『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

私たちは、どこから来てどこへゆくのか?    ゆうでん流ブログ・マガジン(エッセイ・旅行記・小説etc)

原発が止まる日

2012年05月04日 23時02分34秒 | 核の無い世界へ
明日、5月5日、こどもの日に北海道泊原発が停止して、全国にある54基の原子力発電が停止する。実に42年ぶりのことだが、その間、原発が発電する電力で経済成長を果たし、私たちはその恩恵に浴して生活してきた。

1980年代、チェルノブイリ原発事故が起こり、反原発運動が起こった。欧州からの食品の輸入も汚染が懸念されて規制された。当時も、幼い子どもを抱える母親たちは問題を深刻に受け止めた。だが、社会一般は外国で起こったこととして、余り感心を示さなかった。

知人でこの手の問題に関心が高い人物は、明日にでも放射能禍害が起こるのではとノイローゼ気味になっていた。私も、安アパートに通電される電気が原発からのものだとリアルに感じ、気色が悪かった。できるならそんな電気は使いたくないと思った。で、コンセントを見つめた。

原発神話がささやかれ、電力会社は巨額の宣伝費を投じて、市民に安全でクリーンを喧伝し続けていた。日本の技術力は世界に誇るレベル。原発事故は絶対起こらないし、起こしてはならないと。しかし、米国からシステムごと輸入した原発は、設計万全とは言い切れないしろものだった。

また、原発稼働に伴う労働者の多くが被曝しながら稼働するという現実が、世間の目から遠ざけられていた。原発仕事は金になると、職のない人々が集められた。その人たちは死んだ。

だから、今日、私は、祈る。忘れないと祈ります。その次に、私は続くと祈るのです。どんなにか、祈るのです。

ここで書かれていることは、感情はほとんど理解されないかもしれない。でも、ぼくは生きてきて、それを伝えたいと思うのです。しらん顔をして、人を殺す放射能装置を放って置くんですか? 

そんな世界は嫌だ。嫌いだ。だから、明日を祈る。明日、後に続く者たちへつなげたい。


あしたが良き日であるように。