下に挙げた作品は、「第五十四回短歌研究新人賞」に応募した連作です。
例によって一次予選落ちでしたので、供養のためにここに並べました。
今回は、J.S.バッハのピアノ曲『平均律クラヴィーア 第1巻』を聴き込み、そこから得た心象風景を元に固有結界を展開しました。
読んでみると「なんでこれがクラヴィーアやねん」と言いたくなるでしょうが、5人のピアニスト達の演奏するこの曲を、取っ替え引っ替え1ヶ月間聴きまくっていたら、どういうわけかこんな風になりました。すみません。
もともとバッハの曲を聴いていると、階段を静かに降りていくイメージがいつも広がります。
その辺の風景を、もっと突っ込んで描写すればよかったかなあと今は思います。
時を置いて、また挑戦してみたいテーマです。
>1ヶ月間聴きまくっていたら
うわぁ、そうなんだ…私なら浮気しちゃうかも~
またまたチャレンジし続けてください。
そして、また読ませてくださいな。
いや、別に1ヶ月間この曲だけを聴いてたわけじゃないですよ、さすがに。
はじめはエンドレスだったんですが途中でノイローゼになりそうだったので、適当にロックとかさだまさしとか懐かしのアニメソングとかも織り交ぜながら聴いてました(どんな組み合わせだ)。
……そっか。
だから、あんな意味不明の歌群になったのかもしれない。
題詠100首もそろそろ後半戦ですね。
お互いに、しっかり楽しみましょう。
今年はなんか応募数多かったのでは?
なかなか厳しいですね。
タイトルに『平均律クラヴィーア 第1巻』って入れたのは、損か得かでいうと損だったかも?
よく知ってる人は「あああれね。短歌でどう絡むの?」って構えで読み始めるし、よくわからない人は「んーなんかそういう曲のイメージをもとにしてるのね」ってそれなりの構えで読み始める。
「本歌取り」が明らかで元ネタを示さないとわからないものだったら、どこかで出さないといけないけど、これは独立した中村ワールドで「おおおなんだこれは!」って新鮮に驚きながら読めるんじゃないかしら。(前の、ゲームの世界からの心象風景の連作もそうでしたけど)
雑誌に載った時点ではタイトルは分からないけど、いい感じだったし残りも読みたいと思わせるものでした。
……といいつつ、もしこのタイトルが受賞作としてどーんと表紙に載ったらそれはそれでかっこいいかも?……いややっぱり賞状読む人は大変かも?(どっちやねん
よくわからんコメントでごめんなさい。評論も楽しみにしています。
このタイトルの元ネタは、(お察しでもありましょうが)岡井隆『鵞卵亭』の中の一連「西行に寄せる断章・他」です。
岡井さんの数ある本の中でもこの歌集が一番好きなので(『現代短歌朗読集成』にもありましたよね)、ついふらふらと真似というかパクってしまいました。
見返してみると確かに、(岡井さんとは違って)説明的でイメージが限定されてしまう気もしますね。長いし。
タイトルを付けた当初は「いいじゃん、シックでマニアックでおもしろいじゃん」などと思っていた記憶があるんですが。
まあ、ネタを割るのも一つのネタ、みたいに考えれば、収まりもつくんじゃないかと。
タイトルって難しいですね。
僕はあまり悩まずノリで決めてしまう方ですが、それでもどうしてもしっくり行かずに頭抱えてゴロゴロすることがあります。短編小説家なんか大変だろうなあ。
評論も、来月号が発売されたらこのブログに載せます。
またご感想などお聞かせ下さいね。