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まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

安藤建築と中之島の公共建築群

2025-04-11 20:12:06 | 建築まち巡り近畿 Osaka, Kansai

TDA大阪研修の2日目は午後からグラングリーン見学です。梅田の大阪駅北に最近完成オープンしました。見学と講演会をアレンジしてくれた先生方からのおすすめに従って午前中は中之島の公共建築群見学。

(下写真)まずは安藤忠雄氏の子どもの森図書館。中之島には民間の方の寄付による公共建築がいくつかあります。住友家や伝説の相場師の寄付ですが、いよいよ安藤氏もその仲間入り。ご自身が寄贈した建物です。素晴らしい行動力ですね。

本があると、建築の素材感が後ろに下がり、空間そのものの構成が前に出てきます。建築家のつくる空間そのものの良しあしが出ます。さすが安藤さんはうまいです。本と書棚を使って居心地の良い空間を作り上げるのは、司馬遼太郎記念館でも体験しました。間違いないですね。

(下写真)安藤さんには、子供たちが、空間を使い切る様子が、製図版に向かっているときにすでに見えているのでしょうか。

納得して外に出ます。(下写真)安藤さんと同じように地元大阪の人が寄贈した、中央公会堂。岡田信一郎の設計です。1918年にできています。ネオルネサンス様式にバロック的要素が加味されているとのこと。

中央のアーチと両翼の塔という堂々たる構え。ただアーチを日本の柱がささえているというのも、理に合わない。柱頭も基壇部のイオニア式に対して、少し複雑で(私には)よくわからない不思議な形状。相当自由にやっていると考えていいのでしょうか。

(下写真)中の公会堂ホールは圧巻です。セセッション風?イスラム風?

音響がいいかどうか知りませんが、空間体験としては忘れられない時間が過ごせそうです。

(下写真)公会堂の対面には大阪図書館。住友家の寄贈で、野口孫市の設計です。1904年。こちらはコリント式のオーダーを持つ柱が、謹厳とした雰囲気を作っています。図書館とはそういうものだったのでしょう。

 

 

ちょっと優しいバロックですね。

見上げると圧倒されます。

 

(下写真)御堂筋に戻ると、日銀大阪支店。東京と同じくこちらも辰野金吾。1903年。

 

道に迷ってはいけないので御堂筋を外れないように北上し、梅田を目指します。

(下写真)ふと、右手を見ると不思議な建物。建物名は、曽根崎変電所と読めます。

ネット検索すると市電への給電施設として1936年につくられています。RC3階建て。

表現主義的ブルータリズム?面白い。時間があれば、外部をぐるりと見てみたい建物です。しかしそんな余裕はありません。グラングリーンに向かいます。曽根崎だから梅田はすぐそばのはずです。

高谷時彦 Tokihiko TAKATANI

建築・都市デザイン architecture/urban design

設計計画高谷時彦事務所 TaK studio

 


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