落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

it's a bit too early for a gimlet

2007年05月12日 | movie
『ビリン・闘いの村』

『パラダイス・ナウ』を観た話を仕事場でしたら、知りあいがパレスチナに行ってドキュメンタリーを撮ってきた、という同僚がいた。その作品の上映会が今日あったので観に行った。
監督の佐藤レオ氏は以前からパレスチナ問題に関わりがあったわけではなくて、イスラエルを旅行で訪問したときに泊った宿で『THE WALL』というドキュメンタリーを撮っている八木健次氏と偶然知りあい、佐藤氏がもともと映像編集を職業としていた関係で取材・制作に関わるようになったのだそうだ。まあだからなりゆきです。
この作品は佐藤氏が去年改めて独自に取材してつくったそうだけど、そういう「なりゆき感」がものすごくフラットというかニュートラルな観点にもなっていて、それはそれでわかりやすくはなってるなとは感じました。
ただドキュメンタリーとして成熟してるかというとそこはやっぱりまだまだで、非暴力による抵抗運動という輸入ものの概念がテーマになっているため、当事者であるはずのパレスチナ人、ビリンの村の姿かたちは今ひとつ伝わりにくい。できることなら、イスラエル政府の圧力の下で彼らがどんな生活をしているのか、どんな人が住んでいるどんな村なのかをもっと前面に出した構成にした方が、よりわかりやすいのでは?とも思いました。
客席にはパレスチナ問題に関心の高い観客や専門家が多く来ていて、上映後のトークセッションもとても勉強になりましたです。


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