自遊空間、 ぶらぶら歩き。

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佐川君は今、一人ぼっち?

2005-01-22 | 
今週発売中の週刊新潮、週刊文春の目次には両誌らしいタイトルがおどっている。

記事の一つ、週刊新潮1月27日号の墓碑銘という1ページの連載コラムは佐川明さんの死を伝えている。この1月4日に、90歳で亡くなっているのだ。

晩年の四半世紀は心やすまる日などなかったに違いない。彼の長男一政が1981年6月、留学中のパリでオランダ人女性を射殺、遺体と交わったうえに、5日間に渡って食べ、残りをバラバラにして捨てたという猟奇的な事件を起こしたからだ。
私の記憶にもはっきり残っている忌まわしい事件だ。後に唐十郎さんが一政をモデルにした『佐川君からの手紙』という小説で芥川賞をとっている。

佐川明さんは当時、伊藤忠商事から経営危機の栗田工業に派遣され、みごと再建するという仕事人としては輝かしい経歴の持ち主だったが、父親としては子育てに大失敗したとしか言いようがない。

私は国外でとはいえ、これだけの事件を起こしながら、帰国した一政が罪に服することもなく、10冊を超える著作を上梓できたのが信じられない。父親がパリでは、一番といわれる弁護士をつけ、最後の最後まで息子をかまい続けたようだ。

佐川明さんは2002年7月、3度目の脳梗塞で倒れるまで息子の住む家の家賃を払い続けるなど面倒をみていたという。

私がなんとむごいと思ったのは佐川明さんが亡くなった次の日に、81歳の妻、一政を産んだ母親登美子さんが後を追うように死去したと知ったからだ。

佐川一政1949年神戸生まれ、55歳。たのむから出版社は彼に暴露的な手記など書かせないでほしい。彼の行動をみると、亡くなった両親を冒涜することなど、意に介さないようだから。






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