2012/9/10(月)
今の通勤路には、花屋が四軒ある。
十四五のつぼみの青を貯えて鉢にしずまる竜胆 風が
9/11(火)
ビールも、味わって飲む季節になりつつあるか。
首振りのボタンを上げて風を受け続けた夜も葉のさえずりも
9/12(水)
今年は、夏休みを取りきれなかった。
虚しいと指さすだろう部屋のなか返事を待ってよむ呟きを
9/13(木)
同じセブンイレブンでも店舗が違えば、置いてあるビールの銘柄も微妙に違う不思議。
おさな子を横抱きにゆくひと過ぎてまだ青々と苦瓜の蔦
9/14(金)
愉しくてならぬ歌作を苦しなど書きたる日より告白憎む
(杉山隆)
心臓に乾いた声の引き掛かる朝はリーゼをひとつ増やせば
(リーゼは、軽度の抗不安薬)
9/15(土)
まだ暑いが、空の色は少しずつ薄れている。
ひと巡りしたってことか仰いでも葉の裏だけを見せる楠木
9/16(日)
何でかう蝉はしづかに遠く鳴くものかされど夕蝉ふいに近づく
(『蝉声』 河野裕子)
うた声がきみにとどいてほしいから夕蝉色のルージュをひいて
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