昨日記事にした沖藤さんの著書の中に、ご主人がネット詐欺にひっかかった話が出てきます。
ご主人は大会社の管理職から、関連会社の社長を経て退職していて、認知症でもないし、判断力はあったはずなのに、自分はだまされていないと言いつのり、結局少ない額ながら、だまし取られてしまいました。
なぜいい歳した大人が詐欺を見抜けないのだろう、自分がだまされるなんてバカなことがあるはずがない、は通用しないのです。だますほうは一枚上手、巧妙です。
昨年暮れに読んだ新聞記事によると、大阪市内での1~11月に府内で起きた振り込め詐欺や金融商品詐欺などの被害総額が約36億6000万円に上っていて、2億円以上だまし取られた高齢女性が2人もいたそうなのです。
つい先日読んだ記事では過去に投資詐欺の被害に遭った高齢者に「被害回復のために預り金」が必要とさらにお金をだまし取っている輩もいるとのこと。
老人から最後の1滴まで搾り取ろうとしているんですね。
「老人喰い」は、昨年読んだ本です。
まるで一般企業に出勤するような若者たちの姿からこの本は始まっていました。
実際、詐欺集団は会社のように組織化され、運営されています。
主要業務は、
「高い資産額をもつ高齢者から、できるだけ効率的に、できるだけ多くの現金をだまし取る」です。
もはや産業といっていい規模に、この「仕事」は成長してしまいました。
詐欺で高齢者から金を奪うことは犯罪だけれども、そこには「正義」がある。
金を抱え込んで消費しない高齢者は「若い世代の敵」「日本のガン」だというのが詐欺集団の大義名分です。
著者はあとがきでこう記しています。
どんな理由があろうとも、お金をだまし取るのは犯罪だ。
彼らが高齢者から金を奪うことで、世の中が良くなりはしない。
ただひとつ言えることは、
「奪われる前に与えていれば、こんなことにはならなかった」ということだ。
本来、富める高齢者がやってくるべきだったのは、自らの子どもや孫に教育費や労力を費やすことのみならず、将来的に自らの世代を支えてくれる「若い世代全体」に金と手間をかけて育て、支えてくれるだけの環境と活力と希望を与えることだった。
ところで、65歳以上で住民税非課税の人や65歳未満の障害基礎年金と遺族基礎年金の受給者計1250万人に3万円を配るってこと、高齢者が国にねだりましたか?
財源3600億円、もっと有効な使い方があるはずだと思わずにいられません。
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