はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

一日一首

2012年11月07日 20時21分16秒 | 日詠短歌

2012/10/15(月)
   「あ、今、俺は宇宙人が出てきても、
    『それどころじゃないんだ、お客に会いに行かなきゃ』
   と言ってる状況だな」って。
     (『世界中が夕焼け』(新潮社) 穂村弘のコメントから)

 よむ時は誰もひとりでその人のために作った三百の空


10/16(火)
   琥珀エビスが店頭に並ぶと、秋だと思う。

 空間を時間単位で借りきってさて騒がしの闇が来るまで


10/17(水)
   歯科医にかかる時ほど無防備な状態も、日常にあまり無い。

 口腔が入口でなく出口なら出ていくなにを書きとめる莫迦


10/18(木)
   もっとも日本らしい季節は秋だ、と言ったのは椎名誠だったか。

 前腕を半ばさらせばしろたえの秋の冷たさ雨のやましさ


10/19(金)
   なんでもないこの瞬間が
   一生記憶に残るような気がしたんだ
    (「星が瞬くこんな夜に」 supercell)

 連環鎖継いだ一日一輪がほらこんなにも遠くへ届く


10/20(土)
   早朝。吐く息がかすかに白い。

 籾殻の煙たつ田のこの灰は誰から成ったものなのだろう


10/21(日)
   快晴。伊豆へ墓参。

 昼顔は秋の花かよ相州の海の水皺の金にたゆたう


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