米軍が「マイクロ波」兵器を開発【Weekly国際政治】
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(1)米軍が「マイクロ波」兵器を開発
「最先端軍事技術」と聞いたら、ステルス戦闘機、空母、そして弾道ミサイルなどを連想するかもしれない。しかし、最近世界各国の国々が取り組んでいるのが、相手にミサイルや爆弾などのモノを当てるのではなく、レーザー、荷電粒子、音などを当てることで破壊してしまう、「指向性エネルギー兵器」だ。
これまでの電子戦兵器は「ジャミング」(電波妨害)を通じて相手の電子機器に異常を生じさせるものだった。しかし、「ジャミング」を止めてしまったら、相手の機器はまた正常に作動し始めてしまう。「指向性エネルギー兵器」は妨害ではなく、破壊を目的としたものだ。
つい数年前まではSFの世界のものだったが、少しずつ現実化しつつある。
【最近の動き】
最近、米空軍が米ボーイング社とともに「対電子機器高出力マイクロ波先進ミサイル計画」(CHAMP)という指向性エネルギー兵器を開発している。この兵器は、相手の電子機器(コンピューター、制御システム、通信システムなど)にマイクロ波を照射して破壊することができる。
米空軍が2012年、CHAMPをミサイルに搭載し、軍事基地の上空を飛行しながらマイクロ波を基地に向けて照射するテストを行ったことを、英デイリーメールが報じた。
結果は、基地のコンピューターだけでなく、テストを撮影していたカメラさえも破壊してしまったほどだったという。将来的には、飛行中の弾道ミサイルを誘導している内部の電子機器を破壊することも考えられる。
【展望】
このような技術を見ると、電子戦やサイバー戦が国防においてどれほど重要かがわかる。たとえ空母やミサイル、戦闘機、衛星を多数持っていても、それらの電子機器を破壊されてしまえば、使えなくなってしまうからだ。
東アジアの安全保障環境が悪化する中、日本では国防体制を整えることが急務となっている。有事の際に、「気がついたら戦闘機が使えなくなっていた」などということがないように、将来、国の防衛に必要な技術をいまから研究・開発する必要がある。
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