ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『アメリカン・ギャングスター』

2008-03-06 00:00:36 | 映画
1970年代ニューヨーク。黒人ギャングのボスに仕えていたフランクは、彼の死後、あの手この手を使い麻薬の輸入で成功を収める。が、刑事・リッチーは姿の見えない組織の黒幕に近づきつつあった…。

魅力的なヒールがいるとすれば、デンゼル・ワシントン演じるフランクだと思う。決して朝青龍じゃない。映画冒頭にソニーとトウシバ製品ばかりの電気屋で嘆く先代のボスの姿がある。ベトナム戦争も泥沼化する中、それをチャンスと見て自ら現地に乗り込み、麻薬の買い付けに向かう姿はなんだか格好いい。悪いことなのに。

そんな、アメリカの暗黒時代。ハーレムは降って湧いたドラッグ景気に色めきだった。フランクは車で笑顔がはじける街を見てまわる。しかも変装して。それには、目立っては警察に捕まるという理由はあったけれど、成功を方々皆に誇示しない姿はやっぱり格好いい。

彼はハーレムにおいて、経営者でありバイヤーであり政治家であり、兄であり息子であり、そしてなにより夫だった。妻から送られた派手なコートを着たことが原因で、リッチーに目を付けられることになり、そこからは芋づる式。今まで公に姿を現すことを避けてきたにもかかわらず、妻からの愛情を受け止めるが為に、大きなリスクを背負ってしまった。ああ、やっぱり格好いい。写真のこのシーン、グッと来るね。

実話に基づく話。2時間40分の長尺は気にならない大作でした。ただ、最近こういうタイプの映画、お客入らないんだよね。ちょっと気になります。