『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

私たちは、どこから来てどこへゆくのか?    ゆうでん流ブログ・マガジン(エッセイ・旅行記・小説etc)

宮古島のシャーマン5

2009年05月18日 10時38分28秒 | 宮古島のシャーマン
この私も、父と先祖や墓の事を話し合うようになったのは、自分が結婚して後のことだった。それ以前は、仕事の事で精一杯で、自分が一人前になることしか考えていなかった。しかし、家族を持つようになって、妻の実家もあり、家と家どうしの付き合いの中から、改めて家系・先祖を考えるようになった。すると、止まっていたものが動き始めたのか、不思議なことが起こり始めたのだ。

フリーライターの私に、出版社から沖縄での取材依頼が入った。沖縄の自然と風水がテーマだった。カメラマンと二人で沖縄本島へ行き、風水研究グループのフィールドワークに参加させてもらった。その中にいた1人が宮古島から来ているシャーマン研究者で、N さんの話を聞かされた。それが宮古島へ行くきっかけになったのだ。

そのシャーマン研究者は、Nさんにこう言われたそうだ。「2月25日に那覇に行きなさい。そこに導く人べき人と会うはずだから」。そう言われた研究者は、雲を掴むような気分だったという。だが、その人はNさんについてシャーマン研究をしている立場から否定はせず、言われた通りに行動し、琉球大学の研究グループと合流して、その中に私がいたというわけだ。その頃、私はそんなことはつゆ知らず。それを後で聞き、なんとも神妙な気分になった。そもそもが、私の守護霊が宮古島へ飛んで、私を導き、助けてほしいとNさんに頼んだというのだ。また、その後で私自身の霊も飛んできて、Nさんの前に現れていたという。

こういった話は、大抵がまゆつばで聞くものだ。そんな事ありえないと誰しも思うだろう。先祖探しの犬の話もそうだが、宮古島への始まりが、そんな奇異な展開からだったのである。そして、その後も、ぴるます(宮古言葉で不思議の意)体験が幾つも続いている。体験だから、細部にわたって覚えているし、時系列で並べても何の矛盾も起こらない。全部が意味的に繋がっているからだ。あるミステリ作家に、本にするための原稿を読んでもらったら、「物語の展開に矛盾はないが、これは小説なのか?」と問われたものだ。私は、その自分の体験を物語として『ソウルボート/魂の舟』(平凡社)という本にまとめたが、それはほんのさわり部分だ。だから続編があるし、生きている限り、それは今も続いている。人生とは、自分で読む気にならなければ、バラバラで意味のよくわからない物語なのである。
(つづく)


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ダビンチコード (kakorin)
2009-05-18 19:11:23
映画さよならニッポン堤幸彦監督にもエキストラで親子で参加したことがあります。池間での撮影でカンカカリャ役で藤真利子、緒形拳が村長で〓
貴方の作品が映画になるとダビンチコードみたいなのになるのかな~?等と勝手に想像してしまいました。書くという勇気に感謝〓
読むのは簡単ですから…
ぴるます話ワクワクしますね。感動
返信する

コメントを投稿