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静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

書評057-1 ≪ 謎と暗号で読み解く ~ ダンテ『神曲』~ ≫ 村松 真理子  角川 Oneテーマ21 2013年

2016-04-06 22:24:25 | 書評
 最初に私の告白から。 『神曲』は私の書棚に遥か昔から、黙ってそっと立って居た。 いつのことか思い出せないが、少しページを繰って投げ出したままになっている。 
自己弁護がましいけれども、この『神曲』は、”重要な古典であり、ひとつの世界、または文化あるいは芸術を理解するには必読の書といわれながら、読み通した人が驚くほど少ない”点で<源氏物語>に似ている、と思う。   違うかしら?
 だが、そんな困った私に助け舟を出してくれているかのように響く本書の書名に、私は直感的に飛びついた。(全くわからなかった)という、何十年も負い目に背負ってきた無念から解放されるなら・・・と 天の声がどこかでささやいたようだ。

 まず、本書は多くの角度から『神曲』の存在意義/功績を説いている。それは、① 3行定型詩を確立した欧州文学史上の意味合いであり、② 地獄と天国の間に【煉獄】概念を明示することで、三位一体概念を大衆に理解させるための恰好の教典になったこと、そして③ 『神曲』に影響されたペトラルカ、ボッカチオなど後世の芸術家が小説を発展させた。 ④ 言語学的にいえばフィレンツエ地方の方言に過ぎなかった”俗語”で美しい韻律を駆使して現代イタリア語の基礎をなしたことなどだ。 
 ダンテが『神曲』に用いた”俗語”はラテン語とは違う。私を驚かせたのは、その”俗語”が700年後の今も注釈なしに読解可能なほど、イタリア語を作り上げたことである。実際、著者によると、今もイタリアの高校では『神曲』が・・・そのまま・・・授業で使われているという。ダンテの生きた時代は日本でいうと鎌倉時代。いうまでもなく鎌倉言葉は現代日本語と似ても似つかない。   日本の古典文学学習を思い出そう。   古語辞典の助けなしでは読解できないし、教科書は脚注だらけだ。 
   だが、そういう時代ギャップは日本だけでない。現代世界に国家の体裁をなしている国の言葉で、イタリア語のように700年前とほぼ変化していない言語など有ろうか?    無い。  言語に「完成度」と表現するのが妥当するなら、ダンテは詩を用い、とんでもない民族遺産を創ったのである。  この凄さの意味するところが、ご理解戴けるだろうか?  私は、何度も本を置き、文字通り仰天した。

  それはさておき、書評に本書を取り上げた理由は、①~④のうち特に②を、私なりの理解で此のコラム読者と一緒に追いながら、1神教風土に生きない人間がキリスト教に生きる人々の心の成り立ちを可視化できるのか試みつつ、暗闇の手探りではあろうが、頭を整理したいからに尽きる。           ≪ つづく ≫
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☆ 2016.04.06. ≪ 自民議員ゆえ妻として謝る? ≫≪ ヘイトスピーチ ≫ 思想/言論の自由に差別を含めるな

2016-04-06 08:53:08 | トーク・ネットTalk Net
 ☆ 金子恵美議員 夫の不倫辞職を陳謝…「妻としておわび」 http://mainichi.jp/articles/20160406/k00/00m/010/119000c?fm=mnm
・ 「多大なご迷惑を掛け国政に影響を及ぼした。妻としておわびしたい」と陳謝。 ・・・此の記者会見で終わりかい?  
・ ここでいう「国政」というのは妥当か? 不倫された妻の立場にある女性でありながら、さぞかし腹の中は煮えくり却ってるだろうな。
  だが、自分も国会議員で同じ自民党に属するゆえ、誰に迷惑をかけたかといえば、支持者と自民党にであって、其の他の国民にではない。   
       もう、どれひとつとっても、まともなヒトの理屈として成り立たない。
 ⇒ 珍妙な会見を開けば不倫夫も不倫された妻も、一見落着になる此の社会の奇妙なこと! 誰も此の会見そのものを非難/論難しない不思議よ・・・。
  日本人以外の人に、此の会見が報道されること自体、理解不能であろう。 そして、日本人は、外国人には理解できない慣習であることに気づきもしない。     
    イヤ待てよ、ヒラリー・クリントンの先例がある?   こういうことは先人に学んだか、ううむ・・・・。

 ☆ ヘイトスピーチ 与党、罰則盛らず…法案提出へ http://mainichi.jp/articles/20160406/k00/00m/010/082000c?fm=mnm
・ 禁止・罰則規定を見送ったことについて、規制の実効性を疑問視する声もあるが、法案をとりまとめた公明党の遠山清彦座長代理は会合後、記者団に「公権力が特定言動を
  取り締まることは、憲法との整合性に疑義があるため」と説明した。
 ⇒ 「公権力が特定言動を取り締まる」・・・この言い方こそがスリ替えだ。 私はもうウンザリするほど此のすり替えを指摘してきた。
  「特定言動」だからではなく、言動の中身次第でもなく、<国家として・日本人として、あらゆる差別を条件なしに認めないという姿勢>を執るかのか、それが問われている。   
  注目: 此の差別には「アイヌ差別」と「被差別」も含む。 在日差別のみではない。  お忘れなく・・・・。

<国家として・日本人として、あらゆる差別を条件なしに認めないという姿勢>は「思想/言論の自由」を超越する。  ピリオド!   
  さて、貴方は イエスか、ノーか?   私は通常『2択』を迫るのに反対だが、フツーのアンケートと違い、本件ばかりは「わからない~」「どちらでもない?」は許されないのです。
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