ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『シェルブールの雨傘』

2009-02-20 18:24:48 | 映画
1964年、東京オリンピックの年に公開されたフレンチミュージカルを45周年記念と言うことで、デジタルリマスター版で上映されております。

1957年の冬、車の修理工ギイに召集令状が届く。恋人の傘屋の娘ジュヌヴィエーヴ(舌噛みそうな名前!)は、兵役の2年間を待って結婚したいと考えていたが、翌年、妊娠していることが分かる。そのうち、傘屋の営業も芳しくなくなり…。

この映画、カラフル!の一言に尽きる。最初のスタッフロールのバックに、通りを雨傘が縦横に動いていく。悲しい音楽なのに雨傘の彩りに、心が躍り出す。母親の服は赤や緑の原色で、ジュヌヴィエーヴはピンクとかパステルカラー。結婚に対してぶつかる二人をそのまま象徴しているようだし、ファッション誌をめくってるような感覚になる。この映画、どのシーン、カットを抜き出して写真立てに入れて部屋に飾れるぐらいの美しさ。そして、憂いのこもったカトリーヌ・ドヌーヴの視線に、男子はやられるはず。

全ての台詞が歌になってる、完全なミュージカル。よくミュージカル嫌いの人は、突然歌い出すのがヤダとか言うけど、これだったらどうなんだろ?もっと嫌いになったりして(笑)。でも、そうでなければ、いわゆるメロドラマを地で行く感じにうっとりさせられて、ラストの雪のシーン、儚く消えていく恋ににうっかり涙してしまうのであります。