『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー著 清水俊二訳
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最近『ロング・グッドバイ』というタイトルで村上春樹訳が出たチャンドラーの最高傑作とも称される推理サスペンス。
ロバート・アルトマンが1974年に映画化してます。なんとアーノルド・シュワルツネッガーが出てるそーですが、ぐりは未見。
おもしろかったです。ひじょーに。ぐりは推理小説があまり好きではないので(中学時代は好きだったなあ)チャンドラー作品そのものも初めて読んだんだけど、いやー。いいですね。カタくて。こりっこりにかたい歯ごたえ、ぴりっとした舌触り、きりりと刺激的な香り、カクテルでいうとまさにギムレットって感じ。「ギムレットには早すぎる」ってやつよ(笑)。
しかしこれはどっかで指摘があったと思うんだけど、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』そっくりですな。というか『ダンス〜』が『〜お別れ』を下敷きにしてるというべきか。もともと村上氏はチャンドラー・ファンを公言してるし、似ること自体は問題はないと思う。ストーリーそのものが似てるわけじゃないし。舞台の仕掛けや役者が似てる。同じ劇団の別の出し物みたいな似方なんだよね。
村上作品と決定的に違うのは、主人公マーロウがとことん「やなやつ」だってとこでしょーか(笑)。まったくもってかわいくない。かわいくなくたっていいんだけど。偽悪的というか、アタマがまわりすぎるし、他人を挑発するテクニックに長けすぎている。読んでるこっちも挑発されてる気分になる。それもきっと演出なんだけど。
全体としてはかなり楽しんで読めたんだけど、惜しむらくは後半以降のストーリーにだんだんコシがなくなってくるのがなんとも残念でした。あたかもねじを巻いたぜんまいがじわじわとゆるくなるように、徐々に「それがどうした」的な展開に陥っていく。クライマックスだというのにもうひとつ緊張感が足りない。
あと男同士の絆についての描写はやけにしつこいのに、女性の登場人物に対しては愛がないとゆーか、男女間の愛情についての表現もやや投げ遺りな印象がひっかかりましたです。
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最近『ロング・グッドバイ』というタイトルで村上春樹訳が出たチャンドラーの最高傑作とも称される推理サスペンス。
ロバート・アルトマンが1974年に映画化してます。なんとアーノルド・シュワルツネッガーが出てるそーですが、ぐりは未見。
おもしろかったです。ひじょーに。ぐりは推理小説があまり好きではないので(中学時代は好きだったなあ)チャンドラー作品そのものも初めて読んだんだけど、いやー。いいですね。カタくて。こりっこりにかたい歯ごたえ、ぴりっとした舌触り、きりりと刺激的な香り、カクテルでいうとまさにギムレットって感じ。「ギムレットには早すぎる」ってやつよ(笑)。
しかしこれはどっかで指摘があったと思うんだけど、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』そっくりですな。というか『ダンス〜』が『〜お別れ』を下敷きにしてるというべきか。もともと村上氏はチャンドラー・ファンを公言してるし、似ること自体は問題はないと思う。ストーリーそのものが似てるわけじゃないし。舞台の仕掛けや役者が似てる。同じ劇団の別の出し物みたいな似方なんだよね。
村上作品と決定的に違うのは、主人公マーロウがとことん「やなやつ」だってとこでしょーか(笑)。まったくもってかわいくない。かわいくなくたっていいんだけど。偽悪的というか、アタマがまわりすぎるし、他人を挑発するテクニックに長けすぎている。読んでるこっちも挑発されてる気分になる。それもきっと演出なんだけど。
全体としてはかなり楽しんで読めたんだけど、惜しむらくは後半以降のストーリーにだんだんコシがなくなってくるのがなんとも残念でした。あたかもねじを巻いたぜんまいがじわじわとゆるくなるように、徐々に「それがどうした」的な展開に陥っていく。クライマックスだというのにもうひとつ緊張感が足りない。
あと男同士の絆についての描写はやけにしつこいのに、女性の登場人物に対しては愛がないとゆーか、男女間の愛情についての表現もやや投げ遺りな印象がひっかかりましたです。
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