民法覚書き

2018-05-16 22:00:30 | 司法試験関連

民法は、①要件事実的な問題(具体的な発言がどのような意味を持つのか、主張反論を意識させたものなど)、②最近主流?な比較的論点主義的な問題(事実の評価も含む。またこのケースでは有力説的な見解を問うてくることもある)、③当事者の合理的意思解釈を問う問題、④判例射程問題、というパターンがあります。どのパターンなのか見極めることは有益です。以前出題された判例射程問題の肝は、わざわざ事実関係を詳細に掲載している点にピン!ときたかどうかにあります。

民法は、判例・通説があたかも「条文の規定内容」かのような錯覚を起こしやすい科目です(自己所有物の時効取得の可否など)。あくまでも判例通説は解釈論に過ぎないので、それと異なる判断をすることは十分可能なのです。以前ブログでも紹介しましたが、「原則そのものが重要なのか」、それとも「その背後にある本当の理由が重要なのではないか」、という掘り下げが不可欠です。実は「原則」は、制度趣旨から考えると「一般的にそういうケースが多いから」とりあえず「原則」にしている、というだけの場合が結構あります。このケースでは形式的には「原則」に反しそうですが、実質的に見て例外を認めうるというケースになりやすいのです。この視点は重要です。

また変な「決め打ち」もご法度です。まずは「事実関係を確認し」→「原則からの帰結」→「その不都合性」→「例外が認められないか」、といった「型」を守るようにしましょう。また時系列にそって「権利義務関係の変動・その承継移転・対抗の可否」などチェック漏れしないように注意しましょう。

「損害縛り」は言うに及びません。費目・金額まで具体的に詰めましょう。

「債務」の中身を具体的に指摘できるようにしましょう。その契約類型において本来的な債務なのか、本件契約においては重要な「付随的な」債務なのか、を検討しましょう。

民法は、設問間の難易度に結構差があることが多いので、易問を時間不足で取りこぼすような真似はしないように注意しましょう。途中答案は厳禁ですよ。

要件チェックは丁寧に。例えば、解除の意思表示や時効の援用などがあるのかないのか、「事実関係からの認定」を忘れずに。

物権アプローチ、債権アプローチを忘れずに。

何だかよくわからない問題が出てきたら、似たような制度を探し、それとどこが同じでどこが違うかを確認する。例えば、混合寄託も通常の寄託と「あえて異なる契約」にしているということを考えれば、「典型的な寄託的な条項」がメインであるとは考えにくい(そうであるならば通常の寄託契約にすればいいからである)、というアプローチをしてみる。

家族法関連は、最近の判例に注目です。

一見「見たことがない問題」(=C)であっても、既知の論点(=A)と既知の論点(=B)の掛け合わせであることが多いので、「分解してみる」と言う発想は非常に有益です。

いわゆる論文論点ではなく、細かい分野から出題された場合は、関連条文に一通り当たること。条文を指摘して当てはめて終わり、ということもあるからです。

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