杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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Lost in Transcription [NEJM]

2006年10月06日 | Kanpo-Master の部屋
kanpo-Masterです。
とれたてほやほやのNEJMのClinical Problem-Slovingから、、

55歳のMultiple Sclerosisの患者さんがMTXによる
drug-toxicityを呈したというエピソードが紹介されています。
電子カルテのコピー&ペーストでの治療は危険だということでしょう。
 http://content.nejm.org/cgi/content/short/355/14/1487
駒込病院の研修医時代にアレルギー膠原病科を回っていたとき、
RAでMTXがoverdose気味に処方されNeutrophilが80個
で、発熱が主訴の患者さんがいました。
血液培養から黄色ブドウ球菌が検出され、mucostitisはなかったですが、
口腔内には白苔がべっとりで、ここからもブドウ球菌が検出された
と記憶しています。皮膚には擦過傷が肘にありここから菌が入ったの
だと思います。そのときのperipheral embolizationの写真です。
その他、手の爪の脇にも同様の所見がありました。leucovorinでrescueしました。
MTXの半減期は6時間だが、腎不全や組織からの流出によりそれより長くなること
もあるようです。
MTXは50nmol/l以上の血中濃度のときにLeucovorinは効果があり、それ以下では
?のようです。
MTXのDNA synthesisを骨髄で阻害する作用は血中濃度が10nmol/l必要。
standardなhemodialysisはMTXを取り去ることはできず、
Intermittent high-flux dialysisは効果があるらしい。といったところが
ポイントでしょうか、、
雨が続く東京でした。

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