67camper's Blog

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「いぶし銀」という言葉がピッタリのセルダンの一枚

2011-02-21 22:58:13 | jazz & vocal
The Seldon Powell Sextet featuring Jimmy Cleveland
(Roost LP 2220, FSR reissue)

銀を燻すと艶が失われ、味わい深い灰色になることから「いぶし銀」という言葉は実力があっても華やかさに欠けるものに対して尊敬の念を持って冠せられることが多いように思います。実力があっても売れちゃあいけない,プロ野球で言うなら古くは広島の古葉,中日の高木守道,南海の小池,あたらしいところでは西武の辻とか巨人の川井といった所でしょうか。不思議と二遊間の選手が思い浮かびます。話しがジャズからそれましたが,テナー奏者では本日アップのセルダン・パウエルももそんな味わいのプレイヤーのような気がしてなりません。本日アップのROOST2220は以前にアップした日本制作盤のB面に収録されたセッションです。

元々日本制作盤を所有していたのですが,このFSR盤のカバーをみたとき,購入意欲が黙々とわき上がりカウンターに差し出したことを思い出します。帰宅して国内製作盤と比較し同じ曲の収録と気付き半ばがっかりしたことを思い出します。ジャケの渋さもさることながら,メンバー自体も『いぶし銀s』と言える通好みで固められています。フロントがセルダンとJimmy Cleveland(tb), リズムはFreddie Greene(g), "Hac" Hanna(p), Aaron Bell(b), ドラムはオシーとガスのジョンソンズがピックアップで担当しています。A面の”Woody'n You"やB面の"Undecided"等のスィンガーも良い感じですし,A面の"She's Funny That Way" や”I'll Close My Eyes"、B面の”Sleepy Time Down South"のバラードでも実にスムーズで良く唄うテナーを聴かしてくれます。”Hac"Hannaは勿論Roland Hannaですが彼の明快なタッチも見逃せませんね。暖かみのあるジミー・クリーブランドも名手にふさわしいプレイですし,スウィンガーでのグリーンのコードワークの巧みさにはいつもながやられっぱなしです。

前述のようにFSR盤ですが,思わずジャケ買いしたクールなカバーも含め,サウンド,メンバーといぶし銀にふさわしい味わいの一枚と言えそうです。