さやかに晴れた空に浮かぶ中秋の月を眺めた。
満月は地上のどこにものぼっているだろう。9.11の跡地にも、その後の10年の戦地にも、3.11の後に忽然とつくられた死の町の上にも、草の生えはじめた南三陸の鉄骨だけが残った防災対策庁舎の上にも、まだ見つけられずどこにもいけない亡骸の上にも、餓死してしまった生き物たちの上にも月はのぼっているのだろう。
しかしコオロギの鳴き声が聞こえる。窓の内からは笑い声も咲いている。原発は白兵戦のさなかだ。
ぼくらはすでに新しい世界をつくりはじめているのだ。
さやかに晴れた空に浮かぶ中秋の月を眺めた。
満月は地上のどこにものぼっているだろう。9.11の跡地にも、その後の10年の戦地にも、3.11の後に忽然とつくられた死の町の上にも、草の生えはじめた南三陸の鉄骨だけが残った防災対策庁舎の上にも、まだ見つけられずどこにもいけない亡骸の上にも、餓死してしまった生き物たちの上にも月はのぼっているのだろう。
しかしコオロギの鳴き声が聞こえる。窓の内からは笑い声も咲いている。原発は白兵戦のさなかだ。
ぼくらはすでに新しい世界をつくりはじめているのだ。