2012/10/15(月)
「あ、今、俺は宇宙人が出てきても、
『それどころじゃないんだ、お客に会いに行かなきゃ』
と言ってる状況だな」って。
(『世界中が夕焼け』(新潮社) 穂村弘のコメントから)
よむ時は誰もひとりでその人のために作った三百の空
10/16(火)
琥珀エビスが店頭に並ぶと、秋だと思う。
空間を時間単位で借りきってさて騒がしの闇が来るまで
10/17(水)
歯科医にかかる時ほど無防備な状態も、日常にあまり無い。
口腔が入口でなく出口なら出ていくなにを書きとめる莫迦
10/18(木)
もっとも日本らしい季節は秋だ、と言ったのは椎名誠だったか。
前腕を半ばさらせばしろたえの秋の冷たさ雨のやましさ
10/19(金)
なんでもないこの瞬間が
一生記憶に残るような気がしたんだ
(「星が瞬くこんな夜に」 supercell)
連環鎖継いだ一日一輪がほらこんなにも遠くへ届く
10/20(土)
早朝。吐く息がかすかに白い。
籾殻の煙たつ田のこの灰は誰から成ったものなのだろう
10/21(日)
快晴。伊豆へ墓参。
昼顔は秋の花かよ相州の海の水皺の金にたゆたう
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