パーキンソン病の症状改善に太極拳が効果的だという研究論文が8日、
米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル」に発表された。
オレゴン研究所のチームは、米オレゴン州の4都市でパーキンソン病患者
オレゴン研究所のチームは、米オレゴン州の4都市でパーキンソン病患者
195人を対象とした無作為研究を行った。
被験者は太極拳、筋トレ、ストレッチを行う3つのグループに分けられ、
それぞれ該当する運動を週2回60分、6か月間行った。
その結果、バランステストと歩行時の歩幅において、太極拳のグループは
その結果、バランステストと歩行時の歩幅において、太極拳のグループは
他の運動グループを上回った。転倒の回数についても、太極拳グループは
ストレッチのグループより少なかった。筋トレのグループと太極拳グループの
転倒回数は、ほぼ同じだった。
「この結果は臨床的に極めて重要だ。現在の理学療法に太極拳を加える
「この結果は臨床的に極めて重要だ。現在の理学療法に太極拳を加える
ことで、パーキンソン病の主要な症状のいくつかに対処できる可能性が
示されたからだ」と、論文主筆者の李甫中氏は指摘する。
特にバランスや歩幅で向上がみられたことは、こうした身体機能の衰えを伴う
患者のリハビリに、太極拳を基本とした動作を取り入れることの有効性を
示していると、李氏は言う。
太極拳は、緩やかで柔らかな動作を連続して行う中国武術を基とした健康法
太極拳は、緩やかで柔らかな動作を連続して行う中国武術を基とした健康法
で、深い呼吸とリラックスを伴う。儒教や仏教に由来する陰陽思想を根底
とし、人間の健康も陰陽の調和によってもたらされると考える。陰陽の均衡が
崩れると体調を崩すが、太極拳でこの不均衡を整えることで健康を保てると
いう。
パーキンソン病は、運動機能に関連した脳内物質が減少する進行性の病気
パーキンソン病は、運動機能に関連した脳内物質が減少する進行性の病気
で、手足のふるえや筋肉のこわばり、バランス感覚の欠如などの症状を伴う。
50歳以上で発症することが多いが、若いときに発症する例もある。
(2012年2月16日 AFP)