ぼくたちの家族を観てきました。
物忘れは多くなったものの、いたって元気な母親が「余命1週間」と宣告され、その夫が経営する会社は火の車、長男は中学時代ひきこもっていたけれど、家庭をつくって独立、しかし優柔不断。
次男はきままな大学生、母親にねだった小遣いが消費者金融で借りてきたものだとは想像すらしていません。
愁嘆場が展開されてもおかしくないシチュエーションなのに、物足りないほど、たんたんとしたシーンが続きます。
重いテーマなのに、悲壮感はありません。
母親は自分の病状を詳しくは理解できていないし、父親と息子2人はあきらめずに現実に立ち向かっていくからです。
もっとも、父親が一番頼りないのですが・・・。
母親玲子役の原田美枝子さんが医師からの病状告知を聞いて「わぁ~~~っ」だったか「ぎゃ~~~っ」だったか叫んだ場面が印象的でした。
次男俊平役の池松壮亮さんが儲け役を演じてましたが、演技自体も素晴らしいなと思わせるものでした。
「舟を編む」の石井裕也さんが監督・脚本の映画です。
原作は母親が2008年に余命宣告を受けた、作家早見和真さん。宣告を受けて5年後の昨年9月に亡くなりましたが、生前、自分の役が原田さんになったことを喜んでいたそうです。
どこの家にも悩みのタネやほころびがあります。
不安の穴を広げるより、乗り越え、修正していくことが喜びにつながるんでしょうね。
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