Sonny Stitt Swings The Most/Sonny Stitt
(Verve V-8380)
(Verve V-8380)
Sonnyはアルトサックスを手にすると、そのphrasingからパーカーの模倣者のように言われがちですが、”♪チャラチャラチャラチャラリ♪”のphraseを聴くとそれだけでスティットとおもわせるだけの立派な個性を持ったアーチストであり、自分は結構好んで聴くサックスプレーヤーです。本アルバムのライナーによるとスティットはパーカーを多いに賞賛しているようですが、彼の唯一のfavoriteではなくホッジス、カーター、ホーキンス、レスター、ドン・バイアスをfavoriteとして挙げていると記載されています。
さて、本日アップのアルバムは、ソニーがウエストコーストを代表するリズムセクションと共演したアルバムです。ピアノにルー・レヴィー、ベースはリロイ・ビネガー、ドラムはメル・ルイスと言う実に通好みのトリオですね。A-1の"Lonesome Road"はいきなりのアルトのブローイングが聴かれます。A-3の"That's The Way To Be"では、おそらく初の声でのレコーディングです。ボーカルからいきなりアルトを吹き出す語り口が結構新鮮です。B-2の"Blue Sunday"は彼本来のブルースフィーリングあふれるテナーが聴けますしなかなかの好アルバムに仕上がっていると思います。いつものように、アルト、テナーを操るスティットのスタイルはどのアルバムも変わりませんね。リロイのWalking Bassも健在です。
Merle Shoreによるタイポグラフィの妙味を感じさせる秀逸カバーも好きですね。あまり話題にのぼるアルバムではないですが、スティットのボーカルが聴ける数少ない盤として貴重ですね。