不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●カネカネカネの五輪貴族「菅首相が中止を求めても開催される」「アルマゲドン(人類滅亡)が起きない限り、東京五輪は開催される」

2021年06月20日 00時00分57秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]


(2021年06月13日[日])
日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/完全にイカれた“ばかの祭典”東京五輪強行の責任の在りか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290098)。
リテラの記事【…囁かれる「五輪招致買収」との関係…竹田恒和前会長、森喜朗前会長、菅首相も疑惑に関与】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5912.html)。 

 《ニュージーランド保健省の新型コロナウイルス対策本部の顧問を務めるオタゴ大学のマイケル・ベーカー教授が、東京五輪開催は「ばかげている」「今五輪を開催することは命を失うことにつながる」と批判。その言葉に尽きる。…一番の問題はこの“ばかの祭典”を中止に追い込む力が弱すぎることである。…確実に言えるのは五輪強行により日本人が死んでも誰も責任を取らないことだ》。
 《■セガサミー会長が暴露した菅首相からの「買収工作資金」依頼 3〜4億を森会長の財団に振り込み… ■ロイターが森会長に疑惑をぶつけた直後、嘉納治五郎財団が活動を終了》。

 適菜収さん《これでも主権国家なのか? …連中の発言からは有色人種の国なら何をやっても許されるという傲慢さしか伝わってこない。これは人種差別の問題である》。
 《豚の卑しさ猿の哀れ》――《世界のメディアから「『最悪のタイミング』であり、日本と世界にとって『一大感染イベント』」》。カネカネカネのための金(カネ)色の五つの輪。

 しかも、《もし、里見会長に買収のための資金提供を依頼していたのが事実ならば、菅首相は官房長官という国の中枢の要職に就きながら五輪の招致を金で買うというとんでもない悪事に手を染めていたという、まさしく世界を揺るがす一大スキャンダルである》。《森前会長や竹田JOC前会長、招致委、電通、さらには菅首相の名が取り沙汰されてきた東京への五輪招致をめぐる買収疑惑》。《招致買収疑惑を闇に葬ることは許されない》。
 本間龍さん《中止になって「万歳」でなく、3兆6000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならないこれこそもっとも重要な問題です》。それに加えて、《招致買収疑惑》の追及が必要。

 斎藤貴男さん《スガ政権、東京はコロナウイルス実験のシャーレではない》。
 東京新聞の記事【コロナ水際対策に五輪の「大穴」 関係者1700人が隔離措置免除で入国 陽性のケースも】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/109210)によると、《政府は7日の参院決算委員会で、4~5月に入国した東京五輪・パラリンピック関係者の約85%にあたる約1700人が、新型コロナウイルスの水際対策として導入されている隔離措置を免除される「特例入国」で入国したと明らかにした。立憲民主党の福山哲郎幹事長は、特例入国した人の中には陽性と確認された人もいるなどとして対策の不備を指摘した。 ◆「なぜ五輪だけ緩和するのか」》。

   『●金(カネ)色の五つの輪の中止を! …《フタを開ければ、おぞましい
        ほどカネにまみれているのが五輪の実態なのだ》(金子勝さん)
   『●ボイコフ教授《新型コロナウイルスのパンデミックのさなか、聖火
     リレーは五輪の虚飾のため、公衆衛生を犠牲にする危険を冒している》
   『●《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと…中国に
     「証し」とやらのマウントを取られたくないド腐れ猿の哀れすぎる性》
   『●金(カネ)色の五つの輪、《中止になって「万歳」でなく、3兆
     6000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならない》
    《諸悪の根源はメディアがスポンサーになっていること
    《本間 諸悪の根源は、大手全国紙5社(朝日、毎日、読売、日経、
     産経)がすべてスポンサーになっていることだと思います。だから
     中止という論調が出てこない。最近はどの世論調査でも8割が
     オリンピック開催に反対しているのに、中止を求める社説は
     今のところどこの新聞も出していません。新聞が言わないので
     系列テレビも言わない。ワイドショーや報道番組でも、中止すべき
     という話が盛り上がりません。》

   『●《東京五輪、もはや「詰んだ」状況ではないのか》、メディアは分かって
        いるのに書けない…だって、金(カネ)色の五つの輪のスポンサー
   『●《神さま》気取りのアベ様にこんなお願いする気? ―――「国民主権
       縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限…緊急事態条項の創設」
   『●《一方、政官財マスコミの大利権で、北京より早く開催する国威発揚
      ・愛国イベントだけは、どれほどの犠牲を生もうと遂行する――》
   『●《豚の卑しさ...》…金(カネ)色の五つの輪利権をむさぼり、
     GoTo《勝負》を再開する気満々なカースーオジサンや自民党幹事長ら
   『●キングメーカー気取り? 重鎮ヅラ?? アベ様案件の一つでも真相
     解明し、責任をとったら? 《重鎮ヅラして政治活動する資格はない》
   『●武田砂鉄さん《「やりますとも。だって感動するでしょう。そしたら、
      政治に活用できるから」という現在を、認めてはいけない》、絶対に
   『●内閣官房参与は《過去には…書類送検された経歴もある》…《菅首相が
     任命拒否した学術会員候補6人の方が…社会的な信用性》は遥かにあり
   『●《病院側に「ベッドを減らしたらご褒美にお金をあげる」と持ちかけて
     病床を削減…言うまでもないが、その「ご褒美」の原資は我々の税金》
   『●《宮本亞門…「…誘致のための架空のものだった。悲惨な現実を見て
     『何ということに加担してしまったんだ』と罪悪感にさいなまれた」》
   『●ボイコフ教授《五輪がごり押しされるのは「主な理由は3つ。カネ、
     カネ、カネだ」…「そのカネのほとんどはアスリートではなく…」》
   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らとグローバル
         巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『●《「パソナ」の純利益が前年の10倍以上》―― カネカネカネの
     金(カネ)色の五つの輪に便乗して、アサマシき「なんでも金、金、金」…
   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らとグローバルと
         巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『●PCR検査抑制論者の皆さんの沈黙 ――「検査の能力あるんですか?
          仮にあるとして、じゃあ一般の感染者の検査どうするんですか?」

 一方で、《取材…監視体制を強化》? しつけられたニッポンの広報者はまだしも、海外の《取材》者は唯々諾々とそんなものに従うのか?
 東京新聞の記事【五輪組織委 報道関係者の管理強化、GPSを活用…開催可否への意見は出ず】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/109523)によると、《新型コロナウイルスの感染対策で、入国後14日間の隔離を免除して取材を認める代わりに、職員などによる監視体制を強化する。個々のスマートフォンに記録された、衛星利用測位システム(GPS)の位置情報も活用する》。

 《人柱》。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/危機感ない菅首相…野党党首会談で不信任案を協議へ】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202106100000077.html)によると、《★今回の党首討論で上質な論戦を期待した国民はいないだろう。それよりも野党各党がどう首相・菅義偉を責め上げるか一点に興味があった。そして首相はなぜ党首討論を受けたのか。コロナ禍ということもあり、ヤジなどの不規則発言もほとんどなく、静かに始まった党首討論だったが、それは討論になっていない低調な出来だったに他ならない。案の定、首相は官邸官僚に振り付けられたとおりに時間稼ぎのための「東京オリンピック(五輪)の思い出話」を延々と始めた。さすがに「答えてない」「長い」との声が野党サイドから飛んだが、首相の熱量のない発言にさすがに委員会室は白けムードに包まれた。 ★結局、首相はワクチン接種の順調さと、それさえ加速すれば、何事もうまくいくという国会答弁を繰り返し、新しい発言もなく「国民の命と健康を守るのは自分の責任で、それがオリンピック開催の前提条件である。その前提が崩れたら行わない」を広義に使い幅のある発言に見せかけたが、最後の5分間を与えられた共産党委員長・志位和夫が「国民に長期間の我慢を強いながら、五輪を開催することで、新たに亡くなる方が増える、などということはあってはならないし、そういう五輪は開催する意義はないと考える。なぜそこまでして開催するのか理由をお答えください」と問うと「国民の命と安全を守るのが私の責務ですから、そうでないとできない」となり、改めて「命をリスクにさらしてまでオリンピックを開催しなければならない理由は何か、端的に答えてほしい」と繰り返して問うたことに国民はどう感じただろうか》。

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ……

 開催権獲得した時の当時の首相・アベ様のはしゃぎっぷりが忘れられない…。
 【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/今さら「主催者じゃない」総理を辞めたほうがいいのでは?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/290374)によると、《一部の人間が、2週間のたかだかスポーツのお祭りのために、あたしたちの健康や命を担保に賭けをするなんてあってはならないことだ。そして、その危険な大勝負は、やってもやらなくても(海外のお客を入れられなくなったし)、あたしたちに莫大な損(開催費)を押し付けることになる。菅さんのいってることは、納得できない。一国の首相が東京五輪について決断を下せないというのは眉唾だし、そうであっても国民の安全を守るのが使命であったら、東京都やIOCに開催中止をすでに迫っているはずである。つまり菅首相は、国民にとって不条理な賭けに突っ込むその言い訳をしているに過ぎない。責任逃れってやつだ。総理辞めたほうがいいんじゃね?》

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290098

適菜収 作家
近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

それでもバカとは戦え
完全にイカれた“ばかの祭典”東京五輪強行の責任の在りか
公開日:2021/06/05 06:00 更新日:2021/06/05 06:00

     (だれが責任をとるのか(菅首相)/(C)日刊ゲンダイ)

 ニュージーランド保健省の新型コロナウイルス対策本部の顧問を務めるオタゴ大学のマイケル・ベーカー教授が、東京五輪開催は「ばかげている」「今五輪を開催することは命を失うことにつながる」と批判。その言葉に尽きる。

 国際オリンピック委員会(IOC)会長トーマス・バッハ「五輪の夢を実現するために、誰もがいくらかの犠牲を払わなければならない」、IOC調整委員会委員長ジョン・コーツ「五輪期間中に日本で緊急事態宣言が出されていても大会は開催する」、IOC元副会長で最古参委員のディック・パウンド菅首相が中止を求めても開催される」「アルマゲドン(人類滅亡)が起きない限り、東京五輪は開催される。いずれも「ばか」の一言で片付く話だ。

 一番の問題はこの“ばかの祭典”を中止に追い込む力が弱すぎることである。分科会の尾身茂会長は五輪強行によるインド変異株流行への影響について「リスクがあるのは当然」と発言。また人流により変異株の“東京五輪株”が発生する可能性も各方面から指摘されている。

 にもかかわらずIOCが五輪開催にこだわるのは放映権料など莫大な利権があるからだ。この先、IOC関係者だけで約3000人が来日することになっているが、バッハをはじめIOCや各競技団体の幹部には5つ星の最高級ホテルの“貴族生活”が約束されている。

 確実に言えるのは五輪強行により日本人が死んでも誰も責任を取らないことだ。選手が犠牲になってもおかまいなし。実際、IOCの最高執行責任者のラナ・ハダッドは、選手に対し、大会期間中に新型コロナに感染した場合も主催者は免責されるとの同意書に署名させる意向を明らかにしている。

 すべてが完全にイカれている。選手村では物理的な接触を避けるよう求める一方で、16万個のコンドームを配るとのこと。菅義偉は五輪を強行し、お祭りモードで選挙に突入することしか考えていないので、決定権はIOCにあると繰り返すばかり。これでも主権国家なのか?

 仮にドイツで五輪が開催されるとして国民の8割が反対していてもIOCは強行するのか。連中の発言からは有色人種の国なら何をやっても許されるという傲慢さしか伝わってこない。これは人種差別の問題である
=====================================================

=====================================================
https://lite-ra.com/2021/06/post-5912.html

JOC経理部長の飛び込み自殺で囁かれる「五輪招致買収」との関係…竹田恒和前会長、森喜朗前会長、菅首相も疑惑に関与
2021.06.07 07:50

     (日本オリンピック委員会公式HP)

 衝撃的な一報が飛び込んだ。本日9時20分ごろ、東京都品川区の都営浅草線中延駅で、日本オリンピック委員会(JOC)幹部である50代男性が電車に飛び込み、搬送先の病院で死亡が確認されたと報じられたからだ。電車の運転士は「男性がホームから線路に入ってきた」と話しており、警視庁は自殺とみているという。

 東京五輪の開催まで50日を切り、開催準備に追われる組織の幹部が電車に飛び込み──。それだけでもセンセーショナルだが、さらに衝撃だったのは、自殺したとみられるこの男性がJOCの経理部長だったということだ。

 詳しい経緯はわかっていないが、経理部長ということは、東京五輪に絡んだ金の流れを把握していると考えられる。そして、ここで思い起こさずにはいられないのは、JOCの竹田恒和・前会長による「招致買収」疑惑だろう。

 周知のように、東京五輪をめぐっては招致委員会が国際オリンピック委員会(IOC)の委員だったラミン・ディアク氏の息子であるパパマッサタ・ディアク氏が関係するシンガポールの会社「ブラック・タイディングズ社」(BT社)の口座に招致決定前後の2013年7月と10月の2回に分けて合計約2億3000万円を振り込んでいたことが判明したが、この不正疑惑についてのJOCの調査チームは2016年、「違法性はない」とする調査報告書を公表した。

 ところが、2019年1月にはフランス当局が招致の最高責任者だった竹田JOC会長を招致に絡む汚職にかかわった疑いがあるとして捜査を開始したことが明らかに。さらに2020年9月にはBT社の口座からパパマッサタ氏名義の口座や同氏の会社の口座に2013年8月〜14年1月までに約3700万円が送金されていたことが、国際調査報道ジャーナリスト連合などの取材によって判明した。

 パパマッサタ氏の父であるラミン・ディアク氏は五輪開催地の決定においてアフリカ票の取りまとめに影響力を持つ有力委員だった。そんなラミン氏の息子・パパマッサタ氏が深くかかわると見られるBT社の口座に対し、東京への招致が決定した2013年9月7日のIOC総会の前後におこなわれていた招致委からの約2億3000万円もの送金と、招致委からの送金の直後におこなわれていたBT社からパパマッサタ氏への送金──。しかも、国際調査報道ジャーナリスト連合やフランス当局の捜査資料からは、パパマッサタ氏が〈BT社を自身の財布同様に使っていた様子が明らか〉(毎日新聞2020年9月21日付)だという。

 このように東京招致を目的とした贈収賄疑惑はさらに濃厚になっており、フランス当局による捜査はいまも継続中だ。当然、JOCに対しては「再調査をおこなうべき」という指摘がなされてきたが、そうした金の流れの“事実”を知っていたかもしれない人物が、このタイミングで自ら命を絶ったのである。

 しかも、この招致買収疑惑については、さらに深い闇がある。というのも、このディアク親子への賄賂に、なんと菅義偉首相がかかわっていたという疑惑まであるからだ。


■セガサミー会長が暴露した菅首相からの「買収工作資金」依頼 3〜4億を森会長の財団に振り込み

 この問題を伝えたのは、「週刊新潮」(新潮社)2020年2月20日号。記事によると、五輪の東京開催が決まった2013年秋ごろ、セガサミーホールディングスの里見治会長が東京・新橋の高級料亭で開いた会合で、テレビ局や広告代理店の幹部を前に東京オリンピックは俺のおかげで獲れたんだ豪語し、こんな話をはじめたというのだ。

菅義偉官房長官から話があって、『アフリカ人を買収しなくてはいけない。4億~5億円の工作資金が必要だ。何とか用意してくれないか。これだけのお金が用意できるのは会長しかいないと頼まれた

 このとき、里見会長は「そんな大きな額の裏金を作って渡せるようなご時世じゃないよ」と返したが、菅官房長官は「嘉納治五郎財団というのがある。そこに振り込んでくれれば会長にご迷惑はかからない。この財団はブラックボックスになっているから足はつきません。国税も絶対に大丈夫です」と発言。この「嘉納治五郎財団」とは、森喜朗・組織委前会長が代表理事・会長を務める組織だ。

 この菅官房長官からの言葉を受け、里見会長は「俺が3億〜4億、知り合いの社長が1億円用意して財団に入れた」とし、「菅長官は、『これでアフリカ票を持ってこられます』と喜んでいたよ」と言うのだ。

 なんとも衝撃的な証言だが、しかもこれは“酒席でのホラ話”ではなかった。というのも、「週刊新潮」の取材に対し、セガサミー広報部は「当社よりスポーツの発展、振興を目的に一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センターへの寄付実績がございます」と嘉納治五郎財団への寄付の事実を認め、さらに「週刊新潮」2020年3月5日号では嘉納治五郎財団の決算報告書を独自入手し、2012年から13年にかけて2億円も寄付金収入が増えていることを確認。関係者は「その2億円は里見会長が寄付したものでしょう」と語っている。

 もし、里見会長に買収のための資金提供を依頼していたのが事実ならば、菅首相は官房長官という国の中枢の要職に就きながら五輪の招致を金で買うというとんでもない悪事に手を染めていたという、まさしく世界を揺るがす一大スキャンダルである。


■ロイターが森会長に疑惑をぶつけた直後、嘉納治五郎財団が活動を終了

 しかも、この嘉納治五郎財団をめぐっては、さらなる疑惑がある。2020年3月、ロイター通信は組織委の理事である高橋治之・電通顧問が招致委から約8億9000万円相当の資金を受け取り、IOC委員らにロビー活動をおこなっていたと報じたが、その際、嘉納治五郎財団にも招致委から約1億4500万円が支払われていたと報道。つまり、この嘉納治五郎財団を介して買収工作がおこなわれた可能性があるのだ。ちなみに、菅首相は昨年12月15日、高橋理事と会食をおこなっている。

 嘉納治五郎財団をめぐる疑惑については、昨年11月にトーマス・バッハIOC会長の来日時におこなわれた記者会見で、ロイターの記者が直接、当時の森会長に「これは何のために使ったのか」とぶつけたのだが、森会長は「私は実際の経理や金の出し入れというのは直接担当しておらず、おっしゃったようなことがどこまでが正しいのか承知していない」などと返答していた。

 だが、この直後の昨年12月末、嘉納治五郎財団は活動を終了。ロイターの報道では、東京都の担当者も「(同財団の)活動が終了することについては説明を受けていないし、知らなかった」と答えているように密かに活動終了していたわけだが、これはロイター記者に直接追及され、疑惑の深堀りを恐れ慌てて畳んだのではないかと見られていた。

 このように、森前会長や竹田JOC前会長、招致委、電通、さらには菅首相の名が取り沙汰されてきた東京への五輪招致をめぐる買収疑惑。そして、東京五輪が開催され成功すれば無視されるであろうこうした疑惑も、中止となれば追及がおこなわれる可能性もある。

 そうしたなかで、こうした一大疑惑を知り得る立場にあったかもしれない人物が自殺をしたのである。

 これまでも、政界をめぐるさまざまな疑獄が起きるたびに、秘書や金庫番と呼ばれる人物が自殺を遂げ、「とかげのしっぽ切り」と訝しむ声があがってきた。

 今回、自殺した経理部長がどこまで事実を知り得る立場にいたのかはわからないが、いずれにしても、招致買収疑惑を闇に葬ることは許されない。フランス当局だけに任せるのではなく、日本のマスコミが独自に徹底した追及をすべきだろう。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●<金口木舌>《年齢で他者を差別をする人も老いる。矛先はいずれ発した側に向かう》…「エイジズム」に陥ることなく批判すべきは批判を

2021年02月14日 00時00分34秒 | Weblog

(2021年02月01日[月])
【<金口木舌>「老害」の拡散に思う】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1264409.html)。

 《▼年齢で人を決めつけていいものか。「老害」という文字を見る度に心が波立つ。年齢で他者を差別をする人も老いる。矛先はいずれ発した側に向かう》。

   『●キャッシュレス…アベ様の《庶民ぶりっ子にだまされていた日には、
                  私たちは奴隷そのものにされてしまう》
   『●『俺たちはどう生きるか』(大竹まこと著)読了…
      《みんなが協力し、かばいあい、ヨタヨタと時間が過ぎた》

 コラムの前半の《違和感》について、親族その他や自身での経験から、感じることの多い昨今。
 さて、コラムの後半。「エイジズム」に陥ることなく、批判すべきは批判したいもの。

 東京新聞の記事【辞任表明の森喜朗会長「説明責任なってない」 報道を批判、会見には出席せず】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/85618)によると、《東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は12日、評議員と理事による合同懇談会に出席し、冒頭で辞任を表明したものの、懇談会後の会見には出席しなかった。会見では記者から「説明責任がなっていない」と批判の声が上がった。森氏は、公開された会議の冒頭で10分あまり発言した。この中で「私の不適切な発言が原因で大変混乱した。今日を持ちまして会長を辞任します」と辞任の表明した。一方で女性蔑視発言をめぐっては、「意図的な報道があり、女性蔑視だと言われた」と報道を批判し、「老害」と言われて「極めて不愉快と怒りをにじませた》そうです。
 さらに、同紙の記事【【全文】森喜朗会長が辞任表明、女性蔑視発言は「解釈の仕方」「意図的な報道あった」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/85567)によると、《◆老害「きわめて不愉快」 したがって、だれかが老害、老害と言いましたけれども、年寄りが下がれというのはどうもいい言葉じゃないんで、子どもたちに対するいろんな言葉がございますけれども、老人もやっぱりちゃんと日本の国のために、世界のために頑張ってきているわけですから、老人が悪いかのような表現をされることも、きわめて不愉快な話であります》…どうそうです。
 シンキロウ サメ脳氏・森喜朗氏が東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会会長を辞任しました。自身の差別発言による辞任を、ご本人は、偏った、一部を切り取った「老人イジメ」的報道等により辞任するのだ、と思っておられるかもしれない。それは誤解で、世界中に拡散された御自身の醜悪さを、シンキロウ氏の個人の資質上の醜悪さを、ブログ主は「老醜」「老害」「老残」という言葉で批判しています。〝箕部幹事長〟も同様。《老人もやっぱりちゃんと日本の国のために、世界のために頑張ってきている》方々はたくさんいます。でも、シンキロウ サメ脳氏や〝箕部幹事長〟はそうではないと言っているのです。

   『●〝腰ぬけ〟で結構、害悪老人よりは!!
    「「戦争の体験があるぼくたちはこのままじゃ死ねない」というのは、
     戦争をしないと気が済まないのでしょうね。いや、
     腰ぬけ小皇帝ですから、自らあるいは身内が行くのではなく、
     若者を戦争に行かせないと気が済まないということでしょう。
     あるいは、ベトナム戦争の際に石川文洋さんに咎められなかったら
     大砲の引き金を引いていたように、安全地帯に居て、罪なき民衆を
     殺すためのミサイルのスイッチを押すような卑怯者でしょう。
     哀しい精神構造です。城山三郎さん・佐橋滋さん・中山素平さん・
     石田禮助さんらの反戦派の気骨ある〝老人〟たちに学ぶ能力の無い、
     哀しい老害人です。エイジズムに加担する気はありません。
     でも、この都知事は「ババア」発言に見られるようなエイジズムの権化
     ですし、差別主義者ミーイズムの塊ですからね」

   『●「憲政史上初となる珍事」: 〝日本〟vs〝日本〟
   『●『自民党の終焉』読了(4/4)
   『●3.5期の空白都政と都知事選候補達
   『●あぁぁ、〝箕部幹事長〟はブーメランも理解できな程の老醜…《事の
     発端》をお忘れか? ―――《二階の年末の「8人ステーキ会食」》
    「「エイジズム」の意図は全くないのだが、政治家個人として
     醜悪であり、「老害」「老残」だ」

 筑紫哲也さんが(玉木正之氏か誰かとの論争で)「エイジズム」「老害」について書いておられた、と思い、探してみたが見つからなかった。このWeb頁(http://www4.plala.or.jp/coolmint/Column/col_page/column_rougai.html)から、一部引用させていただきます。《その一方で、昨今では、「エイジズム(ageism)」という造語まで生まれている。英語で人種差別を「レイシズム(racism)」、性差別を「セクシズム(sexism)」と言うが、これらのエイジ(age)版とでもいった表現で、世代差別を意味する。以前、某局のニュース番組で、筑紫哲也氏がこの「エイジズム」という言葉を用いて、老害について取り上げたことがあった。氏は、現代社会を「エイジズムの社会」と明言すると同時に、「老害」が高じて「老人差別」となりかねない点に言及し、警鐘を鳴らした。確かに氏の言うように、近年、何かと世代で線引きする傾向はより顕著になり、年寄りを汚物扱いする者も増えてきている。モラルの低下は目を覆うばかりだ。年寄りは人生の先達として、尊敬すべきは尊敬し、見習うべきは見習わねばならないのだが、核家族化の進行とともに年寄りと一緒に生活することが珍しくなった今日では、もはや当然のことが当然のようにできなくなってしまっている。「子供叱るな来た道じゃ、年寄り笑うな行く道じゃ」と言うが、今こそ、思い返すべき時だろう。いずれ自分も年寄りになるそのことを忘れて、年寄りを軽んずるようでは、日本の将来は暗い》。

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1264409.html

<金口木舌>「老害」の拡散に思う
2021年1月30日 06:00
金口木舌 高齢者ケア エイジズム 年齢差別 小倉智明

 「ごっくんと、うまく飲めたかな」。病室内のカーテン越しに看護師の声が聞こえてきた。同室の80代女性に薬を飲んだかどうかを尋ねている。ケアは細やかだが幼い子どもに接するような話し方に違和感があった

▼看護師は当方には丁寧語、女性には幼児語を使った。弱い存在だから、守らなければという親切心からの話し方としても、ばかにされたと感じる人はいるだろう。デイサービスでも、職員が幼児語で高齢者に話す場面をときどき見掛けた

▼親しい同士なら、いわゆる「ため口」でいいのかもしれない。見下す気持ちがあるなら年齢に基づく差別や偏見につながる。「エイジズム」という年齢差別の概念で、米国の精神科医のロバート・バトラーが唱えた

▼高齢に伴い身体の衰える人もいれば、活力のある人もいる。晩年のピカソのように創造性を発揮する人も。高齢だからと安直にひとくくりにできない

▼ネットのSNS上で「老害」という言葉を使った高齢者批判が散見される。エイジズムの一つである。朝の情報番組「とくダネ!」の看板司会者、小倉智昭さんが番組降板を決めた。辞める理由の一つに「老害じゃないか」と書かれたネット上の批判を挙げている

▼年齢で人を決めつけていいものか。「老害」という文字を見る度に心が波立つ。年齢で他者を差別をする人も老いる。矛先はいずれ発した側に向かう。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》

2021年02月12日 00時00分32秒 | Weblog

(2021年01月24日[日])
山口正紀さんの、レイバーネットのコラム【冤罪に加担したメディアの責任も問い直したい〜「袴田事件」再審、高裁に審理差し戻し】(http://www.labornetjp.org/news/2021/0111yama)。

 《新型コロナの感染爆発、緊急事態・再宣言と気の重い年末年始、うれしい報せが12月23日に飛び込んできた。袴田事件再審の高裁決定取り消しだ。1966年に静岡県清水市(現・静岡市清水区)の一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巖さん(84歳)が再審を求める袴田事件。その第2次再審請求審で、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は再審開始を認めなかった東京高裁決定を取り消し、審理を高裁に差し戻す決定(12月22日付)を出した。事件発生から半世紀を超え、死刑確定から40年、「これ以上、拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」と述べた静岡地裁の再審開始決定(2014年3月)からも6年9か月、東京高裁は審理を引き延ばすことなく、1日も早く再審開始を決断すべきだ。《袴田さん再審開始へ光/喜ぶ姉「何よりうれしい」》 ―24日付『朝日新聞』社会面トップの見出しだ。(山口正紀)》。

 検察という《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》…《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに無罪を! 《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響…暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》。
 《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。静岡地裁の裁判官たちも例外ではなかっただろう。タテマエは「起訴状一本主義」で裁判開始まで予断を持たないとされているが、実際には裁判官の多くが事件記事をよく読んでいるという》…山口正紀さんの仰るように《冤罪に加担したメディアの責任》も重大。そして、山口さんが以前仰っていた様に、《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》。

   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
      袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
               「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」
    《ルビン・カーターさんが二十日亡くなった。七十六歳…
     デンゼル・ワシントン主演の映画「ザ・ハリケーン」のモデル
     といえば、思い出すだろうか▼一九六六年六月、
     米ニュージャージー州のバーで三人が殺された。現場近くを車で
     走っていたカーターさんが逮捕された。無実を訴えたが、
     有罪の評決が下り、八五年に釈放されるまで十九年間服役した。
     冤罪事件の背景には人種差別もあった袴田事件も同じ年同じ六月
     だった。同じ元ボクサー。獄中にあった袴田巌さん(78)は
     境遇の似たカーターさんが釈放された時、手紙を書いたという。
     「万歳万歳と叫びたい」。カーターさんの返事は
     「決してあきらめてはならない」だった》

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
   『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
      チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
           耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」 
     弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
    《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
     1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
     袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
     “新証拠”を提出した》

   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
     《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》
   『● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの
          袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》
   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました
    「袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん」

   『●映画『BOX 袴田事件 命とは』で熊本典道さん役…《「法廷では
     裁判官自身も裁かれている」。自分で自分を裁こうとした日々…》
   『●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響
     …暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》

=====================================================
http://www.labornetjp.org/news/2021/0111yama

山口正紀のコラム : 冤罪に加担したメディアの責任も問い直したい/「袴田事件」再審、高裁に審理差し戻し

山口正紀の「言いたいことは山ほどある」第9回(2021/1/11 不定期コラム)
冤罪に加担したメディアの責任も問い直したい〜「袴田事件」再審、高裁に審理差し戻し


     (*袴田巖さん(YouTubeより))

 新型コロナの感染爆発、緊急事態・再宣言と気の重い年末年始、うれしい報せが12月23日に飛び込んできた。袴田事件再審の高裁決定取り消しだ。1966年に静岡県清水市(現・静岡市清水区)の一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巖さん(84歳)が再審を求める袴田事件。その第2次再審請求審で、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は再審開始を認めなかった東京高裁決定を取り消し、審理を高裁に差し戻す決定(12月22日付)を出した。事件発生から半世紀を超え、死刑確定から40年、「これ以上、拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」と述べた静岡地裁の再審開始決定(2014年3月)からも6年9か月、東京高裁は審理を引き延ばすことなく、1日も早く再審開始を決断すべきだ

 《袴田さん再審開始へ光/喜ぶ姉「何よりうれしい」》

――24日付『朝日新聞』社会面トップの見出しだ。紙面の中央に「記者会見で笑顔を見せる袴田秀子さん」の写真が大きく掲載され、「年なんて全然気にしていない。(来年)わたしは88歳、巖は85歳ですか。確かに高齢者ですが、がんばって参ります」と秀子さん。弟の無実を信じ、その冤罪を晴らす闘いに人生を捧げて半世紀余、まさに「不屈の高齢者」のまぶしい笑顔だ

 事件は1966年6月30日未明に発生、みそ会社専務宅が全焼し、一家4人の他殺体が見つかった。静岡県警は8月、住み込み従業員の元プロボクサー袴田巖さんを逮捕。袴田さんは連日10数時間に及ぶ苛酷な取調べで「犯行を自白させられた。公判では無実を主張したが、静岡地裁は68年に死刑判決を言い渡し、80年に最高裁で死刑が確定した。

 袴田さんは81年に第1次再審請求を申し立てたが、94年に静岡地裁が請求棄却、2008年3月に最高裁が弁護側の特別抗告を棄却した。翌4月、直ちに第2次再審請求を申し立て、14年3月に静岡地裁がようやく再審開始を決定。袴田さんは48年ぶりに釈放され、「死刑の恐怖」から解放された。しかし、検察が決定に即時抗告したため再審は開始されなかった。東京高裁は即時抗告審に4年もかけた末に18年6月、再審開始決定を取り消し、弁護側が特別抗告して最高裁で審理が続いていた。

 この第2次再審請求審の争点は、事件の1年2か月後、みそ会社のタンクから見つかったとされる「5点の衣類」の血痕。検察は「5点の衣類」を袴田さんの「犯行時の着衣」と主張してきたが、静岡地裁は衣類に付着した血痕のDNA型鑑定の結果から、「血痕は袴田さんや被害者のものではない可能性がある」として14年、再審開始を決定した。ところが東京高裁は、このDNA型鑑定を「確立した手法と言えず、信用性は乏しい」と否定し、地裁決定を取り消した。

 今回の最高裁決定も、DNA型鑑定の証拠価値を否定した。しかし、最高裁は問題の衣類がみそに1年以上も漬かっていたとされながら血痕に赤みがあったこと、弁護団の実験では、みそ漬けにすると血痕は約1か月後に黒褐色になり、赤みが消えたこと(メイラード反応の影響)に注目、「高裁決定は血痕の変色に関する専門的知見について、審理が尽くされていない」として、審理を高裁に差し戻した。

 この決定で注目すべきは、裁判官5人が全員一致で高裁決定の取り消しに賛成し、しかもそのうちの2人が「検察の即時抗告を棄却して直ちに再審開始すべきだ」として、審理の差し戻しには反対、「直ちに再審開始をすべき」との意見を述べたことだ。

 「確定判決は衣類が1年以上タンクに漬けられたことが前提になっており、実験の報告書は確定判決に合理的な疑いを生じさせる新証拠と考えられる。メイラード反応の審理のためだけに差し戻す多数意見には反対せざるを得ない」(林景一宇賀克也裁判官)

 再審に関する最高裁決定で、反対意見がついたのは極めて異例だ。袴田さんが今年3月で85歳を迎えることを思うと、これ以上審理を引き延ばすことは許されない、との思いも伝わってくる。東京高裁は、直ちに審理を始め、再審開始決定を確定させるべきだ。

 それ以上に、もっと早く再審を開始する方法がある。検察が地裁決定に対する即時抗告を取り下げることだ。そうすれば、再審開始決定は直ちに確定する。最高裁決定、とりわけ2人の裁判官の「即時再審開始」意見を踏まえれば、それが本来「公益の代表者」である検察当局の取るべき、まっとうな対応ではないか。

 にもかかわらず、最高検は最高裁決定について「主張が認められず誠に遺憾」との刑事部長コメントを発表した。安倍晋三・前首相のさまざまな疑惑(モリ・カケ・サクラ)には平気でふたをする一方、警察・検察が延々と繰り返してきた冤罪=権力犯罪にはシラを切り続ける。この国の検察には、「正義」どころか「公益」の概念すら存在しない


●無罪心証で死刑判決を書いた熊本典道さんの無念

 もし2014年の地裁決定で再審が始まり、再審無罪が出ていたら、どれほど喜んだだろうか、と思う人がいる。袴田事件の裁判で1968年、一審・静岡地裁の裁判官として意に反する死刑判決を書いた熊本典道さんだ。それがきっかけで裁判官を辞めた熊本さんは約40年後の2007年、「無罪心証で書いた死刑判決について告白し、袴田さんに謝罪した

 1日も早い再審開始を待ち望んでいた熊本さんだが、今回の最高裁決定が出る約6週間前(11月11日)、福岡市内の病院で亡くなられた。83歳だった。

 熊本さんは07年1月、袴田さんの支援団体宛てに「無罪判決を起案したが、他の2人の裁判官の反対で死刑判決を書かざるを得なかった」旨の手紙を書き、袴田さんを支援する集会などで苦しい思いを訴えた。私はそんな集会で熊本さんのお話をうかがった。

 熊本さんは事件発生から5か月後の1966年11月、静岡地裁に赴任し、12月の第2回公判から事件を担当した。供述調書などの記録を読むと、袴田さんの取調べは1日平均12時間、長い日は16時間にも及んでおり、まず自白の任意性に疑問を持ったそうだ。そうして証拠を分析すればするほど、検察側の主張について疑問が増えて行ったという。

 ①小さなクリ小刀1本で4人を殺害できるか②逃走経路とされた裏木戸は留め金がかかっていた③盗んだとされる金額より現場に残った金額の方が多く、犯行動機があいまい④犯行着衣が「パジャマ」から1年後、「5点の衣類」に変更されたのも不自然……。

 判決文の起案を担当した熊本さんは無罪判決を書いた。だが、裁判長ら他の2人は有罪を主張した。「合議」の結果、2対1の多数決で有罪。熊本さんは無罪の判決文を捨て、有罪、しかも死刑判決に書き直すことを余儀なくされた

 それでも熊本さんは出来得る限りの抵抗を試みた。袴田さんの45通の供述調書は1通を除き、証拠採用しなかった。そのうえで、「捜査官は被告人から自白を得ようと、極めて長時間にわたり被告人を取調べ、自白の獲得に汲々として、物的証拠に関する捜査を怠った」「このような捜査は、真実の発見はむろん、適正手続きの保障の見地からも厳しく批判されるべき」と判決文に「付言」した。高裁の裁判官が一審判決の矛盾に気づき、判決を見直してほしい、との思いからだったという。

 「無罪心証の死刑判決」(1969年9月)から半年後、熊本さんは裁判官を辞し、弁護士になった。だが、高裁、最高裁に託した熊本さんの思いは届かなかった。上級審の裁判官たちは熊本さんが「付言」に託した思い気づくことはなく、死刑判決は覆らなかった

 やがて熊本さんは自責の念から自暴自棄となった。酒浸りの生活で家族も離散、弁護士活動もままならなくなり、遂には自殺を考えるほど追いつめられていった……。

 07年、元担当裁判官として再審を求めた「熊本告白」は大きな反響を呼んだ。熊本さんの話で、特に私が心を動かされたのが、袴田事件におけるメディアの役割だ。熊本さんは、他の2人の裁判官が有罪心証を変えようとしなかった原因の一つとしてマスコミの犯人視報道の影響」を挙げた。その話を聞いた後、私は袴田事件支援者の協力を得て、当時の新聞報道(全国紙3紙の静岡県版と静岡新聞)を詳細にチェックした。

 事件発生から数日の間、各紙の報道は「複数犯・外部犯行・怨恨説」だった。例えば、1人で小刀だけで短時間に4人を制圧し、殺害できるのか、との疑問。裏木戸には留め金がかかっている一方、玄関のガラス戸は開いていたこと。遺体は最大15カ所も刺されるなどの惨殺。その一方、現金、宝石などは手つかずのままだったこと――。

 それが、袴田さんの事情聴取と家宅捜索が行われた7月4日以降、「単独犯・内部犯行・物盗り説」に一変する。警察が袴田さんの部屋から小さな血痕らしきもののついたパジャマを押収すると、4日付『毎日新聞』夕刊は、《従業員H浮かぶ/血染めのシャツを発見》という記事を掲載、「右手に切り傷」「アリバイなし」「金に困っていた元プロボクサー」などと報道した。以後、各紙が袴田さんを標的にした犯人視報道合戦に転じた。

 8月18日の逮捕後は、袴田さんを犯人と決めつけた報道が繰り広げられた。『毎日』は、《袴田を連行、本格取り調べ/不敵な薄笑い》《ジキルとハイドの袴田》《袴田ついに自供/ねばりの捜査/69日ぶり解決》などと連日、犯人断定報道を展開し、各紙が追随した。

 読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた静岡地裁の裁判官たちも例外ではなかっただろう。タテマエは「起訴状一本主義」で裁判開始まで予断を持たないとされているが、実際には裁判官の多くが事件記事をよく読んでいるいう。

 ただ、熊本さんは例外だった。熊本さんが静岡地裁に赴任したのは、事件発生から約5か月後の66年11月。第2回公判から裁判に加わった袴田さんは、犯人視報道に汚染されず、虚心坦懐に調書を読み、証拠を調べて無罪の心証を形成したのだ。

 袴田事件は、代用監獄長期勾留死刑制度、再審制度など日本の刑事司法が抱える重大な問題の全てを孕んだ事件だが、マスメディアの報道のあり方についても大きな課題を突きつけている今なお続く犯人視報道、人権侵害報道――この事件で、袴田さんと同じく、人生を大きく狂わされた熊本さんが私たちに遺した大きな宿題だ。(了)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●袴田巌さんに無罪を…《死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響…暗黒の日々の長さを思わざるをえない…夜は終わったわけではない》

2021年01月15日 00時00分16秒 | Weblog

 (2020年12月27日[日])
NHKの記事【袴田事件 再審認めない決定取り消す 高裁に差し戻し 最高裁】(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201223/k10012779771000.html)。

 《今回、最高裁が東京高裁の決定を取り消したため、6年前の静岡地裁の決定に基づいて、釈放された状態が続くことになります》。

 《袴田巖さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…こんな残酷なことがあっていいのか?
 東京新聞の記事【袴田事件 最高裁が再審を認めなかった高裁決定を取り消し 裁判官2人は「再審開始すべき」と反対意見】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/76173)によると、《裁判のやり直しを認めなかった東京高裁決定を取り消し、審理を差し戻す決定をした。弁護団が「無罪とすべき新証拠として提出したDNA型鑑定信用性を否定した一方、犯行時の着衣とされた「5点の衣類」に付着した血痕の変色状況について疑問が解消されていないと指摘。高裁で改めて審理を尽くすべきだと結論付けた…第2次再審請求では、静岡地裁が2014年に再審開始を認め、併せて死刑と拘置の執行を停止した。高裁も執行停止は維持し、袴田さんは現在釈放されている。結論が確定するまで、再収監はされない見通し》。

 酷過ぎる…。袴田巌さんにすぐさま無罪を。
 西日本新聞の【社説/袴田事件の再審 いたずらに引き延ばすな】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/676745/)によると、《裁判をやり直す再審の道を維持したことは評価できる。それでも「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の大原則に照らせば、何とももどかしい決定と言わざるを得ない。…再審開始の可否に決着をつけるものではなく、袴田さんの再審請求はさらに長期化する。仮に再審が始まっても判決までにはさらに時間が必要だろう。袴田さんの年齢を考えれば、あまりに酷というほかはない》。
 東京新聞のコラム【筆洗/<目とじても片隅に咲く月見草>。劇作家寺山修司が「誰か月見…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/76527?rct=hissen)によると、《▼その袴田さんに再審の可能性をもたらす最高裁の決定である。決定を知らされた袴田さんは、「こんなもの来るはずない」と話したという▼死と隣り合わせの生活が心にもたらした影響は、地裁の再審開始決定で六年前に釈放された後も残っているようだ。暗黒の日々の長さを思わざるをえない▼最高裁は、再審開始を認めなかった高裁の決定を取り消した。事件の一年以上も後に見つかり、有罪の最大の根拠となった衣類。血痕の変色などについて審理が尽くされていないとし、高裁に再検討を求めた▼疑わしきは被告人の利益は原則だろう。寺山が「打たれ強いボクサー」であったと記した袴田さんも八十四歳である。夜は終わったわけではない急がなければなるまい。》

 《今回の決定について、元刑事裁判官の門野博弁護士は、「…高裁でまた時間をかけて審理するのではなく、直ちに再審を認めて、やり直しの裁判の中で議論させるという判断をしてもよかったのではないか」と話しています》。それでも時間をかけ過ぎです。さっさと、(無理なことは承知ですが)無罪判決を出すべきではないのか? とことろで、《元刑事裁判官の門野博弁護士》 ――― 「とうとう、奥西勝死刑囚が亡くなった。警察や検察、裁判所は「触らぬ神にたたりなし、ということなのか」?、訴えることが出来なくなるのを待った司法の残酷さ!、を痛切に感じる。のろのろと「死」を待っている様にしか見えない。特に、裁判所の酷さ。当時の《名古屋高裁刑事第2部(門野博裁判長)》、《名古屋高裁刑事第2部(下山保男裁判長)》、《名古屋高裁刑事一部(石山容示(ようじ)裁判長)》、《最高裁第1小法廷(櫻井龍子裁判長)》ら。《冤罪と同じほど罪深い司法の自殺的行為》」…。名張ぶどう酒事件で、再審開始決定を取り消したのが門野博元裁判長。「のろのろと「死」を待っている様にしか見えない」司法の一人だ。

   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
      袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
               「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」
    《ルビン・カーターさんが二十日亡くなった。七十六歳…
     デンゼル・ワシントン主演の映画「ザ・ハリケーン」のモデル
     といえば、思い出すだろうか▼一九六六年六月、
     米ニュージャージー州のバーで三人が殺された。現場近くを車で
     走っていたカーターさんが逮捕された。無実を訴えたが、
     有罪の評決が下り、八五年に釈放されるまで十九年間服役した。
     冤罪事件の背景には人種差別もあった袴田事件も同じ年同じ六月
     だった。同じ元ボクサー。獄中にあった袴田巌さん(78)は
     境遇の似たカーターさんが釈放された時、手紙を書いたという。
     「万歳万歳と叫びたい」。カーターさんの返事は
     「決してあきらめてはならない」だった》

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
   『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
      チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
           耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」 
     弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
    《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
     1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
     袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
     “新証拠”を提出した》

   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
     《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》
   『● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの
          袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》
   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました
    「袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん」

   『●映画『BOX 袴田事件 命とは』で熊本典道さん役…《「法廷では
     裁判官自身も裁かれている」。自分で自分を裁こうとした日々…》

=====================================================
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201223/k10012779771000.html

袴田事件 再審認めない決定取り消す 高裁に差し戻し 最高裁
2020年12月23日 16時57分

 昭和41年に静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌さんについて、最高裁判所は、再審・裁判のやり直しを認めなかった東京高等裁判所の決定を取り消し、高裁で再び審理するよう命じる決定をしました。

 袴田巌さん(84)は、昭和41年に今の静岡市清水区でみそ製造会社の役員の一家4人が殺害された事件で、死刑が確定しましたが、無実を訴えて再審を申し立てています。

 平成26年に静岡地方裁判所が、事件の1年余り後に会社のみそのタンクから見つかった犯人のものとされる衣類の血痕のDNA型が袴田さんのものとは一致しなかったという鑑定結果などをもとに再審を認める決定をした一方、おととし、東京高等裁判所は「DNA鑑定の信用性は乏しい」として再審を認めず、弁護団が特別抗告していました。

 最高裁判所第3小法廷の林道晴裁判長は、衣類の血痕のDNA鑑定について「衣類は40年以上、多くの人に触れられる機会があり、血液のDNAが残っていたとしても極めて微量で、性質が変化したり、劣化したりしている可能性が高い。鑑定には非常に困難な状況で証拠価値があるとはいえない」として、弁護側の主張を退けました

 一方で、衣類に付いた血痕の色の変化について「1年余りみそに漬け込まれた血痕に赤みが残る可能性があるのか、化学反応の影響に関する専門的な知見に基づいて審理が尽くされていない」として、23日までに再審を認めなかった東京高裁の決定を取り消し、高裁で再び審理するよう命じる決定をしました。

 一方、決定では、5人の裁判官が、3対2で意見が分かれています。

 2人の裁判官は反対意見の中で、DNA鑑定などを新証拠と認め、血痕が袴田さんのものではないという重大な疑いが生じているとして、再審を認めるべきだとしています。

 再審を求める特別抗告で裁判官の意見が割れるのは異例です。

 袴田さんは、静岡地裁で再審が認められた際に釈放されていて、今回の決定後も釈放された状態が続きます。


裁判官2人が「再審開始すべき」

 5人の裁判官のうち、林景一裁判官と宇賀克也裁判官の2人が、「再審を開始すべきだ」とする反対意見を述べました。

 反対意見ではまず、犯人のものとされる衣類に付いた血痕のDNA鑑定について、「鑑定技術の進展によって細胞が数個分あればDNAの検出は十分に可能だとされていて、鑑定の信用性を否定すべきとは思わない。犯人のものとされるシャツに付いた血痕と袴田さんのDNA型が違い、血痕は袴田さんのものではないという重大な疑いが生じる」と指摘しています。

 また、みそのタンクから見つかった衣類に赤い血痕が付いていたことについて、「みそ漬けを再現した実験では、1か月で血痕の赤みは全くなくなり、1年2か月後にはさらに黒くなって血液が付いたことすら分からない状態になっている。袴田さんが逮捕される前にみそのタンクに衣類を隠したとすれば、1年以上、漬けられていたことになるが、実験の結果は、この点に合理的な疑いを生じさせる証拠で、袴田さんが衣類を隠したことにも合理的な疑いが生じる。犯行直後ではなく、衣類の発見直前に袴田さん以外の第三者に隠された可能性が生じる」と指摘しています。

 そのうえで、DNA鑑定と、みそ漬けの再現実験の報告書はいずれも新証拠として認められると判断して再審を開始すべきだとして、高裁に審理のやり直しを命じることについて「化学反応の影響を審理するためだけに、時間をかけることには反対せざるをえない」と述べています。

 再審を求める特別抗告で裁判官の意見が割れるのは異例です。


最高検察庁刑事部長「内容精査し適切に対処」

 最高検察庁の齋藤隆博刑事部長は「検察官の主張が認められなかったことは誠に遺憾だ。決定の内容を精査し、適切に対処したい」というコメントを発表しました。


袴田巌さん「言うことはない 終わったんだ」

 袴田巌さんと姉のひで子さん(87)は、23日午後6時すぎ、浜松市の自宅で取材に応じました。

 巌さんは「言うことはない。終わったんだ、分かりきっている」などと話していました。

 ひで子さんは、巌さんに「おめでとう」と声をかけたうえで、「なんとなく表情が明るい。やっぱり分かっていると思う」と話しました。

 自宅には、知人などから電話が相次いでいて、ひで子さんは、最高裁判所から届いた書類を手に取って、主文を読み上げるなどして、笑顔で報告をしていました。

 ひで子さんは「とにかく前進してくれないと困るのでうれしい。年内に最高裁の決定が出ると思わなかったので、クリスマスプレゼントになった」と話していました。


死刑確定も釈放続く

 袴田巌さんは、刑事手続き上は死刑が確定していますが、釈放された異例の状況が当面、続きます。

 6年前、静岡地裁で再審が認められた際に刑の執行と拘置が停止されて、東京拘置所から釈放されました。

 おととしの東京高裁の決定では、再審は認められませんでしたが、「年齢や生活状況、健康状態などを考えると、再審についての決定が確定する前に、釈放を取り消すべきとは言いがたい」として釈放は取り消されず、浜松市内で家族とともに生活を続けています。

 今回、最高裁が東京高裁の決定を取り消したため、6年前の静岡地裁の決定に基づいて、釈放された状態が続くことになります。


弁護団「主張が正しく理解された」

 最高裁判所の決定を受けて袴田巌さんの弁護団が静岡市内で記者会見を開きました。

 この中で、弁護団の事務局長を務める小川秀世弁護士は「非常にうれしい決定だ。われわれの主張が正しく理解されたと思っている。論点がはっきりしたので再審開始という結論に持って行くことができるのではないかと大いに期待している」と述べました。

 一方、別の弁護士は、今後の審理について、「最高裁判所の指摘があった衣類の血痕の色の変化について、専門的に研究している人はいないので、具体的に裏付けるような資料や意見を集めることができるかどうか、弁護団にとっても高裁にとっても大きな課題になる」と話しました。


プロボクシング関係者は

 長年にわたって袴田さんの支援活動をしてきた日本プロボクシング協会の新田渉世事務局長は「心強い決定だ。裁判官の意見がわかれたことで長引く懸念があるが、大きな一歩だと思う」と話していました。

 また、プロボクシングを統括するJBC=日本ボクシングコミッションの安河内剛本部事務局長は「私たちとしては、一刻も早く真相が解明されることを祈っている」と話していました。


元刑事裁判官「再審を認めてもよかったのでは」

 今回の決定について、元刑事裁判官の門野博弁護士は、「『再審を開始すべきだ』という反対意見もあり、最高裁判所の裁判官の間でかなり時間をかけて議論が交わされたことがうかがえ、それだけ多くの謎が残されている難しい事件だということが表れている。最高裁の決定の中で、みそに漬かった衣類の色の変化についてさらに精査が必要だと判断したのであれば、差し戻しによって高裁でまた時間をかけて審理するのではなく、直ちに再審を認めて、やり直しの裁判の中で議論させるという判断をしてもよかったのではないか」と話しています。


これまでの経緯

 「袴田事件」は、有罪か無罪かが50年余りにわたって争われ続けています

 昭和41年6月、今の静岡市清水区で、みそ製造会社の専務の家が全焼し、焼け跡から一家4人が遺体で見つかりました。その年の8月に会社の従業員だった元プロボクサーの袴田巌さんが、強盗殺人などの疑いで逮捕されました。

 当初は無実を訴えましたが、19日後に取り調べでいったんは自白し、裁判では再び無実を主張して争いました。

 事件から1年余りがたち、裁判が始まった後で、みそ製造会社のタンクから血の付いたシャツなど、犯人のものとされる5点の衣類が見つかりました。昭和43年9月、静岡地方裁判所は、自白した時に作られた45通の調書のうち44通は捜査官に強要された疑いがあるとして、証拠として認めませんでしたが、衣類を有罪の証拠だとして死刑を言い渡しました。

 2審の東京高等裁判所と最高裁判所でも無罪の主張は退けられ、昭和55年に死刑が確定しました。翌年、弁護団は再審・裁判のやり直しを求めました。

 弁護団は、事件の直後の捜索でタンクから衣類が見つからなかったことや、衣類のサイズが合わないことなど不自然な点があるうえ、自白も強要されたものだと主張しましたが、静岡地裁で退けられました。

 東京高裁では衣類に付着した血痕のDNA鑑定が行われましたが、劣化が激しかったことからこの時は「鑑定不能」とされ、申し立てが退けられました。

 その後、平成20年に最高裁でも退けられ、27年に及んだ1度目の再審の申し立ては認められませんでした。2度目の申し立てで、静岡地裁は、5点の衣類のDNA鑑定を再び行うことを決めました。

 その結果、弁護側の専門家が「シャツの血痕のDNAの型は袴田さんと一致しない」と結論づけたことなどから、平成26年に再審・裁判のやり直しを認める決定を出しました。

 「捜査機関が重要な証拠をねつ造した疑いがある」と、当時の捜査を厳しく批判し、釈放も認める異例の決定でした

 東京高裁では、弁護側の専門家が行ったDNA鑑定の手法が科学的に信頼できるかどうかが争われました。おととし6月、東京高裁は「DNA鑑定の手法の科学的原理や有用性には深刻な疑問が存在している」として、地裁とは逆に、衣類は袴田さんのものだと考えて不合理な点はないという判断を示し、再審を認めませんでした。

 一方で、地裁で認められた釈放については「本人の年齢や生活状況、健康状態などに照らすと、再審についての決定が確定する前に釈放を取り消すのが相当とは言い難い」として、取り消しませんでした。

 弁護団は高裁の決定を不服として最高裁判所に特別抗告。最高裁の決定が注目されていました。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●映画『BOX 袴田事件 命とは』で熊本典道さん役…《「法廷では裁判官自身も裁かれている」。自分で自分を裁こうとした日々…》

2021年01月14日 00時00分43秒 | Weblog

(2020年12月13日[日])
西日本新聞のコラム【春秋/袴田事件の元裁判官・熊本典道さん死去】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/670907/)。

 《▼2010年公開の映画「BOX 袴田事件 命とは」で熊本さん役は言う。「法廷では裁判官自身も裁かれている」。自分で自分を裁こうとした日々を想像する》。

   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
      袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
               「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」
    《ルビン・カーターさんが二十日亡くなった。七十六歳…
     デンゼル・ワシントン主演の映画「ザ・ハリケーン」のモデル
     といえば、思い出すだろうか▼一九六六年六月、
     米ニュージャージー州のバーで三人が殺された。現場近くを車で
     走っていたカーターさんが逮捕された。無実を訴えたが、
     有罪の評決が下り、八五年に釈放されるまで十九年間服役した。
     冤罪事件の背景には人種差別もあった袴田事件も同じ年同じ六月
     だった。同じ元ボクサー。獄中にあった袴田巌さん(78)は
     境遇の似たカーターさんが釈放された時、手紙を書いたという。
     「万歳万歳と叫びたい」。カーターさんの返事は
     「決してあきらめてはならない」だった》

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
   『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
      チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
           耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」 
     弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
    《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
     1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
     袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
     “新証拠”を提出した》

   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
     《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》
    「関連して…青木理さん。ローマ法王来日に関して、もう一つの
     注目点は「死刑制度」。明日のミサに袴田巌さんを呼ばれている
     らしい。事実上の廃止も含めて国連加盟国の7割…死刑廃止が
     世界の潮流。存置派は、先進国でアメリカの一部の州とニッポンのみ。
     昨年も13人のオウム幹部を死刑…。死刑制度を考えるきっかけに」

   『● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの
          袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》
   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました
    「袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん」

 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巌さんと《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」と明かした元裁判官熊本典道さん》、そして、袴田秀子さんと。

 免田栄さんについて、清水潔さんの4つのつぶやき:

--- - --- -- --- -- --- - --- -- --- -- - ---
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1335954617075519489

清水 潔@NOSUKE0607

確定死刑囚から一転し無罪となった免田栄さん。83年の釈放直後から何度か取材をさせてもらった。免田さんは逮捕時に木の伐採の仕事をしていた。その現場に2人で行ってみたことがある。すると彼が伐採した後に植林された杉が天に向かって延びていた。それは獄中にいた34年の間に育った大木だ。(続)

午後11:29 2020年12月7日
--- - --- -- --- -- --- - --- -- --- -- - ---
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1335954909091360769

清水 潔@NOSUKE0607

その木を見上げた免田さんは深いため息をついた。自身の失われた人生を見るような表情で。私は何回もカメラのシャッターを切った。34年の獄中生活で、その間いつ死刑が執行されるかわからないという恐怖。結果から見れば、それは国家の手による殺人行為になるところだったのだ。(続)

午後11:30 2020年12月7日
--- - --- -- --- -- --- - --- -- --- -- - ---
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1335955382737354752

清水 潔@NOSUKE0607

一方、死刑が確定したのになぜ34年もの長い間それを執行しなかったのか? それは検事が死刑執行起案書を書かなかったからだろう。無実を訴え、何度も再審請求を続ける人、証拠は脆弱。それを知っていた検事たちは執行が恐ろしかったのではないか。そんな免田さんを当局はそのまま放置したのだ。(続)

午後11:32 2020年12月7日
--- - --- -- --- -- --- - --- -- --- -- - ---
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1335956580056006656

清水 潔@NOSUKE0607

免田さんは、釈放されてから亡くなるまで37年間生きた。34年の拘置所生活より少しだけ長く娑婆で生きることができた。それは氏にとってせめてもの救いになっただろうか。国家による殺人を自力でひっくり返し、天寿を全うした免田さんの冥福を祈りたいと思う。

午後11:37 2020年12月7日
--- - --- -- --- -- --- - --- -- --- -- - ---

 西日本新聞の記事【免田栄さん死去、95歳 死刑囚で初の再審無罪】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/670852/)によると、《1948年に熊本県人吉市で一家4人が殺傷された「免田事件」で死刑が確定し、死刑囚として初めて再審無罪となった免田栄(めんだ・さかえ)さんが5日午前、老衰のため福岡県大牟田市の高齢者施設で死去した。95歳。熊本県免田町(現あさぎり町)出身》…免田さんは、2020年12月5日にお亡くなりになったそうだ。
 《それを知っていた検事たちは執行が恐ろしかったのではないか。そんな免田さんを当局はそのまま放置したのだ》《免田さんは、釈放されてから亡くなるまで37年間生きた。34年の拘置所生活より少しだけ長く娑婆で生きることができた》《国家による殺人を自力でひっくり返し、天寿を全うした免田さん》。
 一方、急ぐ様に死刑にされた飯塚事件久間三千年(くまみちとし)さん。袴田巌さんは《いまも、死刑囚のまま》だ…。

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の
       再鑑定で死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●「飯塚事件」「福岡事件」「大崎事件」
       ……に係わる弁護士たちで『九州再審弁護連絡会』発足

   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
       侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●《首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代…
              こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだ》?

=====================================================
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/670907/

春秋
袴田事件の元裁判官・熊本典道さん死去
2020/12/6 10:40

 元裁判官の熊本典道さんが先月病気で死去した。83歳だった。2007年にメディアに大きく取り上げられた

▼1968年に主任裁判官として書いた「袴田事件」(静岡県、一家4人殺害)の一審死刑判決について「無罪の心証を持ち判決文を準備したが、合議により」と告白した時のことだ。最高裁は評議の秘密をと批判した。世論は「裁判官の良心」と拍手した

▼佐賀県出身、九州大卒。<司法試験トップ合格。判決の翌年に自責の念から退官し、民事の弁護士になって年収1億円の年もあった>が、過去の重さからか<酒におぼれ、家族を失い…>(尾形誠規著「袴田事件を裁いた男」朝日文庫)。自殺も考えた時期を経て告白に至る

▼2010年公開の映画「BOX 袴田事件 命とは」で熊本さん役は言う。「法廷では裁判官自身も裁かれている」。自分で自分を裁こうとした日々を想像する

▼告白後は袴田巌さん(1980年に死刑判決確定)の再審請求を支援してきた。14年に再審開始決定が出され、釈放された袴田さんと18年に面会を果たした。福岡市内で病床にあった元裁判官は、じっと見つめ、「巌…」と声を絞り出した

▼その数カ月後に再審開始決定は高裁で取り消され、今は最高裁に特別抗告中。熊本さんは亡くなる1週間前に袴田さんの姉秀子さんの見舞いを受けている。「しっかりしなきゃ」と言われた。最期まで一緒に闘った
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●(琉球新報社説)《「ウチナーンチュ(沖縄人)だって人間じゃないのか」。コザ騒動の現場で人々が叫んだ言葉は今も変わらない》

2021年01月09日 00時00分31秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]


(2020年12月22日[火])
沖縄タイムスの【社説[コザ騒動50年]「不条理」への怒り今も】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/681199)。
琉球新報の【<社説>「コザ騒動」50年 今も理不尽な現実続く】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1243957.html)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>変わらぬ不条理】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1244403.html)。
永田健特別論説委員による、西日本新聞のコラム【一線を守った「暴動」】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/675181/)。

 《「アメリカーを許すな」「事故をうやむやにするな」。殺気立った群衆が口々に叫び、米軍車両を手当たり次第ひっくり返し火を放っていく。怒号が飛び交う深夜の街のそこここで車両が炎上した。1970年12月20日未明に基地の街コザ市(現沖縄市)で起きた「コザ騒動」からきょうで50年になる》。
 《「コザ騒動」から50年を迎える。交通事故処理をきっかけに数千人の住民が米憲兵や外国人の車両を次々焼き払った。先導者がいたわけではない。自然発生だった。住民の直接抵抗は米国の沖縄統治の破綻を象徴していた。米国はやがて沖縄の施政権を返還するが、日本政府合意の下で基地の自由使用は手放さなかった》。
 《速度超過の車がふらつきながら走行し、歩いていた54歳の女性をひいて電柱に激突した。女性は「アンマー(お母さん)」と叫び、搬送中に亡くなった。1970年9月に糸満町(現在の糸満市)であった女性れき殺事件だ ▼近所の男性が8年前、本紙に証言している。飲酒運転の米兵は無罪となり、同年12月のコザ騒動の引き金になった。他にも米軍関係の事件・事故が相次ぎ、十分に裁かれない不条理は騒動の参加者に共有されていた》。
 《1970年といえば、日本では「万博の年」である。国民が高度成長の夢に浮かれていた時代だった。沖縄にとっての1970年は「コザ暴動」の年だ。日本復帰前の沖縄で、統治者である米軍の横暴に対する住民の怒りが爆発。大きな暴動に発展した》。

 玉城デニー知事は、《1970年に起きた米軍施設への焼き打ち事件「コザ騒動」》後、《72年に沖縄が日本に返還された時、「これでやっと日本人になれる本気で思い、もう米国の言いなりにならないで済む、というおぼろげな期待がありました》と。
 琉球新報《「ウチナーンチュ(沖縄人)だって人間じゃないのか」。コザ騒動の現場で人々が叫んだ言葉は今も変わらない》《50年前と今の県民の思いにどれだけの違いがあるだろうか。「ばかやろう、この沖縄人の涙を分かるのか」》。50年経って、何か変わったのだろうか? 番犬様は、相変わらず、やりたい放題。沖縄イジメや破壊「損」の辺野古・美ら海破壊の張本人が、いまや、首相だ。《不条理》《理不尽な現実は今も続く》。《沖縄の忍耐に甘え続けている》。「本土」の《日本人が何を犠牲にして繁栄を手にしてきたのか》?

   『●《思いやり予算日本要請…必死に米軍を引き留めつつ、沖縄に負担を
     押し付け続ける日本政府の手法はかつての植民地主義をほうふつさせる》
   『●《埋め立てに使う土砂を、沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部から
      採取することが新たに盛り込まれた…「戦没者に対する冒とくです」》
   『●《戦争で亡くなった人の血や肉が染みこんだ土や石を、新たな軍事基地
      建設に使用するのは人間のやることじゃない》…《人柱》でいいのか?
   『●《1995年9月4日…あれから25年…沖縄の「負担軽減」といい
     ながら、日本政府は事件が起こった沖縄島北部東海岸に新たな基地…》
   『●沖縄イジメ、辺野古は破壊「損」の張本人が元最低の官房長官。
     そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシをやろうとしているオジサン

 琉球新報の記事【カメラマンや元米兵…コザ騒動の背景を世界の視点で考える オンラインセミナー】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1244884.html)によると、《コザ市(現沖縄市)で50年前に発生したコザ騒動について理解を深めようと、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校は20日、オンラインセミナー「コザ騒動を世界の視点で」を開催した。現場となった沖縄市と世界各地をつなぎ、約250人が参加した。写真家の国吉和夫さんが撮影した写真などを通して当時の様子を振り返り、騒動の背景を人種差別や植民地主義などの問題と照らして考察した。セミナーは研究チーム「オキナワ・メモリーズ・イニシアティブ」のプロジェクトの一環で実施した。国吉さんのほか、沖縄駐留経験がある退役米兵、県系米国人などが発言した。それぞれの視点から当時の沖縄の置かれた状況を語った。退役米兵のスタン・ラッシュワースさんは1963年8月から約2年間、沖縄に滞在した。当時の軍隊内部の人種差別や、人種間の対立について語った。第2次世界大戦後の、米国の植民地主義の問題も指摘した。「米国による、世界規模の植民地主義の一端が沖縄だった」と振り返った。国吉さんは基地問題に翻弄(ほんろう)された沖縄戦後史を振り返り、長年の抑圧に抵抗したコザ騒動について「伝えないと風化してしまう」と継承の大切さを強調した》。

   『●石牟礼道子さん亡くなる…「戦後日本の裏面… 
      日本人が何を犠牲にして繁栄を手にしてきたのか」?

    《石牟礼道子さん、伊佐千尋さんが相次いで他界した。2人とも沖縄を
     題材とした著作を残した…▼沖縄で少年期を過ごした伊佐さんは敗戦
     から2年後、米軍の通訳として伊江島に渡った。地上戦の最中、住民が
     自ら命を絶ったことを知る。「誰が好んで死ぬのか。死にたくて
     死んだんじゃないという住民の悲痛な声を聞いた
     ▼民を虐げる為政者に厳しい目を向けた。米兵殺傷事件の裁判で陪審員
     となった体験に基づく作品「逆転」は78年の第9回大宅賞受賞作。
     コザ騒動を描いた「炎上」も米統治下の人権侵害に迫った
     ▼石牟礼さん、伊佐さんの作品は、戦後日本の裏面で呻吟(しんぎん)
     する人々に光を当てた。日本人が何を犠牲にして繁栄を手にしてきた
     のか、私たちに問い掛けている》

   『●「#美ら海の色の候補者」…「辺野古に普天間の代わりの
         新基地をつくるという根本的な理由」が存在しない
    《特に記憶に残っているのが1970年に起きた米軍施設への
     焼き打ち事件「コザ騒動」で、あれは土曜の夜から日曜の朝に
     かけてのことでした。現場を見に行ったら、車はひっくり返されて
     焼けただれ、オイルやタイヤの焦げたにおいが漂っていた。
     嘉手納基地ゲート前で起こった暴動ですから、本当に戦争じゃないか
     と思いましたね。非常に衝撃的でした。
     …あの時は沖縄は日本ではなかったんですね。米国が治めている
     と学校で習っていたので、ウチナーンチュが何か言っても、最後は
     米国が決めるからしょうがないかなという空気がありました。
     ところが、72年に沖縄が日本に返還された時、
     「これでやっと日本人になれる本気で思い、もう米国の言いなりに
     ならないで済む、というおぼろげな期待がありました》

=====================================================
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/681199

社説[コザ騒動50年]「不条理」への怒り今も
2020年12月20日 08:17

 「アメリカーを許すな」「事故をうやむやにするな」。殺気立った群衆が口々に叫び、米軍車両を手当たり次第ひっくり返し火を放っていく。怒号が飛び交う深夜の街のそこここで車両が炎上した。

 1970年12月20日未明に基地の街コザ市(現沖縄市)で起きた「コザ騒動」からきょうで50年になる。

 米兵の車両が住民をはねた人身事故が発端となり、80台以上の車の焼き打ちへと拡大した。米国の資料によると関わったのは数百人、取り巻いていた住民らは数千人から1万人に上った。

 群衆からは「糸満の事故の二の舞いを繰り返すな」との声も上がった。糸満町(当時)で3カ月前、酒に酔い速度超過の運転で女性をひいて死亡させた米兵に対し、軍法会議は「証拠不十分」として無罪を言い渡したばかりだった。

 5月には下校中の女子高校生が米兵にナイフで複数箇所刺される事件も起きた。

 前年には米軍知花弾薬庫(現嘉手納弾薬庫)で毒ガスのサリンが漏れる事故が起き、毒ガス撤去を求める闘いが続いていた。

 当時の沖縄は、全てにおいて米軍が優先される事実上の軍事植民地だった。米軍人・軍属による事件は65年以降、69年まで毎年千件を超えた沖縄の人々の命が軽んじられ、人としての尊厳が踏みにじられる事件が頻発していた。

 鬱(うっ)(せき)していた沖縄の怒りに火がつき、住民が起こした自然発生的な行動、軍事支配に向けられた抗議の意志、それがコザ騒動だ。

■    ■

 2年後に沖縄は復帰した。だが、米軍の地位は日米安保や地位協定によって引き続き保障されている日本の捜査権や裁判権は地位協定で制約され、県が繰り返し求める抜本的な見直しは実現していない

 宜野湾市の緑ヶ丘保育園の屋根に米軍ヘリの部品が落下した3年前の事故は、地位協定が壁となって解明できなかった

 今も在日米軍専用施設面積の7割が沖縄に集中する。県民は軍用機の墜落や部品落下の危険にさらされ、激しい騒音に悩まされ続けている。

 稲嶺恵一元知事は在任中、基地に対する県民感情をマグマにたとえ「一度、穴が開くと大きく噴出する」と指摘した。

 コザ騒動から半世紀たってもなお、基地があるゆえの不条理に苦しめられている沖縄のマグマは足元にたまったままだ

■    ■

 日本政府は沖縄の民意に背を向け、名護市辺野古への新基地建設へとひたすら突き進んでいる

 「辺野古が唯一」と固執した安倍晋三前首相は「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げていた。しかし基地の島であることを強いられている沖縄は、戦後レジームそのものだ

 コザ騒動から50年、復帰から48年もたつのに、政府は沖縄に横たわる問題を解決できない当事者能力を欠いている。沖縄の怒りの声に改めて耳を傾けるべきだ。
=====================================================

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1243957.html

<社説>「コザ騒動」50年 今も理不尽な現実続く
2020年12月19日 06:01

 「コザ騒動」から50年を迎える。交通事故処理をきっかけに数千人の住民が米憲兵や外国人の車両を次々焼き払った。先導者がいたわけではない。自然発生だった。

 住民の直接抵抗は米国の沖縄統治の破綻を象徴していた。米国はやがて沖縄の施政権を返還するが、日本政府合意の下で基地の自由使用は手放さなかった

 理不尽な現実は今も続く。日本政府は民意を無視して米軍のために辺野古新基地建設を強行している。騒動で示された怒りの爆発は、過去の出来事ではない。

 米国統治下の沖縄は、すべてが軍事優先で住民の安全、人権はないがしろにされた。米軍人・軍属による犯罪は、ベトナム戦争がエスカレートする1960年代半ばに年間千件を超えている

 しかし、琉球警察は、米軍人・軍属を逮捕できないし、沖縄側に裁判権もなかった。立法院は、捜査権・逮捕権・裁判権の沖縄への移管を求め続けたが無視された

 そしてコザ騒動の3カ月前、主婦をひき殺した米兵が上級軍法会議で無罪になった。怒りは頂点に達した。

 米軍には沖縄住民が「おとなしく従順」という固定観念があった。このため沖縄住民が我慢の限界を超えたとき、騒動という形で物理的破壊を伴う怒りを爆発させることなど予期していない。

 騒動から4日後、衆院議員の瀬長亀次郎氏は国会で質問に立った。現場で拾った焼けただれた車両のバンパーを手に「アメリカに対する県民の決起、これはほんとに怒りが爆発したものである。この怒りの強さは鉄をも溶かす強さだ」と訴えている。

 沖縄を統治する最高責任者ランパート高等弁務官は、駐日米国大使館に「都合のよくない時代の始まり」と報告。統治の限界を自ら認めている。その上で「日本政府による施政権行使が開始され、日米地位協定が効力を発揮するまで続く」と指摘した。

 日米地位協定は、米軍が日本に駐留するための取り決めだ。日本の国内法が適用されず罪を犯した米兵の身柄すら確保できない。米軍機の墜落や不時着事故が民間地域で発生しても、日本の警察による初動捜査は阻止される。米兵犯罪で重大事件以外は裁判権を放棄する密約も明らかになっている。

 日本復帰の後、沖縄に地位協定が適用された。この不平等条約が効力を発揮することによって、米国統治下と錯覚するような軍事優先の環境に置かれることになる。しかも対米従属に終始する日本政府は、地位協定を抜本的に改定する努力を怠ってきた

 復帰後、米軍による事件・事故がどれほど繰り返され、真相究明が地位協定の壁にどれだけ阻まれただろう。

 「ウチナーンチュ(沖縄人)だって人間じゃないのか」。コザ騒動の現場で人々が叫んだ言葉は今も変わらない
=====================================================

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1244403.html

<金口木舌>変わらぬ不条理
2020年12月20日 06:00


 速度超過の車がふらつきながら走行し、歩いていた54歳の女性をひいて電柱に激突した。女性は「アンマー(お母さん)」と叫び、搬送中に亡くなった。1970年9月に糸満町(現在の糸満市)であった女性れき殺事件だ

▼近所の男性が8年前、本紙に証言している。飲酒運転の米兵は無罪となり、同年12月のコザ騒動の引き金になった。他にも米軍関係の事件・事故が相次ぎ、十分に裁かれない不条理は騒動の参加者に共有されていた

▼コザ騒動で放火などの罪に問われた4人は有罪となったが、執行猶予が付いた。一審の判決文は糸満の事件にも触れて「犯行に加担するに至った心情は理解するに難くない」と書いている

▼弁護団は米統治下の圧政に苦しむ人々による「抵抗権の行使」だとして無罪を求めた。沖縄の人々の願いは基本的人権の尊重を明記した日本国憲法の下への復帰だった

▼だが復帰後も基地は残り、米軍関連の事件・事故は続く辺野古新基地建設は民意に反して止まらない。嘉手納、普天間の両爆音訴訟は騒音被害への賠償は認められるが、原因行為である米軍機の飛行差し止めは退けられる

50年前と今の県民の思いにどれだけの違いがあるだろうか。「ばかやろう、この沖縄人の涙を分かるのか」。ラジオ沖縄が騒動に加わった人々の言葉を記録している。現在の不条理をも照らす叫びだ。
=====================================================

=====================================================
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/675181/

一線を守った「暴動」
2020/12/20 11:00
西日本新聞 オピニオン面 永田 健

 1970年といえば、日本では「万博の年」である。国民が高度成長の夢に浮かれていた時代だった。

 沖縄にとっての1970年は「コザ暴動」の年だ。日本復帰前の沖縄で、統治者である米軍の横暴に対する住民の怒りが爆発。大きな暴動に発展した。

 今からちょうど50年前のこの出来事を振り返る。

   ◇    ◇

 当時の沖縄では、米兵による飲酒事故や強盗、レイプ事件が頻発。それが米軍の軍事裁判でまともに処罰されないという事態が日常化していた。同年9月にも糸満で飲酒運転の米兵が主婦をはね死亡させたが、軍事法廷が言い渡した判決は何と無罪。沖縄住民の忍耐は限界に達していた。

 12月20日の未明、コザ市(現沖縄市)で米兵の運転する車が人身事故を起こした。目撃した群衆は駆けつけたMP(軍警察)と米兵を取り囲んだ。これにMPが威嚇発砲をした。

 群衆は反発し、MPの車や米国人ナンバーの車を次々とひっくり返し火を付けた。怒りの矛先を向けられ袋だたきにされた米兵も多かった。一部の集団は基地に押しかけ、武装した米兵との間でにらみ合いになった。騒動は同日朝まで続き、米国人車両約80台、基地の事務所などが焼かれた。

 一夜明けても、コザの目抜き通りには裏返しになった多くの車がくすぶっていた。従順と思っていた沖縄住民が暴力で反抗したことに米軍は衝撃を受けた。

   ◇    ◇

 ただ興味深いのは、暴動の規模が大きく、多くの米国人が襲われたにもかかわらず、死者はゼロ、米側には深刻な重傷者も出ていないとされることだ。混乱に乗じた略奪もなかった。

 住民は「たっくるせー(やっちまえ)!」「(占領)25年の恨みを晴らせ!」と叫んだが、攻撃の方法は運転者のいない車両への放火にほぼ集中していた。

 地元紙・琉球新報の記者だった岡田輝雄さん(80)は自らの体験や現場に出た同僚記者の証言を基に、コザ暴動の経緯を「沖縄記者物語 1970」(ペンネーム与並岳生・新星出版)という本にまとめている。

 その記録によれば、騒動の最中、ある青年がブロックを頭上に掲げ、倒れている米兵の頭に振り下ろそうとした。そばにいた青年がとっさに「それだけはやめろ」と叫んで止めたという。あわやという場面はいくつもあったが、群衆は血だらけになった米兵たちを「それぐらいでいい」と逃がしたらしい。

   ◇    ◇

 「米軍の人権無視の支配には怒っていたが、米兵個人を憎んでいたわけではなかったから」と岡田さんは当時の思いを説明する。

 本土の反応はどうだったか。当時の新聞の社説は「沖縄米軍の深い反省を望む(読売)」「人権思想不在の在沖米軍(日経)」と、沖縄の人々に同情的だ。

 怒りと興奮の渦の中でも、人間としての一線を守った沖縄住民に、私はある種の矜持(きょうじ)を見て取る。

 それから50年。日本復帰から48年が経過した今でも、日本国内の米軍専用施設の約7割が沖縄に集中したままだ。駐留米軍による事件事故も後を絶たない。日本政府は、米軍に特権的な立場を保障する日米地位協定の改定を米国に要求することすらしていない。沖縄の忍耐に甘え続けている。 (特別論説委員・永田健
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ》

2020年11月28日 00時00分43秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/CNNジョーンズの涙の意味を知ろう】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202011100000097.html)。

 《★さてジョーンズはバイデン当選を喜ぶというよりトランプの終焉(しゅうえん)に対して「多くの人にとって良い1日」とし、トランプ時代に自分の子どもたちがどれほど恐怖を感じおびえてきたか、白人優越主義者や人種差別主義者が武装し、また罪のないアフリカ系アメリカ人やヒスパニックを脅したり、警官が無実の人を傷つけてきたこと、レイシズムファシズムがいかに全米を覆いつくしていたかに思いを募らせたのだ》。

 コラムの〆、《自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ》。一方、《分断という内戦》はニッポンではまだ続いている。7年8カ月にも及ぶアベ様の地獄のような政、それを全て《継承》する陰湿・悪質・強権化した大惨事アベ様政権の違法・違憲オジサン、スカスカオジサン。いつまで《分断という内戦》は続くのか…。

   『●《不安定な労働を拡大させた張本人》学商・竹中平蔵氏…「世界は
     これから数年、痛い目を見たあと、社会の分断解消に向けた議論が…」
   『●沖縄イジメも《継承》… 大惨事アベ様《政権も沖縄の民意を無視
     する体制…それどころか、「アメとムチ」の政策が一層多用される懸念》
   『●同感…《「安倍政権7年8カ月の功罪」…考えてみると、ぼくに
     とっては「罪」ばっかりで「功」はちっとも浮かばない》(鈴木耕さん)
    《そして、なによりも国民の分断!
      これが、安倍政権が残したいちばんひどい“レガシー”》

   『●《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商は〝ベーシック
     インカム7万円〟を「トリクルダウン」だとでも思っているのでは?
   『●《「世界で最も影響力のある100人」(TIME100)…伊藤詩織さんと
         …大坂なおみ選手》、一方、杉田水脈議員がまたしても暴言
   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
       国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる
   『●リコール対象はコチラなのでは? 大阪市廃止「ト」構想の《関連経費
      として投入された公金は100億円を超える》、さらに公明党と密約
   『●《キンモクセイで世間の鼻をごまかし、学問の自由、言論の自由を
         脅かしかねない「腐臭」に気付かせぬようにしている》(筆洗)
   『●西日本新聞【例えるなら、こんな話か。授業が始まるのに数人の子が…】
          …取り巻きが《デマを流してまでも、必死で政権擁護》の醜悪
   『●《56大学が弔旗や半旗を掲揚…彼らの反応はアカデミズムの
     「白旗」に他ならない。この国の暗澹たる未来を予感…絶望的な惨状だ》
   『●《…「複数の政府関係者」に明らかにさせる乱暴さ。政府の方針に
     対して異なる意見を表明することを「反政府先導」と表記しちゃう乱暴さ》


 町山智浩さんのつぶやき二つ。

-------------------------------
https://twitter.com/TomoMachi/status/1325800857909096449

町山智浩@TomoMachi
スイングステイツ(浮動州)の白人ブルーカラーは、金持ちの党である共和党と、インテリと非白人の党の間で、自分のための党がなくて揺れ動いてきました。それをすくいとったのがトランプでした。本当の分断は左右ではなく「忘れられた」ことだったのです。
………

午後11:02  2020年11月9日
-------------------------------
https://twitter.com/TomoMachi/status/1325801423947264000

町山智浩@TomoMachi
今回ペンシルヴェニア州のモネッセンという滅びかけた街を取材して聞いた、市長が政治家に手紙を書いて、唯一来てくれたのがトランプだった、という話が大事だと思いました。つまり「忘れられた人々」は特定の政党を支持していない。気にかけてくれる政治家を求めているのです。
………

午後11:04 · 2020年11月9日
-------------------------------

 2/4の眠り猫な皆さんを揺り動かし、政に希望を持ってもらう、選挙に足を向けてもらう、間接的な自公お維支持者から脱却してもらうことが重要かな。

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202011100000097.html

コラム
政界地獄耳
2020年11月10日9時16分
CNNジョーンズの涙の意味を知ろう

★日本の文化から言えば往生際が悪い、潔くないなどの形容詞がふさわしいと思える米ドナルド・トランプ大統領の振る舞いだが、CNNでニュースコメンテーターを務めるヴァン・ジョーンズは番組の中で涙を流した。その意味を世界中が知る必要があるのではないか。彼は09年にバラク・オバマ大統領のグリーンジョブ特別顧問を務めている。グリーンジョブとは国際労働機関(ILO)が提唱する環境への負荷を持続可能な水準まで低減させながら事業として採算がとれる仕事のことで、欧州グリーンニューディールやバイデン政権の脱炭素社会推進と合致する。この潮流に日本は追随せざるを得なくなるだろう。

★さてジョーンズはバイデン当選を喜ぶというよりトランプの終焉(しゅうえん)に対して「多くの人にとって良い1日」とし、トランプ時代に自分の子どもたちがどれほど恐怖を感じおびえてきたか、白人優越主義者や人種差別主義者が武装し、また罪のないアフリカ系アメリカ人やヒスパニックを脅したり、警官が無実の人を傷つけてきたこと、レイシズムファシズムがいかに全米を覆いつくしていたかに思いを募らせたのだ。

アメリカファーストという言葉の裏で人権無視や迫害、法の拡大解釈や超法規の乱用、乱暴な言葉や態度、暴力の常態化たった4年で米国の秩序や常識、そして多くの人たちの自由が奪われた。しかしその傍若無人な行為の最中は害を被った人、ターゲットと感じた人しか恐怖を感じない。人々は当事者にならないと痛みを想像しない。転じて安倍・菅政治に慣れてしまった人たち日本学術会議問題怖さに気づかないことと同じだ。自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ。(K)※敬称略
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました

2020年11月23日 00時00分52秒 | Weblog


熊本典道さんが亡くなられたとのこと、ご冥福をお祈りいたします。

   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
      袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
               「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」
    《ルビン・カーターさんが二十日亡くなった。七十六歳…
     デンゼル・ワシントン主演の映画「ザ・ハリケーン」のモデル
     といえば、思い出すだろうか▼一九六六年六月、
     米ニュージャージー州のバーで三人が殺された。現場近くを車で
     走っていたカーターさんが逮捕された。無実を訴えたが、
     有罪の評決が下り、八五年に釈放されるまで十九年間服役した。
     冤罪事件の背景には人種差別もあった袴田事件も同じ年同じ六月
     だった。同じ元ボクサー。獄中にあった袴田巌さん(78)は
     境遇の似たカーターさんが釈放された時、手紙を書いたという。
     「万歳万歳と叫びたい」。カーターさんの返事は
     「決してあきらめてはならない」だった》

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
   『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
      チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
           耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」 
     弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
    《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
     1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
     袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
     “新証拠”を提出した》

   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
     《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》
    「関連して…青木理さん。ローマ法王来日に関して、もう一つの
     注目点は「死刑制度」。明日のミサに袴田巌さんを呼ばれている
     らしい。事実上の廃止も含めて国連加盟国の7割…死刑廃止が
     世界の潮流。存置派は、先進国でアメリカの一部の州とニッポンのみ。
     昨年も13人のオウム幹部を死刑…。死刑制度を考えるきっかけに」

   『● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの
          袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》

 袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん。
 迂闊にも見落としていた記事。東京新聞の記事【袴田さんの姉、一審判事を見舞う 無罪の心証を告白、福岡で入院中】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/67301)によると、《1966年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、再審請求中の元プロボクサー袴田巌さん(84)の弁護団は9日、静岡市内で記者会見し、袴田さんの姉秀子さん(87)らが、一審静岡地裁で無罪との心証を持ちながら死刑判決を書き、福岡市内の病院に入院中の元裁判官熊本典道さん(83)を見舞ったと明らかにした。危篤状態が続く熊本さんは2007年、袴田さんが無罪との心証を持ちながら他の裁判官との合議で死刑判決を書いたと告白。14年に静岡地裁が再審開始を決定した直前にも陳述書を提出している。今月3~4日に見舞ったが、会話はできなかったという》。

 袴田巖さん「1審の裁判官の熊本」「人間、生きてりゃぁ、会えるんだね」…。
 東京新聞の【おくやみ/熊本典道さん死去 元裁判官】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/68336)によると、《熊本典道さん(くまもと・のりみち=元裁判官)11日、急性肺炎のため死去、83歳。佐賀県出身。葬儀は近親者で営む。66年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件の一審静岡地裁で、袴田巌さんの死刑判決を書いた。判決翌年の69年に退官。自責の念から07年に無罪の心証を持っていたことを告白し、その後、再審を求める陳述書を裁判所に提出した。第2次再審請求で静岡地裁が14年、DNA型鑑定結果を新証拠と認めて再審開始を決定。18年には釈放された袴田さんと50年ぶりに面会した》。

 佐藤直子記者による、東京新聞の【特報Web/袴田事件の元裁判官 熊本典道さん死去/苦悩の半生とは?】(https://tokuho.tokyo-np.co.jp/n/nd5a61f002cc1)によると、《1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」と明かした元裁判官熊本典道さん(83)が11日、急性肺炎で死去した。判決の翌年に裁判官を退官した後は波乱に富んだ人生を送りながら、死刑確定後に釈放された袴田巌さん(84)の再審請求審の支援に力を注いだ人物だった》。

 さらに、片山夏子記者による、5月に出ていた東京新聞の記事【「デコちゃんが行く」 袴田巌さんを支える姉・秀子さんの生涯が漫画に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/16668)によると、《一九六六年に静岡県で一家四人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、第二次再審請求中の元プロボクサー袴田巌さん(84)を支え続ける姉の秀子さん(87)の生涯を描いた漫画「デコちゃんが行く 袴田ひで子物語」が出版された。戦中を生き抜き、弟の無罪を信じて幾多の苦難にもへこたれない姿は周りの人たちを勇気づけている》。
 改めて、袴田秀子さんの凄さを感じさせられました。

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/68164

袴田事件元判事の熊本典道氏死去 無罪の心証告
2020年11月13日 09時43分 (共同通信)

     (死去した熊本典道さん)

 1966年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、再審請求中の袴田巌さんの一審静岡地裁判決で、無罪との心証を持ちながら死刑判決を書いたと後に告白した元裁判官熊本典道(くまもと・のりみち)さんが11日午後2時57分、急性肺炎のため福岡市の病院で死去した。83歳。佐賀県出身。葬儀は近親者で営む。

 66年に静岡県で4人を殺害したなどとして起訴された袴田さんの一審を担当。判決翌年の69年退官。自責の念から2007年、公判当時、無罪との心証を持っていたと告白。それ以降、袴田さんの再審請求審を巡り、陳述書を裁判所に提出するなど支援を続けていた。
=====================================================

=====================================================
https://tokuho.tokyo-np.co.jp/n/nd5a61f002cc1

特報Web
袴田事件の元裁判官 熊本典道さん死去
苦悩の半生とは?

袴田事件元裁判官・熊本さん死去 判決の重さに苦悩した半生とは?
東京新聞 特報Web
2020/11/19 13:49

(2020年11月19日東京新聞に掲載)

 1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」と明かした元裁判官熊本典道さん(83)が11日、急性肺炎で死去した。判決の翌年に裁判官を退官した後は波乱に富んだ人生を送りながら、死刑確定後に釈放された袴田巌さん(84)の再審請求審の支援に力を注いだ人物だった。(佐藤直子)


[冤罪 訴え続ける5人の日常 映画「獄友」杉並と中野で上映会:東京新聞 TOKYO Web
◆きょうから5回「布川事件」桜井さんの対談も 殺人など凶悪事件の有罪判決が確定した後、釈放されて冤罪(えんざい)を訴え続け
www.tokyo-np.co.jp https://www.tokyo-np.co.jp/article/25636

[「デコちゃんが行く」 袴田巌さんを支える姉・秀子さんの生涯が漫画に:東京新聞 TOKYO Web
一九六六年に静岡県で一家四人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、第二次再審請求中の元プロボクサー袴田巌さん(84)を支援
www.tokyo-np.co.jp https://www.tokyo-np.co.jp/article/16668


▼目次
  司法試験トップ合格の裁判官
  死刑判決に悩み退官「無実の心証」明かす
  自責の念から酒におぼれ、生活保護受けた時期も
  50年越しで本人と対面「裁判官も過ちを犯す」


司法試験トップ合格の裁判官

 「『秀子だよ、分かる?』って呼びかけたら、熊本さんは口もきけなかったけど、目でうなずいた」。袴田さんの姉秀子さん(87)が、最後になった面会を振り返った。

 今月2日、熊本さんの家族から「医師に『命はあと2、3日』と告げられた」と電話があった。秀子さんは袴田さんの支援者と一緒に翌朝、福岡市の入院先に向かった。熊本さんの腕をさすりながら、「元気出しなよー」と声をかけて病室を後にした。

 佐賀県唐津市出身の熊本さんは九州大法学部を卒業後、司法試験にトップで合格。63年に任官した。静岡県清水市(現静岡市清水区)のみそ製造会社の専務一家4人を殺害、家に放火するなどしたとして起訴された袴田さんの一審静岡地裁の公判を担当し、死刑判決を書いた。


死刑判決に悩み退官「無実の心証」明かす

 判決を悔やんで半年後に裁判官を退官した後、弁護士に転身。自責の念から「公判当時、無罪との心証を持っていた」と告白し、最高裁に再審を求める上申書を提出したのは2007年のことだった。自白の信ぴょう性に疑問を抱いて無罪を主張したものの、有罪だとする裁判長ともう一人の裁判官の考えを覆せなかったと打ち明けた

     (孫の写真を眺める熊本さん。長女に連れられて今年3月、
      初めて会った=2010年6月1日、福岡市東区で)
     (生前の熊本典道さん=2010年3月、福岡市東区で)

 当時の記者会見によれば、熊本さんは控訴審で判決が否定されると期待しながらそうはならず、1980年に最高裁で死刑が確定。袴田さんの人生を台無しにしたことに耐えられなかったと、長い沈黙を破った理由を説明した。


自責の念から酒におぼれ、生活保護受けた時期も

 袴田事件の取材を続けているジャーナリストの青柳雄介さんは、初めて会ったときに話の途中で何度も嗚咽を漏らし、涙を流す熊本さんの姿が目に焼き付いている。「いちずな人だった。判決によって自分の人生も随分、曲がってしまったのでしょう」。弁護士になった後は、酒におぼれ、家族と離別。肝硬変や前立腺がんを患い、生活保護を受けながら暮らした時期もあった。

 告白後は再審開始のために支援を続けた。2014年、第2次再審請求で静岡地裁がDNA型の鑑定結果を新証拠と認めて再審開始を決定。決定理由で捜査機関の証拠の捏造にまで言及し、袴田さんの死刑と拘置を停止して釈放した

 ………。
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/16668

「デコちゃんが行く」 袴田巌さんを支える姉・秀子さんの生涯が漫画に
2020年5月24日 20時31分

     (袴田厳さんの姉秀子さんの漫画「デコちゃんが行く」)

 一九六六年に静岡県で一家四人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定し、第二次再審請求中の元プロボクサー袴田巌さん(84)を支え続ける姉の秀子さん(87)の生涯を描いた漫画「デコちゃんが行く 袴田ひで子物語」が出版された。戦中を生き抜き、弟の無罪を信じて幾多の苦難にもへこたれない姿は周りの人たちを勇気づけている。(片山夏子)


◆支援者が自費出版

 漫画は浜松市に住む袴田さん姉弟の日常を支える「袴田さん支援クラブ」の猪野待子代表=同市=が自費出版。猪野さんが監修し、静岡市の漫画家たたらなおきさんが作画した。猪野さんは「どんな困難が襲ってきてもへこたれず、なにくそと前進する気丈な人。事件に巻き込まれた家族の暗さとは懸け離れ、会う人が皆元気をもらって帰って行く。閉塞感のある現代で生きるのに疲れてしまった人たちに届けたいと思った」と話す。

 漫画は、「デコちゃん」こと秀子さんの生涯を描く。六人兄弟の五番目で巌さんが六番目。遠州弁で何でもやってやろうを意味する「やらまいか精神」が旺盛な姉御肌で、素直でおとなしい巌さんの面倒をよくみた。だが、秀子さんが三十三歳のとき、巌さんが逮捕され、人生が激変した。

     (袴田秀子さん)

 一貫して弟の無罪を信じてきたが、世間の目は冷たく、眠れずに酒に頼った日々も。支援者に支えられ立ち直った後も、最高裁で死刑が確定し、巌さんの面会拒否が続いたり、拘禁反応が悪化したりなど試練が。秀子さんは「自分にも生きる希望が必要だ」と感じ、六十一歳のとき、巌さんと同居するためのマンションを建てた。その願いがかなったのは二十年後だ。


◆「漫画の第2部も」

 秀子さんは「こちら特報部」の取材に「過去を振り返ってもどうにもならんこと。くよくよしないの。巌は四十八年間も刑務所の中で苦労した。私の苦労なんてどうってことない」と笑う。気付いたら五十年以上闘っていたが、「無罪になるまで、命ある限り闘い続ける。百歳まで生きるから漫画の第二部も作ってほしい」と話す。

 巌さんは二〇一四年三月に釈放されたが、今も拘禁反応が続き、毎日、何時間も街中を歩く。見守り隊として同行する浜松市の清水一人さん(71)は「秀子さんは巌さんを一切否定せずに包み込み、自由にさせている。それはすごいこと」と言う。見守り隊の磐田市の自営業女性(49)は「秀子さんに笑顔じゃない時期があったなんて想像できない。会った人はその人柄にひかれまた会いたくなる」。小学三年の時に事件に興味を持って以来、支援に関わる東京都狛江市の高校一年畑山智哉さん(15)は「漫画を読み、改めて秀子さんの信念を感じた」と話した。


◆くじけぬ姿勢若い世代に

 袴田事件弁護団事務局長の小川秀世弁護士(67)は、弁護団が秀子さんに激励されてきたと説明する。「支援活動は秀子さんのけん引力があってこそ。周りが秀子さんに勇気づけられている。くじけない秀子さんの姿勢が、漫画を通じて若い世代にも伝わったら」

 ジャーナリストの大谷昭宏氏は取材で何度も秀子さんに会い、元気をもらったと語る。「長年権力に痛めつけられてきたのに、打ちひしがれるどころか、それをはね返して余りある力がある」。一四年、拘置停止の決定を出した静岡地裁で裁判長は「捏造された疑いのある証拠で死刑の恐怖の下、拘束されてきた」とし「これ以上拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する」と司法を批判した。「これほど猛省を促された司法なのに決定からすでに六年。姉弟は高齢。一日も早く無罪判決を出すべきだ。漫画で秀子さんの元気をもらうと同時に、世論をもう一度高めなくては」

 漫画はA5判、千三百六十四円(税別)。全国の書店で扱っている。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●<それにつけてもアベ様や小池「ト」知事の無能さよ>…《政治の無策による人災》の片棒を担いだマスメディアにも大きな責任

2020年08月09日 00時00分50秒 | Weblog

[※『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)…《政権をチェックしようという意識が…》↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/コロナ感染者増は政治無策の「人災」】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202007150000107.html
リテラの記事【NYタイムズが報道拠点を東京でなくソウルに移す理由に「報道の独立性」を…「日本に報道の自由がない」という国際社会の評価】(https://lite-ra.com/2020/07/post-5529.html)。
ビデオニュースドットコム【メディアはコロナをどう報じてきたか 林香里氏(東京大学大学院情報学環教授) マル激トーク・オン・ディマンド 第1006回(2020年7月18日)】(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1006/)。

 《★メディアはおおかたそんな報じ方だが、この舌戦は国民が考える政府の無策と中途半端な行動、都のあいまいな政策のツケを露呈させただけで、笑い話にもならない…結局どこかに責任転嫁しながら、感染した人の自己責任としか政策を持たない政府も都も、責任のなすり合いをしているだけだ。これから先の感染者増は、政治の無策による人災といえよう》。
 《当然の措置だと思うが、問題は、ニューヨークタイムズが、香港の代わりに、日本の東京でなく韓国・ソウルを選んだ理由だ。ニューヨークタイムズによれば、移転先としては韓国・ソウル以外にも、シンガポール、バンコク、そして日本の東京も検討されたが、「他の様々な理由のなかでとりわけ、外国企業に対して友好的であること、報道の独立性、主要なアジアのニュースにおける中心的な役割であることが、魅力的であった」としているのだ》。
 《コロナ危機は、もはやマスメディアが報道機関としてこのようなスケールの危機に対応する能力も気概を持ち合わせていないことを露わにした。しかし、マスメディアが社会から完全に見放されたとき、われわれの社会はコロナのような危機に対応していくことができるのだろうか。新聞やテレビが果たしてきた社会を束ねるような機能をネットが代替することは可能なのか。コロナ報道で見えてきたマスメディアの終焉と社会への影響などについて、林氏とジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した》。

 《政治の無策による人災》…マスメディアにも、COVID19人災の〝戦犯〟の罪を報じない非常に大きな責任。

   『●小池百合子「ト」知事が《圧勝の裏で露骨にメディア選別、批判的な
       記者は“排除”》…居ても〝居ないことにされてしまった記者〟ら

 《「日本に報道の自由がない」という国際社会の評価》…NYTのデジタルニュース部門のアジア報道拠点をソウルに、それは当然の選択でしょうねぇ…。例えば、首相会見は官邸記者クラブ主催のアベ様「慰労会」等々々々々々。《ニューヨークタイムズがソウルに決めた理由として挙げていた3つのうち、「外国企業に対して友好的」「アジアの主要な報道拠点」については報じながら、「報道の独立性については一切触れていないのだ》…どこまで情けないのか。《安倍政権によるメディアへの報道圧力によって日本に報道の自由がなくなってきていることは、国際社会で半ば常識になっている》。
 例えば、総理会見首相会見一つとっても…見るに堪えない《慰労会》《台本劇》《台本営発表》。首相会見は官邸記者クラブ主催のアベ様「慰労会」…アベ様が「思いを語る」独演会に始まり、「更問い」も無い《台本劇》《台本営発表》。《メディアが総理をもてなす場》。めんどくさくなったのか、総理会見首相会見さへ開かれず、この期に及んでも国会は閉じたまま、閉会中審査に出席することさへない。

   『●①内閣記者会が支える《台本劇》《台本営発表》、そして、愚者に
       さらなる凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を与える愚かさ
   『●記者会が仕切り役を取り戻し、《総理会見では更問い(追加質問)が
     できないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう》ことの改善を
   『●《〈「大幅に時間を超えて対応」した構図を演出…〉…14日の会見も
        批判のガス抜きのため官邸がより巧妙にコントロールしていた》
   『●政治判断の《根拠》は? 《国家のリーダーとして、権力を預かる者は
       その責任と、権力行使の影響を、十分に自覚しなければならない》
   『●首相会見は官邸記者クラブ主催のアベ様「慰労会」…アベ様が「思いを
      語る」独演会に始まり、「更問い」も無い《台本劇》《台本営発表》
   『●畠山理仁さん《報道に携わる者が対峙すべきは権力者だ》…立岩陽一郎さん
            《驚かされるのは、周囲の記者の反応…傍観者を決め込んでいる》


=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202007150000107.html

コラム
政界地獄耳
2020年7月15日9時32分
コロナ感染者増は政治無策の「人災」

★東京の感染者増大で官房長官・菅義偉と都知事・小池百合子の間でさや当てが続いているといくつかのメディアが報じている。菅が11日に講演で「この問題は圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではないほど、東京中心の問題になっている」と発言すると、13日に小池が「逆に言えば、圧倒的に検査数が多いのが東京だ。それによって陽性者が出てきており、無症状の方がかなり含まれていることが分かってきた」と返す。

★続けて小池は「Go To キャンペーンが始まろうとしている中、その辺の整合性を国としてどう取っていくのか。体調不良の方は都外へお出かけにならないよう伝えているが、無症状の方も出ている中、どう仕切りをつけていくのか。冷房と暖房の両方をかけるようなこと。これはむしろ国の問題だ」と収まらない。菅は、小池が頼りにする自民党幹事長・二階俊博と盟友関係。その相関図もわかって見ていると、面白おかしくやりとりを見ることができる。

★メディアはおおかたそんな報じ方だが、この舌戦は国民が考える政府の無策と中途半端な行動、都のあいまいな政策のツケを露呈させただけで、笑い話にもならない。「夜の街関連」と責任転嫁しながら、大した策も講じない都だが、無症状感染者が気付かず旅行に行って全国に感染者をまん延させるのも、すべては行政の臨機応変に政策を変えられない身動きのとれなさにある。経済再生担当相・西村康稔の「注意をしながら進めていかなければならない。感染防止策と経済、社会活動を両立させる段階。感染防止策を徹底しながら経済活動を広げていく」との発言に至っては、どうやればいいのか具体的に教えてほしい。結局どこかに責任転嫁しながら、感染した人の自己責任としか政策を持たない政府も都も、責任のなすり合いをしているだけだ。これから先の感染者増は、政治の無策による人災といえよう。(K)※敬称略
=====================================================

=====================================================
https://lite-ra.com/2020/07/post-5529.html

NYタイムズが報道拠点を東京でなくソウルに移す理由に「報道の独立性」を…「日本に報道の自由がない」という国際社会の評価
2020.07.18 11:45

    (報道拠点をソウルに移すNYタイムズ)

 ニューヨークタイムズがデジタルニュース部門の拠点を香港から韓国・ソウルに移すことを発表した。中国政府が、香港における言論の自由など人権を著しく弾圧する「国家安全法」を施行したことを受けたもの。

 ニューヨークタイムズの香港支局は、何十年ものあいだ、アジアにおける英語ニュースの発信拠点となっていたのに加え、24時間年中無休のデジタル運用において、グローバル本社であるニューヨーク、ロンドンとともに重要な役割を担っていた。

 しかし、国家安全法には「外国メディアの管理強化」も明記されており、中国本土並みにメディア規制が厳しくなるのではないかとの見方が強まり、ニューヨークタイムズは〈香港国家安全法が、ジャーナリズムにどのような影響を与えるか不透明〉として、拠点を分散させる必要があると判断したという。

 当然の措置だと思うが、問題は、ニューヨークタイムズが、香港の代わりに、日本の東京でなく韓国・ソウルを選んだ理由だ。

  ニューヨークタイムズによれば、移転先としては韓国・ソウル以外にも、シンガポール、バンコク、そして日本の東京も検討されたが、「他の様々な理由のなかでとりわけ、外国企業に対して友好的であること、報道の独立性、主要なアジアのニュースにおける中心的な役割であることが、魅力的であった」としているのだ。

The Times, in seeking a suitable location outside Hong Kong, considered Bangkok, Seoul, Singapore, Tokyo and other cities in the Asia-Pacific region. South Korea proved attractive, among other reasons, for its friendliness to foreign business, independent press, and its central role in several major Asian news stories.

 言い換えれば、シンガポールやタイのバンコク、東京はソウルに比べると、外国企業に対して排他的で報道の独立性にかけると判断されたということだ。

 たしかにシンガポールは「明るい北朝鮮」とも呼ばれるほど、報道の自由が制限されているし、バンコクのあるタイも軍政時代復活かといわれるほど近年言論統制の動きが強まっている。しかし、日本の東京がなぜ、これらの国と同列なのか? と思う人もいるかもしれないが、これはある種、国際社会の評価をそのまま反映した結果ともいえる。

 本サイトでもたびたび報じてきたが、ここ数年、安倍政権によるメディアへの報道圧力によって日本に報道の自由がなくなってきていることは、国際社会で半ば常識になっている

 たとえばフランスに本部を置く国際的なジャーナリストのNGO「国境なき記者団」が毎年発表する「報道の自由度ランキング」では、民主党政権時代の2010年には11位だったのに対し、第二次安倍政権発足以降急落し2013年53位、2014年59位、2015年61位、2016年72位、2017年72位、2018年67位、2019年67位。今年4月に発表されたランキングでも、政権批判をした記者がSNSで攻撃を受けているなどとして、66位だった。G7のなかで最下位なのはもちろん、日本より下にランクされているのは多くは独裁国家や軍事国家ばかりで日本は民主主義先進国とは言えない状態だ

 2016年には「国境なき記者団」は、具体的に沖縄における報道の自由が侵害されていると指摘する声明を公表したこともある。


国連でも「政府による圧力が、高いレベルの自己検閲を生み出している」との報告

 安倍政権の報道圧力は、国連でもたびたび問題を指摘されてきた。同じ2016年4月には、国連特別報告者、デイビッド・ケイ氏(米カリフォルニア大学教授)による調査で「日本の報道機関の独立性は深刻な脅威に直面している」と指摘された。

 ケイ氏は、訪日し日本における「表現の自由」の状況を調査し都内で会見を行ったのだが、そこでなされた指摘は、安倍政権の報道圧力を批判し、日本のメディアの萎縮を強く懸念するものだった。

「多くのジャーナリストが、自身の生活を守るために匿名を条件に私との面会に応じてくれましたが、国民的関心事の扱いの微妙な部分を避けなければならない圧力の存在を浮かび上がらせました。彼らの多くが、有力政治家からの間接的な圧力によって、仕事から外され、沈黙を強いられたと訴えています。これほどの強固な民主主義の基盤のある国では、そのような介入には抵抗して介入を防ぐべきです」(「国際連合広報センター」ウェブサイト2016年4月19日付より)

 さらに、安倍政権が放送法を盾に放送メディアに圧力をかけていることをズバリ指摘。ケイ氏は、放送法4条に記されている政治的公平について「何が公平であるかは政府が判断するべきではない」とし、当時、高市早苗総務相が国会で「電波停止もありうる」と発言したことに関連して、「政府は脅しではないというが、メディアは脅しと受け取る」などと、政府による報道圧力を危惧。そして、「政府は放送法4条を廃止して、メディア規制から手を引くべきだ」と述べ、政府以外の独立行政機関が監督すべきだとの考えを示したのだ。

政府による『中立性』と『公平性』への絶え間ない圧力が、高いレベルの自己検閲を生み出しているように見えます」(「国際連合広報センター」ウェブサイト2016年4月19日付より)

 他にもケイ氏は、自民党が2012年に公開した改憲草案で、表現の自由を保障する憲法21条を「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」と制限を加えようとしていることが、国連の「市民的及び政治的権力に関する国際規約」19条に矛盾していると指摘。また、特定秘密保護法における特定秘密指定の曖昧性及び同法による報道機関の萎縮や、学校教科書から慰安婦問題の記述が削除されたことに対する政治的意図の介入を問題視。ヘイトスピーチに対しては、定義が曖昧なまま規制するのではなく、まずは雇用や住居に関する人種差別を禁止する法制定が必要だとした。いうまでもなく、すべて第二次安倍政権の成立前後から持ち上がっている社会問題や政策の問題だ。

 ケイ氏は、2017年6月に国連の人権理事会で、こうした政府・自民党によるメディア圧力などについて報告。強い懸念とともに日本政府に対し法律改正するなどしてメディアの独立性を強化するよう勧告した。

 さらに2年後にあたる昨年2019年にも、ケイ氏は国連人権理事会で、日本は勧告をほとんど履行していないとして、あらためて、日本のメディアは政府当局の圧力に晒され独立性に懸念があると報告。日本政府はジャーナリストへの非難をやめるべきだとした。


■日経とNHK はNYタイムスが東京でなくソウルを選んだ理由から「報道の独立性」だけをカット

 こうした日本メディアの状況を考えると、ニューヨークタイムズが「報道の独立性」に懸念を抱き、日本に報道拠点を置くことを避けるという判断も当然なのである。

 しかも、このニューヨークタイムズの拠点移転をめぐる報道でも、日本のメディアの情けない姿をさらすことになった

 実は、ソウル移転については、国内メディアでも報じられているのだが、東京も候補に上がりながらソウルが選ばれた理由について、日本の主要メディアはこう報じたのだ。

〈移転先としては東京、バンコク、シンガポールも候補にあがっていたということですが、ニューヨーク・タイムズは最終的にソウルを選んだことについて「外国企業に友好的であることや、アジアの主要なニュースにおいても中心的な役割を果たしているためだ」と説明しています。〉(NHK 7月15日)

〈同社は移転先にソウルを選んだ理由として、外国企業が活動しやすく、アジア地域の主要な報道拠点になっている点などをあげた。バンコク、シンガポール、東京も候補だったと明かした。〉(日本経済新聞7月15日)

 そう。ニューヨークタイムズがソウルに決めた理由として挙げていた3つのうち、「外国企業に対して友好的」「アジアの主要な報道拠点」については報じながら、「報道の独立性については一切触れていないのだ

 「報道の独立性」に懸念をもたれていることについて同意するわけでも反論するわけでもなく、ネグってしまう──これこそが、日本のメディアが「報道の独立性」にかけていることの証明といえるのではないか。

 韓国に負けたとかそういうレベルでなく、現在の日本で「報道の自由」は民主主義国としてヤバイというレベルに危機に瀕している。メディアがこのままでは、仮に安倍政権が倒れたとしても、権力者のやりたい放題が変わることはないだろう

(編集部)
=====================================================

=====================================================
https://www.videonews.com/marugeki-talk/1006/

メディアはコロナをどう報じてきたか
ゲスト 林香里氏(東京大学大学院情報学環教授)
番組名 マル激トーク・オン・ディマンド 第1006回(2020年7月18日)



https://youtu.be/Ue_HeYauy5c

 「普段研究者として指摘しているメディアの問題を、身を以て体験しました。」

 東京大学大学院情報学環教授でメディア学が専門の林香里氏は、自身が3月に新型コロナ感染症に罹患し、右へ倣えの貧弱なメディア取材の現実を自ら経験する貴重な機会を得たという。特にメディア報道については、発症した当初、どれだけ自分の味覚や嗅覚に異常があることを訴えても誰も相手にしてくれなかったのに、3月下旬になって阪神の藤浪晋太郎投手がコロナに感染し、味覚や嗅覚異常を訴えたことがニュースになった途端に、取材に来る記者が全員味覚と嗅覚の事しか聞かなくなったと苦笑する。

 ここに来て東京都の新型コロナウイルスの感染者数の200人超えが続き、危機感が高まっている。確かに緊急事態宣言が解除されて以降、社会全般でコロナに対する警戒心が弱まってきていることは事実だろう。このまま放っておけば再び感染爆発を招きかねない以上、注意が必要なことは言うまでもない。

 しかし、それにしてもコロナを巡るメディア、とりわけテレビ報道はどうだろう。感染者数の200人超えは4月上旬以来のことだというが、そこでいう「感染者」とは実際はPCR検査を受けた人のうち陽性反応を示した人の数であり、当然検査数にある程度比例する形で陽性者数は増える。また、陽性者が200人とは言え、37.4度の熱が4日以上続いていることが条件だった4月と比べると、今回は症状の有無にかかわらず「夜の街」関係者には重点的に検査を行っているので、陽性者は多くてもほとんどが無症状者だ。重症者にいたっては10人しかいない。200人のほぼ全員が症状を呈していた4月とは明らかに状況が大きく異なっている。にもかかわらず、テレビはコロナのニュースを報じる際、「どのような人を対象に何人を検査したかについて一切の断り書きをせずに、単に「感染者数」として報じ続けている。このような恣意的な報道は誰のどのような意図を慮った結果なのだろうか。

 新型コロナウイス感染症の蔓延が始まって以来、どういうわけかテレビは常に煽り気味の報道を続けている。より危険な側に立って報道しておくことは予防原則上は好ましいことなのかもしれないが、事実を正確に伝えない報道には予防原則もへったくれもない。その一方で、危機を煽り恐怖感や危機感を刺激することによって、2月以降テレビは例年と比べると大幅に視聴率を稼いできた。もっとも、危機を煽りすぎて経済活動が萎縮してしまった結果、放送局全体では広告収入の大幅減となっているのだが、コロナの流行が始まった当初、少なくとも現場レベルでは煽り気味の報道が高い視聴率を稼げることが意識されていたことは間違いないだろう。番組内容から窺える現場の認識は、「コロナなら何でもいいから持ってこい」、しかも、「コロナを相対化したり、コロナはそこまで恐れる必要はないというような言説は一切持ってくるな」だったのだろう。

 一旦恐怖を煽られてしまったテレビの視聴者は、途中から「今はそこまで恐れる必要がない」などという話をされても納得しない。しかも、僅かでも安心側に立って報道した結果、その何週間か後にコロナがオーバーシュート状態になったりすれば、その報道の責任を問われることにもなりかねない。つまり、一旦エンジンを吹かしてしまった以上、途中からブレーキをかけるような報道は受け入れられないし、むしろエンジンは吹かしっぱなしにしておいた方が報道する側にとっても安全なのだ

 確かに新型コロナにはどうなるか予想がつかない面がある。用心するに越したことはない。しかし、いたずらに恐怖を煽れば、何らかの形でそのつけは回ってくる。例えば、学校の全国一斉休校は、新型コロナという感染症で重症化するのがほとんど高齢者や基礎疾患のある人に限られていることを念頭に置くと、ほとんど意味がない措置だった。実際にネット上では教育の関係者のみならず感染症の専門家からもそういう指摘はなされていたが、マスメディアがそうした指摘を取り上げることはほとんど皆無だった。子供が家にコロナを持ち帰ると、3世代同居の家庭ではおじいちゃんやおばあちゃんを危険に晒すことになるとの指摘もあるが、その防止のために子供を学校に行かせないというのは、休校の子供や働く親への負担の大きさを考えると、あまりにも法外な対応だった。

 しかし、恐怖を煽り続けてきたメディアにとっては、コロナ対策に「やり過ぎ」ということはあり得ない。「学校の一斉休校までやる必要はないのではないか」という言説を明確に打ち出したメディアがほとんど見られなかったのはそのためだろう。

 PCR検査についても、4月から5月にかけて検査数が一向に増えないために感染状況が把握できないでいる中、検査を増やすべきだと主張したり、なぜ検査が増えないかを踏み込んで調査報道するメディアは皆無に近かった。検査件数を増やすことで無症状の陽性者が大量に出ると、医療崩壊を招く恐れがあるという脅し文句が、常にメディア報道にブレーキをかけていた。結果的に政府の側でも6月に入るまで本気で検査を増やすための措置が取られなかったし、何よりも、医療崩壊を回避するためのICUのベッド数の増強(キャパシティ・ビルディング)に本気で取り組む動機が削がれてしまった。今、あらためて陽性者数が急増する中、その間、病床数がほとんど増えていない事実に愕然とした方も多いだろうが、そもそも問題が顕在化することを避けるような報道を続けてきたことのつけがそこに回ってきていることは否めない。

 問題はなぜそのような報道になってしまうのか、ということだ。メディア学が専門の林氏の見立ては「メディアが十分な問題意識を持たないまま惰性で報道を続けている結果」だという。無理をしてリスクのあるスタンスを取ったところで報われる可能性は低い。それよりも横並びで危険を煽っている方が遙かに安全で、しかもそれで数字が取れるのであれば、それ以外のことをやろうと思う動機は起きないのは当然のことなのかもしれない。

 しかし、このような「子供騙し」の報道を続けていると、誰も既存のメディアを信用しなくなるのは時間の問題だ。実際、新聞やテレビを主たる情報源としている人は60代以上がほとんどで、その下の世代では新聞、テレビの情報を頼りにしている人の割合は今や少数派だ。10代、20代にいたっては新聞を読む人の割合は1桁台に落ち込んでいるし、一人暮らしの大学生で家にテレビがある人もほとんどいなくなった。

 コロナ危機は、もはやマスメディアが報道機関としてこのようなスケールの危機に対応する能力も気概を持ち合わせていないことを露わにした。しかし、マスメディアが社会から完全に見放されたとき、われわれの社会はコロナのような危機に対応していくことができるのだろうか。新聞やテレビが果たしてきた社会を束ねるような機能をネットが代替することは可能なのか。コロナ報道で見えてきたマスメディアの終焉と社会への影響などについて、林氏とジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。


■PROFILE
林香里(はやし かおり)
東京大学大学院情報学環教授
1963年愛知県生まれ。87年南山大学外国語学部英米科卒業。88年ロイター通信東京支局勤務を経て、95年東京大学大学院人文社会学研究科修士課程修了。97年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会情報学)。2002年ドイツ、ハンベルグ大学社会学講座客員研究員、04年東京大学社会情報研究所助教授、09年より現職。著書に『メディア不信 何が問われているのか』、共著に『足をどかしてくれませんか。 メディアは女たちの声を届けているか』など。
=====================================================


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●中村敦夫さん《「反知性主義」…知識や教養、思考力の欠如。調査やデータの軽視。事実の隠蔽と改ざん。…わが国の内閣の面々》

2020年05月09日 00時00分45秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



日刊ゲンダイのコラム【中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議/阿呆の出る幕なし “反知性主義”のポピュリスト政治家たち】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268888)。

 《「反知性主義」という言葉があちこちで使われておる。学術用語でもないし、辞書にもない。「一体これは何なのか」と、閻魔堂会議の話題になった。結論。どうやら、ポピュリスト政治家たちを、揶揄する表現のようだ。彼らに共通しているのは、知識や教養、思考力の欠如調査やデータの軽視事実の隠蔽と改ざん依怙贔屓とエゴイズム嘘言癖人種差別女性蔑視こうしてみると、わが国の内閣の面々が、そのままスッポリ入っちまうような気もするな。もっとも日本の場合は「漢字が読めない」とかも共通しとるがの。》


   『●中村敦夫さん、《経済的に弱い地域が犠牲になって危険を
             引き受ける構図は、原発も基地も同じだ》
    「《権力にへたへた》しない中村敦夫さん、「経済的に弱い地域が
     犠牲になって危険を引き受ける構図は、原発も基地も同じだ
     と訴えたそうだ。《経済的に弱い地域》、そして、外国人労働者の
     ような弱い立場の人々への押し付け。」

 中村敦夫さんの仰る通り、《「反知性主義」…知識や教養、思考力の欠如。調査やデータの軽視。事実の隠蔽と改ざん。依怙贔屓とエゴイズム。嘘言癖。人種差別。女性蔑視。わが国の内閣の面々》…本当にそうです。
 番犬様の本国も含めて、《そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候》…。与党自公や癒着党お維を直接的に支持し、選挙にもいかない眠り猫な皆さんは独裁政権を間接的に支持。未だ内閣支持率が4割程度ときている。そういう悲惨な状況を生み出した元凶は、アベ様による《メディアコントロール》、アベ様の〝唯一上手く行っている〟「政」

   『●「俺様王国」ニッポン、「俺様王国」大阪「ト」を
            造りたい強権的政治手法好きな二人
    「『日本の反知性主義』は内田樹が依頼した9人と内田自身に
     よる論考からなる評論集だ。9人の顔ぶれはさまざま。
     作家の赤坂真理や高橋源一郎もいれば、精神科医の
     名越康文や映画作家の想田和弘もいる。最年長は
     哲学者の鷲田清一で、最年少は政治学者の白井聡。
     つまり、いろんな人がいろんな立場で反知性主義について考える」

   『●内閣法制局は最後の一線を越えていた: アベ様達と何を
                協議したのか「内情」をどう検証?
    《問題の閣議決定は安倍首相が設置した有識者懇談会の報告書を受けて、
     与党の幹部が横畠裕介内閣法制局長官と非公式協議を重ねた上で、
     与党協議会において文言が練られた。その議事録がないとは、
     反知性主義政権の正体をむき出しにするものだ》

   『●『超・反知性主義入門』の小田嶋隆さんインタビュー、
            「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」
    《反知性主義という言葉が流行している。立憲主義を否定し、
     学者の声も黙殺した安倍首相に対して向けられたもの……
     そこで話題なのが「超・反知性主義入門」(日経BP)の
     著者・小田嶋隆氏(58)だ。反知性主義なのは野蛮政権のトップ
     だけではないそういう政権を選んだ国民にも危険な兆候
     広がりつつあるという》
    「アベ様らだけが「反知性主義」者ではなく、《そういう政権を
     選んだ国民にも危険な兆候》を見てとる小田嶋隆さん。
     青木理さんや内田樹さんが仰っていることも、
     そういうことなのかもしれない」
    《ユネスコの記憶遺産に南京大虐殺が登録された時、菅官房長官は
     分担金を減らすことを示唆しました。驚天動地の発言で、昔だったら
     クビが飛んでいると思う。虐殺した数についての議論はあってしかるべき
     だが、虐殺の事実そのものを否定したり、分担金を減らしてユネスコに
     圧力をかけるのは別次元の話でしょう。しかし、菅官房長官がああ言うのは、
     国民の方に『ユネスコはケシカラン』という応援の声があるのを感じたから
     だと思う。ああいう発言ができちゃう空気が、すでに存在しているんですよ》

   『●「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」の行きついた先
                 …「平成の治安維持法」が衆院を突破

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268888

中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議
阿呆の出る幕なし “反知性主義”のポピュリスト政治家たち
2020/02/11 06:00

     (トランプ大統領(C)ロイター)

 「反知性主義」という言葉があちこちで使われておる。学術用語でもないし、辞書にもない。「一体これは何なのか」と、閻魔堂会議の話題になった。

 結論。どうやら、ポピュリスト政治家たちを、揶揄する表現のようだ。彼らに共通しているのは、知識や教養、思考力の欠如。調査やデータの軽視。事実の隠蔽と改ざん。依怙贔屓とエゴイズム。嘘言癖。人種差別。女性蔑視。こうしてみると、わが国の内閣の面々が、そのままスッポリ入っちまうような気もするな。もっとも日本の場合は「漢字が読めない」とかも共通しとるがの。

 反知性主義者の厄介な点は、選挙で多数を取れば、何をしても許されると勘違いしていることじゃ。これがOKなら、議会などいらないことになる。アホノミクスが延命してきたのは、国会の議論から逃げ出しマスコミも世論も深追いしなかったからじゃ。

 さて、これがアメリカともなるとスケールが全然違う。なにせ、大統領をやっておるのが、反知性主義の世界チャンピオンみたいな男じゃ。

 この男は、本来の意味での政治家ですらない。どこから見ても、怪しげなカジノ経営者であり、脱税と脅迫で財を築いた不動産業者だ。

 政治家は「交渉」によってものごとを決めるが、この男は「取引(DEAL)」する。勝ち負けと損得だけが価値観で、地上げ業者のやり口を政治に持ち込んだ

 その究極の手段が「殺人」ときた。アメリカ大統領の指示で、イラン軍司令官が殺害された。国際社会では、前代未聞の蛮行じゃ。自分が気に入らなければ、他国の高官を殺してもよいのか?

 仏教は殺生を禁じておる。殺すことで何かを解決するなんぞは、閻魔様が絶対にお許しにならぬ。

 イランは今のところ、ペルシャ帝国のプライドを胸に秘め、大統領選で不動産屋が落選するのを待っている。その結果次第で、報復の形が変わるじゃろう。

 一方、国とは別に、中東は強烈な血族社会である。一族の誰かの名誉が傷つけられたら、7代後の子孫まで、復讐を誓うと聞いたことがある。なんとも物騒な話じゃ。

 今や、イラン国内も分裂気味になってきた。

 金髪薄毛の不動産屋は、イランの反政府デモを外から煽り、事態を悪化させようと騒ぎ立てている。やることなすこと、行き当たりばったりじゃ。

 ここは、「反知性主義」など、出る幕ではない。

(筆者は2016年に出家得度)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

● CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの袴田さんが…名誉チャンピオンベルトを持った写真》

2020年03月09日 00時00分43秒 | Weblog


【「冤罪事件」袴田さんを応援するCD発売 売上は支援団体へ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267876)。

 《一風変わったCDが、22日から発売される。…再度請求中の袴田巌さん(83)を応援するCD「Free Hakamada」だ》。

 《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ。
 CD『Free Hakamada』の《ジャケットには、元プロボクサーの袴田さんが、WBC(世界ボクシング評議会)から贈呈された名誉チャンピオンベルトを持った写真》。《日本のカーター》と呼ばれる《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ。この国の司法や行政のデタラメさに呆れるし、何が何でもの死刑制度存置〝信奉〟にも救いようのない哀しさを感じる。

   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難……
      袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                   司法の良心を示せるか?
   『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
               「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

   『●映画「ザ・ハリケーン」と袴田事件:「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」
    《ルビン・カーターさんが二十日亡くなった。七十六歳…
     デンゼル・ワシントン主演の映画「ザ・ハリケーン」のモデル
     といえば、思い出すだろうか▼一九六六年六月、
     米ニュージャージー州のバーで三人が殺された。現場近くを車で
     走っていたカーターさんが逮捕された。無実を訴えたが、
     有罪の評決が下り、八五年に釈放されるまで十九年間服役した。
     冤罪事件の背景には人種差別もあった袴田事件も同じ年同じ六月
     だった。同じ元ボクサー。獄中にあった袴田巌さん(78)は
     境遇の似たカーターさんが釈放された時、手紙を書いたという。
     「万歳万歳と叫びたい」。カーターさんの返事は
     「決してあきらめてはならない」だった》

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけには
     いかないのだ」▼袴田さんの無実を信じる人にとってはどうあっても狼に
     許されぬイソップ寓話(ぐうわ)の羊を思い出すかもしれない…
     検察と裁判所を納得させる羊の反論の旅はなおも続くのか
     ▼事件から五十二年長すぎる旅である

   『●《袴田巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ…
       政権や検察に忖度した東京高裁、そして、絶望的な最「低」裁
    「NTVの【NNNドキュメント’18我、生還す -神となった死刑囚・
     袴田巖の52年-】…《今年6月、東京高裁が再審開始を取り消した
     「袴田事件」。前代未聞の釈放から4年半、袴田巖さんは死刑囚のまま
     姉と二人故郷浜松で暮らす》」
    「三権分立からほど遠く、法治国家として公正に法に照らした
     「司法判断」ができず、アベ様ら政権に忖度した「政治判断」乱発な、
     ニッポン国の最「低」裁に何を期待できようか…。
     《巌さんは、いまも、死刑囚のまま》だ」

   『●冤罪は晴れず…「自白を偏重する捜査の危うさ…
       証拠開示の在り方…検察が常に抗告する姿勢の問題」
   『●袴田秀子さん《ボクシングに対する偏見…
      チンピラだっていうイメージ…その印象以外に何の証拠もなかった》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
           耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    「週刊朝日の記事【袴田事件で「捜査機関が証拠を”捏造”」 
     弁護団が新証拠の補充書を最高裁に提出 】」
    《静岡地裁の再審開始決定を取り消した東京高裁決定から、
     1年余りが経過した。死刑が確定した元プロボクサーの
     袴田巌さん(83)は最高裁に特別抗告中だが、弁護団はこのほど
     “新証拠”を提出した》

   『●《死刑を忠実に実行している》のはニッポンだけ…
       飯塚事件でも、《十三人の死刑執行》でも揺るがず…
   『●(ジョー・オダネルさん)「焼き場に立つ少年」は
     《鼻には詰め物…出血しやすい状態…なんらかの形で被爆した可能性》
    「関連して…青木理さん。ローマ法王来日に関して、もう一つの
     注目点は「死刑制度」。明日のミサに袴田巌さんを呼ばれている
     らしい。事実上の廃止も含めて国連加盟国の7割…死刑廃止が
     世界の潮流。存置派は、先進国でアメリカの一部の州とニッポンのみ。
     昨年も13人のオウム幹部を死刑…。死刑制度を考えるきっかけに」

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267876

「冤罪事件」袴田さんを応援するCD発売 売上は支援団体へ
2020/01/21 14:50

     (CD「Free Hakamada」/(C)日刊ゲンダイ)

 一風変わったCDが、22日から発売される。一家4人を殺害したとして死刑判決が確定した「袴田事件」で、一度は再審開始となったものの取り消され、再度請求中の袴田巌さん(83)を応援するCD「Free Hakamada」だ。

 ジャケットには、元プロボクサーの袴田さんが、WBC(世界ボクシング評議会)から贈呈された名誉チャンピオンベルトを持った写真。名誉チャンピオンベルトが贈られたのは、米国の冤罪事件で無罪になった元ボクサー、ルービン・カーターに次いで2人目で、ボクシング関係者に袴田さんは、「日本のカーター」と呼ばれているという。

 曲はロックのインストゥルメンタルで、アーティストは正体不明の謎のバンド「Nowhere Man」。全国のCDショップやアマゾンなどで購入・注文できる。売り上げは、袴田さんを支援する団体などに寄付される。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《京都朝鮮学校事件は…有罪が確定した、れっきとした暴力犯罪》…「歪んだ社会」の歪みは改善されただろうか?

2019年12月31日 00時00分55秒 | Weblog


森田真奈子記者による、東京新聞の記事【絶えぬヘイト、無関心が助長 京都朝鮮学校妨害事件から10年 当時の体験者語る】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019120502000267.html)。

 《在日特権を許さない市民の会(在特会)朝鮮学校の前でヘイトスピーチを行い、授業を妨げた京都朝鮮学校妨害事件…インターネット上などでは今も在日外国人への攻撃が絶えない》。

   『●日本社会は歪んでる: ネオナチやヘイトスピーチ集団に
                「信奉」される議員が取り巻くアベ様

   『●ヘイトスピーチ、自らの言論の自由を狭めている
   『●「とある暴力集団」による「暴力犯罪」、
           そして「歪んだ社会」ニッポン
    《差別的言動を繰り返した「在日特権を許さない市民の会」
     (在特会)によるヘイトスピーチ(憎悪表現)について、
     「人種差別」と断じた大阪高裁の判決が最高裁で確定した。
     在特会側には、計1200万円を超す高額賠償金を支払う義務が生じる》
    「「とある暴力集団」による「暴力犯罪」。社説の言う通り、
     「社会も問われている」。だって、ネオナチや「とある暴力集団」に
     「信奉」されて平気な議員がいるくらいですから、世界から
     「歪んだ社会」と見られても仕方のないニッポン。…また、
     「ヘイトスピーチ」ではなく、それは「暴力犯罪」だそうです
     「威力業務妨害罪と器物損壊罪」》

 《京都朝鮮学校事件は威力業務妨害罪と器物損壊罪で有罪が確定した、れっきとした暴力犯罪》でした。在特会という名の「とある暴力集団」による「暴力犯罪」。在りもしない〝在日特権〟という幻想でヘイトスピーチをまき散らし、「暴力犯罪」を行う一方で、明確に存在する「在日米軍特権」にはヘタレぶり。何がホシュ、ウヨクか。
 いま、「歪んだ社会」の歪みは改善されただろうか?

   『●(政界地獄耳)《一方、日本では一体何が起きているか。
      官製嫌韓ヘイトをメディアがあおっているお粗末さだ》
   『●《記者…個人に140万円の損害賠償》SLAPP訴訟…
      川崎市議選元候補者が《「差別する自由」を求めている》?
    「阿部岳さんによる、沖縄タイムスの記事【「在日コリアンを
     誹謗中傷」と批判した記者を提訴 川崎市議選の元候補者】…と、
     阿部岳さんのコラム【【記者の視点】「差別する自由」など存在しない】」

 《「差別する自由」など存在しない》。
 東京新聞の記事【ヘイト罰金条例案 川崎市文教委可決 全国初、12日成立の見通し】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019121002000131.html)によると、《川崎市議会の文教委員会は九日、外国人や外国出身者へのヘイトスピーチ(憎悪表現)に、全国で初めて罰金の刑事罰を科す差別禁止条例案を全会一致で可決した。十二日の本会議で可決、成立する見通し。来年七月一日に全面施行される》。

 同じく東京新聞の記事【ヘイト罰金条例成立 川崎市 全国初 共生の街だからこそ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019121302000152.html)によると、《川崎市議会は十二日、外国人や外国出身者へのヘイトスピーチ(憎悪表現)に罰金の刑事罰を科す全国初の差別禁止条例案を、賛成多数で可決した。来年七月一日に全面施行される》。

 さらに、安田栄治記者による記事【「私たちを守る 市が宣言」川崎ヘイト罰金条例 規制求め4年、在日コリアン安堵】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019121302000141.html)によると、《川崎市で十二日に成立した差別禁止条例は、全国で初めてヘイトスピーチに罰金刑を科しヘイト規制に踏み込んだ。差別表現が飛び交うデモの標的にされ続けてきた市内の在日コリアンたちからは歓迎の声が上がった。罰則規定も含めた規制を求めてきた在日三世の…は、市内で開いた記者会見で「条例の成立は川崎市が私たちを守ると宣言してくれたということ。本当にうれしい」と涙ながらに話した。(安田栄治)》。

 最後も、社説【ヘイト禁止条例 共生の土台を築くには】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019121302000157.html)によると、《公共の場所でのヘイトスピーチ(憎悪表現)を罰則付きで禁止する全国初の条例が川崎市議会で成立した。人の尊厳を守る実効性とともに、運用には過度な制約とならぬ歯止めも必要だ。川崎市では、激しいヘイトスピーチやデモが繰り返され、二〇一六年に国のヘイトスピーチ対策法が成立する契機となった。条例では、市内の道路や公園などの公共の場所で、特定の国や地域の出身であることを理由としての、不当な差別的な言動を禁じている。具体的には住んでいる場所から出ていくことや、生命などに危害を加えることをあおったり、人以外のものに例えるなどして著しく侮辱したりすることを指す。市は違反者に勧告や命令を行い、命令から六カ月以内に三回目の違反をした場合は学識者で構成する審査会に意見を聞いた上で氏名を公表、捜査機関に告発する。裁判で有罪が確定すれば五十万円以下の罰金が科される。インターネット上での書き込みは刑事罰の対象外だが、拡散防止に必要な措置を講ずることを市に求めている》。

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019120502000267.html

絶えぬヘイト、無関心が助長 京都朝鮮学校妨害事件から10年 当時の体験者語る
2019年12月5日 夕刊

     (「無知が差別に加担していることを知ってほしい」と
       話す南智仁さん=京都市上京区の同志社大で)

 在日特権を許さない市民の会(在特会)朝鮮学校の前でヘイトスピーチを行い、授業を妨げた京都朝鮮学校妨害事件は今月、発生から十年を迎えた。この間、ヘイトスピーチ対策法が成立するなど法整備も進んだが、インターネット上などでは今も在日外国人への攻撃が絶えない。事件当時、学校にいた同志社大三年の南智仁(ナムチイン)さん(20)は「差別は今も続いている無知が当事者を苦しめていることを知ってほしい」と訴えている。(森田真奈子)

 妨害は二〇〇九年十二月四日に発生。在特会のメンバーらが旧京都朝鮮第一初級学校(京都市南区)の前で拡声器を使い、約一時間にわたり「密入国の子孫」「日本に住ましてやってんねん」などと連呼した。

 学校では当時、近隣三校の児童らも参加して交流授業が行われていた。滋賀朝鮮初級学校(大津市)から訪れていた南さんは「当時は何があったのか分からなかったが、講堂のカーテンが突然閉められて、窓際がざわついていたのを覚えている」と振り返る。

 南さんは事件後、動画を通して妨害の詳細な様子を知った。「いくら根拠がないことを言っていても、自分たちに向けて暴言を吐かれるのはしんどい怖くて悲しかった」と話す。

 事件後、出自を表に出すのを怖く感じることも。出身校を聞かれても「地元の学校」と受け流したり、「朝鮮」が持つ否定的なイメージを避けようと自らを「在日韓国人」とごまかして説明したこともあった。

 ただ、事件を特別な出来事ではなく「ずっと続いてきた朝鮮人への攻撃の一つ」だと捉えている。ネット上では、「不逞(ふてい)鮮人」「犯罪朝鮮人」といった差別的な書き込みを目にすることは、日常茶飯事だ

 妨害事件後も在特会などによるヘイトスピーチは各地で続き、一六年にはヘイトスピーチを規制する対策法が成立。こうした動きを通し、南さんは「ヘイトスピーチはあかんという意識が世間的に広がった」と受け止めるが、一方で「朝鮮人に対する偏見はなくなっていない」とも断じる。

 大学で在日コリアンのサークルの勧誘活動をしていた時には、通り掛かった学生から国に帰れやと吐き捨てるように言われたこともあったという。

 南さんは「そもそも在日がどういう歴史的背景で(日本に)いるのか、知らない人が多過ぎる無知や無関心が差別を助長していることを自覚してほしい」と話す。

京都朝鮮学校妨害事件> 妨害の中心メンバー4人は2011年に京都地裁で威力業務妨害や侮辱の罪で有罪判決を受けた。学校側は、損害賠償などを求めて在特会などを提訴。京都地裁は13年、この事件を含む09~10年の3件の妨害行為を「人種差別」と認め、学校周辺での街宣禁止や約1200万円の賠償を在特会に命じた
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《「アイヌの伝統」…捨て身ともいえる畠山さんの行動が先住民族とは何かを問いかける》…そして、「言葉」を殺すな!

2019年09月22日 00時00分57秒 | Weblog

サケ漁をするアイヌ民族の畠山敏さん… (東京新聞2019年9月2日)↑】



東京新聞の記事【逮捕覚悟 先住権問う 「アイヌの伝統」許可申請せずサケ漁】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019091702000260.html)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>「言葉が死ぬ」前にできること】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-991842.html)。

 《しかし日本ではアイヌを法律で「先住民族」と明記しながら先住権を認めず、畠山さんの行為は「違法」に。捨て身ともいえる畠山さんの行動が先住民族とは何かを問いかける》。
 《長田弘さんの詩「言葉の死」…はこう締めくくる。「誰が言葉を殺したか?/『私だ』と名乗る誰もいなかった。」。無自覚なまま、黙って死んでいく言葉を見たくはない。できることはまだある》。

 《アイヌ民族…サケの捕獲は認められた先住権》なはずで、国連人種差別撤廃委員会も日本政府に勧告。でも、《道の告発を受け、道警は規則違反の疑いで畠山さんの倉庫などを家宅捜索し、網やかごを押収した》そうだ。
 そして、アイヌ語。《明治政府はアイヌを日本人に組み込む同化政策で日本語を強制し…》。
 《無自覚なまま、黙って死んでいく言葉を見たくはない。できることはまだある》、言葉を殺すな! 殺させるな!


   『●「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
             (沖縄人を見くびってはいけない)」
   『●【<金口木舌>二風谷判決と沖縄】:
     「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み…先住民族に該当する」
    《「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み、独自の文化を保っており、
     先住民族に該当する」。1997年3月、札幌地裁で言い渡された判決に
     原告のアイヌ民族の人々は驚き、涙を流した ▼司法の場で初めてアイヌを
     先住民族と認めた、二風谷(にぶたに)ダム建設を巡る訴訟の判決だ…
     ▼しかし政府は沖縄の人々の権利保護を求めた国連自由権規約委員会
     勧告無視

   『●《アイヌ民族…サケの捕獲は認められた先住権…
      儀式用のサケ十数匹を捕獲…サケ漁をするかどうかは自己決定権だ》

    《畠山敏さん(77)が、サケの捕獲は認められた先住権だとして、
     道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲した。道職員が制止する
     場面もあったが、畠山さんは「サケ漁をするかどうかは自己決定権だ」
     として決行した。》

   『●【<金口木舌>サケ漁は自己決定権】…《アイヌ民族は
     先住民族と認められたが、権利回復の闘いは沖縄同様、道半ば》

    《▼アイヌ民族は先住民族と認められたが、権利回復の闘いは
     沖縄同様、道半ばだ
。「アイヌモシリ(北海道)に土足で
     上がり込んできた和人には左右されない
」と訴える畠山さんの
     言葉は重くて深い》

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019091702000260.html

逮捕覚悟 先住権問う 「アイヌの伝統」許可申請せずサケ漁
2019年9月17日

     (網にかかった魚を回収するアイヌ民族の畠山敏さん
       =1日、北海道紋別市で)

 アイヌ民族の畠山敏さん(77)が北海道紋別市の川で、サケ漁は先住民族の権利(先住権)だとして、道に許可申請をせずに伝統儀式用のサケを捕獲し、道警の取り調べを受けた。先住民族が伝統的に行ってきた漁などは国際的に権利として認める流れにある。しかし日本ではアイヌを法律で先住民族と明記しながら先住権を認めず、畠山さんの行為は「違法」に。捨て身ともいえる畠山さんの行動が先住民族とは何かを問いかける


 ▽儀式

 「違法なのでやめてください」。九月一日早朝、網に掛かった魚をアイヌ伝統の丸木舟に揚げる畠山さんに、道職員は川岸から繰り返し呼び掛けた。居合わせたアイヌらは反論する。「生活の権利を奪っておいて法律違反とは勝手じゃないか

 四月成立のアイヌ施策推進法でアイヌは「先住民族」と明記された。畠山さんは「われわれの権利だ」と制止を無視して漁を続け、サケなど約六十匹を捕獲。二匹はこの日の儀式に供え、残りは参列者らに振る舞った。

     (北海道警が畠山敏さんの倉庫から押収した物品の一覧)


 ▽許可制

 明治政府はアイヌを日本人に組み込む同化政策で日本語を強制し、主食の一つだったサケの漁も一方的に禁じた。戦後も状況は変わらず、二〇〇五年になって道は内水面漁業調整規則で、伝統的な儀式や漁法の伝承に限り捕獲を許可した。

 昨年度に十三件、計約千三百匹の捕獲を認めた道は「申請がないと密漁と区別できない」と説明するが、畠山さんはアイヌの大地でなぜ許可が必要なのか、との立場で議論がかみ合わない。畠山さんは「土足で踏み込んできた和人(アイヌ以外の日本人)に左右されるつもりはない」と強く反発している。

 昨年も申請せずに漁をしようとし、警察に止められた。「権利回復を訴えたい」。今年は覚悟を決め、道にも「申請はしない」と通告していた。

 道の告発を受け、道警は規則違反の疑いで畠山さんの倉庫などを家宅捜索し、網やかごを押収した。「神にささげるために捕った」「逮捕してくれ」。取り調べで胸を張る畠山さんには、起訴され裁判になれば法廷で訴えたいとの思いがある。


 ▽国際性

 海外では北欧の先住民族サーミなど多くの民族が漁業権などの先住権を取り戻している。後押しするのは、各国に権利回復の取り組みを求めた国際人権規約や国連の宣言だ。「国際的な流れが先にあり、それに合わせてそれぞれの国が法律を変えてきた」と先住民族の復権に詳しい室蘭工業大名誉教授の丸山博さん。

 日本は昨年八月、国連から土地や資源に関するアイヌの権利を守っていないとされ、保護を勧告された。だが、アイヌ施策推進法ではそうした権利は規定されず、付帯決議で「勧告などに留意し施策の検討に努める」とするにとどまっている。

 丸山さんは「アイヌが生まれながらに持つ文化享有権が憲法で保障されるとした裁判もある。許可がなければサケ漁を認めないのは違憲の可能性がある」と指摘した。
=====================================================

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-991842.html

<金口木舌>「言葉が死ぬ」前にできること
2019年9月19日 06:00
しまくとぅば ユネスコ 金口木舌

 「言葉が死んでいた。/ひっそりと死んでいた。/気づいたときはもう死んでいた。」。長田弘さんの詩「言葉の死」の冒頭部分を読んで、びくっとした

▼「想(おも)ったことすらなかったのだ、/いったい言葉が死ぬなんて。」。そう、思いもよらなかった。言葉が生き物のように「死ぬ」という表現も衝撃的だが、「言葉が死ぬ」というのがどういう状態なのかにも思いを巡らせる

▼ユネスコが宮古語や八重山語、与那国語などを消滅の危機に瀕(ひん)する言語に指定して今年で10年。県の2018年度のしまくとぅば県民意識調査では、共通語と同じくらいかそれ以上使う県民は24・8%。2年前よりも3ポイント減り、減少傾向が続く

▼同じ消滅危機言語のアイヌ語を広める大学生の関根摩耶さんは、動画投稿サイト「ユーチューブ」を活用して発信している。もともとアイヌ語にはない若者言葉も造語して、楽しくアイヌ文化を実践している

言語には、それを使う人々の暮らしが反映される。暮らしから生まれてきた、その言語にしかない単語や表現もある。アイヌ語にはクマを表す言葉が83あるという。「言葉の死」は、それらの概念をも消し去る

▼長田さんの詩はこう締めくくる。「誰が言葉を殺したか?/『私だ』と名乗る誰もいなかった。」。無自覚なまま、黙って死んでいく言葉を見たくはない。できることはまだある。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●【<金口木舌>サケ漁は自己決定権】…《アイヌ民族は先住民族と認められたが、権利回復の闘いは沖縄同様、道半ば》

2019年09月18日 00時00分19秒 | Weblog

[サケ漁をするアイヌ民族の畠山敏さん…東京新聞2019年9月2日)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>サケ漁は自己決定権】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-988821.html)。

 《北海道紋別市の川でアイヌ民族畠山敏さんが道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲し、道警の家宅捜索を受けた。畠山さんは「サケ漁をするかどうかは自己決定権」と主張する…▼アイヌ民族は先住民族と認められたが、権利回復の闘いは沖縄同様、道半ばだ。「アイヌモシリ(北海道)に土足で上がり込んできた和人には左右されない」と訴える畠山さんの言葉は重くて深い》。

   『●《アイヌ民族…サケの捕獲は認められた先住権…
     儀式用のサケ十数匹を捕獲…サケ漁をするかどうかは自己決定権だ》

    《畠山敏さん(77)が、サケの捕獲は認められた先住権だとして、
     道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲した。道職員が制止する
     場面もあったが、畠山さんは「サケ漁をするかどうかは自己決定権だ」
     として決行した。》

 《「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み、独自の文化を保っており、先住民族に該当する」》…そう認められたアイヌの人々。《国連人種差別撤廃委員会は昨年8月、土地や資源に関するアイヌの権利保護を日本政府に勧告していた》。なのに、《儀式用のサケ十数匹を捕獲》により、《道警の家宅捜索を受けた》そうだ。
 《アイヌ民族は先住民族と認められたが、権利回復の闘いは沖縄同様、道半ばだ》…沖縄の人々も、《土足で上がり込んできた和人に》虐げられている。《基地問題などで自己決定権が侵害され続けている》。《狩猟・漁労民であるアイヌ民族を農耕化を通して強制的に同化した …▼沖縄も近代以降、皇民化教育などで同化政策にさらされた》。

   『●『ドキュメント 憲法を獲得する人々』読了(4/4)
    「【田中伸尚著、『ドキュメント 憲法を獲得する人々』】……
     その他、「「神主の娘」の意見陳述」の木村さん、
     「揺れる心で「アイヌ宣言」」の多原さん、
     「在日だけど、日本社会の一員だから」の徐さん、
     「沖縄に基地があるかぎり」の中村さん」

   『●「「希望はTPP。」なのか」
      『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)

    「平田剛士氏【アイヌ人骨〝発掘〟研究の実態は依然不明 
     北大のずさんな管理が発覚】・・・・・・」

   『●「安倍首相の暴走と「妄想」」
      『週刊金曜日』(2014年2月7日号、978号)について

    「平田剛士氏【いまだ返還されず 全国12大学にアイヌ遺骨1636体!】、
     「遺骨を返還すれば大学自体も癒される。アイヌも力を得て、
     誇りを取り戻せるはず……より人間的な大学に変わるための
     チャンスととらえることもできる」」

   『●「国が象徴空間に集約することに我慢がならない。
               先祖の遺骨をコタンに返してほしい」
    「「研究目的」(!!)で勝手に盗掘して「大量の遺骨や副葬品が
     返還されないまま」に放置する大学人、そして、政府のいい加減な対応。
     …当事者が「嫌だ」と言っているにもかかわらず、平気で「人権侵害」。
     「墓を暴いて先祖の遺骨を集めた学者たちの責任をあいまいにしたまま、
     国が象徴空間に集約することに我慢がならない先祖の遺骨をコタンに
     返してほしい」と云う叫びにどう応えるつもりか?」

   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
     基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
    《■「怪獣使いと少年」で問うた人間の心の闇
    《登場人物の少年は北海道江差出身のアイヌで、メイツ星人が化けた
     地球人は在日コリアンに多い姓『金山』を名乗らせた。1923年の
     関東大震災で、『朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ』『暴動を起こした』
     などのデマが瞬く間に広がった市井の善人がうのみにし、軍や警察と
     一緒になって多くの朝鮮人を虐殺したんだ。『発音がおかしい』
     『言葉遣いが変』との理由で殺された人もいる。
     琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではない

   『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
     「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々
    《日本の近現代史の中で「土人」という言葉が使われていた例で
     僕が思い出すのは、1899年に制定された「北海道旧土人保護法
     という法律だ。アイヌ民族についての「旧土人」という
     表現および法律の内容が差別的であるとの批判が高まり、1997年、
     アイヌ文化振興法施行に伴って廃止された。アイヌ保護を名目とは
     していたがアイヌの土地の没収、アイヌ語使用の禁止、アイヌ固有の
     風習の禁止などが含まれていた》

   『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」…
      ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘
    《土人とは、土着の人を指す言葉で、軽蔑や侮辱の意味を含んで使われる。
     かつてアイヌの人々に対しても使われたことがある。官憲が沖縄に
     住む人を土人と呼んだことは先例に従えば、琉球民族が日本人とは違う
     歴史を持つ先住民族であると公に認めたことになる

   『●「亡命」させられた辛淑玉さんは「一時帰国するにも勇気がいる…」とは、 
                        一体ニッポンはどんな国なのか?
    「ブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊
     辛淑玉さんの裁判を応援する。】(…)では、《…辛さんへの攻撃をはじめ、
     ネトウヨ・ファシスト勢力の沖縄や在日、アイヌ、その他への差別と
     暴力を許さないために、力を尽くしたい憎悪を向けられている者が
     泣き寝入りし、逃げていたら、いつか実体的に抹殺される》」

   『●【<金口木舌>二風谷判決と沖縄】:
     「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み…先住民族に該当する」
    《「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み、独自の文化を保っており、
     先住民族に該当する」。1997年3月、札幌地裁で言い渡された判決に
     原告のアイヌ民族の人々は驚き、涙を流した ▼司法の場で初めてアイヌを
     先住民族と認めた、二風谷(にぶたに)ダム建設を巡る訴訟の判決だ…
     ▼しかし政府は沖縄の人々の権利保護を求めた国連自由権規約委員会
     勧告を無視

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-988821.html

<金口木舌>サケ漁は自己決定権
2019年9月13日 06:00
自己決定権 アイヌ 先住民族 国連 金口木舌

 北海道紋別市の川でアイヌ民族畠山敏さんが道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲し、道警の家宅捜索を受けた。畠山さんは「サケ漁をするかどうかは自己決定権」と主張する

▼4月に成立したアイヌ施策推進法はアイヌを「先住民族」と明記したが、先住権は規定しなかった。儀式用のサケの捕獲は手続きが簡略化されたが、道から許可を得る必要があることに変わりはない。国連人種差別撤廃委員会は昨年8月、土地や資源に関するアイヌの権利保護を日本政府に勧告していた

▼国は1899年に制定(1997年廃止)した北海道旧土人保護法で、狩猟・漁労民であるアイヌ民族を農耕化を通して強制的に同化した

▼上村英明恵泉女学園大教授はアイヌ施策推進法を「アイヌ民族の権利はどこにもなく謝罪を含む政府の歴史検証もない。政府施策の根拠法であっても、国際水準の人権法ではない」と批判している

沖縄も近代以降、皇民化教育などで同化政策にさらされた。戦後の米国統治下で多くのウチナーンチュが民主主義を求めて闘った。現在も基地問題などで自己決定権が侵害され続けている

▼アイヌ民族は先住民族と認められたが、権利回復の闘いは沖縄同様、道半ばだ。「アイヌモシリ(北海道)に土足で上がり込んできた和人には左右されない」と訴える畠山さんの言葉は重くて深い。
=====================================================

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《アイヌ民族…サケの捕獲は認められた先住権…儀式用のサケ十数匹を捕獲…サケ漁をするかどうかは自己決定権だ》

2019年09月16日 00時00分06秒 | Weblog

サケ漁をするアイヌ民族の畠山敏さん… 東京新聞2019年9月2日)(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/images/PK2019090202100232_size0.jpg)↑】



東京新聞の記事【先住権か違法な漁か アイヌ、許可得ずサケ捕獲 儀式用十数匹】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019090202000252.html)。

 《北海道紋別市の川で1日、アイヌ民族の畠山敏さん(77)が、サケの捕獲は認められた先住権だとして、道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲した。道職員が制止する場面もあったが、畠山さんは「サケ漁をするかどうかは自己決定権」として決行した。四月に成立したアイヌ施策推進法は、アイヌを先住民族と明記》。

   『●《産経新聞が「日本は人権守る側に立て」と論陣》!? 
         例えば、辺野古破壊では、沖縄の人々の人権は?
    「阿部岳さんのコラム【[大弦小弦]香港と沖縄と人権】…
     《▼産経新聞が「日本は人権守る側に立て」と論陣を張っている。
     政府に香港市民への連帯を促す。中国の敵は味方、という発想かも
     しれない。それでも人権の一点なら幅広い層が一致できる 
     ▼人権に国境がないことも確認できればなお良い。沖縄でも人々は
     基地の集中と新設によって危険にさらされ、自己決定権を奪われている》」

 《アイヌ民族…サケの捕獲は認められた先住権…儀式用のサケ十数匹を捕獲…「サケ漁をするかどうかは自己決定権だ」》。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>二風谷判決と沖縄】によると、《わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み、独自の文化を保っており、先住民族に該当する》と。さらに、「二風谷ダム建設差し止め訴訟」で、《▼町出身でアイヌ民族として初めて国会(参院)議員も務めた萱野茂さん(故人)らが、土地の明け渡しを拒否して法廷で闘った。判決はダムが完成していたことから建設差し止め請求を棄却したが、土地収用の違法性を指摘した》。

 「二風谷ダム建設差し止め訴訟」について、Wikipediaから(「二風谷ダム」の項)。《しかし、ダムが建設される二風谷地区は、アイヌ民族にとって「聖地」とされてきた。チプサンケと呼ばれるサケ捕獲のための舟下ろし儀式を始めとして当地はアイヌ文化が伝承される重要な土地であった。このため計画発表と同時に地元のみならず道内のアイヌから強い反対運動が起こった。…しかしアイヌ関係者のうち萱野茂貝澤正の両名はアイヌ文化を守るため頑強にダム建設に反対。所有する土地に対する補償交渉に一切応じず補償金の受け取りも拒否した。このため北海道開発局は両名への説得を断念し土地収用法に基づき1987年(昭和62年)に強制収用に着手した。これに対し両名は強制収用を不服として1989年(平成元年)に収用差し止めを事業者である建設大臣に求めたが1993年(平成5年)4月にこれは棄却された。請求棄却に反発した両名は翌月土地収用を行う北海道収用委員会を相手に札幌地方裁判所へ行政訴訟を起こした。いわゆる「二風谷ダム建設差し止め訴訟」である。両名とその弁護団はダム建設の差し止めを求めたが、真の目的はアイヌ民族の現状を広く一般に認知させ、アイヌ文化を国家が保護・育成させることであった。この間萱野は日本社会党の参議院議員(比例代表区)として国政にも参与している》。

   『●『ドキュメント 憲法を獲得する人々』読了(4/4)
    「【田中伸尚著、『ドキュメント 憲法を獲得する人々』】……
     その他、「「神主の娘」の意見陳述」の木村さん、
     「揺れる心で「アイヌ宣言」」の多原さん、
     「在日だけど、日本社会の一員だから」の徐さん、
     「沖縄に基地があるかぎり」の中村さん」

   『●「「希望はTPP。」なのか」
      『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)

    「平田剛士氏【アイヌ人骨〝発掘〟研究の実態は依然不明 
     北大のずさんな管理が発覚】・・・・・・」

   『●「安倍首相の暴走と「妄想」」
      『週刊金曜日』(2014年2月7日号、978号)について

    「平田剛士氏【いまだ返還されず 全国12大学にアイヌ遺骨1636体!】、
     「遺骨を返還すれば大学自体も癒される。アイヌも力を得て、
     誇りを取り戻せるはず……より人間的な大学に変わるための
     チャンスととらえることもできる」」

   『●「国が象徴空間に集約することに我慢がならない。
               先祖の遺骨をコタンに返してほしい」
    「「研究目的」(!!)で勝手に盗掘して「大量の遺骨や副葬品が
     返還されないまま」に放置する大学人、そして、政府のいい加減な対応。
     …当事者が「嫌だ」と言っているにもかかわらず、平気で「人権侵害」。
     「墓を暴いて先祖の遺骨を集めた学者たちの責任をあいまいにしたまま、
     国が象徴空間に集約することに我慢がならない先祖の遺骨をコタンに
     返してほしい」と云う叫びにどう応えるつもりか?」

   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
     基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
    《■「怪獣使いと少年」で問うた人間の心の闇
    《登場人物の少年は北海道江差出身のアイヌで、メイツ星人が化けた
     地球人は在日コリアンに多い姓『金山』を名乗らせた。1923年の
     関東大震災で、『朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ』『暴動を起こした』
     などのデマが瞬く間に広がった市井の善人がうのみにし、軍や警察と
     一緒になって多くの朝鮮人を虐殺したんだ。『発音がおかしい』
     『言葉遣いが変』との理由で殺された人もいる。
     琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではな

   『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
     「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々
    《日本の近現代史の中で「土人」という言葉が使われていた例で
     僕が思い出すのは、1899年に制定された「北海道旧土人保護法
     という法律だ。アイヌ民族についての「旧土人」という
     表現および法律の内容が差別的であるとの批判が高まり、1997年、
     アイヌ文化振興法施行に伴って廃止された。アイヌ保護を名目とは
     していたがアイヌの土地の没収、アイヌ語使用の禁止、アイヌ固有の
     風習の禁止などが含まれていた》

   『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」…
      ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘
    《土人とは、土着の人を指す言葉で、軽蔑や侮辱の意味を含んで使われる。
     かつてアイヌの人々に対しても使われたことがある。官憲が沖縄に
     住む人を土人と呼んだことは先例に従えば、琉球民族が日本人とは違う
     歴史を持つ先住民族であると公に認めたことになる

   『●「亡命」させられた辛淑玉さんは「一時帰国するにも勇気がいる…」とは、 
                        一体ニッポンはどんな国なのか?
    「ブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊
     辛淑玉さんの裁判を応援する。】(…)では、《…辛さんへの攻撃をはじめ、
     ネトウヨ・ファシスト勢力の沖縄や在日、アイヌ、その他への差別と
     暴力を許さないために、力を尽くしたい憎悪を向けられている者が
     泣き寝入りし、逃げていたら、いつか実体的に抹殺される》」

   『●【<金口木舌>二風谷判決と沖縄】:
     「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み…先住民族に該当する」
    《「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み、独自の文化を保っており、
     先住民族に該当する」。1997年3月、札幌地裁で言い渡された判決に
     原告のアイヌ民族の人々は驚き、涙を流した ▼司法の場で初めてアイヌを
     先住民族と認めた、二風谷(にぶたに)ダム建設を巡る訴訟の判決だ…
     ▼しかし政府は沖縄の人々の権利保護を求めた国連自由権規約委員会
     勧告を無視

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019090202000252.html

先住権か違法な漁か アイヌ、許可得ずサケ捕獲 儀式用十数匹
2019年9月2日 夕刊

      
     (サケ漁をするアイヌ民族の畠山敏さん(舟上左)らと、
      捕獲をやめるよう呼び掛ける道職員(左)=1日、北海道紋別市で)

 北海道紋別市の川で1日、アイヌ民族の畠山敏さん(77)が、サケの捕獲は認められた先住権だとして、道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲した。道職員が制止する場面もあったが、畠山さんは「サケ漁をするかどうかは自己決定権だ」として決行した。

 四月に成立したアイヌ施策推進法は、アイヌを先住民族と明記。だが昨年八月、国連の人種差別撤廃委員会日本に土地や資源に関するアイヌの権利保護を勧告したにもかかわらず、先住権は規定されなかった

 畠山さんは午前五時半ごろからアイヌの伝統的な丸木舟に乗り、前日に川に張った網に掛かったサケの回収を開始。駆け付けた道職員は川岸から「違法な状態なので、やめてくれませんか」などとたびたび制止した。

 これに対し、近くで見ていた先住権の専門家やアイヌらは「先住民族の漁は国際的に認められている。申請が必要なことがおかしい」「生活の権利を奪っておいて法律違反とは非常に勝手だ」と反論。畠山さんは漁を午前七時ごろに終えた。

 畠山さんは「道からは歩み寄りも何もない。アイヌモシリ(北海道を指すアイヌ語)に土足で上がり込んできた和人には左右されない」と話した。一九九七年に司法の場で初めてアイヌを先住民族と認めた二風谷ダム訴訟で原告だった貝沢耕一さん(73)も様子を見ており「畠山さんは、自分のことだけでなくアイヌ全体のことを考えてやっているすごい勇気だ」と激励した。

 漁で捕ったサケは、この日開かれた豊漁祈願の伝統儀式カムイチェプノミで供えられた

 畠山さんによると、同日午後、警察官が来て「網を撤収したか」「これが漁をした網か」などと尋ねた。畠山さんが「逮捕してくれ」と応じると「そういうことじゃない。後で話だけ聞かせてくれ」と話して帰ったという。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする