はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

一日一首

2012年11月11日 15時44分10秒 | 日詠短歌

2012/10/22(月)
   あたらしくうまれたうたをひとつぶと数えて枝にのせておきます
    (「さなぎの数え方」やすたけまり 短歌研究二四年一一月号)

 ふたひらの掌と掌のなかに息吹あれあなたの性は星を孕める


10/23(火)
   ヘブンリーブルーは雑草、という意見もあるらしいが。

 廃屋を覆う蔓には十月の異国の藍のしたたりやまず


10/24(水)
   冬の大三角形を、全部言える人。
   カラマーゾフの兄弟の名を、全部言える人。

 焼尽の星という名にただようはシトラス・フローラルみどりの香


10/25(木)
   一年は長いようで、やっぱり長い。

 帰ろうを四つつぶやき戸を開ける椅子の一脚ひとつの軋み


10/26(金)
   なぜみんな平気なんだろ寒くなる十一月が死ぬほど嫌い
    (「恋する歌音」佐藤真由美)

 心から寒さを恋うるときがあるシリウスの火くらりさびしく


10/27(土)
   書くことが何もない。そんな一日が嬉しい。

 今はもう路地に沿いゆく十月の最後の風であれと月光


10/28(日)
   前の空き地に鳥が群れる。雀、鳩、烏、鶺鴒、椋鳥。
   今日は、名前の知らない鳥も。

 ディズニーのチーズのように歳月が人はなかなか空になれない
 (空=から)


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