み上げたといい、弁護団は「自白の任意性を証明しようとしたのではないか」と録音の狙いを分析している。

 弁護団は開示された現場写真のネガも公開。小川秀世弁護士は「侵入方法の再現実験など、あるべき写真が欠けている警察がいかにいいかげんな捜査をしていたのか分かる」と興奮気味に話した。
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http://www.asahi.com/national/update/1222/TKY201112220265.html

20111222149
袴田事件、弁護側「DNA型不一致」 服の鑑定結果

 静岡県清水市(現静岡市清水区)で1966年にみそ会社専務一家4人を刺殺したなどとして死刑が確定した袴田巌(いわお)死刑囚(75)の第2次再審請求で22日、検察側と弁護側がそれぞれ推薦した鑑定人によるDNA型鑑定の結果が明らかになった。弁護団推薦の鑑定人による鑑定では、袴田死刑囚が犯行時に着ていたとされる「5点の衣類」に付いていた血痕と一致するDNA型は、被害者のものとみられる衣類からは検出できなかったとされた

 一方、検察側が推薦した鑑定人は「5点の衣類」の一つと、被害者のものとみられる衣類の一部から検出されたDNA型は「同一人に由来した可能性を排除できない」との結論を示しており、見解が分かれた。ただ、二つの鑑定とも被害者のものとみられる衣類から検出されたDNA型には血縁関係が認められるとした。

 鑑定結果は、静岡地裁(原田保孝裁判長)が同日、弁護団と静岡地検の双方に通知し、これを受けて弁護団が開示した。弁護団はこれまで「5点の衣類についた血痕は被害者のものではないから、袴田死刑囚がこの服を着て犯行に及んだと認定した確定判決は誤りだ」と主張。弁護側鑑定の結果はこの主張を補強する証拠になる可能性があるが、鑑定結果が異なることから、地裁は今後、鑑定方法などについて慎重に検証することになる。
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