医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

寒い春の雨

2021-04-30 02:35:21 | 薬局

そろそろ来年度の方針に向けた議論が始まる。

 

議論が始まるというより、すでに議論の骨格は出来上がっているはずだ。

来年度予算は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」が基本となる。

昨年はコロナ禍でいつもの6月の発表は7月になったが、今年は通常通り6月に発表されると思われる。

その「骨太の方針」が話し合われる場は「経済財政諮問会議」であり、その議長は菅総理大臣である。

最後の大仕事と言ってもいいかもしれない。

 

その「経済財政諮問会議」が26日に開催された。

時間は17時45分~18時30分である。

どう考えても、この短時間で深い議論など出来るわけなどない。

資料を見るだけでも30分以上かかる。

要は話し合いましたというパフォーマンスにしか過ぎない。

その内容の多くは有識者と言われる4人の民間人からの提案である。

26日は少子化対策などと社会保障について話し合われた。

 

そこから薬局に関係する内容として、1つは症状が安定している患者へのリフィル処方箋の解禁がある。

建前は、生活習慣病などは受診による感染予防と患者の通院負担の軽減と言っているが、結果としての医療費抑制が狙いである。

次に、不祥事が収まらない後発医薬品にもかかわらず、相も変わらず移行の話である。

2020年9月段階の目標は80%であった。

それが残念ながら78.3%で未達成に終わった。

これに対して、さらなる強力な追加措置を講ずべきとしている。

財政制度等審議会ではインセンティブからペナルティーを提案している。

さらに医薬品の推奨リスト(フォーミュラリー)の導入や使用割合の低い大学病院などには個別に使用割合の見える化なども提案としてあがっている。

 

この他にもオンライン診療の徹底活用により、コロナ禍での国民の不安解消や予防・健康づくり、医療へのアクセスの確保も提案されている。

こうなるとオンライン診療・服薬指導も避けて通れない仕組みとなる。

オンライン診療・服薬指導に欠かせないのはオンライン資格確認であり、電子処方箋となる。

いよいよ私のようなアナログ人間ではついて行けない時代は近い。

 

今朝の札幌は雨となった。

自粛で時間を持て余し早寝、早起きである。

春眠にもかかわらず。

老化が進んでいるようだ。

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ゴールデンコロナ

2021-04-29 04:08:28 | 薬局

全然楽しくないゴールデンウィークが始まった。

 

世の中は今日からゴールデンウィークに入る。

のに、全然楽しくないのはなぜだ。

新型コロナウイルスが進化して猛威をふるっている。

これが始末に悪い。

誰もとめられない。

どうにもとまらない。

見えない恐怖である。

頼みの綱のワクチンはいつどうなるのか、まったく私にはお呼びがかからない。

何人かの薬剤師からは接種したとの報告があった。

うらやましい。

 

仕方がないから自宅にて謹慎中となる。

うぅん?

自宅とは、実は昨日(28日)から小池知事の「東京から出ないでください」を破ってしまった。

小池さんには内緒にして欲しい。

 

札幌は思いのほか寒い。

自宅横の3坪の家庭菜園には種も苗もまだ早そうだ。

ただひたすら閉じこもりしかない。

会社から第3回の「薬局経営の知恵袋」の資料を、来月の6日までと言われたが、自宅にいると何も考えられない。

思いつくのは今夜の食事は何がいいかくらいだ。

確実に横に成長する。

 

そう言えば、帰りの羽田空港のラウンジではアルコールが出なくなった。

ビールも飲めない。

早朝の1杯は何とも言えない。

それがなくなった。

空港のラウンジも緊急事態宣言でアルコール類は提供できなくなったのか。

ラウンジは居酒屋ではない。

ついでにいうと無料のポイントがあったので、アップグレードしてスーパーシートを利用した。

席は広くていいが、出てくる食事のグレードが極端に下がっている。

これでは別料金でささやかなぜいたくを楽しむ人はいない。

食べなくてもいいかと思ったが貧乏性なので食べてしまった。

無駄なカロリーを取ってしまった。

スパークリングワインを注文すると「申し訳ございません」と在庫切れだそうだ。

これじゃ売上にアナもあく。

こんな時だからこその何かが欲しいところだ。

 

などと思う今日この頃だが、出張が少なくなったのでポイントもたまらず、プラチナも銅なるのか。

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小じゃない大かな?

2021-04-28 03:51:52 | 薬局

2040年も怪しいが2030年も何かが起きそうだ。

 

「第8回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」が26日に開催された。

ネットでの公開ではないので資料からの判断になる。

そこに示されているのは薬剤師需給の将来推計である。

 

資料から投薬対象者は2020年が11.3億人であるが2045年には10.9億人に減少する。

まだ先だと高をくくっていると思わぬ落とし穴にはまる。

どちらにしても今がピークで、これから増えることはない。

処方箋枚数は2020年の約8.6億枚が2035年の約9.5億枚をピークに、その後は横ばいが続き、2045年には9.3億枚と推計されている。

ただ現状からすると、ここ数年の処方箋枚数はほぼ横ばいで、高齢者が増えると言ってもどれだけ処方箋枚数が増えるか謎である。

また推計では処方箋受取率の上限を85%としているが、そこまで分業率が高まるかどうかも疑問が残る。

とりあえず上記に伴う薬局に勤務する薬剤師数は2020年が約19.0万人であり、10年間は増加すると推計されている。

2030年には約21.1万人のピークを迎え2045年には約20.6万人となるそうだ。

上記は薬局だけの話であるが薬剤師全体の需要は2045年には40.8万人となる。

ただ、その時点での薬剤師の供給は43.2万人で供給過多となる。

要は薬剤師の需給環境は、この先の10年で大きく変化すると思われる。

あくまでも推計上の話である。

既に、東京や大阪などの首都圏では、コロナ禍の影響もあってかパートや派遣の需要が激減しているそうだ。

そして薬剤師の報酬も引き下げ傾向が強くなっている。

転職での報酬交渉には要注意である。

 

そんな薬剤師の需給に欠かせないのが薬剤師国家試験の合否の結果である。

なぜだかこの検討会では大学別の合格率などが問題として浮上している。

合格率の調整は出願者数と実際の受験者数で可能となる。

資料では「新卒の場合、出願時期の段階では卒業見込みとして出願し、卒業できる者が受験することになる」として、新卒合格率に潜む秘密が暴かれる。

どこの大学がいいとかダメとかなど言いたくはない。

さらに資料では6年間で卒業し国家試験に合格した「ストレート合格率」までもが大学の順に示されている。

問題なのはストレート合格率が2割を切る大学があるということだ。

思わずかつての我が母校を探してしまう。

 

この「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」なる会議は何をどうしたいのだろうか。

遠回しに薬局薬剤師の批判めいた資料が出てくるような気がする。

この検討会のゴールが見えてこない。

そして、薬剤師側には批判めいた話を跳ね返すエビデンスの用意はあるのだろうか。

何だか小バカにされているようで嫌な感じがする。

 

えっ、小バカじゃないって…?

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18245.html

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いいんですか?

2021-04-27 03:43:29 | 薬局

変化が起きた時にはモノ申す頼れる組織が欲しい。

 

声がないのは賛成と思われる。

本当に賛成ならそれでもいい。

そうじゃなければ間髪入れずに「待った」が必要じゃないだろうか。

 

内閣官房が23日に駅改札内のドラッグストアにOTC薬を販売する専用販売機を認定した。

何やら「サンドボックス」という仕組みらしい。

取り扱うOTC薬は第二類、第三類の医薬品に限る。

仕組みが理解しがたいが客から購入の要望があった際に、薬剤師または登録販売士が店舗内で事前に必要な事項を確認する。

それに基づき、お客は後からボックスなどから薬が受け取れる仕組みと認識した。

その半自動販売機のようなものは店舗の一部として認められるそうだ。

通勤客などが必要な医薬品を事前に注文し、必要事項を確認してさえいれば、帰りがけにドラッグストアが閉まっていても専用のロッカーのようなところから薬が受け取れると理解する。

 

つい先ごろではローソンがOTC薬のウーバーイーツ配送を始めたそうだ。

利用者は、ウーバーイーツのアプリで店舗と商品を選択する。

表示される注意事項を確認のうえ、質問事項に回答すると注文が確定する。

ローソンの店舗では、商品を医薬品専用の袋に入れ、登録販売者が確認したうえでウーバーイーツの配達員に渡す。

これでいいのだろうか。

薬剤師の役割がどんどん軽んじられるような気がする。

役割じゃなく存在かな…。

先ほどの「サンドボックス」の仕組みはある製薬メーカーからの提案のようだ。

 

先日もお伝えしたが規制改革推進会議に提案された調剤業務の外部委託は薬局の在り方を変えるかもしれない。

ある人は日本版アマゾンファーマシーに通じるのではないかと危惧する。

この提案をした医師は資料の中で「過大利益や寡占化の危険性」を指摘している。

自分で提案しておきながら大手組織の進出の可能性を危惧するっていうのがおもしろい。

さらに「対物業務の集約が過大な利益を産み、寡占化が進まないような調剤報酬制度」との問題も提起しているが、ある面では厚生労働省の思うツボじゃないかと思う。

「調剤料」の引き下げにつながる可能性が大きい。

先日のブログにも書いたが財務省の諮問委員会では薬局の対物業務のウエイトが高すぎると指摘している。

その対物業務とはまさに「調剤料」そのものである。

 

このような話に対して薬剤師にとってどうなのか。

中小薬局にとってどうなのかを早急に検討し、その是非に対するコメントが欲しい。

大手調剤チェーンやドラッグストアは薬局市場の新しいパラダイムシフトと考え、見えないところで着実に取り込む準備を進めている。

だから”黙して語らず”である。

 

気が付くと外堀は埋められていたってことになる。

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ばえる花

2021-04-26 04:41:39 | 薬局

春はやっぱり種をまく。

 

昨日から東京、大阪、兵庫、京都に緊急事態宣言が出された。

まん延防止等重点措置が沖縄、宮城、埼玉、千葉、神奈川、愛知そして愛媛となる。

何とも言えない中途半端な気がする。

そして重苦しい自粛生活が続く。

ゴールデンウィークは閉じこもりを強いられる。

 

札幌での私は自宅横の3坪ほどの家庭菜園で汗を流そうと考えている。

育て方が下手なので多くは実らないがインゲン豆とミニトマトは良く取れる。

インゲン豆の煮ものが大好きだ。

昨年は青じそが思いのほかうまく出来て、その加工に家内の工夫が生かされた。

しそ味噌や醤油漬けは朝ごはんが進む。

春は種をまくにはいい時期だ。

ただ、このタイミングは札幌での話で西日本ではすでに遅いかも。

 

そんなことから薬局に来る患者に花の種を配るのはどうだろうか。

何となく重い雰囲気を吹き飛ばす花言葉が「幸福」の花の種がいい。

ちょっとネットで調べてみた。

ブルースターの花言葉は「幸福な愛」「信じあう心」、スミレは「誠実、謙虚、小さな幸せ」、かすみそうは「幸福」「親切」「清らかな心」だそうだ。

これらの種を小分けして配布する。

もちろん育て方も添付文書のように添える。

肥料なども投薬瓶に小分けで提供してもいい。

何ともほんわかとしたプレゼントじゃないだろうか。

 

さらに、花も咲いて見ごろを迎えると思われる頃に写真を撮ってもらう。

そのインスタ映えの逸品を提供してもらい、薬局内のフォトコンテストコーナーを設ける。掲示した作品を来局する患者に投票してもらう。

何となく盛り上がりそうな気がする。

 

もちろん優秀作品には景品が自宅に届けられる。

実は、この景品は社長の「ふるさと納税」を利用する。

かなりいい景品が届くはずである。

人気ランキングからふるさとチョイスして選ぶ。

ついでに届いた景品の感想を送ってもらい薬局の壁に貼る。

何となく重い雰囲気の中でも明るくなれそうな気がする。

花言葉は“ハッピー”である。

 

昨日は錦糸町から東京駅、有楽町へと禁じられた外出をした。

人出は多いがデパートなどの大型商業施設はすべて閉館である。

もちろん食事の場ではアルコール類は出ない。

面白みがない休日だった。

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今去る

2021-04-25 03:52:52 | 薬局

コンサルに何が求められているのか。

 

私は何社かの顧問先を持っている。

これと言って何かしているわけではない。

毎月の打ち合わせや何かあった時には連絡などをしている。

もちろん相談にはスピーディーに対応する。

当社の社長も私とは異なる顧問先が付いている。

彼は私より丁寧な対応をしている。

情報の分析にも優れている。

きわめてアナログな私の対応に比べるとデジタルと表現できるのかもしれない。

 

会社経営はあくまでも社長自身の問題である。

その問題にどう立ち向かい判断をし、実践するかにかかってくる。

コンサルが経営の実務を行うわけではない。

経営者が迷った時の考え方のヒントの提供になる。

時としてどんな人間も自分の価値観にはまり過ぎることがある。

特に判断に迷った時などは、自分で自分に言い訳を言いながら納得する。

そこが落とし穴になる。

経営者は常に孤独だ。

 

基本的に私のコンサルは想定される問題から始まる。

何かやろうとした時に考えられる問題や課題への対応を考える。

今までの経験から思い浮かぶことをひねり出す。

常に当事者としてではなく”第三者の目”でいたいと思っている。

厳しい指摘が多くなるかもしれない。

ただ決めたことはできない議論ではなく、どうしたらできるのかを徹底的に考える。

当然であるが、決めたからには上手くいって欲しいからだ。

 

経営者といえども一人の人間である。

自分では気づかないことも多い。

自分の背中は自分では見られない。

そんな時には気づかせるのもコンサルの役割だと考えている。

顧問先の従業員とのコミュニケーションも欠かせない。

そこから得る情報も見逃せない。

時に苦言もある。

ご機嫌を取るだけのコンサルにはなりたくない。

そもそもコンサルは友達ではない。

信頼できるパートナーでいたい。

 

あれもこれもと言われるのが嫌な経営者は私から逃げていく。

でも振り返って欲しい。

あの時に言われたとおりになっている。

あの時に言われてやったことが今では生きている。

ただ人は都合がいいので、そんなことなど忘れている。

 

おかげ様で顧問先は10年以上も続いている。

何もしないアナログだけど何かがあるようだ。

知らないうちに熟練のだまし技に磨きがかかっているかもしれない。

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反面教師

2021-04-24 04:52:10 | 薬局

菅総理大臣から学ぶ危機管理対応の在り方とは・・・。

 

大阪府は20日の午後7時半過ぎ、国に緊急事態宣言の発令を正式に要請した。

それを受けて菅総理は「状況を精査し、対策の中身を検討し、速やかに判断したい」とし、大阪府だけではなく兵庫県や東京都にも緊急事態宣言の発令となる。

その緊急事態宣言は明日の25日から来月11日らしい。

20日からの間に何をしていたんだろうか。

緊急性を感じさせない。

 

もし自分の会社で何か大きな事故が起きていた場合、その対応にどれだけの時間が必要だろうか。

自社と国とは規模も影響力も違うというかもしれないが基本的には同じだ。

大阪のコロナ感染者数は急激に増えている。

それは大阪府にいなくてもわかるはずである。

「まん延防止等重点措置」では弱すぎた。

いずれ緊急事態宣言も考慮に入れなければと、事前に検討されていて当たり前じゃないだろうか。

それが、これから「状況を精査し、対策の中身を検討し、速やかに判断したい」では遅すぎる。

火事を見つけて消火活動をするかしないかを「状況を精査し、対策の中身を検討し、速やかに判断したい」では燃えつくされてしまう。

 

その状況を精査するとか対策の中身を検討するというのは、政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」となるのか。

事前に検討させておけばいい。

そして、結論だけを聞いて判断する。

それがトップリーダーに求められている。

その有識者からの諮問についても自分たちに有利な内容は採用するが、不利な内容については無視する傾向が感じられる。

一国民としての率直な感想である。

その結果として信用できない政府となる。

 

この一国民を社員に置き換えて欲しい。

社員は常に社長の判断や行動を見ている。

社長の判断を自分なりに理解し受け止めている。

その判断に時間を要したり、人の意見に左右されたり、自分都合で捻じ曲げられると信頼感などなくなる。

 

危機管理に大切なことは何が起きても想定内として対応できる準備じゃないだろうか。

そういう意味では現政府から学ぶことは多い。

裏でいくら頑張っているといっても「見える化」がなければ意味がない。

コロナ対策から学ぶのはふさわしくないのかもしれないが、リーダーとしてのあるべき対応は学ぶべきことが多いように思う。

 

ファイザー社のワクチンも年内に約1億4,400万回分の供給を受ける契約を結んでいるそうだが、これに積み増す形で5,000万回の追加供給で合意したらしい。

わざわざアメリカまで行って電話による要請である。

追加じゃなくて、早急に供給の要請が必要なんじゃいのだろうか。

追加分はどうするのか。

 

こんなに国内が大変な時に、ゴールデン・ウィーク中にインド・フィリピンへの訪問予定だったそうだ。

もちろん中止になった。

そもそもアメリカから帰ってきたら2週間の隔離が必要なんじゃないだろうか。

総理だけじゃなく、その取り巻き全員の隔離が必要のはずだ。

優先順位を考えるのもリーダーの資質じゃないかと思う。

 

学ぶべきことは多い。

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よってたかって

2021-04-23 05:22:37 | 薬局

一つまたいで財政制度等審議会からの続きとなる。

 

気になる調剤技術料に関しては2015年に出された「患者のための薬局ビジョン」がどれだけ遂行されているかが問われている。

そのキーワードは「対物業務から対人業務へ」である。

対物業務とは処方箋を受け取っただけで算定できる報酬となる。

「調剤基本料」「後発医薬品調剤体制加算」「薬剤服用歴管理指導料」そして「調剤料」となる。

この内の「後発医薬品調剤体制加算」については、後発医薬品メーカーの不祥事から何かと風向きが変わってきている。

しかも相次ぐ回収問題が混乱をきたす。

ただ財政制度等審議会では不祥事に関係なく、これからも使用促進を推し進めるとしている。

2015年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」から掲げられていた後発医薬品にかかわる数量目標の80%は2020年9月で78.3%の未達で終わっている。

そろそろインセンティブとしての報酬からディスインセンティブのペナルティーへの切り替えが議論されている。

ここは要注意で、今年中に最低でも80%以上に、85%以上なら安全圏と認識して欲しい。

途中が長くなったが要は上記報酬の見直しが足りない、対応が遅いとの指摘があった。

 

2015年における調剤医療費における「調剤基本料」(29%)と「調剤料(54%)の合計比率は83%であった。

それが2019年では29%と51%の80%で3ポイントしか「薬学管理料」が増えていない。

中でも「調剤料」に対する風当たりは強く、いつも比較されるが院内との格差が指摘されている。

 

今回の中医協での具体的な話し合いは、いつもより遅めで秋近くになりそうだ。

それまではマスクの下の顔のように見えていそうで見えていない。

秋近くに突然のように対物業務の大幅な引き下げがあり、「地域連携薬局」の機能に沿った対人業務が出てくる。

 

その時点で足りない実績に右往左往することがないように今からの準備が必要になる。

大事なことは、いつも伝えている「患者のための薬局ビジョン」に示されている3つの大きな要件になると思う。

「服薬情報の一元的・継続的把握」「24時間対応・在宅対応」「医療機関等との連携」である。

この3つは「地域支援体制加算」に通じ、「地域連携薬局」への道でもある。

 

財政制度等審議会での考え方は財務大臣を通じて、内閣府の「経済財政諮問会議」に反映される。

「経済財政諮問会議」の議長は総理大臣であり、ここでの決まりごとは「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2021」として来年度予算に盛り込まれる。

盛り込まれるということは調剤報酬改定を左右する。

 

今を良しとせず、常に先を見据えた行動が大事になる。

調剤報酬に関しては、色々なところから見直しが提案されている。

よってたかってどうしたいのか。

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領域侵犯

2021-04-22 04:29:46 | 薬局

大手の寡占化が進むかもしれない提案が出された。

 

20日の規制改革推進会議医療・介護ワーキンググループ(WG)に、バイタルサインで著名な医師が、何を思ったのか現行法では認められていない「調剤業務の外部委託」についての提案があったらしい。

しかも外部委託先では薬剤師以外の調剤業務の活用も視野に入れての提案のようだ。

この部分はかなり積極的に活動している医師である。

薬剤師の対物業務を軽減させ、対人業務へシフトさせるとの考えらしい。

資料によると対物業務の効率化には「積極的な機械化やICT化」「非薬剤師の育成と投入」「対物業務効率化ノウハウ」が必要としている。

薬局の8割を占める中小薬局では、上記の3つの条件を満たすのは難しいとしている。

その結果として「調剤業務の外部委託」につながるらしい。

これでいいのか。

 

ここからは情報誌の記事の抜粋を紹介したい。

「処方箋を応需した薬局が患者への服薬指導や服用中フォローを行う一方で、別の薬局が調剤業務のみをまとめて受託する流れを提示」と資料の説明がある。

さらに「受託した薬局が調剤済み医薬品を、応需元の薬局へ納品する『部分委託』と、患者宅へ配達する『完全委託』の2パターン」も資料で示されている。

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/iryou/20210420/210420iryou02.pdf

この考えは2016年にクオールが在宅の注射処方箋について、自社で注射専門に調剤する薬局で対応し、それを宅配業者が届ける仕組みを新聞等に発表した。

いわゆる「調剤ハブ構想」である。

ところが当時の厚生労働省から不可が出て立ち消えとなっている。

それを蒸し返す形になる。

 

記事によると、現状の医薬品医療機器等法(薬機法)では「薬局が患者から処方箋を受けた場合、調剤は『処方箋を応需した薬局』の中で、そこで働く薬剤師が行わなければならない」としている。

驚くのは、この提案に対して厚生労働省から出された資料では「安全性の担保や(処方箋を応需した)薬局の責任を前提としつつ、前向きに検討したい」との回答が見受けられる。

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/iryou/20210420/210420iryou03.pdf

 

こうなると中小薬局の生き残り策はどうなるのか。

先ずはドラッグストアの動きが気になる。

地域の中にメガ調剤センターを立ち上げ、その周辺のサテライト店舗への医薬品供給が可能になる。

サテライト店舗では在庫を持つ必要がなくなり出店がしやすくなる。

中小薬局から処方箋が奪われる。

 

もちろん大手調剤薬局も黙ってはいない。

処方箋受付サテライトセンターがいくつもできる。

そこに処方箋を応需して服薬指導を済ませる。

薬は実証実験中のラストワンマイルで宅配やバイク便などで自宅に即日配送となる。

他にもいろいろ考えられることが出てくる。

 

そもそもどこからそんな発想を提案したのか。

薬剤師を何だと考えているのか。

朝から晩まで調剤業務だけの薬剤師に夢はあるのか。

 

さて、今日の内容は昨日に続き経済財政諮問会議からの予定だった。

ところが私にとってはあまりにも気になり過ぎて、この内容に切り替えた。

皆さんはどう思っただろうか。

薬局を取り巻く経営環境は外部からいろいろ言われ過ぎだ。

それに対応する組織団体が弱い。

 

どうなるのか?

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割を食う

2021-04-21 04:25:14 | 薬局

調剤報酬改定の宿敵が動き出す。

 

財務大臣の諮問機関に「財政制度等審議会」があり、その中の「財政制度分科会」が社会保障の在り方にモノ申す。

社会保障というと広いが、その中の医療費、さらに調剤報酬に関してはいつも厳しい指摘がある。

 

先ずターゲットとして挙げられているのは薬価である。

医療費全体の医薬品費の占める割合は21.7%の約10兆円となる。

資料によると医科医療費の医薬品費の占める割合は、約20%程度、歯科医療費では10%程度、調剤医療費では80%程度と示されている。

調剤医療費に占める医薬品費の割合は、以前は70%程度だったような気がするが80%程度になっていた。

実際に2017年の同審議会での資料では70%となっていた。

これは長期処方に伴う医薬品の増加が影響しているような気がする。

処方箋単価は高くなっているが技術料比率は下がっていることになる。

 

問題は、この80%が毎年引き下げになる影響の大きさにある。

意外に皆さんは暢気に構えているようだが、価格交渉をすればするほど薬価が下がる。

薬価が下がると同じ率での交渉では薬価差が圧縮される。

もちろん薬価が下がると製品価値が上がるので、製薬メーカーは仕切り価格を引き上げる。

製薬メーカーの仕切価格引き上げが医薬品卸の利益を圧迫するので価格交渉は難航する。

 

4月に入って薬価中間改定があり、価格交渉が始まっていると思うが、いくら交渉しても決まらない。

なぜなら医薬品卸にも目標利益がある。

いわゆる自分たちの食い扶持である。

目標利益が確保できるかどうかは価格ミックスの出来具合にかかっている。

価格ミックスとは安い価格と高い価格を織り交ぜて利益の調整を行う事である。

わかりやすいのは大手調剤チェーンや共同価格交渉グループ、さらには急伸しているドラッグストアの価格に、ある程度めどが立たないと、中小薬局の価格が決まらない。

言い方が悪いが大手などの価格による利益減を中小薬局で調整することになる。

 

薬価差益の経営に及ぼす影響は大きい。

しかし、その薬価の改定ルールから薬価差益には限界がある。

あるうちはありがたくいただくが、いつもでもあると思うな薬価差益である。

 

次に、肝心の調剤報酬に関してであるが話は明日に続く…。

思いのほか薬価ではまってしまった。

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