医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

と、言われる

2022-02-28 03:44:50 | 薬局

パブリックコメントにどんな意味があるのか。

 

パブリックコメント制度を漢字に置き換えると「意見公募手続制度」になるらしい。

「国の行政機関が命令等(政令、省令など)を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としている」となっている。

広く一般から意見を募り、その意見を考慮するらしい。

 

28日に、俗にいう「オンライン服薬指導」に関するパブリックコメントが厚生労働省から出されている。

意見の募集期間は28日から39日までである。

きっと41日からの調剤報酬改定の実施に向けた内容だ。

その内容はすでに話しに出ていて目新しいものはない。

しかも29日には中医協から調剤報酬改定の答申が出されている。

そして34日には診療報酬改定の通知が出る。

こうなると案ではない。

中医協からの答申は決まってもいないオンライン服薬指導に、調剤報酬が想定されたってことになるような気がする。

したがって、パブリックコメントにどんな意見が出ようとも、今さら考慮などされないってことがわかる。

 

それはどうでもいいことかもしれないが、経営者はパブリックコメントと一緒に掲載されているオンライン服薬指導に関する通知案を読んでおく必要がある。

実施については「患者の求めに応じて」とあり、「薬剤師の判断と責任に基づき」とある。

ここに何らかの薬剤師の判断基準が必要になる。

「あんたに任せる」などと無責任な経営者には、この仕組みは向いていない。

また、患者情報の漏えいなどに関する知識と認識も学ぶ必要がる。

もちろん情報セキュリティーやプライバシー保護等の通信環境の確保も必須だ。

 

そしてオンライン服薬指導の患者利点であるお届けシステムも大事になる。

ちょっとこじゃれた言い方をすると”ラストワンマイル”である。

薬局から患者の手元に届く最終の物流システムだ。

すでに大手が手掛けているのが「即日配送」「バイク便」「ウーバーイーツ利用」などがある。

その他にも24時間受け取り可能な「ロッカー渡し」などの実証実験も始まっている。

もっと凄いのは離島やへき地などへのドローン配送まである。

 

規制改革推進会議などでは薬剤師の働き方改革と称して、自宅からの服薬指導を認めてはどうかなどの意見も出ている。

とりあえず現時点では認められていない。

 

注意を要する処方内容として、初診からオンライン診療を実施する医療機関に関して、以下の処方は行わないこととなっている。

・麻薬及び向精神薬の処方

・基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する、特に安全管理が必要な薬品(診療報酬における薬剤管理指導料の「1」の対象となる薬剤)の処方

・基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する8日分以上の処方

 

オンラインでの調剤報酬改定に関するセミナーを続けてきて、よく出る質問に「リフィル処方箋は進みますか」「オンライン服薬指導は普及しますか」「オンライン資格確認は広がりますか」などがある。

そんなことは私の知ったこっちゃない。

将来のことなど神のみぞ知る世界だ。

やるかやらないかを判断するのが経営者である。

 

甘えるな!

 

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馴染むから馴染み

2022-02-27 03:09:00 | 薬局

生き残りの要件は地域の人が親しみを持てるかどうかじゃないだろうか。

 

まん延防止等重点措置が続いている。

しかもさらなる延長の検討が始まった地域もある。

そんな中、飲食店は経営危機に立たされている。

7時や8時でアルコールの提供が終わって、8時か9時には閉店しなければならない。

一般的なサラリーマンの就業時間は早い所で5時、通常は6時くらいかもしれない。

仕事を終えて居酒屋に駆け込むと既に5時半を過ぎている。

6時に終えて移動すると6時半になる。

残された時間はあとわずかだ。

となると行くのが面倒になる。

自然と居酒屋への足取りが遠のく。

 

当社の「薬局経営の知恵袋」は7時から8時までである。

私の出番はないが、それでも律義に事務所にはいる。

終わって帰る時には居酒屋も終了時間である。

仕方がないのでまいばすけっとで空腹とほろ酔いを買い求めて帰る。

もっと美味いものはないのかと愚痴っても、時間の関係で残り物ばかり。

思わず30円引きに手が行ってしまう自分が情けない。

 

浅草橋界隈も閉店に追い込まれた店が目に付く。

チェーン店の引きは早い。

小さな個人店は地道に9時までやってはいる。

そこにもお客の多い少ないが顕著に感じる。

さびしいのはなぜか。

にぎわっているのはなぜか。

そんなくだらないことを考えながら飲む。

 

先ず、選ばれる店には何らかの特色があるような気がする。

刺身が美味いとか地酒が豊富とか、おかみさんの愛嬌がいいとか。

そんなちょっとした要件じゃないだろうか。

何気なくネットで星を見ると3.5以上が多いような気がする。

店の特色は常連さんが出来る要因かもしれない。

コロナ禍であっても何となく行きたくなる店の雰囲気がある。

あの店の刺身は美味い。

寒くなるとあの店のおでんが気になる。

など常連ならではのご贔屓がある。

 

4月からリフィル処方箋の導入が始まる。

なかなか普及には時間がかかるのかもしれないが動き出すと何事も早い。

欧米のインディペンダント(個人)薬局の生き残りは、リフィル処方箋をいかに獲得できるかにかかっている。

 

そんなことを思いながらSANの酒場放浪記は迷走する。

 

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有事に学ぶ

2022-02-26 05:38:12 | 薬局

国は求める医療の姿が見失われてきた事にやっと気が付き始めた。

 

2年を超える新型コロナウイルス感染拡大は、いろいろな意味で世の中の在り方を変えそうだ。

まず何と言っても国民の消費行動が大きく変化した。

キーワードは「届く」かもしれない。

この変化は薬局にも新たな対応を迫るようになる。

オンライン資格確認からオンライン診療に伴う電子処方箋とオンライン服薬指導など、知らず知らずのうちにDX化に巻き込まれていく。

 

今回のコロナ禍を医療有事と捉え、日本経済新聞社と日本経済研究センターが医療改革研究会を組織して、有事のみならず平時から患者が満足できる医療サービスを受けられるための緊急提言をまとめている。

ついに医療の在り方に一石が投じられた感がある。

 

緊急提言は「医療提供体制の再構築」「医薬イノベーションの促進」「社会保障全般の負担・給付改革」の3つの柱からなる。

詳しくは221日の記事を確認して欲しい。

それぞれ説明するほどの知識も認識も私にはないが、日本は人口当たりの病床数が最も多いにもかかわらずコロナ対応病床が不足した現状がある。

ある面での政府のガバナンスが問われている。

ここでのガバナンスは政府の統制力である。

保険診療をやるからには、ある程度の強制力を持って対応させる必要性があると書かれている。

発熱外来を受けると補助金などがもらえるが、その名前を公表しない幽霊病床などが問題になっている。

診療所でも同じようなことが起きている。

公表することが義務ではないようだ。

でも、補助金をもらうからには患者対応もしっかりやるのが道理だ。

 

また、今回のコロナ禍において国産のワクチンも治療薬も出遅れている。

これが医薬イノベーションの促進となる。

私も日本は医薬品の分野で進んでいるような勘違いをしていたようだ。

未だにワクチンも治療薬も国産ではない。

アビガンは効くのか効かなかったのか、その後の検証もないままに莫大な予算が消えている。

お友達優先みたいな対応はいい加減にして欲しい。

後発医薬品において全ての工程を国内で製造する原薬を使用した品目は35%だそうだ。

残りは何らかの形で海外からの輸入に頼っている。

最も多いのは韓国で21.8%、続く中国が18.6%、イタリア(14.9%)、インド(6.7%)となっている。

これじゃ品薄になるのも納得できる。

いざ有事には供給されない可能性もある。

と思っていたら有事になった。

未だに日本は加工貿易なのか。

 

そして、いつまで新型コロナ感染治療を全額給付とするのかも大きな問題となっている。

宿泊施設の利用料や食費なども大きな負担となっている。

そのたびにコロナ補正予算が組まれている。

このツケはいつだれが払うのか。

 

この3つの提言に関する難しい内容は自分たちで考えて欲しいが、今までアンタッチャブルだった医療にメスが入る。

そんな小さなメスがリフィル処方箋なのかもしれない。

もう国民皆保険の持続には限界をきたしていることが見えてきた。

今までのような医師会のごり押しはそろそろ終わるのか。

かつての武見太郎のような豪傑はいない。

 

医師会にメスが入るのだから薬剤師会にはもっと深くメスが入ると考えるのが普通じゃないだろうか。

守ってくれとは言わないが守るために何をしたらいいのかを示して欲しい。

 

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付け焼刃

2022-02-25 04:03:44 | 薬局

即戦力も大事だが、先を見越した戦略があってこそ生きてくる。

 

中医協から公表された診療報酬改定に関する短冊が126日に、それを踏まえて29日には厚生労働省に答申として出された。

それぞれには新しい診療報酬に係わる要件などが書かれているが、大枠でしかなく、詳細は分からない。

しかし、その段階から先を見越した戦略の構築が必要になり、即戦力を期待すべく戦術が始まる。

因みに、戦略とはこれからを予想してあるべき姿の追求にある。

また戦術とは戦略を具現化するために始める実践行動である。

目先ばかりを見ていると迷子になる。

実際に道を歩くときに足元ばかり見ているととんでもない所に行きつく。

しかし、目指すべき目印があると必ずその場所にたどり着ける。

 

あるメーカーの依頼で東京、名古屋、大阪、札幌とオンラインではあるが、今回の調剤報酬改定に関するセミナーを請け負った。

既に、東京、名古屋が終わり本日は大阪で行う。

本来は会場にて実際に話す予定であったが、まん延防止等重点措置の関係で否応なくオンラインとなった。

それなりに参加者は多く関心の高さがうかがえた。

 

ある経営者に、今回の調剤報酬改定に関する何らかの情報は入ってきますかと聞くと、残念ながらどこからもないとのことだ。

ただ、23日前に地方厚生局から315日からYouTubeで流すので、そこで改定内容を確認して欲しいと連絡があったそうだ。

315日と言うと本番(41日)まで2週間ほどしかない。

慣れ親しんだ「調剤料」「薬剤服用歴管理指導料」がなくなり、聞き慣れない「薬剤調製料」「調剤管理料」「服薬管理指導料」などの対応ができるのだろうか。

変わったのはそれだけじゃない。

この変わることは126日に分かっていたはずだ。

でも、そんなことなど誰も教えてはくれない。

何ごとも自己責任でいいのだろうか。

 

そんな土壇場に知ったとして、どんな対応が出来るだろうか。

付け焼刃的な対応で将来に向けて生き残れるのだろうか。

私のセミナーでは今の対応も大事だが、それよりも近未来の2025年に向けた「今」を大切にしたいと考えている。

新しい報酬がなぜ新設されるのか。

今まであった報酬がなぜ変わるのか。

どんな意図を持った方向性があるのか。

そんな視点が大事じゃないかと思う。

目先の算定要件も大事なことは確かだ。

それは34日に2022年度調剤報酬改定の通知が出された段階でいいじゃないか。

もっと大事なことがある。

もっと考えなきゃならないことがある。

 

もっとしっかりして欲しい…経営者諸君よ!

 

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会長の範

2022-02-24 03:42:49 | 薬局

大きな問題として考える必要がある。

 

先日、厚生労働省から20221月末までの認定薬局数の公表があった。

地域連携薬局が全国で1,718軒、専門医療機関連携薬局が87軒と報告された。

前回の12月末からの1ヶ月間に209軒と8軒がそれぞれ増えている。

この制度はご存じのように昨年8月から始まっている。

半年が過ぎてまずまずの増え方だと評価できるだろうか。

しかもすべてとは言わないが、ほとんどが大手調剤チェーンの薬局が目立つ。

ここに薬局が抱える構造的な大きな問題が窺えるような気がする。

 

日本薬剤師会は1万軒くらいを目標としているようだ。

この目標はいつまでに達成する見込みなのか。

何気なくどこが地域連携薬局に登録されているのかを探してみた。

思わず私の検索能力の乏しさを感じた。

分からない。

探せない。

これじゃ国民が地域連携薬局を選択することが出来ない。

 

既に忘れ去られているかもしれないが健康サポート薬局と言うのもある。

こちらが昨年の6月末に2,608軒が公表になったままだ。

多少の増加はあるかもしれないが、厚生労働省も触れたくないのが現状なのかもしれない。

これでいいのか。

この時も日本薬剤師会は1万軒だったか1万5千軒だったか目標を示していた。

 

日本薬剤師会の会長が決まる。

目標の1万軒はどうするのか。

そもそも健康サポート薬局にしろ、地域連携薬局にしろ厚生労働省が勝手に決めたわけではないはずだ。

話し合いにおける薬局の窓口は日本薬剤師会である。

当然のこととして認定要件は日本薬剤師会の了承のもとに決まったはずだ。

であるなら責任を持って取り組まないと、薬局全体の評価にかかわる問題になる。

 

先ずは、役員の薬局が会員に範を示して、呼びかけるくらいは必要じゃないだろうか。

そんなことはないと思うが、自分はやらないけどだれかやってでは成り立たない。

 

出来ないなら、出来るためにどうしたらいいのかの議論をそろそろ始める時期じゃないだろうか。

問題の先延ばしは問題の解決にはならない。

 

そろそろ樺太も怒る。

 

昨日、大手町の大規模接種センターで第3回目の新型コロナウイルスワクチンを打ってきた。

朝一番の8時の予約である。

1回目、2回目はファイザーだったが、今回はモデルナとなる。

期待した副反応は注射した部位が痛い程度で18時間以上経過したが特になさそうだ。

とりあえず3回目の合格通知をもらったような気がする。

 

昨夜は久しぶりの禁酒だった。

 

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びびるひび

2022-02-23 04:28:33 | 薬局

そんな話し合いがいつ行われていたのかと思うけど。

 

今回は、何となく調剤報酬はわずかな引き上げとなったようだ

0.08%とは何に対する率なのかよくわからないが、ひょっとすると調剤技術料の約2兆円に対する0.08%なのか。

そうなると…計算できない。

例えば2兆円の10%は2,000億円、1%は200億円、0.1%になると20億円、0.01%になると2億円となる。

その0.01%の8倍とすると16億円となる。

因みに、年間処方箋枚数は約8.6億枚であるから16億円を8.6億枚で割ると1.86円になる。

これって2点相当なのか。

はっきり言ってこの計算には自信がない。

結果として、大きいような小さいような、見方によっては誤差なのかもしれない。

そもそも正確に算出できるわけなどない。

 

「調剤基本料1」を算定している薬局にとっては、ほとんど変わらないかもしれない。

ただ薬価差益が大きく引き下げになるので現状維持だと売上も利益も下がる。

唯一の努力は何度も言うが在宅の実績を作って「地域支援体制加算1」を算定できるようにしないと生き残れない。

もちろん「服薬情報等提供料」と地域の多職種の連携会議の実績も必須だ。

 

今回の報酬改定で何やら割を食ったのがドラッグストアである。

ドラッグストアの現状は調剤としては小ぶりの面で受けている店舗が多かった。

新規で出店して1日に30枚も処方箋が来たら成功だと言われるレベルである。

ドラッグストアの処方箋単価はほぼ1万円強である。

それなりの地域基幹病院の処方箋を応需していると考えられる。

そしてその粗利益率は38%前後となっている。

こうなると「調剤基本料1」で「後発医薬品調剤体制加算3」「地域支援体制加算」の算定も十分考えられる。

かなり収益率の高い商品である。

 

ところが今回の改定では新たに300店舗以上、集中率が85%以下の「調剤基本料3-ハ」が設けられた。

大手ドラッグストアの8社が該当するらしい。

その8社の調剤併設店が「調剤基本料3-ハ」になると「地域支援体制加算」のレベルを上げなければならない。

しかも「地域支援体制加算3」の17点ではもの足りない。

「調剤基本料」で10点下がり、「地域支援体制加算3」だとしても21点も下がる。

合わせると31点は310円も下がることになる。

これは怒る。

 

先日の日本チェーンドラッグストア協会の記者会見で会長が「本当に、不愉快、根拠なく、狙い撃ちもいいところ」と怒りを爆発させている。

そして、この怒りは中医協に参加している薬剤師委員に向けられている。

同じようなことは比較的大手調剤チェーンが加盟している日本保険薬局協会でもささやかれている。

自分たちからの代表が出ていない中で勝手に決まってしまう事への憤りである。

 

今回の調剤報酬改定では2016年と18年に行われた「外枠」があるかとうわさされていた。

あからさまな「外枠」はなかったが、実質的な「外枠」対応のような気がする。

本当にこれで医科:調剤が103の堅守が出来たのだろうか。

どうも私にはどこかに泣いてもらって、どこかがほほ笑んだくらいにしか思えない。

 

こんな些細なことからひびが入らないことを願う。

 

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いハインリッヒ

2022-02-22 04:36:55 | 薬局

“習うより慣れろ”が大事になる。

 

調剤報酬改定の短冊から答申をじっくり見ながらそろそろ不安になってきたのではないだろうか。

何となく理屈は理解できるかもしれないが、何しろ使い慣れた報酬名が無くなることに戸惑いが生じるらしい。

先日も中堅クラスの会社の報酬改定の説明会をZoomにて行った。

その後の質問から見えてきたのは「もう少し頭の整理が必要です」の答えが多かった。

それだけ真剣に考えているからこその反応じゃないかと思う。

 

さて、ここで大事なことは迷い過ぎて算定を避けることだ。

せっかく取れる報酬をみすみす逃すことはない。

3月には多少詳しい要件の解説が出てくる。

それを踏まえて積極的に自分の判断を信じて算定する。

これが大事になる。

 

ただし、明らかにダメなものはダメだ。

先日、テレビのドキュメンタリー番組を見ていて感じたことがある。

番組の内容は送迎バスに閉じ込められて園児が亡くなった事件である。

事件そのものの原因はともかく、勤務していた保育士がインタビューで「園長には何も言えなかった」とある。

何か意見すると怒られたそうだ。

結果として大きな過ちにつながった可能性もある。

 

あるメディアが薬局の起こした不正に関する記事を書いていた。

書き並べられると意外に多いことに驚愕となる。

医薬品医療機器等法(薬機法)の改正では、昨年8月からガバナンスの強化が施行されている。

そのガバナンスの強化に対し「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」が厚生労働省から出ている。

そこには過去の過ちに関する事例が示されている。

・ 役員が認識しながら、薬剤師でない者に販売又は授与の目的で調剤させていた事例

・ 必要な薬剤師数が不足していることを役員が認識しながら、薬局の営業を継続していた事例

・ 役員が認識しながら、医師等から処方箋の交付を受けていない者に対し、正当な理由なく処方箋医薬品を販売していた事例

・ 医薬品の発注、仕入れ、納品、保管等の管理を適切に行う体制が構築されていなかったために、偽造医薬品を調剤し、患者に交付した事例

・ 適切な業務運営体制が構築されていなかったために、薬局の管理者が、他の薬局において業務を行っていた事例

・ 処方箋により調剤した薬局において、調剤済みとなった処方箋を当該薬局で保存せず、さらには調剤録への記入をせずに、別の薬局で調剤したように見せかけていた事例

こんなことがガイドラインに示されていること自体が問題じゃないだろうか。

恥ずかしい限りだ。

 

ところで上記のガイドラインを確認し、自薬局内のガバナンス規約を作成した薬局がどれだけあるだろうか。

少なくとも当社が関与している会社のガバナンス規程は作成させた。

これは勝手な想像であるが大手調剤チェーンにはあると思う。

保育園の例ではないが「社長には何も得言えなかった」では管理薬剤師の責は逃れられない。

報酬改定の時こそ自社のガバナンス体制のあり方を見直すべきかもしれない。

 

事故や事件が起きてからでは遅い。

現場での責任は管理薬剤師に、会社全体の責任は責任役員に及ぶ。

 

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泣くなほろほろ鳥

2022-02-21 04:06:14 | 薬局

“花も嵐も踏み越えて、行くが男の生きる道”の勢いを感じる。

 

コロナ禍であろうと景気低迷であろうと伸ばす調剤がドラッグストアの生きる道のようだ。

上場主要18社の第3四半期決算がまとまった。

大まかな傾向はドラッグストアの大化けである。

何と言ってもウエルシアは凄い。

売上が約1,474億円で伸び率が15.1%である。

毎年15%を超える調剤売上を伸ばしている。

はっきり言って異常だ。

対するスギも凄い。

売上が約985億円で伸び率が13.5%と、こちらもウエルシアに負けず劣らずの伸び率を確保している。

スギたるはなお調剤を凌駕するがごとし。

どちらも売り上げベースが大きいので2桁台の伸び率の金額が半端じゃない。

 

得体がしれないのはマツキヨココカラである。

昨年の10月に経営統合して1,000億円は超えると思われる。

この他にもツルハやクスリのアオキなども10%をはるかに超える伸び率のはずだ。

それぞれのドラッグストアの決算報告に出てくるのが「調剤売上に積極的に取り組む」である。

今やドラッグストアのメイン戦略となってしまった。

 

全国の処方箋枚数は緩やかではあるが伸びている。

調剤医療費は若干上向いているがほぼ横ばい状態にある。

そんな中でドラッグストアの躍進は目をみはるものがある。

そして裏を返せば、だれかが犠牲になっているってことになる。

 

大手調剤チェーンは、とりあえず前年は上回るが1桁台に収まっている。

となると言わずと知れた中小薬局から処方箋がドラッグストアに流れていると想像できる。

以前も書いたが日経MJに「大店立地法の出店届け出」が掲載されている。

毎月60店舗以上がリストされるがほぼ半分がドラッグストアになっている。

今、最も勢いがある業態がドラッグストアであることが分かる。

これはかなり脅威である。

 

因みに、医薬品卸の系列の薬局はどうなったのか停滞気味だ。

私も医薬品卸の薬局経営を任されていたが、経営に自由度がない。

重視するのは利益ばかりだ。

薬局の場合、利益を出すには薬剤師の人員整理が大きい。

でもご存じの通り少ない人員での運営は確かに高利益を生むが、ちょっとした歪みからバタバタと辞めていく。

その補充には大きな代償が伴う。

あまりに攻め立てると不正請求にもつながりかねない。

医薬品卸の系列の薬局にはもっと独自性のある戦略を練る必要を感じている。

 

さて、今夜は名古屋にてセミナーがある。

本来ならリアルでの開催だったが、残念ながらオンラインになってしまった。

出来るだけ分かり易く解説するともりだが、どうしてもオンラインだと私の熱感が伝わらない。

その後のやり取りには質問をいただければわかる範囲で対応したい。

ただし、現時点での情報となる。

大事なポイントははっきりしない要件や疑問に感じた部分を見つけることにある。

 

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安定しすぎ

2022-02-20 04:28:38 | 薬局

ここまでやるのには何か理由があるんじゃないのか。

 

医科の診療報酬の仕組みについては分からない。

ただ18日の新聞情報だとまん延防止等重点措置の適用地域において、オンライン診療を行った場合に診療報酬に、現行で2,500円の上乗せがあったようだ。

それを17日に首相が5,000円にまで引き上げると表明した。

これは大きい。

と言うより、なぜにここまでオンライン診療に肩入れするのか理解できない。

何か意図するたくらみあるのではないだろうか。

全国の自宅療養者は9日時点で50万人を超えたらしい。

それによって保健所はパニックに陥っている。

単純にそれへの対処なのか。

何かあると疑ってしまう。

 

保健所が対応できないのなら、そこに薬を届けている薬局の活用は出来ないのだろうか。

毎日の定期的な安否確認などは可能だと考えられる。

それこそ多少なりとも「服薬情報等提供料」の拡大解釈と上乗せがあればやるんじゃないのか。

薬剤師会として、そんな協力体制の提案は出来ないのだろうか。

 

4月からの診療報酬改定ではオンライン診療が大幅に規制緩和される。

詳しいことは知りえないが、初診からの対応が可能なことは大きい。

それに伴いオンライン服薬指導も大幅に緩和される。

そして裏で支える仕組みとしてオンライン資格確認があり、電子処方箋があることは何度も伝えてきた。

 

今回の上乗せには発熱外来を受け付けることを公表する医療機関や保健所からコロナ患者の健康観察の委託を受けていることが条件らしい。

全国に発熱外来を受診できると手を上げている医療機関は約35千軒ある。

ところが自治体のホームページなどに名前を公表しているのは24千軒ほどしかない。

1万軒以上が隠れ発熱外来の対応となる。

手を挙げただけで、報酬だけいただくっていうのはダメになる。

こうなると否応なしに公表するしかなくなる。

 

今回の上乗せについては首相が日本医師会会長との面会時に打ち出したらしい。

それはそれで日本医師会と言う政治力の賜物なのかもしれない。

もし今回の上乗せで自宅療養者からの処方箋応需が急増した場合の対応はどうなるのか。

そう考えると薬局にも多少の上乗せくらいあってもいいような気がする。

そのお届け先の自宅療養者への服薬フォローは、薬剤師にっていい提案ではないだろうか。

そのためには首相と面会しなきゃ。

会長選もないことだしね。

選挙活動もない安定政権じゃないか。

 

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旗色を見る

2022-02-19 05:12:12 | 薬局

ちょっと何やら風向きが変わりつつあるようだ。

 

13日の日経新聞に「処方薬 コンビニ受け取り」の記事が掲載された。

「セブン&アイと組み」「オンライン診療にらむ」とある。

「セブン&アイ・ホールディングスは調剤大手のアインホールディングスの薬局が処方する薬をコンビニ店舗で24時間受け取れるサービスを開始する」と書かれている。

この両社は以前からつながっている。

仕組みは患者がオンライン診療を受けた後、電子処方箋で受けた薬局から薬剤師によるオンライン服薬指導を行う。

その際に渡されるパスコードをコンビニの宅配ロッカーに入力して薬を受け取る。

実に今どきの仕組みである。

宅配ロッカーでの処方薬の受け取りに関しては明確に禁じてはいないそうだが、法的に問題があるとして認めない自治体もあるらしい。

今回は川崎市に確認したところ了承を得ての実施になる。

 

オンライン診療に関してはかなり緩和傾向にある。

初診も認められる。

薬についてはガイドラインがあるが基本的に向精神薬等以外はある程度の自由度が高い。

付随してオンライン服薬指導も大幅に緩和される。

初回から処方箋の応需が可能になる。

薬局・薬剤師に関しては患者の居住地で行われることが望ましいとなっており、制限がない。

どの診療科の処方箋でも対応可能である。

しかも原則としてすべての処方箋の薬が調剤可能だ。

服薬計画などを作成する煩わしさもない。

 

さて、こんなことからどんな想像ができるだろうか。

例えば、駅中などの人の集まる場所に薬局が設置される。

基本的にスペースが小さいので在庫も少ない。

急性期の処方箋に対応できるが長期の慢性期などに対応は難しい。

急ぎじゃない患者には「後で最寄りのコンビニでロッカー渡しでも良ければ」が始まる。

患者の承諾を得られれば、その場にて服薬指導を行う。

 

定期的に職場がオンライン診療の診察室になることも考えられる。

その場合の処方箋は電波に乗ってやって来る。

職場が一時的に薬局になる。

静かな社長応接室が服薬指導の場となる。

薬は後から職場に届く。

待ちきれない人は帰りがけにコンビニでロッカーから受け取る。

 

もちろん薬は調剤センターが一括で対応する。

社内の調剤外部委託センターである。

 

10日の日本保険薬局協会の会長が今回の調剤報酬改定に関する記者会見を行ったようだ。

その中に調剤の外部委託に関して「断固反対ではない」の見解が出されたそうだ。

何となくちょっと前まで反対だったような気がした。

 

便利な世の中になったものだ。

 

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