http://hrp-newsfile.jp/2017/3169/
幸福実現党HS政経塾 担当チーフ 古川裕三
◆9条は守って、自衛隊は明記?
3日の憲法記念日には、読売新聞一面に「憲法改正 20年施行目標」と題し、憲法改正に向けて意欲を示した安倍総理のインタビュー記事が掲載されました。
首相は「東京五輪が開催される2020年を新しい憲法が施行される年とし、その柱は憲法9条に自衛隊を明確に位置づけることだ」と発言しました。
憲法の平和主義は守り、「戦争放棄」(1項)と「戦力の不保持」(2項)を規定した9条を残したまま、自衛隊の存在を明記する、「加憲」の議論を展開しています。
2012年に自民党が作成した憲法草案には「国防軍」の保持と明記されていますので、首相は態度をやや軟化させた格好です。
◆野党の批判をかわす目的
9条は改正せずに、自衛隊の存在を明記だけするという主張は、野党・民進党の幹部もかつてしたことがありましたので、野党の反発を最小限に食い止め、現実(妥協)路線で、まずは憲法改正を実現させたいというのが首相の思いでしょう。
しかし、妥協でよいのでしょうか。
◆「戦力」と「実力」
日本の自衛隊は、1950年の朝鮮戦争の勃発をきっかけとして、GHQからの要求により、7万5千人からなる警察予備隊が組織されたことから始まりました。
のちに自衛隊に改組されるわけですが、政府は「自衛隊は自衛のための必要最小限度の実力」であるとして、憲法9条で禁止されている「戦力」ではないという解釈を採ってきました。
ただ、「軍隊とは、組織体の名称は何であれ、その人員、編成方法、装備、訓練、予算等の諸点から判断して、外的の攻撃に対して国土を防衛するという目的にふさわしい内容をもった実力部隊を指します。
この解釈を一貫させていけば、現在の自衛隊は、その人員・装備・編成等の実態に即して判断すると、9条2項の「戦力」に該当すると言わざるをえないであろう。」(『憲法』第五版 芦部信喜著)という指摘どおり、どこからどう見ても自衛隊は「陸海空軍その他の戦力」です。
そもそも、憲法前文及び98条には憲法の趣旨に反する法律は無効であると規定されていますから、自衛隊法は形式的に違憲であることは間違いありません。
平和主義を基調としながらも「侵略戦争はこれを放棄し、防衛のみに専念する」(9条1項)、「そのための戦力は、固有の権利として、これを保持する」(9条2項)と条文を改正し、自衛隊法の根拠を明確にすべきです。
※参考:『幸福実現党宣言』大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=113
◆正直な議論を
つまり問題の本質は、9条を正直に改正し、自衛隊を軍隊として明確に位置付けて、国防を強化し、「他国の軍事的脅威から国民の生命を守ること」です。
9条をいじらずに自衛隊の存在を明記する条文を加えるとなると、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。ただし、前項の目的を達するためではない自衛隊という実力は保持する」という趣旨になるでしょう。
北朝鮮から飛んでくるミサイルから国民の生命を守るためには、防衛軍が必要なのですから、正直に9条を改正しましょうというのが我が党のスタンスです。
◆現在の自衛隊の限界
「自衛戦争を認め、防衛軍は必要」という変更を加えなければ、自衛隊の動きにくさは全く変わりません。
改憲ではなく加憲で自衛隊の存在を明記したとしても、実際に国民を守る行動はとれない、ということであれば意味がないのです。憲法は国民を守るためにあるのです。
国際標準では、軍隊の権限規定はネガティブ・リストが採用されており、あらかじめ禁止されたこと以外は原則自由に行動ができます。
一方で警察はポジティブ・リストが採用されており、法的根拠がないと動くことができません。
先に自衛隊の前身が警察予備隊であることを確認したとおり、自衛隊はポジ・リスが採用されており、法律に書かれていること以外、行動できないという制限のもとにおかれています。
憲法に軍隊と明記し、権限規定をポジからネガに変更することが必要なのです。
今こそ、国民が目覚め、嘘をつかない正直な政治家を選択し、戦後体制の呪縛を打ち破って「自分の国は自分で守る当たり前の国」をつくっていかねばなりません。
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12958
《本記事のポイント》
・安倍首相は憲法9条1項、2項を維持した上で自衛隊に関する条文追加の方針を発表
・それでは「戦えない自衛隊」を条文化するようなもの
・保守も左翼も抱き込むやり方にだまされてはいけない
憲法記念日に都内で開かれた護憲派の集会に、安倍晋三首相がビデオメッセージを寄せ、2020年までに憲法改正を実現する方針を発表した。たびたび議論に上る9条については、現行の9条1項、2項を維持した上で、自衛隊に関する条文を追加するという。
北朝鮮の核ミサイルがいつ飛んでくるかという状況の中、9条改正を目指すのは当然のことだ。だが、今回の安倍首相が示した方針は、「自衛のための戦いすらままならない」現状をつくりだしている9条の誤りを固定し、むしろ強めてしまう結果になるだろう。
◎「戦えない自衛隊」が定着する
戦後、アメリカに押し付けられた憲法により、日本は国防の手足を縛られてしまった。
中国漁船が尖閣諸島周辺の領海に入ってきても、北朝鮮が着々と核ミサイルを開発していても、9条がネックとなり、自国を守る手段は極めて限られている。それどころか、「自分の国は自分で守る」という国家としての気概さえ失われてしまった。
保守層はこうした状況を問題視し、以前から憲法改正を訴えてきた安倍首相に期待をかけてきた。そのため、今回の発言に「いよいよ改正に踏み出すか」との期待も高まっている。
ただ、安倍首相の発言内容をよく見れば、"改正"と言っても、危機に際して戦うことのできない自衛隊の位置づけは何ら変わらない。
むしろ、「白馬は馬に非ず」とでも言うかのような「自衛隊は憲法で禁じられた軍隊や戦力ではない」という無理のある解釈論を憲法にわざわざ書き込み、条文化する弊害の方が大きい。自衛隊を「国を守るために戦う軍隊」と定義し直す機会が失われるからだ。
9条1項、2項の改正に手をつけない限り、自衛隊は警察と同等の行動しかできない。他国から日本に向けてミサイルが発射される兆候があっても敵基地を攻撃する戦力を持てなかったり、実際に撃たれてからでなければ反撃できなかったりという「戦えない自衛隊」の現状は変わらないのだ。
国の交戦権を認めず、戦力を保持しないままの自衛隊が憲法上の存在となるのは、国の主権を考えない、情けない政治と言わざるを得ない。
解釈論と条文の改定を混同していることに気づかないなら、安倍首相のリーガルマインドは低いといわざるを得ない。もし、分かってやっているならば、これほど国民を馬鹿にした議論もないだろう。
◎中国や北朝鮮も大喜びの"改正"
とはいえ、歴代政権が誰もできなかった憲法改正に手をつけるとなれば、保守層は「安倍首相は実行力がある」と一定の評価を下すだろう。
憲法9条を絶対視し、改正に反対し続ける護憲派の共産党や民進党にとっても、「戦力ではない自衛隊」を一切変えない安倍首相の案ならば、乗ることができる。国民の大半が支持している自衛隊の存在を憲法に書き込むことについては、どの政党も大きな反対の声は上げにくい。
それどころか、中国や北朝鮮でさえ反対しないかもしれない。「戦力を持たない」「他国と戦わない」という「半主権国家」が維持され、日本における憲法改正の議論が落ち着くなら、彼らは内心では大喜びだろう。
どこからも反対が出にくい提言で、右も左も抱き込もうとする姿勢は、2015年に発表された安倍談話にも見られた安倍首相お得意のパターンだ。ハッキリとモノを言わず、ナメクジ的なヌメヌメ、ドロドロした政治のあり方に、もうだまされてはならない。
◎憲法改正の目的は主権を取り戻すこと
当初、安倍首相が改憲を目指していたのは、「国家を守るための軍隊、戦力を持つ」という主権国家として当然の権利を取り戻し、戦後体制を終わらせる目的があったはずだ。
だがいつの間にか、憲法改正は自らの政権維持のための手段に成り下がってしまったようだ。今回の案が通れば、自分の国を自分で守ることができない9条の"精神"は半永久的に守られることとなり、むしろ戦後体制は強化されるだろう。
国家と国民の安全を守るため、軍隊と戦力を持つことを憲法に明記してこそ、主権を取り戻すことができる。その意味で、憲法改正は命がけの仕事となるだろう。そうした覚悟がなく、国民の目を欺くための憲法改正発言なら、一日も早く撤回するべきだ。
【関連書籍】
幸福の科学出版 『新・日本国憲法 試案』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=110
幸福の科学出版 『「現行日本国憲法」をどう考えるべきか』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1103
【関連記事】
2017年5月3日付本欄 憲法も首相も「積極的平和ボケ」 北朝鮮のミサイルから国民を守れない
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12955
2015年8月号 憲法の目的は国民の幸福の実現 - 安保法制の整備を急げ - The Liberty Opinion 3
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9821
https://news.infoseek.co.jp/article/mag2news_248354/
まぐまぐニュース! / 2017年5月4日 5時0分
先日、安倍総理は訪問先の英国での記者会見で「現状では6ケ国協議は再開できる状態にない」と述べ、挑発行為を繰り返す北朝鮮を厳しく非難しました。メルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さんは、中国は6ケ国協議を呼びかけているが、北朝鮮が核開発を止めるとは思っておらず、アメリカと水面下で「戦争後の体制」について協議していると推察。いまだ可能性が捨てきれていない「第2次朝鮮戦争」と、それによって日本や韓国が受ける被害についても言及しています。
第2次朝鮮戦争の準備が始まっている
第2次朝鮮戦争の開始がいよいよ迫っている。米中が戦争後の勢力図を交渉している。戦争遂行と戦後体制を検討する。
0. 現状
北朝鮮は、失敗をしているが弾道ミサイル実験を重ねている。しかし、準備ができている核実験は行わない。中国から核実験を実施するなら石油を止めると宣言されているので、現時点は実験をしないし、できない。
北朝鮮は、ピョンヤン市内でのガソリンスタンドすべてを閉鎖して、禁輸に備えた石油の備蓄を行っている。この石油備蓄ができたら、核実験を強行することになる。それとASEAN諸国から石油の輸入を画策している。このため、実験ができるまでに1ケ月以上はかかる。
北朝鮮の金正恩委員長は、絶対に核・ミサイル開発を止めない。権威の象徴になっているので、止めると国内統治ができない。しかし、北朝鮮が核実験をしないと、中国は米国などに対話を呼びかけられるので、中朝には必要なことである。
しかし、北朝鮮は、放棄するはずがない。無意味な6ケ国協議をして、開発時間を稼ぐだけである。そして、これが北朝鮮のベストシナリオでもある。
このため、米国は6ケ国協議の開始として、北朝鮮の核放棄が前提であるとしているし、中国が核実験でも制裁をしなかったら、米朝交渉を開始して、核放棄をしなかったら、ハルノートを送りつけて戦争に突入する可能性もある。
1ケ月先と予測できる核実験までには、米国も空母3隻を日本海や東シナ海に展開できているはず。空母カールビンソンはそろそろ母港サンディエゴに帰還するはずが、延期して日本海に滞在することになり、横須賀の空母ロナルドレーガンは、現在4月末までに整備ができて、5月中には稼働できる。また、空母ニミッツがハワイにいたが、それも西太平洋に向かっている。ということで、5月中には3隻の空母が揃うことになる。
戦争への危機感をもたない韓国の危うさ
1. 韓国の危うさ
石油の備蓄はできたが、北朝鮮は戦争が長引くと不利になるので、短期決戦にならざるを得ない。このため、北朝鮮から攻撃を開始する可能性も高い。
この攻撃として、ソウルへの攻撃を北朝鮮は行うことになる。核兵器搭載の短距離ミサイルを発射しても、自国の前面展開している軍に大きな被害が出るので、大量の大砲による砲撃を行うことになる。石油の必要がないので効率が高い。しかし、大砲の整備更新をしていないので、稼働率は半分程度である。しかし、その砲撃で、ソウルは大きな打撃を受けることが確実である。
このため、日本政府は韓国に対して、邦人退避の方法を交渉しようとしたら、拒否されている。ありもしない戦争を誘発するというのが理由である。
また、トランプ米大統領も韓国には厳しい。日米間では電話による首脳会談を頻繁に行っているが、米韓間での会談を行っていない。韓国軍は在韓米軍司令官の指揮の下で動くことになるので、必要がないともいえるが、トップ間での会話がないのは非常におかしい。
また、韓国は大統領選挙中であり、5月上旬には体制が変わることになる。最有力とされる文候補が勝つと、北朝鮮シンパが政権に着くので、トランプ大統領も、韓国には厳しくなる。韓国にTHAADの費用10億ドルを請求しているし、米韓FTAの見直しも述べている。このトランプ大統領の韓国に厳しい要求は、文候補になったら実行することになる。意図して行っている。トランプ大統領は、文候補が勝ったら韓国を見捨てるように感じる。
そして、文候補も米韓安保体制を破棄すると述べているから、韓国の近未来は動乱になることが確実である。それも北朝鮮が核実験を実施する直前に決まり、その後、日米との交渉をすることになるが、米国は戦争前夜となり韓国を見放すことになる。直前に米軍が韓国から撤退もあり得る。文候補が当選なら、韓国は戦争の当事者であるが、国内は大きな悲劇に見舞われることになる。
このように韓国が戦争直前とは思えない体制になる可能性が高く、戦争はないという意識が強く、危機感もない状態になっている。
文候補が勝てば、北朝鮮は韓国を攻撃しないとの期待をしているが、この考え方は甘い。北朝鮮が確実に被害を大きくできるのは、ソウル砲撃だけである。
水面下で進む「米中交渉」
2. 米中交渉が進んでいる
第2次朝鮮戦争を前に、米中間では戦争後の体制について、交渉をしているようである。中国は朝鮮半島は歴史的に中国の一部であると米国に説明している。米国も中国の主張を認めて、その代わり、北朝鮮の核開発を放棄させるために有効な手を打ってくれと要求しているようだ。
このため、中国は北朝鮮に対して、核実験をしたら石油禁輸を実施すると宣言したのであるが、戦争になると大量の難民が中国に押し寄せるし、米国軍が北朝鮮領内に侵攻してくると、中国の安全保障上も問題であり、戦争遂行上でも北朝鮮領内への米軍投入はしないことを確約しろと言っているようだ。
中国は表面的には、6ケ国協議を提案しているが、北朝鮮が核放棄をすると思っていない。このため、戦争開始後すぐに、中国軍が北朝鮮に侵攻して、金正恩委員長を排除することになる。このことを金正恩委員長にも伝えて、中国への亡命を提案しているようであるが、金委員長は拒否していると平野さんは言う。
どちらにしても、戦争後、米国は朝鮮半島からは撤退になる。そして、中国の指導の下に朝鮮人民共和国ができるのであろう。
習近平とトランプ大統領は、この線で合意しているような気がする。
王外相は、6ケ国協議を提案しているが、それは表面だけで、裏では、自国に有利な戦後体制を米国と交渉するためにニューヨークにいるのである。
日本もミサイルによる攻撃を受ける可能性は高い
3. 日本への影響
米国の研究所は、北朝鮮が核兵器を13~30個保有している可能性があるとの分析し、このうちプルトニウムを原料に製造された核兵器数発が日本を射程に収める中距離弾道ミサイル「ノドン」に搭載できるほど小型化されたとみられる。というが、これは戦争費用分担で、日本に応分の負担を求めるための脅しであろう。
十分な威力を持った爆弾という意味では、プルトニウム原発でないと小型化できないが、前回の核実験では、まだブースト型であり、小型化には限界があるはず。砲身型ウラン原発なら、可能性が高いが威力は小さい。それでも大きな被害が出るので、東京に落ちれば、1万人以上の死傷者が出るかもしれないが、プルトニウムではないと思う。
ということで、攻撃が始まれば、車載型ノドンを可能な限り叩くことが必要になるが、米空母の攻撃に期待するしかないのが現状のようである。後は、SM3迎撃ミサイルで撃ち落とすことである。
また、核兵器は数個しかないので、多数のミサイルには、サリンやVXなどの化学兵器が搭載されるのであろうとみる。
日本も戦争の影響を受けるし、大きな被害が出る可能性も否定できない。このため、外交交渉で解決するのが一番良いが、北朝鮮が核放棄をしないことが明白なので、展望が開けていない。
戦争になるとみて、日本は準備をする必要がある。まず、ソウルにいる邦人退避が必要であり、韓国政府は日本政府とは交渉しないようであるので、在韓米軍の家族退避に合わせて、邦人退避も米国にお願いすることである。
今後、核戦争の準備をする必要もありそうである。国家が核シェルターを主要都市の地下に整備することが求められるようだ。
さあ、どうなりますか?
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出典元:まぐまぐニュース!