現在乗っている車は14才4カ月になった。もう製造中止になっているコンパクトカーだ。
走行距離はさほどではないが、エンジン音が明らかに変化してきた。
最近は定期点検のたび、いい加減に乗り替える頃合いであることをやんわり伝えられていた。
車税の季節、環境負荷の高い車の仲間入りをしたらしく、何時もより5000円上乗せされた車税の支払い納付書が届く。
私が車に詳しければアンティークカーとして乗り続けるのだが、私の車に関する知識は恐ろしく乏しい。
そうこうするうち、10年振りで駐車場入り口で逆光に目が眩み、後輪部分をわずかにこすりキズつけてしまった。
エンジンは時に奇妙な音をたて続けている。
かくも長い期間、同じ車に乗り続けた事はなかった。お気に入りの愛車だったのだが、引退させることにする。
猛暑のこの夏。
トラブルが発生し、立ち往生する事態を想像すると、高齢者や虚弱な人を私の車に乗せる訳にはゆかない。
屋外の駐車場にこの古い車を駐車することも気がかりだ。
炎天下で、高齢車が故障を誘発される事は十分にあり得るのだから。
人も車も、時間を経て年老いながら動き続けることは、こう言うことなのだ…としみじみ思う。
自分の年齢を数え、衰える現実を思いつつ、それを意識して生き続けることは本当に難しい…と考え込む今年の夏である。