今日は東京の西の端、桜美林大学で開催された社会言語科学会大会。
千葉大グループも上記タイトルで、昨年5月に実施した千葉市調査の報告をした。
ポイントは「非被災地域」ということで、従来からの被災地域の外国人の調査ではなく、非被災地域でも外国人はさまざまな問題を抱えていたことを報告したもの。「非被災地域」とは、被災の外部ということではなく、内部と外部の中間地帯(中井久夫さんの言葉)をさす。
そもそも被災地域とは何かを問うてみると、それが簡単に定義できないことがわかるだろう。被災と非被災は明確に分けられるわけではなく、ある点からすればある場所は被災地でありある場所は非被災地になるが、べつな点からはどちらも被災地であることがあるわけだ。メディアに流れる被災地、被災者という言葉もまた安易な線引きで、実際を見ていない。つまり「被災地域」とは極端に単純化したイメージにすぎないのだと思う。
千葉市のような場合、目に見える被災は実感できないが、ぼくらは震災の大きなプレッシャーを感じさせられながら、3月中は半避難生活をしていたようにも思うのだ。東日本大震災にみまわれた非被災地域において外国人はすっかり忘れられていた。ボランティアの人々だけが彼らを気にしていたが、国も市も一般の日本人もほとんど顧みることがなかった。そこからさまざまな問題が生まれていた。