67camper's Blog

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シャーリー・スコットのピアノ

2006-10-06 00:00:45 | jazz & vocal
Scottie Plays The Duke/Shirley Scott
(Prestige 7163)


 ほとんどのオルガン奏者は第一人者であるジミー・スミスのスタイルを踏襲しているのは万人が認めるところですが、彼女のオルガンの師匠はジミー・マグリフであったと言われています。彼女は元々ピアニストでそこからオルガンに転向したプレーヤーですが、オルガンのフットペダルがうまく使えず、結局ベーシストを加えたトリオでやっているうちに自分のスタイルを確立していったと言われています。当然ピアノ的なオルガン奏法であり通常のベースレスのオルガン奏者のようにベーストーンを弾く事はありません。またここでは、ピアノとオルガン両方をプレイするスコットを聴く事が出来るのです。それも曲ごとにこれはピアノで、これはオルガンでと言う訳ではなく、一曲の中で両楽器を使い分けると言う離れ業(振り向き技でしょうか?)をやってくれてます。

  題材はエリントン曲集で、問題のベースはいつものジョージ・デュビビエ、ドラムはアーサー・エッジヒルがつきあっています。デュビビエのピチカートに導かれてはじまる"Caravan"がオープニングです。続いての"just squeeze me"で早速の振り向き?テクニックを披露しています。"C-jam Blues"のグイグイ引っ張るデュビビエのwalking bassが素晴らしいですね。スコットのオルガンも高音域を駆使したザラッとした音色でgroovy!、アルバムのベストトラックと思います。Aラスの"Prelude to A Kiss"はテーマからピアノ+オルガンを交えた演奏です。バックを流れるオルガンのトーンの上にちりばめられたピアノはなかなかにリリカルですよ。 サイドBの"In A Sentimental Mood"や"In A Mellow Tone"の演奏もブルージーなスコットと乾いた音色のデュビビエとの相性が抜群です。  

  Prestigeの黄黒、Bergenfield N.J.レーベルのモノラル盤です。ブラウン系の落ち着いたカバーも好ましいですね。スコットのスタイルはコテコテ愛好家では評価が低いですが、prestigeにこれだけのリーダーアルバムを残したと言う事実は、将来を嘱望されたタレントの証明であろうと思います。