「Don't you think it's time」
(そんな時じゃない?)
クリスティン・マクヴィーの訃報を聞き
『ペンギン』に収められたオープニング曲、
そのサビの部分を思い出しながら
「彼女なら死に際にでも、そんな事を言いそうだよ…」
なんて考えながら
沈んだ気持ちで針を落としたんだ…。
気持ちの良いスライドギターから
美しい彼女の声とメロディが響く…
本当に大好きだったんだよ。
もう彼女がこの世に居ないと思うとね…
正直、胸に迫るものがあるんだ。
フリートウッドマックって
クリスティン
リンジー・バッキンガム
スティーヴィ・ニックス
という、ソングライターでもあり
素晴らしいヴォーカリスト3人による
「バランスと個性」
が魅力だったのに、逝っちまうなんて…
誰もがバンドのピークは
『ファンタスティックマック』
『噂』
という2枚のアルバムと言うだろうが
俺、どれも好きなの!
《直筆サイン入りの『ファンタスティックマック』を持つ筆者》
《『噂』USオリジナルを持つ筆者》
あえて『噂』で言うなら
クリスティン不朽の名曲『ソングバード』!
を挙げないと…
きっと今、
世界中のアチコチで
この歌が流れているんだろうな…
美しいピアノと歌声…
夜な夜な何度も何度も聴いた曲…
繰り返し繰り返し…さ!
分かるよね?
テープに落として
ドライブ・デートで流したりもしたもん。
七里ガ浜の駐車場で波と共にね。
そして、この曲をバックに
もう2度と出来そうにない
あの初々しいキス…
今聴いても
俺の青春の全てが蘇るんだよ。
《『ソングバード』UKオリジナル45回転を持つ筆者》
幼少期に
「リアルタイムで聴いた最初のマック・アルバム」が
『タンゴ・イン・ザ・ナイト』!
《『タンゴインザナイト』を持つ筆者》
その中でも、彼女が作った
『Everywhere』
『Little Lies』
が大好きだった…
『Little Lies』
ではレコードが擦り切れるんじゃないか…
と思うくらい
もう何度も何度も繰り返して
レコードと一緒にハモったっけ…
今夜もそうなんだけれどね…
そして
どこまでも優しい音…
そんな『Everywhere』は歌詞も魅力的でさぁ。
「どこにいても私はあなたと一緒にいたい!」
そんなクリスティンの歌声に
「こんな事を女の子に言われたい!」
と、本気で願っていた中学生の俺…。
ロックに取り憑かれていたんだな。
《『Everywhere』UKオリジナル45回転を持つ筆者》
俺にとっての「究極のマック」って
やっぱり思春期にリアルタイムで聴いた
この『タンゴ・イン・ザ・ナイト』
なんだ。
少ない「お小遣い」で買った… そんな
「大切なレコード」だっただけでなく
多感な時期にピタリと当てはまる盤…
「本当に価値の有る素晴らしいアルバム」
であり続けているもん。
こうやって聴けば聴くほど
「マックはクリスティンなんだよなぁ。」
とね…。
それはソロ作でもよく分からるんだ。
マックでやって来た事が盛り沢山で
この変わらぬクリスティン・サウンドに
当時の俺は酔いしれていたんだよ…
まだ12歳だったけれどリアルタイムで聴いたんだ。
《84年のソロ作品を持つ筆者》
とにかく俺はクリスティンに引っ張られて
どんどんとマックが好きになった…。
このソロを聴き
『ファンタスティックマック』『噂』『タスク』
そして『ミラージュ』と逆行して聴いて行き
遂に新作『タンゴ・イン・ザ・ナイト』が出る!
《『日本独自の特別プロモ盤』を持つ筆者》
そんな
「マックの素晴らしい世界」
に、俺を引きずり込んだ
クリスティンが逝っちゃうなんて…
今夜は彼女のメロディを浴びながら
ちょっとだけお酒を飲もうか…
そして多分、泣いちゃうんだろうな…
いいよね?クリスティン!
えっ?
それでも
「Don't you think it's time」
なんて、あなたは言うの?
Oh No!やめてくれよ!
それとも、
あなたは、もっとクールにこう言う?
「Yesterday's gone, yesterday's gone」
(昨日の事はもう過去、もう終わった事よ)
嗚呼、哀し過ぎるよ…
声を大にして言うね!
「大好きだったよ!クリスティン!
素晴らしい音楽を、本当にありがとう!」
間違いなく俺は彼女に恋をし
今後も「恋い焦がれ続ける」んだ。
「死ぬまで聴ける音楽」
って、そうは無いんだよね…。
クリスティン?
《 「Mash」筆》