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67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

ビネガー入れば、酢が利いたパフォーマンスになるよね!

2014-03-26 05:52:23 | jazz & vocal

Leroy Walks Again!/Leroy Vinnegar(Contemporary S7608, OJC reissue)

 インディアナはMontgomery Brothers, The Candolis, Carl Perkins, Eddie Condon, J.J.Johnson, Big Sid Catlettなど多くのジャズメンを生んだ土地柄ですが、ベースの巨人Leroy Vinnegarも忘れてはならない存在です。多くのレコーディングがLAで行われているので、西海岸出身者のように思われているふしもあるのではと推測されますが、西海岸での活躍は54年以降のことなのです。リロイといえば、少し前に発表された”Leroy  Walks!”(S7003)が有名ですが、本日アップのアルバムはその続編となる一枚です。久々にリロイの手堅く豊かな音量のベースを聞いていて、「こりゃ~アップせねば・・・」と言う気になったので、少し書いてみますね。

 メンバーがすばらしいです。渋さ爆発!。Leroy Vinnegar(b), Teddy Edwards(ts), Freddy Hill(tp), Victor Feldman(p,vib), Mike Melvoin(p), Roy Ayers(vib), Ron Hefferson, Milt Turner(ds)からのセレクトメンバーです。贔屓のTeddy Edwards(ts), Roy Ayers(vib)の参加がうれしいですね。62年と63年の2つのセッションから構成されています。テディとフロントラインを構成するのはFreddy Hill(tp)で勿論大御所のフレディにかなうようなプレイとは行きませんが大御所フレディの代表作”Down Under”をA-2で取り上げています。ここでの流暢でコントロールの効いたトランペットは聞き物です。また、B-3の”For Carl”, 何度聴いても美しいと感じるジャズワルツの名作であり、リロイ最高のヒット曲と言っても過言ではないでしょう。テーマに聴かれるロイエア-ズのとろけるようなvibが最高です。全編にわたって聴けるテナー然たるテディのサックスとリロイのウォーキングはどこをきっても健在です。さすがとしか言いようがないですね。

 所有盤は残念ながらOJC盤です。決して有名盤ではないですがオリジナルは結構見かけない一枚です。


クロスオーバーの中心的存在、ボブ・ジェームスのピアノトリオ

2014-02-05 00:04:45 | jazz & vocal

Bold Conceptions/Bob James (Mercury MG20768)

 1970年代中期を席巻したクロスオーバーサウンドの中心人物といえば、デイブ・グルーシンとボブ・ジェームスじゃないでしょうか?いずれもクロスオーバー的に言えば、キーボードプレイヤーですが、元はと言えば2人とも純然たるジャズ・ピアニストですよね。デイブに関しては、以前に”Subways Are For Sleeping”というエピック盤をアップしたことがありますので、覚えていらっしゃる方もおられるかもしれません。ボブ・ジェームズと言えば70年代のCTIとのアレンジャー契約による数々のアルバムで知られていますが、元々はピアノトリオで活躍し始めたピアノ奏者です。ミシガン大学在学中の61年にトリオを結成し、クインシー・ジョーンズの推薦で翌年の62年デビュー作をMercuryレーベルに録音しています。本日は、そのデビュー作のジャジーな一枚をアップいたします。

 メンバーはBob James(p), Ron Brooks(b), Bob Pozar(ds)のトリオです。この年代に現れた白人インテリピアニストがデビュー作で何をやるか?当たり前のハードバップ系のピアノトリオに終始するはずもないことは誰でも容易に想像できます。オリジナルの2曲を始め、ガレスピーの”Birk’s Works”などサウンドに工夫を凝らしていて、例えばピアノのストリングの上に紙を置いたりの実験的アプローチが見られます。こういった演奏の評価は、デビュー時には斬新さと評価されたかも知れませんが、ジャズがたどってきた歴史を知った上でretrospectiveに楽しんでいる現代のジャズ鑑賞という点で考えると却ってマイナスかも知れませんね。今の視点からいけば、後の斬新なアレンジで有名になったボブ・ジェームズのストレートに原曲の美しさを生かした演奏が聴けるコルトレーンの”A Moment’s Notice”やマイルスの”Nardis”、B面の”Fly Me To The Moon”などこそ評価されていいのかもしれませんね。

 所有盤はマーキュリーの赤ラベル、再発輸入盤です。CTIのジャケ写のひどさから見れば、彼のリーダー盤ではダントツ1位の好カバーと思います。


久々にキリマンジャロの娘を聴いてみた!

2014-01-20 21:15:43 | jazz & vocal

Filles De Kilimanjaro/Miles Davis(Columbia CBS-SONY SOPL169 jp,reissue)

 やっぱ難解です・・・。「キリマンジャロの娘」。なぜかタイトルから収録曲まで、フランス語です。68年の録音で以前にアップした”Miles In The Sky”でエレピを使い、ギターを入れたマイルスが本格的に電気化を薦めていった記念すべき一枚です。ジャケットはスカイよりはかなりオーソドックスで夫人のベティ・メイプリーを使っています。

 メンバーはこのときから、厳密にはスカイのベンソンからでしょうが入れ替わりが激しくなりますよね。オリジナルの御大、ショーター、ハービー、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスからピアノにChick Corea, ベースにDave Hollandが登用されます。延々とメロディなしのグルーブ感あふれるリズムの上を疾走するマイルスとショーターとずっとつきあう羽目になりますよね。もう誰のソロがいいとか悪いとか評価する気にもなりません。よっぽど調子が良くないと、あるいはブログにのせるためになんて考えながら聴くしか聞き通すモチベーションが見いだせません。この後、”In A Silent Way”, “Bitches Blue”といきますが、いまだに最高の問題作“Bitches Blue”は自分の棚にはないのです・・・。はっきり言って、どこが聴きどころなのか・・・???誰か教えてほしいものです。

 所有盤は国内盤再発です。もう音がどうこう、ソロが、フレージングが・・・なんてのは超越してますね。


最高のトランペットバトルチームはこいつらかもね?

2014-01-16 22:46:58 | jazz & vocal

Bell, Book & Candoli/Pete & Conte Candoli(Dot DLP3168)

 先日, Art Farmer & Donald Byrdのトランペットバトルをアップしたときに「トランペットバトル」は珍しくカンドリブラザーズぐらいしか思い浮かばないと書きましたが、ならば一枚アップしようということで取り出したのが本日アップの”Bell, Book & Candoli”です。彼らのアルバムではDotに録音されたもう一枚の”The Brothers Candoli”(DLP3062)やMercury録音の”Jazzin’ Around”辺りが有名でしょうが、こういうマイナーな一枚をアップすることが、このブログが生き残っていくための使命なんて、大げさに考えたりもしています(笑)。

 映画に詳しい方なら、このアルバムタイトルを見て「ふふ~ん」なんて一人納得されている方も多いのでは・・・?自分も映画は詳しくないのですが、James Stewart & Kim Novakでそこそこヒットした映画”Bell, Book & Candle”(邦題「媚薬」)とCandoliをかけてアルバムタイトルとしているのです。さらにいえば、自分はこの映画を見たことはないのですが、Candoli Brothersがミュージシャン役で出演しているのだそうです。実に粋な計らいですよね。さて、パーソネルはPete & Conte(tp), Barney Kessel(g), John Williams(p), Joe Mondragon(b), Alvin Stroller(ds)という実に渋いメンツです。タコ耳の自分にはPeteとConteの音色の違いがわからないですが、白人らしい実に歯切れのいいラッパで結構楽しめます。リズムセクションではこういったセッションでは無類の役者ぶりを発揮するケッセルのギターが白眉です。ジョン・ウィリアムスのパウエルマナーのピアノもいいですね。スタンダードが多いもう一枚のDot盤と比較すると、”Old Devil Moon” と”What Is This Thing Called Love”の2曲しかスタンダードがないですがメンバーのソロはそこそこ楽しめるはずですよ。

 所有盤はDotのモノラル・オリジナルです。あったら2-3千円の安価でしょうから手元に置いといてもいいアルバムかもしれません。派手さはないですが渋いジャケもポイント高いです!


エバンスのサマータイムも捨てたもんじゃない!

2014-01-14 18:17:57 | jazz & vocal

How My Heart Sings!/Bill Evans(Riverside 9473, jp.reissue)

 サマータイムといえば、PORGY&BESSの中でも最も有名な楽曲であり、ジャズばかりでなくポップボーカルやロックのシンガーなどもレパートリーに入れる超有名曲ですよね。もちろんここは、ジャズ&ボーカルのブログですから、ジャニスがいいなんていうのは除外して考えていきましょう!インストものではGil Evans & Miles, MJQ, Coltrane, Elvin Jones & Richard Davisなんてのが候補に挙がるのでしょうが、個人的にはHow My Heart Sings!のエバンストリオの演奏も捨てがたいですね。

 この曲、B面トップにひっそりと収録されているのですが、リバーサイドのエバンスでは結構マイナーなアルバム(このカテゴリーではラファロばかりですものね!)ということもあり、あまり注目されてないように思います。トリオはBill Evans(p), Chuck Israel(b), Paul Motian(ds)の顔ぶれです。サマータイムのイスラエルのベースの出だしが何ともいい音でうっとりしてしまいます。A面トップにタイトル曲が収録され、得意の”I Should Care”や”In Your Own Sweet Way”なんていう名曲の多いA面が当然このまれるのでしょうが、日陰のB面のサマータイム、結構聴きのがされているのでは・・・?

 所有盤はビクター音産の国内盤再発です。アンプが快調になって、ちょっと大きめの音で聴いたら途端によくなった。ゲンキンなものですね。


持ち物が多いと故障はつきもの!今日はパワーアンプのトラブルです!

2014-01-13 11:10:43 | jazz & vocal

 今日は成人の日、それとも振り替え休日?よくわかりませんが巷はお休みですよね。管理人は自他ともに認める多趣味人間ではありますが、どれをとっても3流もしくはそれ以下の趣味ばかりで極めたことがありません(爆)。「形あるものはいつか壊れる。」これは持論でもありますが、故障はやっぱりストレスです。新しい道具は故障しませんが、古いやつはやっぱり故障の頻度も多い訳で・・・。古いワーゲンしかり、テントしかり、old Colemanしかり・・・。さて、今日はクィックシルバーのアンプです。ひと仕事やってきて、さあジャズでも聴くかとアンプの電源を入れたとたんに「ボン!」という爆発音で振り返ってみるとパワーアンプの明かりが全部消えています。とほほ。原因不明。また、真空管の交換か?とおもい、まずは準備していたヒューズの交換です。恐る恐るアンプの背後に手を伸ばし、外してみると下画像の状態です。

 

 もう完全に焼けて切れています。このヒューズを交換して、電源を入れてみると幸いなことにパワーアンプはまた通電してくれました。そして一枚、Richie Kamucaを聴いたところでプレイヤーのアームが上がった瞬間に再び今度は小さく「プチっ」という音。「えっ!」と思って振り返ると、再び通電していません。またしても、アンプの背後に回るはめになりヒューズを確認。「きれてない!!!」。もう一度気を取り直してソニー・クラークのクールストラッティンをターンテーブルへ。今度は快調!クラークのつやのあるピアノが終わり、ファーマーの快調なラッパがはじまったと思っていたら、いきなりのフェイドアウトです。またしてもパワーアンプが消えています。再度アンプの後ろに回ってヒューズをチェックです。(いちいちパワーアンプを回して確認するのは実際つらいです。アンプは重いし、ラックの中に鎮座しているため暗くて視野が悪いし、老眼でピントはあわんし・・・)でやっぱり切れてない!今度は単にねじ込みが甘かっただけか???再度クールストラッティンをA-1から聴いていきます。快調!しかしこの演奏、なんべん聴いてもすばらしいね。

 まあ、一応パワーアンプの通電はヒューズの交換と締め込みで改善ということで様子を見てみます。とほほ。トップ画像のように通電はOKの状態ですが、どうしてヒューズが飛んだのか???原因が何かしらあるはずですが、これ以上は考えてもわからないので、とりあえず聴けてればOKという感じです。これこそ三流の真骨調です!(爆)


絶頂時のマクリーンを捉えた爽快な一枚

2014-01-09 22:04:34 | jazz & vocal

Makin’The Changes/Jackie MacLean(New Jazz 8231, jp reissue)

 同じアルトサックスを吹いていながらも、プレイヤーのサウンド個性を反映する音色はさまざま、千差万別ですよね。Paul DesmondやSonny Crissのようにひとたび聞けば万人がプレイヤーを言い当てることができる奏者もいます。マクリーンもそんなアルト奏者の一人です。音色もさることながら、フリーキーなトーンを交えながら情熱的なフレージングを聴かせるマクリーンのプレイスタイルもかなりオリジナリティの高さを感じざるを得ませんね。

 本日は、Prestigeの傍系レーベルNew Jazzに録音されたMakin’ The Changesをアップいたします。ホーンプレイヤーのアルバムではピアノトリオをリズムセクションにして一人で演奏されるいわゆるワンホーンアルバムがもてはやされますがアルバム一貫をこのフォーマットで吹き上げたアルバムはこの時代にはありませんね。このアルバムもセクステットとカルテットのフォーマットでの演奏が収録されています。録音はいずれも57年。カルテットのメンバーはJackie McLean(as), Mal Waldron(p), Arthur Philips(b), Arthur Taylor(ds)の4人ですし、セクステットではWebster Young(tp), Curtis Fuller(tb), Jackie McLean(as), Gil Coggins(p), paul Chambers(b), Louis Hayes(ds)の6人がクレジットされています。カルテットにおけるB-1の”I Hear a Rhapsody”とセクステットのA-2”What’s New”のテーマを聴くだけでマクリーンの個性がほとばしります。”I Hear a Rhapsody”でのルバート風のピアノ相手に吹奏するプレイが出色ですし、ヤング、フラー、マクリーンの3管でテーマを分割して吹く”What’s New”の吹奏は、マクリーンのパーツに来たときついつい後のブルーノートのワンホーン"Swing Swang Swingin’”のこの曲の演奏を思い浮かべてしまいます。後の名演への布石ともとれるような吹奏で、既にこの時代からマクリーン版”What’s New”の礎が形成されていたことがわかりますね。 

 所有盤はビクターの国内盤再発です。ジャケ写はなかなかクールですが、音がやや薄いです。オリジナルで聴いてみたい一枚ですが、これが高いんだよね・・・。


初期のDenny ZeitlinにEvansを感じてみる。

2013-12-31 22:47:08 | jazz & vocal

Carnival/Denny Zeitlin
(Columbia CS9140)

 いつもZeitlinの話になると彼の医師としての経歴が引き合いに出されることが多いですよね。お医者さんのなかにもちょっとピアノが弾ける程度の方はたくさんいるだろうが、やはりZeitlinのレベルまで達するとなるとかなり稀有な存在なんだろうと思います。お医者さんとしてもボルチモアのJohn Hopkinsで医学博士を取得したということなので、かなり優秀なんでしょうね。やはりこの経歴はワールドクラスです。サッカー界ではブラジルにソクラテスって言う選手がいましたが、彼も医師であることがよく紹介されていましたね。ちょうどこれに匹敵するようなレベルの話だと思います。

 個人的には少々苦手のジョージラッセル門下と言いますから、かなり実験的なピアニストのようにも思いますが、本日アップのこの”Carnival”では結構スタンダードをやってて入りやすいアルバムなのかも知れません。そしてZeitlinと言えばCharlie Hadenのベースです。この二人にJerry Granelliを加えたトリオは当時のレギュラーメンバーでColumbiaの4枚のリーダー盤すべてがこのトリオで演奏されています。白人らしいクールで端正、理知的なZeitlinのピアノとHadenのタイトかつ重厚なベースとの組み合わせは最高で、80年台にはまたコンビを組みますよね。A-2の”Will You Still Be Mine”, B面の”The Boy Next Door”, “Minority”, “All The Things You Are”など彼なりのスタンダードの解釈は興味深く、”The Boy Next Door”では一聴ビル・エバンスを彷彿とさせるプレイで気にいってます。

 所有盤はColumbiaの2eye,  ステレオオリジナルです。難しい表情のジャケ写が多い中、ひげもなくニッコリ笑うZeitlinをとらえたカバーが好きですね。自分のライブラリの最後に位置するZeitlin, 大晦日にふさわしい一枚かな?!


リラックスしたバラードプレイはホーキンスならではですね!

2013-12-30 17:14:46 | jazz & vocal

Wrapped Tight/Coleman Hawkins
(impulse AS-87)

 ホーキンスといえば、レスター・ヤングと並んでジャズにおけるテナーサックスの立ち位置を括弧たるものにした巨匠ですよね。彼の影響を受けたテナー奏者はロリンズを始め数えきれませんよね。独特なサブトーンを交えた豪放磊落なプレイはどのアルバムでも平均的なできを示していますが、古い録音はやや鑑賞に堪えないと感じているのは自分だけでしょうか?本日、アップするようなボブ・シールのインパルス盤などではそんな心配は全くいりません。単純に、彼のうなるようなテナーを存分に楽しめます。既にエリントンとの共演盤、ボッサのDesafinadoとアップしてますが、本アルバムも前2者同様にクリアな録音でリラックスしたプレイが楽しめます。

 パーソネルはSnooky Young, Bill Berry(tp), Urbie Green(tb), Coleman Hawkins(ts), Barry Harris(p), Buddy Catlett(b), Eddie Locke(ds)の7人がクレジットされており、トランペッターが交代するセクステットの2つのセッションから構成されています。各面5曲の計10曲構成で一曲当たりの演奏時間が短い感じですが、A-4”Indian Summer”, B-2”Beautiful Girl”, B-4”And I Still Love You”など珠玉のバラード曲が収録されており、ホークの歌心あふれるバラードプレイが聴きものです。ハリスのきらりと光る重厚なピアノも良いですね。

 所有盤はインパルスのオレンジ&ブラックのステレオ盤です。パンチホールがありますが、ジャケ写が抜群にいい感じです。タバコの煙とホークの笑顔が秀逸で煙草ジャケの中でもベスト3に入れても良いのでは・・・?と個人的には思っています。さて、この裏カバーが問題でなぜか「Barry Harris : Bass」。そりゃないだろう・・・!ここでは完全にベースのBuddy Catlettがオミットされているのです。単なるミスプリ?それとも契約とか、なんとか難しい問題でしょうか?Gatefoldの中身にはしっかりとBuddy Catlettがベースとして写っているのに・・・。


ファーマーVSバードのトランペットバトル

2013-12-21 13:29:30 | jazz & vocal

2 Trumpets/Art Farmer and Donald Byrd
(Prestige 7062, jp.reissue)

 ジャズではコンボの中に同じ楽器奏者が2人いて,対決するかのような熱いプレイを展開する企画がありますよね。バトルと言う呼称で知られていますが,多くはテナーサックスのプレイヤーのセッションが多いことは衆知の通りです。トランペットのバトルと言うのはそんなに頻繁に企画されることはありませんよね。カンドリブラザーズというチームもありますが,他に思いつくような組み合わせはありません。一方,プレステッジは7000番台のはじめに特にリーダーを定めないブローイングセッションを録音、リリースしています。バトルと言っていいのかわかりませんが,本日アップの"2 trumpets"もこういったブローイングセッションの一つと考えてもいいのかも知れません。

 しかし,このジャケを見ると明らかに2人のトランペット奏者にスポットが当てられておりバトルという見方もあながち間違いではないでしょう。メンバーはArt Farmer, Donald Byrd(tp), Jackie McLean(as), Barry Harris(p), Doug Watkins(b), Arthur Taylor(ds)のセクステットです。Farmerには"When Your Lover Has Gone" Byrdに“Round Midnight"のスタンダードがフィーチャーナンバーにされており両者の唄心を充分に楽しむことができます。残りのA-1"The Third", A-2"Contour", B-1"Dig"の3曲はマクリーン,ハリスと言った当時の新進気鋭のプレイヤーの溌剌とした演奏がおさめられています。特に,"Dig"でのファーマーとバードは4バースになると区別がつかないほどです。一聴あれ!

 所有盤はビクター音産の1500円廉価盤です。オリジナルは超高価でてがでません。一回見たら忘れない”2”をあしらったジャケのインパクトは強烈ですよね。