藍こみっ

楽しみな未来へ向けて、昨日と違う明日への一歩

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2007年02月11日 02時26分59秒 | X-ray
/こんなに人がいる土曜日は久しいものだ/

正しい結晶の拾い方

まず、こっそり再結晶を仕掛けます。

研究室内に他人がいても良いですが、凝視されてはいけません。

ただし、警戒し過ぎて後ろを振り返ったりしてはかえって目立ちます。

360度マルチスクリーンで左右と背後を意識するパイロットのように、目の前のフラスコを眺めながらも意識だけは死角に飛ばすようにしましょう。

再結晶を無事仕掛け終えたら、実験台の端っこに静置しましょう。

毎日、ちらっと目に入る場所に置く事がポイントです。

ただし次の日に様子を見るような早まった真似はいけません。

果報は寝て待て。

頃合いを見計らって、フラスコにご挨拶します。

ご機嫌、いかがでしょうか?

そんな感じでライトにいきましょう。

ここからが、本番です。

結晶が無事生成していたら、ますはiPodを起動します。

なるべく、テンポの良い曲を流しましょう。

私はもっぱらバンプとアジカンで行きます。

プレートに結晶片を載せ、再度ご機嫌を伺います。

お目通りが無事適いましたら、綺麗どころを見繕いましょう。

貴方、少し着崩れしているわよ。却下。

上手くいけば、綺麗な子ばかりで

選り取り見取りと思わず呟きたくなります。

そんな時は贅沢に、飛び切り綺麗な子を選びましょう。

次に結晶の大きさを確認しながら、どうカットするかをイメージします。

カットする際は、どちらから刃を当てて、どちら側を優先するかを常に意識しましょう。

貴方、少し長いわね。このくらいが、似合ってよ?

切る側もどきどきですが、切られる側もどきどきです。

こちらの不安を見透かされないように、思い切っていきましょう。

ただし、刃が当たる角度などはきちんと確認しながら。

素敵にカットできたら、結晶片をプレート端まで寄せます。

次に結晶を載せるガラスを吟味します。

結晶に対してのバランスを肉眼で確認した後、顕微鏡で再確認しましょう。

さて、いよいよ佳境です。

ガラスを適当な長さに整えたり、接着剤などで固定したり、結晶を載せたりとメインイベントが目白押しですが、その都度小休止を必ず入れましょう。

iPodはここでその本領を発揮するわけです。

逸る気持ちは、時間の感覚を狂わせます。

キャッチボールが終わったくらいでは、動いてはいけません。

ベンチとコーヒーを通り過ぎたくらいで、次のモーションに入りましょう。

ハルジオンなんて、とてもとても。

順番が分からないくらいに舞い上がったら、とりあえず自販機に一度向かいましょう。

無事結晶をサンプリングし終えたら、最後に結晶の組成とサイズが分かるようにラベルしてから万が一に備えてもう1つサンプリングを行います。

このようにして2つの結晶をサンプリングし、その時を静かに待ちましょう。

/if/

私が合成し、私が精製し、私が再結晶し、私が測定して運良く、結晶構造を決められたとしたら

果たして、得られた結晶のデーターは一体誰のものか。

考えたくも無いので、考えないようにしている。

え?X線なんて、測定してないよ?

今から練習しておこう。

ほんと、どきどきするなー。


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