コソ染め太郎とあんずのきしめんがいつもお世話になっております。 ブログ元管理人です。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211283911000189
Identification of a mechanism for lung inflammation caused by Mycoplasma pneumoniae using a novel mouse model
Results in Immunology
Volume 1, Issue 1, May 2011, Pages 76-87
Takeshi Sarayaa, , Koh Nakatab, , , Kazuhide Nakagakic, , Natsuki Motoib, , Kuniko Iiharad, , Yasunori Fujiokae, , Teruaki Okaf, , Daisuke Kuraia, , Hiroo Wadaa, , Haruyuki Ishiia, , Haruhiko Taguchig, , Shigeru Kamiyah, , Hajime Gotoa,
a | Department of Respiratory Medicine, Kyorin University School of Medicine, 6-20-2, Shinkawa, Mitaka City, Tokyo, Japan |
b | Niigata University Medical & Dental Hospital, Bioscience Medical Research Center, 1-754, Asashimachi-dori, Chuo-ku, Niigata 951-8520, Japan |
c | Laboratory of Infectious Diseases and Immunology, College of Veterinary Medicine, Nippon Jui Seimei-kagaku University, Musashino, Tokyo 180-8602, Japan |
d | NTT Medical Center Tokyo, Department of Diagnostic Pathology, Japan |
e | Department of Pathology, Kyorin University School of Medicine, Japan |
f | Division of Pathology and Central Clinical Laboratory, Kanto Central Hospital of the Mutual Aid Association of Public School Teachers, Japan |
g | Department of Immunology, Kyorin University, Faculty of Health Sciences, Japan |
h | Department of Infectious Diseases, Kyorin University School of Medicine, 6-20-2, Shinkawa, Mitaka City, Tokyo, Japan |
Saraya T et al によるマイコプラズマ肺炎の論文がやっと出ました。 自分が5年以上の時間をかけた渾身の一発です。是非沢山の先生に読んで欲しいです。reviewなみの情報量になりました。
自分が証明したことは、過去の報告のintensive reviewをすると、人間のマイコプラズマ肺炎の病理像の報告は少ないが、気管支血管周囲のリンパ球、形質細胞浸潤が主体である(Table2)。
1. 人間のマイコプラズマ肺炎の病理像に類似したマウスモデルを確立した。 その成立にはTh2 dominantなhostの免疫応答(character)が必要である。
2. マイコプラズマ肺炎の重症化は菌のvirulenceというより、host-菌体成分による免疫応答が主体である可能性がある
3. 免疫応答はTLR-2を介する反応だということは以前よりノックアウトマウスで言われていましたが、innate immunityの活性化が 主体ではないか、、というのがこの論文の主旨です。
4. 実はマイコ肺炎の主役となる炎症を惹起する細胞はよくわかっていないのですが、自分のモデルでは、 Innate immunityの主役となるのは肺胞マクロファージの可能性が高く、TLR-2のup-regulation→MAPKの活性化→NFkβの活性化→サイトカイン産生、による。 (MAPKの阻害実験あり:Fig9)
5. マウスは菌体成分で感作させておくと、細胞性、液性免疫でともに認識しているが、肺内に集積するリンパ球は菌体成分に反応しないnon-specificなリンパ球である(Fig6. Supplemental data参照 ナイーブ cellが多い)。
実は、人間のマイコプラズマ肺炎でも遷延させる本体がなにか、肺内に浸潤してくるリンパ球はマイコプラズマの菌に特異的なリンパ球かどうか、ということもわかっていないのです。この実験をとおしてnon-specificなリンパ球の集簇ではないか
というのも結論の一つです。
6. 肺内リンパ球の集積に関わるサイトカインはMCP-1,特にRANTESが関与している可能性がある。