フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

梅雨の韓国行き

2010-07-04 22:34:05 | research
1日から2泊3日で韓国・金剛大学に招待されて行ってきた。

金剛大学はまだ新しい大学で、千葉大卒業生の金昌男さんとのかかわりで、何人も留学させてもらったり、教師として雇ってもらったりしていて、関係が深い。韓国の大学はすでに夏休みなのだが、日本語の夏季集中プログラムが行われ、その中で話をしてくれということだった。

今年1月に行ったばかりの仁川空港だが、今回は一人旅。そこから南下して忠清南道の天安(チョナン)まで2時間ほどバスに乗り、迎えに来てくれた金さんの車で論山に近い金剛大学まで移動した。途中、もう夕方になったので、公州(コンジュ)の鄙びた山のふもとのレストランで韓式の食事をする。公州はその昔、百済の都だったところ。木造で昔風の個室に座って、外の自然を愛でながら、栗の入ったマッコルリを嗜むという風雅なもの。一緒に来てくれたチョン先生は集中プログラムの非常勤で来ている人で、金さんと同じ時期、神田外語大に留学していたとのこと。梅雨のまっただ中で月は見えなかったが、山の多い韓国ではこうした食事の仕方に人気があるようだ。

韓国にも梅雨はある。仁川空港も靄の中だったが、論山(ノンサン)に近い大学のあたりもじっとり蒸し暑く、雨に濡れていた。大学は鶏龍山国立公園の山の南斜面に建っていて、緑の中に沈んでいる。

翌朝、大学の中を見学させてもらい、その後、総長との会見、そして総長や日本語関係の先生方との昼食(ここもやはり風流なところだった)。金剛大学はまだ発展途中で校舎自体は1棟しかないので、総長はよく先生達と食事をするとのこと。ぼくは食事中から体調不良になり大学に戻ってからしばらく自室で休憩。それから何とか立ち上がって学生達のいる教室へ。今日はドラえもんのアニメの日本語の吹き替えを6グループで演じてコンテストをするというプロジェクトの発表になっていて、プロジェクターに映るアニメに合わせて、グループでマイクを使って吹き替えるわけだ。もう大騒ぎで、叫び声や、悪役の笑い声などじつにうまくまねて楽しかった。

そんな楽しいコンテストの後なので、1時間ほどのぼくの話はまあちょっとしたcooling downといったところだろう。じつはふらふらだったのだけど、力が抜けただけ、口も軽くなったみたいで、なんとか終わりまでいけた。

学生達は優秀な成績で授業全学免除でこの見渡す限り山と農村の拡がる大学に入り、外国人をルームメイトにして4年を過ごすことになるわけだ。そのうち、1年は留学する者もいるが、ほとんどはこの小さな大学の中で育てられる。日本の大学ではすっかり大学生自身に任されているわけだが、ここでは大学がそうした教育まで引き受けているのだと思う。アメリカの大学の寮生活にもそんな傾向があるが、大学の先生と学生仲間の中で成長していくというのは、忘れていた1つの教育の型だった、そんな気もしたのだ。


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