今回だけの調剤報酬改定から見えてきたもの。
世の中はコロナウイルスの猛威に何も見えなくなりつつある。
全てに思考停止状態の様な気がする。
今回の調剤報酬改定で比較的影響が少ないのはどこだろうか。
先ず、「調剤基本料1」の薬局は、この報酬には影響がなかった。
中途半端に1,800回を超えて集中率が95%以上だった薬局のダメージが一番大きい。
もちろん同一グループ内での3万5千回以上で集中率が85%以上も厳しい。
要は、集中率を下げる努力は欠かせないってことのようだ。
次に、健保連が皮肉った98%の薬局が算定している「薬剤服用歴管理指導料」は基本的に引き上げになっている。
6ヶ月以内が3ヶ月以内に変更になってはいるが、基本的には大きな影響はないような気がする。
ただ今まで「調剤基本料1」以外の薬局が算定していた分は目減りする。
3ヶ月を超える処方箋はそんなに多くはないような気がする。
「後発医薬品調剤体制加算」についてはマンツーマン薬局には、諸般の事情があるが、面で受けている薬局にとっては、患者の選択肢はあまり考慮しなくていいかもしれない。
「当薬局では、この後発医薬品しかありませんが、いかがいたしましょうか」との言葉に、「仕方ないわね」と言わせる何か他の魅力があればいい。
例えば「調剤ポイント」やスマホ決済などのあいまいな「支払いポイント」である。
何人もニンジンには弱い。
「かかりつけ薬剤師指導料」も引き上げになったが、現状で算定していなければ、そのままでいいかもしれない。
かかりつけ薬剤師の確保が難しい薬局では初めから算定をあきらめている。
24時間の対応は働き方改革につながらないと、夜間までやっている薬局が言い訳をする。
「地域支援体制加算」も同様に薬剤師の勤務実績の1年以上は維持できない。
捨てる報酬なのかもしれない。
35点や38点よりもおいしいものが他にある。
それは薬が出来上がるまでに店内回遊による“ついで買い”である。
ここで300なにがし円以上の利益が出るといいだけだ。
また「地域支援体制加算」を捨てると、在宅も「服薬情報等提供料」の実績も気にならない。
「調剤料」が引き下がったが長期処方ではあまり影響がない。
処方箋単価が平均で1万円を超える処方箋の日数は短くはない。
となると影響は少ないと読める。
上記のことから今回の調剤報酬改定では、意外に面で処方箋を受けているドラッグストアに有利だと気づきませんか。
ますます力を発揮するドラッグストアの存在が怖い。