今日は前回の続きです。
前回のをご覧になってない方はコチラから↓
http://blog.goo.ne.jp/23c2230/e/74cf4d3cde19549f4ce5a55104bb8e44
という事で、今日のコソ染めです。
グラム染色と尿中抗原の感度、特異度を調べてきたよ。
グラム染色:感度 80%
すなわち
グラム染色で肺炎をひっかけられる確率=8割
って事みたいです。
(肺炎の診断基準は書かれておらず)
そして菌別では…
肺炎球菌
感度68.2%、特異度93.8%
インフルエンザ桿菌
感度76.2%、特異度100%
(大路剛;市中肺炎の起因菌の想定法,medicine vol45 no10 2008-10)
と、特異度ヤバス!
感度は抗菌薬投与済みだったりが影響しているんじゃないかという考察でした。
他の文献では…
これは何か現実的な数字に見えますね。
(グラム染色と培養の結果がどう合わないのか具体的な記述はありませんでしたが)
やっぱり培養で出てこない事は結構あるのかも…
一方、尿中肺炎球菌抗原の感度、特異度はと言うと…
感度 80.4%、特異度 97.2%(CHEST,2001)
感度 75%、特異度 84.1%(医学検査,2009)
感度 60~80%、特異度 70~90%(vs痰培)
感度 70~90%、特異度 70~90%(vs血培) (診断と治療,2009)
感度 82%、特異度 97%(J Clin Microbiol,2003)
Totalすると
感度60~80%、特異度70~97%
感度は少し低いのですが、特異度はかなり高いと言えるでしょう。
※肺炎球菌ワクチン接種直後、肺炎球菌感染症後2週間、小児は定着菌により
偽陽性になる事があります。 Streptococcus mitisやStreptococcus oralis の
感染症では交差抗原を有するため,偽陽性になることが知られています。
また早期(3日以内)では偽陰性になる事があります。
う~ん。
思ったよりもグラム染色と尿中抗原の特異度が高いですね。
それに比べ僕は培養で出ない事が多いような気がします。
実際に僕のグラム染色と尿中抗原の特異度ってどんなモンなんでしょうか。
よし、計算してみるか!
グラム染色と培養の一致率=50%
尿中抗原と培養の一致率=33.3%
うわ~…
うわ~…
眼も当てられない。
特に尿中抗原ヤバイ!
マジで!?
これおかしいでしょ!
こんなんだったら検査の意味なし!
もう尿中抗原なんてやめましょ!
取るだけムダ!
…
ちょっと待って下さいよ。
痰の質が悪い可能性はないでしょうか?
そうですよ!
尿中抗原がこんなヒドイ検査なはずがないですよ!
Geckler4群以上でまとめてみましょう。
グラム染色と培養の一致率=57.2%
尿中抗原と培養の一致率=50%
ま、多少は見れるようになったかな?
N数が少ないんで何とも…
あとは技術的な問題だったり、尿中抗原の偽陽性に関する問診をしっかりやればもう少し上がるかもしれません。
今後も集めてN数増やしていきたいと思います。
でも、何か…
何か…
くやしいです!