自遊空間、 ぶらぶら歩き。

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ホームレスさん、電車に乗る。

2004-08-28 | 社会・時事
昨日(8/27)付け神戸新聞夕刊に
武庫川河川敷に兵庫県内最大のホームレス集落がある。
との記事があった。
住人は188人、県内のホームレスの約2割が集まり、定住化が進んでいるという。

いまや、都会にはホームレスの団地はつきもので、私もよく見かける。
大阪城公園、中之島公園、三宮の地下通路には数人。上京したおり見かけた隅田川岸。
上野の森には一ブロックにぎっしりブルーハウスが立ち並んで、発電機がブルブル音をたてているところさえあった。

そういえば、この夏、変わった体験をした。
梅田に向かう阪神電車に乗ったとき、ホームレスとしか思えない風体の人が座っていたのだ。ジロジロ見ることはしなかったけれど、衣服はグレーがかった(汚れた)白。綿パンらしきものは、ヒザのところにまん丸の穴が開いていた。

ひげぼうぼうで、少し大柄で穴から引きずり出された直後のフセイン元大統領のような風貌だった。
異様な雰囲気があるので、乗客はさりげなく彼を避ける。
魚崎でおりて、エアコンつきの待合室に入っていった。

こんなことはたまにはあるかもしれない。ところが2日おいた夕方、今度は阪急電車の梅田行きに彼は西から乗ってきて、三宮でおりたのだ。まん丸に破れた穴から膝小僧がのぞいていた。(プラット)ホーム好きのホームレスさんか?

手元に昨年春の資料(厚生労働省全国調査)がある。
ホームレスは全国で2万5296人。最も多いのが大阪、次いで東京、愛知と続く。
面接調査した2163人の平均年齢は55.9歳、ホームレス歴は1年未満が30.7%と一番多い。

ということは早いうちに手を打てば彼らを家のある世界に引き戻せるということだ。
ホームレスになったのは本人の自覚と努力が足りないと言うのは簡単だ。でも、ホームレスを生んでしまう社会になったのは彼らだけの責任だろうか。

労働集約的な仕事のかなりの部分を海外にシフトしてしまったこと。定年のない優良産業である農業を夢の少ない仕事にしてしまったこと。
国は仕事を生み出す努力をしているだろうか。経営者は収益の拡大をリストラに名を借りた社員の切り捨てだけで生み出してはいないだろうか。

兵庫県に関しては、この秋から多面的なサポートを目指すNPOが発足するということで、
少しホッとしている。

松井計さんのホームレス作家(幻冬舎)、松島トモ子さんのホームレスさんこんにちは(めるくまーる)を読んだけれど、ホームレスになるのは恐怖そのものだ。ゆめゆめ、気楽でいいなぁなんて思わないように。
膝小僧のおっちゃん元気にしてるだろうか。

(写真は神戸新聞のWebサイトから借りました)





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